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企業向け
外国人雇用の手引き①|現状や背景、支援制度、メリット、罰則を解説

人材不足を解消する一手として、毎年増加傾向にある外国人労働者の雇用。
日本はこれから‟外国人が隣で働くの当たり前の時代”に突入するといわれています。

では、外国人の雇用は企業にとって一体どのようなメリットがあるのでしょうか。

外国人雇用が推進されている背景と国の支援制度、罰則まで詳しく解説していきます。

外国人雇用の現状

少子高齢化社会が深刻化する日本において、外国人労働者の雇用は毎年増加傾向にあります。

厚生労働省の発表によると、平成30年10月末現在の外国人労働者数は146万人超と、届出が義務化された平成19年以来、過去最高数を更新したことが明らかになりました。

国籍別でみると中国が最も多く、ベトナム、フィリピン、ブラジル、ネパールの順で構成されています。

【引用】「外国人雇用状況」の届出状況まとめより「在留資格別にみた外国人労働者数の推移」-厚生労働省

 

推進されている背景

外国人雇用が増加している背景には、労働力人口の減少やグローバル競争の激化のほか、外国人観光客の増加によるインバウンド需要、ITの発達によるエンジニア需要が高まっていることが考えられます。

また、2019年4月の改正入管法による外国人労働者の受け入れ拡大により、これまで認められてこなかった外国人の単純労働が認められるようになりました。
これを受けて、人材不足に苦しむ中小企業では、外国人の雇用がますます増加するといわれています。

厚生労働省による外国人雇用に関するルール

外国人労働者が日本で安心して働き、その能力を十分に発揮する環境を確保するため、厚生労働省では事業主が行うべきルールを定めています。

募集及び採用における差別の禁止

国籍で差別しない公平な採用選考を行わなければなりません。

日本国籍ではないこと、外国人であることを理由に、求人者が採用面接などへの応募を拒否することは、公平な採用選考の観点から適切とはいえません。

労働条件の確保

労働基準法や健康保険法などの労働関係法令・社会保険関係法令は、国籍を問わず外国人にも適用されます。
国籍を理由とした賃金や労働時間などの労働条件の変更は、差別的取扱いとして禁止されています。

労働契約を締結した際は、賃金や労働時間など、主要な労働条件について書面で明示する必要があります。
その際、母国語等により外国人が理解できる方法で明示するよう努めましょう。

また賃金の支払いや労働時間管理、安全衛生の確保等については、労働基準法や最低賃金法、労働安全衛生法等に従って適切に対応しなければなりません。

安全衛生の確保

安全衛生教育は、外国人労働者がその内容を理解できる方法で行わなければなりません。
特に使用する機械、原材料の危険性・有害性を理解させ、取扱方法を確実に伝えることが大切です。

労働災害防止のための指示を理解させるために必要な日本語や基本的な合図を習得させるよう努めましょう。

また労働安全衛生法には、健康診断や面接指導、ストレスチェックの実施も定められています。

保険や法律の適用

労働・社会保険に関する法令の内容、保険給付に関する請求手続について、外国人労働者が理解できる方法により周知し、必要な手続きをとらなければなりません。

特に外国人労働者が離職した際は、被保険者証を回収すること、国民健康保険及び国民年金の加入手続が必要な場合はその旨を教示することが大切です。

健康保険及び厚生年金保険が適用にならない事業所においては、国民健康保険・国民年金の加入手続について必要な支援を行うよう努めましょう。

このほか、離職票の交付や労災保険給付の請求手続き、外国人労働者やその家族からの相談に応ずるなどの援助を怠ってはいけません。

適切な人事管理、教育訓練、福利厚生等

外国人労働者が円滑に職場に適応できるよう、社内規程の多言語化、母国語での導入研修の実施など、職場において円滑なコミュニケーションがとれる環境の整備に努めなければなりません。

また、職場で求められる資質や能力といった社員像を明確化することで賃金を決定したり、配置等の人事管理に関する運用の透明性・公正性を確保し、多様な人材が適切な待遇のもと働ける環境を整備する必要があります。

在留期間が満了し、在留資格の更新がなされない場合は雇用関係を終了し、帰国のための手続きを行い、相談に応じます。

病気等やむを得ない理由による帰国で旅費の支払いができない場合には、旅費を負担しなければなりません。

解雇等の予防及び再就職の援助

事業規模を縮小するなどやむを得ない事情があっても、安易な解雇を行ってはいけません。

解雇・離職する場合において、外国人労働者が再就職を希望する場合は、関連企業等へのあっせんや教育訓練の実施、求人情報の提供など、再就職が可能となるよう在留資格に応じた必要な援助を行う必要があります。

労働者派遣又は請負を行う事業主に係る留意事項

「請負契約」の名目で労働者の供給事業や労働者派遣事業を行うことのないよう、職業安定法・労働者派遣法を遵守しなければなりません。

外国人労働者を常時10人以上雇用するときは、人事課長等を雇用労務責任者として選任し、人事管理・生活支援等の職務を行わなければなりません。

外国人労働者の在留資格に応じて講ずべき必要な措置

特定技能の在留資格をもって在留する外国人労働者に対し、出入国管理及び難民認定法等が定める雇用契約の基準や受入れ機関の基準に気をつけて、必要に応じた届出や支援を実施しなければなりません。

【参考】外国人雇用のルールに関するパンフレット – 厚生労働省

外国人雇用に対する国のサポート体制

外国人の採用や雇用管理を考える企業を支援するため、厚生労働省はさまざまなサポート体制でバックアップしています。

外国人雇用管理アドバイザー

外国人雇用管理アドバイザーとは、外国人労働者の雇用管理に関する問題を抱える事業主に対して、雇用管理の改善を手伝う機関のことです。

外国人雇用管理アドバイザーへの相談は無料です。

各都道府県に設置された「外国人雇用管理アドバイザー」への相談の申し込みは、お近くのハローワークまでお問い合わせください。

【参考】外国人雇用管理アドバイザー - 厚生労働省

助成金

外国人を雇用する際に必要な研修や教育費用は、国の助成金を活用して補うことができます。

雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金を含む)

雇用調整助成金とは、景気の変動や産業構造の変化といった経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的な雇用調整(休業、教育訓練または出向)を実施することによって、従業員の雇用を維持した場合に助成される制度です。

中小企業主が申請する場合、以前までは「中小企業緊急雇用安定助成金制度」を利用していましたが、助成金の財源不足のため、中小企業の区分を残して平成25年4月より雇用調整助成金に整理統合されました。

外国人労働者の教育訓練を実施した場合、1人1日当たり1,200円支給されます。

【参考】制度概要パンフレット – 厚生労働省

外国人雇用が企業にもたらす4つのメリット

今後ますます需要が高まることが予想される外国人労働者の雇用は、企業にどのようなメリットをもらたすのでしょうか。

人材不足の解消

外国人労働者の受け入れにより、深刻化した労働力不足を解消できるのが最大のメリットです。

国内の採用で苦戦しがちな若手社員の採用を、外国人労働者で補うことが予想されます。

専門的・技術的分野において戦力になる

教育や文化など、異なる環境で育ってきた外国人労働者は、今までにない斬新なアイディアを創出する可能性が高いと言われています。

また、日本で就職を考えている外国人には勤勉で有能な人材が多く、専門的・技術的分野において即戦力になることが期待されています。

多言語対応が可能

自国の言語だけでなく日本語や英語も話せるマルチリンガルを雇用することで、翻訳・通訳など多国語での対応ができるだけでなく、社内のグローバル化は国外に向けたビジネス展開の一助となる可能性があります。

助成金を受け取れる

経済状況が悪化し従業員を解雇しなければならない状況に追い込まれた企業にとって、助成金は1つの資金源となります。

外国人労働者のスキルアップや雇用維持を目指し、生産性の向上が望めます。

外国人雇用に関する罰金・罰則

最後に外国人労働者を採用する際、具体的にどのような点に注意したらよいのかおさらいしておきましょう。

不法就労をさせた場合は罰金が科せられる

入管法73条2項により、下記のようなケースの場合は「不法就労」として3年以下の懲役、又は、300万円以下の罰金が科せられるので注意が必要です。

  • 「短期滞在」や「留学」などの就労が認められない在留資格の外国人が就労した場合
  • 入国の許可を受けていない者や在留期限を過ぎた者が就労した場合

報告義務を違反した場合は罰金が科せられる

外国人労働者を雇用する場合、正社員や契約社員はもちろん、アルバイトであってもハローワークに「外国人雇用状況の届出」を提出しなければなりません。

届け出をしなかったり虚偽の申告をすると、罰則の対象となり30万円以下の罰金が科せられるケースもあるため注意が必要です。

まとめ

少子高齢化による人材不足を解消する新たな働き手として、外国人労働者に対する需要は今後ますます高まっていくことが予想されます。

外国人労働者の雇用を検討している企業は、『外国人雇用の手引き②|採用・受け入れ方法や注意すべきポイントを解説』も合わせてご確認ください。

2019.08.07 up
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