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企業向け
障害者雇用の手引き②|実際に採用するまでの流れや注意すべきポイントを解説

正社員を45.5人以上抱える企業には障害者の雇用義務がありますが、

 「法律で定められているから」
「罰則が科されるのは困るから」

といった理由だけで障害者を雇用しているようでは、企業の生産性の向上は望めません。

障害者雇用を成功させるために注意すべき点と実際に雇用するにあたっての採用までの流れを解説していきます。

障害者雇用の概要や推進法、制度などに関しては、「障害者雇用の手引き①|内容や目的、メリット、罰則を解説」をご確認ください。

障害者雇用を始めるにあたってのポイント

障害者を雇用するにあたって企業はどのような点を見直すべきなのでしょうか。

障害者雇用の理解を深める

まずは障害者の採用に向けて、障害者雇用事例や障害者雇用の制度、支援制度などに関する理解を深めることが大切です。

経営のトップをはじめ、従業員が障害者に対する知識を得たうえで採用に踏み出すことが成功のポイントです。

関連期間と連携を取る

企業にマッチした障害者雇用を行うためには、ジョブコーチや障害者就労・生活支援センター、ハローワークなどの就労支援機関との連携が必須です。

また、他の障害者雇用企業と連携を図ることで、同じ課題を抱える企業視点で新たな解決策を見いだせる機会も生まれます。

企業トップが雇用促進の姿勢を示す

経営層を含む企業のトップが障害者雇用に対する共通認識を持ち進めていく意志を示すことが、障害者雇用成功への近道です。

「障害者の雇用促進に全社で取り組む」という方針をトップが打ち出すことで、障害者雇用率が改善するケースは少なくありません。

受け入れ部署の従業員の不安を解消する

配属先が決まったら、受け入れ部署の従業員に対する負担が大きくならないよう配慮しなければなりません。

事前にミーティングの時間を設け、また配属後も相談できる体制を整えておくことで不安を軽減するとよいでしょう。

障害の程度や業務内容はもちろん、得意・不得意なこと、コミュニケーションの取り方に関する事前情報を共有することで、受け入れ側の心構えが変わってきます。

障害者雇用までのステップ【準備】

続いて、障害者雇用の採用に向けた準備段階で、企業が取るべき行動についてまとめてみました。

支援機関へ相談する

企業にマッチした障害者の雇用には、支援機関からのサポートが欠かせません。

ここでは代表的な5つの支援機関をご紹介しますが、厚生労働省のホームページでは近隣の支援機関を探すことも可能です。

障害者の採用を検討している企業は、まず支援機関へ相談を持ちかけてみてはいかがですか?

【参考】障害者の方への施策厚生労働省

ハローワーク

就職を希望する障害者の求職登録を行います。
また、専門職員や職業相談員が、ケースワーク方式により障害の種類・程度に応じたきめ細かな職業相談・紹介、職場定着指導等を実施しています。

障害者就業・生活支援センター

障害者の身近な地域において、雇用や保健福祉、教育等の関係機関と連携を取りながら、就業面および生活面における一体的な相談支援を実施しています。

地域障害者職業センター

ハローワークとの連携のもと、職業評価や職業指導、職業準備訓練、職場適応援助等の専門的な職業リハビリテーションを提供する施設です。

職場適応援助者(ジョブコーチ)の職場派遣事業を含め、初めて障害者を雇用をする企業に細やかなサポートをしてくれます。

就労移行支援事業所

障害のある人への支援を定めた法律「障害者総合支援法」に基づく障害福祉サービスです。

就労を目指す障害者に対して、仕事に就くために必要な知識や能力を身につける職業訓練・就職支援・就職後の職場定着まで一貫したサポートを行っています。

【参考】障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス厚生労働省

障害者専門人材紹介会社

障害者雇用を専門に扱う人材紹介サービスです。
人材の紹介だけでなく、法定雇用率の確認や採用計画の策定、入社後のフォローアップ、定着支援まで行ってくれます。

企業と求職者の間に立って、ミスマッチのない採用をサポートしてくれます。

障害者雇用の方針や採用計画を具体化する

障害者の雇用に向けて、企業の方針や採用計画を具体化していきましょう。

  • 従事させる仕事の選定・創出
    (既存業務をお願いするのか、障害者が従事できる業務を新たに作りだすのか、どのような業務か)
  • 障害の程度
    (障害の特性を理解した上での対応方法の確認)
  • OJTリーダーの選出
    (配属部署のどの従業員がメインとなって指導を担当するか)

このほか、バリアフリー化や安全対策など、職場環境の見直しも必須です。

企業のトップや経営陣、従業員が障害者に対する共通の意識を持ち、必要に応じて支援機関に協力を依頼し・連携しながら進めましょう。

障害者職業生活相談員の選任

障害者職業生活相談員は、障害者の職業生活全般における相談・指導を行います。

障害のある従業員を5人以上雇用する企業は、「障害者の雇用の促進等に関する法律」により、厚生労働省が定める資格を有する従業員の中から障害者職業生活相談員を選任することが義務づけられています。

【参考】障害者職業生活相談員資格認定講習独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構

障害者雇用までのステップ【採用】

しっかりと準備をした後は、実際に採用に着手しましょう。

労働条件を設定する

障害者雇用推進法では、障害者に対する差別は禁止されています。
企業は募集・採用において、障害者に対して障害者でない者と均等な機会を与えなければなりません。

賃金・教育訓練・福利厚生・その他の待遇について、障害者であることを理由に不当な差別的取り扱いをしてはなりません。

給与を決定する際は、

  • 一般雇用と同様に最低賃金制度を順守すること
  • 従業員の定着に向けて職務評価および業績評価の反映をすること
  • 従業員の実務経験やスキルなどを考慮すること

を心がけましょう。

また、重度の障害者でも自宅に適宜な設備と環境を整備することで、リモートワークでの採用も可能です。

在宅勤務者であっても、「障害者作業施設設置等助成金」「障害者福祉施設設置等助成金」「障害者介助等助成金(職場介助者の配置または委嘱助成金)」を受け取れる可能性があります。

詳しくは、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページをご確認ください。

求人を出す

障害者の雇用に向けた求人には、いくつかの方法があります。
メリット・デメリットを踏まえて自社に合った方法を選びましょう。

自社サイトで募集する

企業の自社サイトに求人項目を掲載する方法です。

  • メリット:業界・業種に興味を持った方からの応募が集まる可能性が高い
  • デメリット:求人媒体に比べると閲覧数が少ない

求人媒体を利用する

求人媒体に掲載料金を支払って、WEB媒体や紙媒体に求人を出す方法です。

  • メリット:自社サイトに比べて閲覧数が多い
  • デメリット:採用の可否にかかわらず掲載料などの費用がかかる

ハローワークに障害者雇用の求人票を出す

  • メリット:求人登録が無料/障害者雇用に関する相談も無料/採用に至った場合、各種助成金の交付を受けられる
  • デメリット:掲載できる情報量が少ないため、ミスマッチが起こるケースがある

障害者職業面接会へ参加する

ハローワークや民間の人材紹介事業所が開催する、障害者向けの職業面接会やイベントに参加する方法です。

  • メリット:一度に複数名の求職者と直接話ができる/企業と求職者がイメージを掴みやすくミスマッチが起こりにくい
  • デメリット:面接時間が短く、一人ひとりと深い話ができない可能性がある

就労移行支援事業所や特別支援学校との連携募集

就労支援機関や特別支援学校に、求職者の紹介を依頼する方法です。

  • メリット:コストを抑えて、企業と求職者が希望を伝えながら採用に向けたアプローチができる
  • デメリット:事業所や支援学校によって障害程度に違いがあるため、どの機関と連携をとるか見極めが必要

就職・転職エージェントを利用する

  • メリット:企業と求職者の高いマッチングが可能/採用計画や雇用条件の相談、入社後の定着支援など、一貫したサポートを受けられる/入社確定後の完全成果報酬の場合が多く、採用に至らなかった場合は費用が発生しない
  • デメリット:エージェントが介入するため採用までに時間がかかる/費用が高い

面接をする

一般の採用面接と同様、「志望動機」「交通手段」「希望職種」に加えて、障害に関する質問をします。

このとき、相手を差別するような言葉や、気分を害するような質問を投げかけないよう注意が必要です。

「職務や配属などを決めるため」「気持ちよく働いてもらうため」と質問の意図をしっかり伝えてから尋ねるようにしましょう。

障害者雇用までのステップ【入社後】

障害者の入社が確定した後は、どのような手続きをすべきなのか解説していきます。

助成金の受給額の確認

障害者の雇用が決定したら、障害者雇用に関する助成金の中から利用できるものの条件や受給額などを確認し、申請に必要な書類を準備しましょう。

障害者雇用に関する助成金については「障害者雇用の手引き①|内容や目的、メリット、罰則を解説」をご確認ください。

雇用後のフォロー

障害者雇用のゴールは、障害者の雇用義務を果たすことではありません。
障害者が働きやすい環境を整備しながら、職業定着を目指すことです。

そのためには、従業員に対して「障害の特性を配慮した話し方や仕事の進め方」に関する研修を実施し、障害者の虐待防止などに努めなければなりません。

社内でのサポート体制を整え、専門機関と連携を取りながら進めていきましょう。

障害者雇用に関する届出

障害者雇用促進法に基づき、従業員(正社員)45.5人以上の企業は、毎年61日現在の障害者の雇用に関して「障害者雇用状況報告」をハローワークに届出なければなりません。

また、障害者を解雇するときも、企業はその旨を速やかにハローワークに届け出なければなりません。

まとめ

障害者雇用は「難しい」「手続きが煩雑」といわれがちですが、障害者雇用に関する制度や採用のポイントを抑えれば、決して難しいことではありません。

これから初めて障害者の採用に取り組む企業は、採用までの流れを見直し対策を進めていきましょう。

2019.08.27 up
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