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キャリアプランとは?考え方や注意点、メリットをまとめてみた

VISION

「10年後、どうなっていたいですか?」
こう聞かれて、あなたはすぐに明確な答えを返せるでしょうか。

実際、2018年に約3000人の社会人対象で行われた調査によると、「将来に向けたキャリアプランを明確に描いている」と答えた方の割合はわずか6%でした。

その一方で、自身のキャリアを考える理由については「自身の経験が将来も通用するか分からないから」など先行きの不透明さを不安視した声が男性の約7割を占める結果となりました。
(出典:「キャリアプランに関する意識調査」)

つまり、将来の不安があるから能動的にキャリアを形成していく必要は感じていながらも、日々の仕事に追われてキャリアと向き合う機会がなかなか取れていないということが分かります。

不安定な現代を生き抜くのに必要だと考えられているキャリアプラン。

具体的にはどういうものなのか、考え方や注意点、メリットなど、実際にキャリアプランを考えるにあたっての基礎的な知識をまとめてみました。

キャリアプランとは?

キャリアプランとは、「自分の将来の理想像を明確にし、理想の実現を目指して構築された具体的な行動計画」を指します。

「キャリア」という言葉は一般的に職歴や経歴を表わしますが、ここでの「キャリア」は広義的な意味として使用されており、個人がその人生を通じて持つ連続した経験のことを表します。

キャリアビジョン・キャリアデザイン・キャリアパスとの違い

キャリアプランを正しく理解するために、その関連用語を整理してみましょう。

キャリアビジョン

キャリアビジョンとは、「将来自分がどうなっていたいのかという理想像」を指します。

ここでのキャリアとは単なる職歴ではなく、今後の生き方や働き方という意味合いが強く、人生における理想像と考えることができます。
キャリアプランの最終的な目的地がキャリアビジョンです。

キャリアデザイン

キャリアデザインとは「キャリアプランを主体的に設計すること」を指します。

周りに流されて受動的にキャリア選択を行うのではなく、自分の仕事や自分の人生に対して理想を描き、実現のための主体的に選択をしていくことを意味します。

キャリアパス

キャリアパスとは「あるキャリアを得るための道筋」を指します。

具体的にはひとつの企業の中で、特定の役職やポジションに就くために必要な業務経験やスキルなどを示したものであり、昇進や昇格のモデルプランとなります。

キャリアプランとの違いは、キャリアの意味が広義か狭義かという点です。

キャリアプランは人生の理想像に向かっての計画ですが、キャリアパスはその理想を目指すために一つの企業の中で具体的にどのようにスキルアップしていくのかを指したものとなります。

【関連】キャリアパスとは|企業にとっての必要性とメリットを知っていますか?

キャリアプランを作成する理由

キャリアプランの作成が必要な理由としては、社会の変化によって会社任せのキャリアプランでは対応が出来なくなったことが挙げられます。

企業や自身の先行きの不透明さから、個人の実力をつけることで仕事を確保していくことが必要となりました。
これからの時代は○○社の社員としてではなく、個人として明確なキャリアプランを持ち、それに基づき主体的なキャリア選択を行うことが重要です。

従来の日本の雇用制度の崩壊

高度経済成長期以降、「終身雇用」や「年功序列制」に基づいたキャリアプランが中心となっていました。
ひとつの企業でキャリアを積んでいくことが一般的であったため、「どんな仕事をするのか」「どのようにキャリアアップを進めていくのか」といったキャリアの構築は、個人の代わりに企業が主導となって決めてくれていたのです。

一方ここ30年で、日本のビジネスを取り囲む環境は大きく変化しました。
労働人口の減少や危機的不況を受け、「終身雇用」や「年功序列制」は終わりを迎えようとしています。

ついに2019年5月には、経団連会長やトヨタの社長らが『終身雇用を維持することはもはや不可能』と表明しました。

終身雇用が崩壊してしまえば、長期勤務を前提とした企業主導のキャリア構築は不可能です。

AIの進化による業務の自動化

世界的な技術革新により、今従事している仕事も将来AI化され、業務がなくなるかもしれません。

2014年に行われた野村総研とオクスフォード大学の共同研究では、コンピューターの技術革新が進むことで日本の労働人口の49%が20年以内に自動化される可能性を示しています。

(出典:「日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に ~ 601 種の職業ごとに、コンピューター技術による代替確率を試算 ~」)

キャリアプランを作成するメリット

キャリアプランの作成によるメリットは次の3つです。

①今行うべきことがわかる

②仕事へのモチベーションが上がる

③キャリア選択の機会を有用に使える

メリット①:今行うべきことがわかる

自分の理想の姿から現在の状況までを逆算していくことで、今とるべき行動が見えてきます。

たとえば5年後フリーランスとして独立したいと考えているなら、独立までには豊富な実務経験、安定受注につながるネットワークの構築などが必要だと考えられます。

ここまで落とし込むことで「1か月30件は受注して経験を積もう」「積極的に交流会に参加してビジネスに繋がる人脈を築こう」といった具体的な行動が見えてくるでしょう。

メリット②:仕事へのモチベーションが上がる

仕事へのモチベーションが下がる原因は、働く目的を見失うためです。
キャリアプランを作成すると、日々の業務が自分のビジョンに繋がっていると感じることができ、仕事に対してモチベーション高く自律的に取り組むことができます。

メリット③:キャリア選択の機会を有用に使える

終身雇用がなくなった現代では、キャリアに関する選択をする機会が何度もあります。
結婚や出産、転勤、転職などのタイミングでどのような選択をするのか考える際に有用なのがキャリアプランです。結婚ひとつとっても、寿退社するのか、そのまま続けるのか、転職するのか、キャリアの選択肢はたくさんあります。

自分の理想像に近づくためには何が最も有益なのかという視点で選択を行うことで、着実なキャリア形成に繋がります。

キャリアプランの作成手順

では、キャリアプランの重要性が分かったところで、その作成手順を見ていきましょう。

①自分の過去を棚卸する

①自分の現在の状況を理解する

③自分の将来を考える

④将来と現在を繋ぐ道筋を作成する

この4つのステップに沿って、キャリアプランを考えます。
全てのステップに有用なのがキャリアプランシートです。

それぞれのステップにおける具体的な考え方や、キャリアプランシートの使用法は次の記事で詳しく解説しています。

【関連】キャリアプランシートを作成する手順や例、面接対策まで解説!

立場・年代別のキャリアプラン

キャリアプランの意義や考え方は立場や年齢によって異なります。

それぞれの立場や年代にとってのキャリアプランについて考えてみましょう。

女性にとってのキャリアプラン

女性の場合、職業的キャリアだけではなく、ライフキャリアも踏まえたうえで、どういった人生を歩みたいのかと真摯にライフプランと向き合うことが重要です。

その理由はライフイベントがキャリアに大きく影響するため、女性は男性に比べてキャリアが断続的になりやすいという特徴があるからです。

例えば出産をするならば、産前産後休業で3か月はお休みを取ることとなり、育児休業も取得する場合は最長で2年職場から離れることとなります。
出産後の選択肢も復帰や転職など様々で、選択した道によってその後のキャリアが大きく変わります。

非正規雇用者にとってのキャリアプラン

非正規雇用とはパートやアルバイト、派遣社員や契約社員といった働き方を指します。

雇用全体に占める非正規労働者の割合は増加傾向にあり、終身雇用制が崩壊することからも更なる増加が考えられます。

希望に合った勤務先を選ぶために、今後は非正規雇用でもどのようなスキルや経験を保有しているかが重要になります。

また正規雇用との賃金格差が大きいことから、キャリアプランに総合的な資金計画という面も付与させると安心です。

学生にとってのキャリアプラン

学生の段階から、将来どうなりたいのかというビジョンを持って、人生の方向性を決めることが重要です。

日本の新卒採用はポテンシャル採用であるため、経験のない業界に就職することも可能ですが、中途採用となると未経験分野への挑戦は一気に難しくなります。

ファーストキャリアはその後のキャリア選択にも影響を与えるため、就職する前にキャリアプランを定めておきましょう。

また、キャリアプランの作成は面接対策にもなります。

キャリアプランを作成するには自分の能力や価値観の棚卸が必要であるため、自己の経験が整理され、面接で端的な回答ができるようになります。

さらに将来の明確なビジョンを持つことで、仕事を通じてやり遂げたいことや、そのために会社でどのように働きたいのかを具体的にアピールできます。

人事担当者の目には、キャリアプランを軸として一貫した回答ができる就活生は、好印象に映ることでしょう。

新入社員にとってのキャリアプラン

この年代においては、現在描いているキャリアプランに固執しすぎることなく、広い視点でキャリアを積むことが有用です。

入社前のキャリアプランは、実務経験がなく、業界への知識も浅い状態で描いた不確定要素の多いプランであるため、今後自身のスキルアップによってそのプランが変わる可能性が大いにあるからです。

新入社員の約3割が3年以内に離職すると言われていますが、退職理由としては希望と実際の業務内容のミスマッチが多いようです。
入社して1~3年目は、その後のキャリア形成のための下積み時代ととらえられています。
そのため希望とは違う部署に配属されることもありますし、入社前に聞いていた業務とは内容が異なることもあるでしょう。

入社前にしっかりとキャリアプランを構築していた人ほど、「思っていた仕事と違う!」といった思いを抱きやすいです。

もちろん、自身のキャリアプランに沿って主体的に選択を行うのもよいですが、プランに組み込まれていなかったことにも挑戦していく中で、ブラッシュアップが見込めます。

若手社員にとってのキャリアプラン

入社して数年が経ち、知識や経験が増えたことで、入社した時とは自分の業務に対する見え方が大きく変わる頃です。
現状に合わせてキャリアプランを構築しなおすことで、より具体的なプランにすることが可能です。

とはいえ若手社員は、まだまだ経験よりもポテンシャルが重視される立場ですので、今までの経験に固執しすぎず、本当にやりたい仕事や自分に合ったキャリアを目指すことができます。
キャリアプランを作成する場合には再度じっくりと自己分析を行い、目標を定めるようにしましょう。

中堅社員にとってのキャリアプラン

この年代になると、組織の中核を担っていく人材としての成長を期待されます。
経営幹部を目指すのか、もしくは専門職を目指すのかによって、進むべき道筋が大きく分かれてくる段階です。

会社から期待されているキャリアと、希望しているキャリアに相違がないかという視点でキャリアプランを構築しましょう。
会社から提示されている仕事は、自分の希望するキャリアにとって望ましいことなのか否かを考えることが重要です。

実務経験を積んできたことで、どういった分野で価値を発揮できるのか自分の市場価値もある程度認識できるようになっているはずです。
希望キャリアを考える際には、まったく新しいことにチャレンジするよりも、これまでの経験を分析して、実現可能性が高いことに取り組むほうがよいでしょう。

ベテラン社員にとってのキャリアプラン

終身雇用制度が終了することにより、一番大きな影響を受けるのがこの世代かと思います。実際に名だたる大手企業でも45歳以上の労働者に対して早期退職者を募集し始めています。
40代以上の転職は以前に比べると一般的になってきたと言えるでしょう。

それゆえ、ベテラン社員のキャリアプランには柔軟さが必要です。
以前の会社では評価されていた実績が転職活動では評価されず、同業種間でも転職が難しい場合や、転職後年収が下がる場合もあります。
そうなった際に、たとえば条件を譲歩して希望勤務地を首都圏から地方に変更したり、業種にこだわらず関連のある別分野に挑戦したりと、時代と環境に応じたキャリアプランを持つことが重要です。

まとめ

変化の大きい現代においては、自分の人生を主体的に生きるためにキャリアプランの作成は必要不可欠です。
立場や年代に合わせて、重要なポイントを理解したうえで、キャリアプランを作成し、活用していきましょう。

しかし、いざキャリアプランを作ろうと思っても何から始めていいのか分からないのではないでしょうか。

その場合は、キャリアプランシートの使用がおすすめです。

フォーマットに則りながら目標設定や自己分析を行うため、段階的にキャリアプランの構築を進めることが可能です。

キャリアプランシートの作り方や、面接での生かし方については「キャリアプランシートを作成する手順や例、面接対策まで解説!」をご覧ください。

2019.07.29 up
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