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株式会社ニトリホールディングス
ホワイト企業診断結果
法令遵守 認定項目
- 就業規則、雇用契約書、各種協定関係書類等を法定通りに作成しており、就業規則は従業員がいつでも閲覧できるように周知している。
- 雇用保険/社会保険を加入要件を把握しており、法定基準を満たした運用がされている。
- 労働時間、残業時間は実態通りに把握および管理できている。(サービス残業等が発生していない)また支払うべき残業代は法定基準を満たしたものとなっている。
- 過去1年間において、従業員(短時間正社員を除く)1人当たりの各月毎の法定時間外労働及び法定休日労働の合計時間数が全て45時間未満である。ただし36協定の特別条項に定める月が45時間を超えていた場合であっても、年間の総合計時間が720時間未満である場合は除かれる。
- 労働安全衛生法に基づく定期健康診断を実施しており、必要に応じて産業医・保健総合支援センターの支援を受けて健康確保対策(医師の意見書の回収等)を実施している。
- 変形労働制・フレックス制度・短時間勤務等、柔軟な働き方に対する制度を導入している場合、就業規則での規定や労使協定の締結等の制度の法的導入要件を満たしている。
- 労働安全衛生法に基づくストレスチェックを実施し、必要に応じて面接指導等も実施している。(労働数50人以上の事業場にて実施義務あり)
- 職場におけるハラスメント(妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメントやセクシュアルハラスメント、パワーハラスメント)の防止措置を実際に講じている。(ハラスメント防止ハンドブック/ハラスメント対策マニュアルの作成、研修の実施、相談窓口の設置等)
- (2020年4月から必須項目)正規雇用労働者と非正規労働者(有期雇用契約者、パートタイム労働者等)の各雇用区分ごとの規定を定めて周知しており、同一労働同一賃金ガイドラインに反した雇用区分ごとの待遇差がない。(正社員とパート社員とで割増賃金が異なる、正社員と嘱託社員で育児/介護休業規則が異なる等)
- 年次有給休暇管理簿を作成し、全従業員が5日以上取得する取り組みを実施している。(年休取得奨励日、取得日数年次有給休暇の繰越等、法定基準を超える年次有給休暇、一斉年休の実施、目標値の設定、取得日数について給与明細での表示、取得が低調な者又は低調な職場の管理者への通知等自身の取得状況がわかる仕組の導入等)
プロフィール
企業名 | 株式会社ニトリホールディングス |
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本社所在地 | 北海道札幌市 |
代表者氏名 | 代表取締役社長 白井俊之 |
業種 | 卸売、小売業 |
事業内容 | 家具・インテリア用品の企画・製造・販売事業、リフォーム事業、法人向け販売事業、海外ソーシング事業、輸入・貿易事業、物流事業、デベロッパー事業など |
従業員数 | 12,668名(連結) |
資本金 | 133億7,000万円 |
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売上高 | 6,081億3,100万円 |
上場区分 | 東証一部 証券コード:9843 |
平均勤続年数 | 9.0年 |
男女比 | 男性 7 : 女性 3 |
平均年収 | 860万7,000円 |
インタビュー
自社のホワイト化に取り組んだ理由・狙いについて教えてください。
会社を支えている「人」が何よりも大切だと、わが社は考えています。そのため、従業員が健康的に、やりがいを持って働ける環境を整えるため、ホワイト化に着手しました。
ホワイト化は従業員にとってプラスになるだけではなく、従業員のパフォーマンスが上がることで、経営側にとっても大きなメリットが期待されます。また、企業競争力を高めるためにも、ホワイト化の取り組みは必須だと考えています。
ホワイト化について具体的な取り組みをご紹介ください。

弊社は、やりがいをもって働いてほしいという想いから、ロマン(企業理念)の共有をとても大切にしている会社で、社内だけでなく海外現地のスタッフやお取引先様に対しても、創業者である会長が直接ロマンの大切さについて語る機会を多く設けています。
部署長が集まってロマン実現のために何をしていくかを議論したり、社員向け研修の中でもロマンと日々の仕事のつながりを考えられるような講義を繰り返し実施するなど、全ての役員・従業員に理念が染み込むよう取り組んでいます。
さらに、会長が昔、アメリカ視察旅行に行った際に受けた衝撃を従業員にも体感してもらうためアメリカ研修を行っており、毎年1,000名以上が参加し、ロマンを自分の中へと落とし込んでいます。
また、社会的に少子高齢化が進んでいく中で、従業員がワーク・ライフ・バランスを実現できるかが会社の評価対象になってきていることを踏まえ、企業ブランディングの一環を兼ねてという意味でも、経営課題の中に人事策をあげて取り組みました。
2013年にはトップダウンだけでなく、現場社員の声を聞きボトムアップで進めていく目的で「ダイバーシティ推進委員会」を発足し、委員会から出た声を反映して、制度をまとめたイントラネットサイトや冊子を作成するなど、制度の見える化を推進。そして、短時間勤務制度の見直しや、失効した年次有給休暇を最大120日間積み立てられる私傷病特別有給休暇を介護にも適用するなど、さまざまな制度で従業員が働き続けられる環境を整えています。
女性活躍推進の取り組みとしては、女性向けセミナーを開催しております。女性のつながりづくりや抱える悩みを解決するため、現場役職者を集めてキャリアセミナーを開いたり、子育てしながら働く方を集めて情報共有をしたりと、女性が会社に問題提起をする場を提供し、働きやすい環境づくりに反映しています。
健康経営にも力を入れており、勤務間インターバル制度を導入したり、ウォーキングキャンペーンや体質改善コンテストなどのイベント開催、メンタルヘルスケアの講義などを定期的に実施。その結果2017年から3年連続で、健康経営優良法人ホワイト500の認定を受けています。
その施策、取り組みの効果について教えてください。
従業員の働き方への意識は高くなりました。社内に働き方改革の動きが出る前は、特に管理職層に昭和的な考えが多かったのですが、いろいろな社内活動があることで、「もうそんな時代じゃない」と、認識も変わってきたという実感があります。
社内報にて定期的に活動報告を配信して社内での認知度を上げたり、委員会のメンバーを1年ごとに入れ替えることで、1年間経験したメンバーの意識が変わり、その人自身が伝道師となり現場に広めていくなど、地道な意識改革によってどんどん輪が広がるのを感じました。
また、やむを得ない事情で退職してしまった人が復職できるジョブリターン制度は、「退職したが、もう一度働きたいと言っている元社員がいる」という現場の声をくみ上げて制度にしたという経緯があります。
この制度は退職した方に直接周知することはなかなか難しいのですが、わが社は社員同士の繋がりが強いという風土があったため、現在では制度利用者が10名おり、「戻ってこられてすごくうれしい」と言ってくれています。
ジョブリターンについては、ご本人にとってプラスになるだけではなく、会社としても新しい方に1から教えるより、入った時からニトリのやり方が分かる人というのは、非常に貴重であり、ありがたいことだと感じています。
上記取り組み導入から実施、成果があがるまでに苦労したポイントはありますか?
制度を作っても使いたい人が使える環境ができていないといけないので、管理職向けにセミナーを開いて、「こういう制度が導入されます」「こういう相談を受けたらこう対応をしましょう」といったことを何度も何度も繰り返し伝えていくことには注力しましたし、そこが一番苦労しました。
ですが、こうした取り組みがやがて大きな変化をもたらすということは、会長がロマンを語り続け、従業員全員に浸透していることが証明していますので、地道に続けることができました。
自社のホワイト化に取り組んだ後、社内・社外から感じられた効果はありますか?
従業員の笑顔が増えたように感じます。従業員が笑顔になれば、それがお客様へと伝わり、お客様満足度向上にもつながります。実際に、お客様相談室に寄せられるお褒めの言葉も年々増加しており、ホワイト化に取り組むことで、好循環が生まれていることを実感しています。
今後の課題・これから先目指す「取り組み」をお教えください。
まずは、社内外に取り組みをもっとアピールしていこうということが一つ。あとは、地方でのテレワークなど、場所を問わず、それぞれのキャリアを築いていける環境をつくっていく予定です。
さらに、お客様にもっとロマンを伝えていきたいと思います。我々が求めているのは利益ではなく、「暮らしを豊かにする」ということ。ニトリに行けばそれが叶うんだ、と思っていただけるようになればうれしいですね。