【第7回ホワイト企業アワード特集】その取り組みは従業員満足度を高めるため、そして、リーディングカンパニーとして業界を牽引するために

2022.01.14

株式会社マケレボ 小林 富美子

<ご担当者様>
2014年入社。人事広報課課長を経て、現在は教育研修課のマネージャーとして社内における教育全般を管理。広報活動や職場環境の整備なども幅広く担当している。

ホワイト財団 佐野 毅

<インタビューアー>
広告・印刷業界に就職して約8年間、企画提案をするプレイングマネージャーとして従事。2021年5月よりホワイト財団にジョイン。前職の経験を活かして企業のブランディングをアシストし、「家族に入社を勧めたい企業」の普及を目指し邁進中。

2021年11月25日に第7回ホワイト企業アワード*が開催されました。

その中で働きがい部門にて受賞をされた株式会社マケレボの小林様に取組み概要や、導入にいたった背景など詳細をご紹介いただきました。

 

ホワイト企業アワード*:ホワイト財団が主催する世の中に共有すべき制度や取り組みについて表彰・発信を行う、働き方改革の参考事例が日本で最も集まるホワイト企業イベントです。概要はコチラで紹介しています。

 

【受賞理由】

従業員の様々な価値観やライフスタイルに合わせたアクションが圧倒的であると感じました。 浸透という点でも、企画・実施で満足してしまう企業様が多くいる中で、社内周知や、社内外ブランディングの取組みを強化されている点も評価させていただきました。 また、各施策において定量目標を明確に置いて運用されている点から、しっかりと従業員と向き合いながら信頼関係を構築していこうとされている努力を感じ、選出させていただきました。

 

導入背景

佐野 毅(以下、佐野):取り組みを開始されたきっかけを教えていただけますか?

 

小林 富美子(以下、小林):マケレボでは社長自らが「従業員一人ひとりが多種多様な感性を持ち、それを活かすことですべての人の能力が最大限に発揮される企業」を目指すと掲げており、その実現にはまず、社員の働きやすい環境づくりから取り組む必要があると考えました。

 

手探りで施策を投じ、トライアンドエラーを繰り返しながら各種研修や企業SNSを発足させ、全社的な取組みを開始させました。

 

概要

佐野:具体的にどのような取組みをされたのでしょうか?

 

小林:働きやすい職場づくりに向けて下記のような取組を進めてきました。この中でいくつか詳細をご紹介します。

 

①kirariプロジェクト発足

②研修や社内周知の強化

③SNSや広報誌での積極的な発信

④残業申請制度の徹底

⑤企業主導型保育事業利用制度

⑥社内サークル支援制度

⑦有給消化促進呼びかけ

⑧社員表彰・報奨金支給

⑨非正規従業員の社員登用

⑩食事会制度

1)広報誌

従来は社内に向け経営層のメッセージなどを発信する社内報としての側面が強くありました。

 

そこで、広報誌として上手く活用できないかと考え、社外の方にマケレボを広く知ってもらうツールとして内容の刷新を図りました。中身の見直しに伴い、掲載内容に関する社内での打合せはもちろんのこと、企画段階からデザイン会社にも入ってもらい、デザインの方向性も入念に話し合って進めてきました。

 

ブラッシュアップを重ね、多様な働き方の社員にフォーカスした内容を取り入れていきました。制度の活用事例などを含めて発信していくことで制度そのものを身近に感じ、利用への心理的ハードルを下げるように意識しました。また、各階層へのインタビューや、たとえば新卒の働き方の紹介、中途採用目線の特集など、色々なタイプの社員・視点を取り入れてコンテンツの充実を図りました。

 

社員それぞれの働き方や考えを取り上げることで接点のない部署や人への理解が深まり組織力の強化を狙ったりもしています。

 

あとは、なによりも上司や同僚、自分が掲載されていると読むのも楽しくなりますよね!

2)SNSでの積極的な発信

従来は会社からの情報発信のメインは社内イントラでした。様々な改革を進めていく中、社内外への情報発信の在り方も課題となっており、広報誌の刷新も情報発信を見直す過程で生まれました。

 

広報誌の情報や、改革の中で進めてきた取組みを社外にも発信しない手はないと思い、情報拡散の手段としてSNSを取りいれました。

3)表彰制度

社内表彰そのものは以前から実施していましたが、社内で内々に執り行われていました。社員を称える貴重な場ですので、賞状を用意するとともに情報発信を行うように変えていきました。形式も重んじたことや、報奨金の額も上がったこともあり、社員のやりがいを高める役割を持たせることができました。

4)研修制度

研修は、決まって実施していたのは入社研修のみで、あとは外部講習による研修が不定期に実施される程度でしたので、階層別研修やコンプライアンス、ハラスメントといった時代に即した研修を広く取り入れ、実施計画を立てて定期的に開催するようにしました。

 

また、従業員満足度アンケートを行った中で「自主的な学びの場が欲しい」という声を参考に、動画学習サービスを導入し、ネット環境があれば会社でも自宅でも自由に勉強ができるようになりました。

 

成果・効果

佐野:実際に効果はどのようにして表れてきましたか?

 

小林:わかりやすい部分は数字の面でキレイに表れてきています。

 

例えば、有給取得率が70%を超え、月の平均残業時間が25時間以内におさまるようになりました。平均残業時間は取り組み前から月平均4.8時間もの削減に成功しています。

2019年までは男性従業員の育休取得が課題でしたが、研修を通じた理解の促進により2020年に初の男性従業員による育休取得を実現。実績ができたことを皮切りに、マケレボ全体の育休取得数が増えています。

 

取組みを始めた当初は、社内改革を進めようとしても、なかなか社員の意識の変化を大きく感じることはできませんでした。しかし、ホワイト企業認定のような外部の認定・認証を取得しはじめてから社内の風向きも変わりはじめました。「外部から認められた」という事実が与えた影響は大きく、社員のマケレボに対する認識が深まるきっかけになったのだと思います。

 

あとは社内誌やSNSでの投稿の話をいろいろなところから寄せられるようになりました。SNSを見て採用に応募してくれた社員も多くいます。編集を担当する身としてはこういう声を耳にすると励みになりますね。

今後の目標

 

佐野:最後に、今後の目標を教えていただけますか?

 

小林:社内の従業員満足度をもっと上げていくことです。

 

上記で挙げたように様々な取組みを現在進行形で進めていますが、まだまだ追い付いていない部分があります。例えば、男性従業員の育休取得実績は上がっていますが、制度利用者に対する周囲の理解が100%得られているかと、ヒアリングができていない部分に不満が隠れている可能性は十分に考えられます。当事者だけでなく、その周囲への理解を含めた細かな部分をあわせた理解を進めていきたいですね。

 

グループとしてCSRを進めており、現在は小児がんに対するチャリティー活動を実施していたり、他にもSDGsに関する取り組みも検討しています。また、マケレボとして大阪府の地域貢献企業バンクへの登録が完了しました。業界のリーディングカンパニーとして他社の指標となれるよう、現状に満足せずに常に最善を考えて取り組んでいきたいと思います。

 

株式会社マケレボ

 

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