【インタビューを受けた人】
医療法人まつだ内科 松田 剛 様
医療法人まつだ内科 松田 陽子 様
医療法人まつだ内科 辻野 様
医療法人まつだ内科 上野 様
【インタビュアー】
日本次世代企業普及機構 長谷川 颯汰
院長 松田 剛 様
事務長 松田 陽子 様
辻野 様
上野 様
今回は医療法人社団まつだ内科の松田院長、松田事務長、そしてスタッフのお二人にインタビューをさせていただきました。まつだ内科の過去と現在、スタッフの働くリアルな声、そして院長の「医療現場に対する想いを深く掘り下げてお話をお伺いしました。
医療法人まつだ内科のポイント
・4日間の継承から始まった、“ゼロからのチームづくり”
・ “褒め合い、認め合い、成長できる”職場文化
・「医療現場は人生を前向きにする場である」という院長の想い
──長谷川:まずはまつだ内科について、簡単にクリニックの紹介をお願いします。
松田院長:まつだ内科は、神戸市兵庫区と下町風情が漂う街にある地域密着型の内科クリニックで、 これまで心不全や狭心症、心筋梗塞などの循環器疾患を中心に、糖尿病や高血圧、気管支喘息などの内科全般を幅広く診てきました。
地域の皆様にとって“身体のことも、ご家族のことも気軽に相談できるような身近な存在”でありたいという想いで、丁寧で分かりやすい診療を心がけています。
──長谷川:院長がまつだ内科を継承された当時の状況についてお伺いしてもよろしいでしょうか?
松田院長:父が引退するので、その当時のスタッフの方だけが残って僕が引き継ぐという話になったのですが、基本、クリニックの引き継ぎは時間をかけて行うところ、引き継ぎ期間わずか4日間という中で行われたんですよ。
──長谷川:4日間ですか?かなりの短期間で引き継ぎをされたんですね。当時はかなり大変だったのではないでしょうか?
松田院長:そうですね(笑)。父も当時は『旅行に行きたい』『好きな時間を使いたい』ということで、引き継ぎ期間は4日間だけでした。
患者さんも、その4日間にご来院頂いた方しかご存じではなかったので、診療室に来たら『あれ?先生がいつもと違う!』なんてこともありました。
──長谷川:既存のスタッフの方はそのままで引き継ぎされたとお伺いしておりましたが、当時のスタッフの方々はどんな反応だったのですか?
松田院長:その当時のスタッフさんは看護師さんが4人、受付の事務スタッフが3人で、合計7人ぐらいだったと思うのですが、『息子に代わったらなんだかやり方が違うぞ』とか『前の院長だったらこうだったのに』といったギャップは生まれてしまっていたと思いますね。
それに何よりも、スタッフ同士でのコミュニケーションがほぼなかったんです。
──長谷川:コミュニケーションが?今のまつだ内科さんを見ていたらすごく活気があって温かい雰囲気を感じるので、まったく想像できないですね…!
松田院長:当時は今からは想像できないぐらい、スタッフ間同士がギスギスしていました。
看護師は看護師の仕事だけ、受付事務スタッフは受付の仕事だけ、といった感じで。看護師さんがいくら忙しかったとしても、受付の方々は『私の仕事ではないので』といった感じ。
逆に受付事務の作業がたくさんあったとしても『看護師の仕事ではないので』と手伝わないような。ただ、当時は引き継いだばかりだったので『内科クリニックってこんな感じが普通なのかな?』と思っていました。
──長谷川:そこから今の活気があって一つのチームとしてまとまっている『まつだ内科』になる、初めのきっかけをお伺いしてもよろしいでしょうか?
松田院長:引継ぎをしてから、2〜3年ぐらいはギスギスした状態が続いていたんですよ。
ただ、やっぱり7人のメンバーが『チーム』になっていないと思ったんです。
そこをなんとか『1つのチームという意識を持ってもらわないとだめだな』と。そのタイミングで、うちは内科クリニックなので、生活習慣病や糖尿病などの患者さんが多いんですけど、薬だけではなく、食事の指導も強化しようということで管理栄養士のスタッフさんの募集をかけたんですよ。
外来患者さんに対して、僕自身が料理に対して詳しいわけではないし、具体的な説明ができないな、と思うことも多々ありまして。
実は、その管理栄養士さんが、まつだ内科を『チーム』として作り上げる最初のきっかけになったんです。
──長谷川:管理栄養士さんが!?なぜ管理栄養士さんがチームを作るきっかけになったのですか?
松田院長:管理栄養士さんは、1日の業務の中で『管理栄養士』の仕事だけではないので、『受付』の仕事もするし、『看護師さんのサポート』もするんですよ。 そうなると、必然的に受付事務の人とも関わるし、看護師の人とも関わるので、自然とコミュニケーションが生まれるきっかけになったのです。 そこからちょっとずつチームが変わってきたと感じました。
さらにその管理栄養士の方がすごく盛り上げ上手で。ある年、忘年会があったのですが、仮装とかをしてものすごく盛り上げてくれたんです。 そこで一気に雰囲気が変わったという実感がありました。
──長谷川:管理栄養士さんの登場がきっかけでそれまでばらばらだったチームがだんだんと団結していったのですね。そこからさらにまつだ内科が『チーム』になっていくきっかけはありましたか?
松田院長:僕自身の心情の変化というのもありました。
というのも、父から内科クリニックを引き継ぐということを、当時は恥ずかしながら、少し安易に考えてしまっているところがあったのです。
いわゆる、一般的にお店を引き継ぐような感じで。それこそ、経営の勉強もしてなければ、クリニックとしての理念もない。
スタッフの皆さんのコミュニケーションが希薄だったり、ギスギスしているような雰囲気も、みんなが『同じ方向を向くことができていない』、つまり、その方向を僕が提示できてないことが問題だと思ったんですね。
そのことが原因で、当時のまつだ内科は、目標もなければ『自分をステップアップさせよう』というモチベーションもなかったと思いますし、『現状維持でいい』という職場だったと思うんです。
なので、まずは自分自身が変わらないといけないと思い、外部セミナーに参加して経営について勉強をし始めて『よりよいクリニックにするためにはどうしたらいいか』を試行錯誤しながら考えるようになりました。
──長谷川:よりよいクリニックにしようと、松田院長自身が決心されたのですね。管理栄養士さんの存在や松田院長の決心もあって今のまつだ内科になることができた、ということでしょうか?
松田院長:いえ、現実はそう簡単ではなくて。やっぱり、いきなり僕自身がセミナーや本で学んだからといって、なかなかスタッフの方がすぐに変わるというわけにはいきませんでした。
『こういう考えでやっていきましょう』と伝えたり、『目標を決めて自分自身の成長に繋げましょう』と伝えても、元々そんな体制じゃなかったからこそ、なかなか響かない。
毎日『どうしたらもっと良いクリニックになるだろうか』と悶々とした日々を過ごしていました。
──長谷川:実際に組織の雰囲気や方向性を変えるのはそう簡単なことではないですよね…。それでも今のまつだ内科さんを見ていたら、みんなが目標をもって自身の成長に向かって切磋琢磨されているように見えます。何がターニングポイントだったのでしょうか?
松田院長:実は、いま振り返った時に『あの時がターニングポイントだったかもな』と思うのは、作業効率を上げるために『紙カルテ』から『電子カルテ』に切り替えたことだったんですよ。
最初、まずスタッフからはとんでもなく反発されました。
『現状、紙カルテで問題ないのに、なんで電子カルテにする必要があるのですか!』と。
今でこそ電子カルテの導入は街のクリニックでも増えてきていて、だいたい50%ぐらいは超えてきていると思うのですが、当時電子カルテを導入しているような街のクリニックは本当に少なかったんです。
スタッフからは『停電になったらどうするんですか!?』とか、とにかくありとあらゆる理由を探しては反発される日々でした。
でも、僕自身は患者様のことも、今後働くスタッフのことも考えた時に『このタイミングで電子カルテに変えた方が絶対にいい』と思ったんです。
というのも、紙カルテだと、保管する場所もだんだん圧迫していきますし、今後も多くの患者さんに来ていただきたいと思った際に、電子カルテじゃないとなかなか対応するのが難しいんです。
なので、『辞める人が出てしまってもしょうがない』という覚悟をもって、電子カルテを導入することを決心しました。
──長谷川:ちなみになのですが、実際にその電子カルテ導入がきっかけでお辞めになられた方もいらっしゃったのですか?
松田院長:はい。正直いました。
というのも当時は『パソコンも触ったことがない』という人が半分ぐらいだったので。
ただ、もちろん、電子カルテの導入がすべてのきっかけかというと、そうではないと思っていて。それまでのいろんなことが積み重なって、一つの最終的なきっかけとして退職されたのだとは思うんですね。
『前院長から息子に代わって、なんだかいろいろ、うるさいぞ!』みたいな(笑)。 たぶんそういう気持ちはあったかと思うんですね。
ただ、この電子カルテの導入が大きな変換のきっかけとなったんです。 電子カルテの導入がきっかけで退職された方等もいて、メンバーが大きく入れ替わったことで『父(前院長)のイメージ』がない方が入職されてくるので『まつだ内科はこのような理念を持ったクリニックですよ』という考え方をまっさらな状態で共有できるようになったのですよ。
そこから、空気が変わってきて、今のまつだ内科になっていったのだと思います。
──長谷川:お父様からの4日間の引継ぎ、コミュニケーションのない職場から、管理栄養士さんの登場、松田院長自身の心の変化、そして電子カルテの導入を経て、今のまつだ内科が作られていったのですね。そんなまつだ内科さんですが、今ではレコグというアプリを入れて褒め合う文化があるとお伺いしました。
松田事務長:この『褒め合う文化』が始まったのは、2年ほど前からですが、きっかけとしては『クレド』を作ったからなんです。
もともとクレドは6年くらい前に別のクリニックさんが作っているのを見て『いいな、うちのクリニックでも作りたいな』と思ったのが最初のきっかけでした。
ただ、その当時のスタッフの方々にクレドをやってみたいという話をしたら『いや、そんな余裕ないですよ』と言われてしまったんです。
もちろん、当時は忙しかったですし、そんな時間をかけている余裕はないというスタッフの気持ちもわかっていたので、一回保留になっていました。
ただ、3年前ぐらいに新しいメンバーに代わって、改めてそのメンバーにクレドの話をしてみたら『やり方はわからないし、失敗してしまうかもしれないけど、やってみたいです!』と言ってくれたんです。
そこからスタッフが『まつだ内科で大事にしていること』を皆にヒアリングしてくれて、それをリストアップして、クレドとして作ってくれたんです。
自分たちで作り上げたクレドだからこそ、スタッフのみんなもすごく愛着があって。
多分、私が1人で作成して『はい、じゃあ明日からこれを守って行動しましょう』だと、なかなか誰もついてきてくれなかったんじゃないかな、と思うんですね。
──長谷川:クレドをスタッフの方々で作るってすごいことですね。それだけ皆さん一人一人がまつだ内科というクリニックを良くしていきたいという気持ちが伝わってきます。
松田事務長:ありがとうございます。
そこからそのクレドを『どう運用していくか』という話になったのですが、最初は『朝礼で読んでみよう』といって朝礼で読んでみたりしてたのですが、誰かが『クレドに沿った行動をできている人がいたら褒めていこうよ』というアイデアを出してくれたんです。
最初はクレドに沿った行動をしている人がいたら『紙のカード』に書いて褒め合っていたんですけど、それだとどうしてもすごく時間がかかるじゃないですか? そしたらその時たまたま『レコグ』というアプリを見つけて。
スマホで簡単に気づいた時に褒め合うことができるアプリなので、まさに『これだ!』と思って導入しました。
もちろん最初は、みんなもちょっと恥ずかしいという気持ちもあったりして、送り合うのもちょっと遠慮しがちだったところもあったのですが、数か月もたったらみんなスタッフ同士で送りあっていて。
スタッフの皆からも『人のいいところを見つけるのが楽しい。褒められるのが嬉しい』という声がすごく上がっていて。
これまでたくさんいろんなことがあったまつだ内科ですが、今ではすごくスタッフ同士がお互いを尊重して働ける環境になっているんです。
──長谷川:褒め合う文化があるクリニック、すごく素敵です。僕も早速今日から弊社のメンバーの良いところがあったら積極的に褒めていきたいと思います。さて、ここまで院長と事務長からのお話をお伺いしましたが、そんなまつだ内科で働くスタッフの方々にもここからは一旦お話をお伺いできればと思います。辻野さん、上野さん、よろしくお願いいたします。
辻野様・上野様:よろしくお願いします。
──長谷川:それでは早速ですが、お二人がまず入職しようと思った決め手と、働き始めてから感じたギャップ(良い意味でも、悪い意味でも)をお伺いしてもよろしいでしょうか?
上野様:私がまつだ内科を選んだ理由は、まつだ内科が運営しているInstagramの投稿を見てて『人間関係の良さ』を強く感じたからです。
本当に、文字通り全ての投稿を私はチェックしてまして(笑)
写真に写るスタッフの方々の表情だったり、関係性だったりをじっくり見ていたんですけど、作られた仲の良さじゃなくて、自然な雰囲気が伝わってきて、本当に人間関係が良さそうだと感じたんです。
実際に入職してみても、その印象にはまったくギャップがありませんでした。
スタッフ同士の関係性も良好で、想像していた通り、みんながいきいきと働いている職場でした。
一方で、良い意味でのギャップもありました。 というのも、思った以上に『自分で考えて動く』ことが求められる職場だったということ。
最初は判断に迷うこともありましたが、先輩がちゃんと見てくれていて、必要な時には止めてくれるし、アドバイスもしてくれる。だから今では自信をもってしっかり自走できるようになりました。
自律的に働ける環境でありながら、困った時には誰かが必ずフォローしてくれる。そのバランスの良さが、働きやすさに繋がっていると思います。
辻野様:私が入職を決めた理由は『院長の人柄』と『成長できる組織だから』でした。
実は、前職でも院長と共に働いていた経験があり、その頃から院長の患者様への姿勢や働く仕事に対する姿勢にすごく共感していたんです。
どの患者様に対しても親身に寄り添い、スタッフにも丁寧に接する姿を見てきました。
個人クリニックって、本当に院長の人柄が職場全体に影響するので、松田先生なら安心して働けると思ったんです。
また、まつだ内科では業務をただこなすのではなく、常に向上心を持って働ける環境を求めていたので、理念が明文化されている点にも魅力を感じました。
院長や事務長が『あえて細かく言わないスタンス』を取っているからか、スタッフ一人一人が自発的に良い行動をしている。 その文化にギャップというか、良い意味での驚きがありました。
──長谷川:ありがとうございます。お二人とも『良い意味でのギャップ』があるのが素晴らしいですね!それでは次の質問になるのですが、まつだ内科に入って『この職場で成長できている』と感じた経験やエピソードはありますか?また先ほど事務長からもお伺いしていたレコグなど『褒める文化』についてどのように受け止めていますか?
上野様:前職では接客業をしていたのですが、まつだ内科で働き始めてから言葉遣いや伝え方への意識が大きく変わりました。
具体的には新人研修で『クッション言葉』の大切さを学んでから、相手に丁寧に伝える姿勢が自然と身に付きました。
メールや会話でも意識するようになり、プライベートでも役立っています。
また、これまで読書の習慣がなかったのですが、入職後は月に1冊ほど本を読むようになり、ビジネスや接遇に関する本を楽しめるようになりました。 院長が読んで良かった本をクリニックに置いてくれて、それをみんなで読む文化があるんです。
その影響で本を読むこと自体が楽しくなってきました。
レコグについても些細なことでも『ありがとう』と言われるのが嬉しくてモチベーションに繋がっています。
辻野様:私はもともと大きな病院で看護師として働いてたのですが、その頃と比較してまつだ内科では『組織の一員』としての自覚と視点の変化を感じました。
まつだ内科では『クレド』を軸に、自分がきちんとクレドに沿って患者さんと関われているかを俯瞰的に考えることが増えたんです。
『ただこなす』のではなくて、クレドと照らし合わせながら仕事に向き合う。そんな姿勢の変化が自分自身の成長を感じるきっかけになったと思います。
またレコグについては、誰かに褒められることで前向きに取り組もうという気持ちになれるし、レターを送り合うことで『この職場ではこういう行動が大事にされるんだ』という共通認識が浸透していくので、それがまつだ内科の文化になっていると感じています。
──長谷川:ありがとうございます。続いて、院長や先輩との距離感、相談のしやすさについてどんな印象を持っているかお伺いしてもよろしいでしょうか?
上野様:院長は『任せてくれるけど、見守ってくれている』というスタンスがすごく安心します。
ある時、業務量が多くてちょっとしんどいな、と思っていた時期があったんですけど、こちらからは何も言ってないのに院長から『最近仕事多くない?大丈夫?』って声をかけてもらって。
その時は本当に驚いたし、救われました。 それに院長は日々の行動をしっかりと見てくれていて、必要な時に自然と寄り添ってくれる。その『ちょうどいい距離感』すごく良いな、と思います。
また先輩方も、自分が意見を言ったときも必ず受け止めてもらったうえでアドバイスをしてくれるので、すごく風通しがいいと思います。
辻野様:『先輩後輩』というより、専門職として対等な関係が基本という意識がまつだ内科の文化としてあると感じています。
看護師間では『先輩だからこう』といった上下関係ではなく、お互い専門職として尊重し合っています。
だから、何度同じ質問をしても丁寧に教えてくれるし、『患者さんのために』という共通の目的が根底にあるからこそ、相談しやすい空気があるんだろうな、と思っています。
また院長は『距離がすごく近いというわけではないけれど、必要なことや大事なことはしっかりと伝えてくれる存在』だと思っています。
──長谷川:ありがとうございます。お二人のお話をしている姿からも、すごくいい雰囲気なのが伝わってきます。続いて、チーム内で『この人のこういうところを見習いたい』と思うことがあれば教えていただけますでしょうか。
上野様:私が日々そばで見ていて『真似したい』と感じているのは、とあるスタッフの傾聴力の高さです。
その方は患者さんやスタッフの本音を引き出すのがとても上手で、マスク越しでも伝わる笑顔や、声のトーン、相槌の打ち方など、全てが柔らかいんです。
質問の仕方とかも自然で、そばにいるだけで学びになっています。
辻野様:私がすごいな、と思うのは横にいる上野さんの『スピーディーな改善力』です(笑)。
上野様:え〜〜ありがとうございます!
辻野様:私は正直、結構慎重派で、石橋を叩いても渡りたくないタイプ。
でも、上野さんはチームの状況や人の気持ちをしっかりと見ながら、柔らかい雰囲気のまま改善をどんどん進めていくんです。
なんというか、ぐいぐい引っ張るという印象ではなく『あの人が言うなら自然とやってみよう』と自然に周囲が前向きになれる柔らかさと、推進力を持っているんです。」
──長谷川:まさかの上野さんの名前が出て、上野さんも驚いていましたが、やはり辻野様もレコグで普段から褒める習慣があるからか、お褒めの言葉も本当に嘘偽りない感じがあってすごく素敵です。それでは続いての質問ですが、まつだ内科でのワークライフバランスやプライベートとの両立については、実際どう感じられていますでしょうか?
上野様:仕事もプライベートも、どちらも大切にできていると感じています。特に思うのは『休みに対する職場全体の理解』と『支え合いの文化』です。
体調不良や子どもの発熱など、突然のお休みが必要になった時も『また?』とか『迷惑だな』みたいな雰囲気がまったくないんですよ。
困った時はお互い様という意識が浸透していて、誰かが休んだときには、すぐに誰かがサポートに入る体制が自然にできています。
そんな職場環境があるからこそ『この日は休んだらダメかな…?』と遠慮することなくプライベートも大切にできていると思います。
辻野様:『お互い様』の精神が根付いているからこそ、急なお休みも言い出しやすいですし、罪悪感を持つ必要もありません。だから、皆が家族の予定や自分の時間を大事にしながら安心して働けています。
また日々の業務に追われる中でも『仕事のことばかりで頭がいっぱいになる』という状態にはならず、きちんと仕事と私生活を切り分けられています。
もちろん、忙しい日もありますが、精神的に追い詰められるようなことはなく、日々の負担感やストレスもちゃんと調整されていると感じています。
──長谷川:ありがとうございます。それでは最後に未来の仲間に伝えたい、まつだ内科のリアルな魅力を教えていただけますでしょうか。
上野様:まつだ内科はただ働くだけの環境ではないので、人としてすごく成長できる場所だと思っています。
もちろん、その分大変なこともありますし、例えば『ただなんとなく働けたらいい』という考えだと、少ししんどいと感じてしまうかもしれません。
ただ、私自身、まつだ内科で働くようになってから本当に考え方や姿勢がすごく変わって、本当に嘘偽りなく、人生がすごく前向きになったんです。
それは院長や事務長、そしてここのスタッフのみなさんのおかげだと思っています。 本当に幸せな日々を過ごせていて、家族にも『今まで以上に明るくなったし、すごく楽しそうだね』って言われたり(笑)。 環境ってこんなに人を良い方向に変えてくれるんだなって思っています。
辻野様:私はやっぱりまつだ内科の魅力は『安心して、楽しく、やりがいをもって働ける』という点だと思います。 まつだ内科の話を友人や家族に話す時も『うちのクリニックってこんなに素敵なところなんだよ〜』って思わず自慢したくなる、そんなクリニックなんです。
なので『誇りをもって働ける職場』というのが、まつだ内科の魅力だと思っています。
──長谷川:お二人ともありがとうございます。それでは再度、事務長にお伺いしたいのですが、院長が感じるまつだ内科の魅力は何だと思いますか?
松田事務長:クリニックって、もちろん『医療の現場』であり、『診察をする場所』だとは思っているのですが、私の中では『スタッフが人として成長できる場所』でありたいと思っているんです。
『医療を通じて人が育ち、人生を前向きに歩める場所』というビジョンがあるのですが、特に患者さんの『病気』をただ診るだけではなく、1人1人の生活だったり、背景だったりというのをすごく大切にしていて。
その想いも普段からスタッフに伝えているので、それがスタッフ一人一人にも浸透しているんだと思います。
以前、診療終了間際の19時頃に来院される患者さんがいらっしゃって、受付終了の時間だからとお断りしてしまったり、つい表情や対応に焦りや苛立ちが出てしまうことがあったんです。今振り返ると、患者さんにとっては忙しい中時間を作って来てくださっているのに、私たちの都合を優先した対応になっていたと思います。
でもその時院長が『自分や自分の子どもがどこかクリニックに行って、断られたり、心無い対応をされたらどんな気持ちになりますか?』とスタッフに問いかけたんです。
そしたら翌週からスタッフ皆の患者様への対応や心の持ち方が驚くほど変わったんです。
これは1つのエピソードではあるんですけど、『医療を通じて人が育ち、人生を前向きに歩める場所』というビジョンをスタッフ一人一人が思っているのが魅力だと思います。
──長谷川:すごく素敵な想いをお聞かせくださってありがとうございます。松田院長はいかがでしょうか?
松田院長:スタッフの皆さん一人一人が『医療を通じて人が育ち、人生を前向きに歩める場所』という想いを持っているのは、まつだ内科の魅力だと僕も思います。
どうしても内科クリニックは、患者さんの容態を診て、数値がこれぐらいなのであなたの病名はこれです、みたいな。表面上だけ見ると『検査と診断とお薬の処方だけ』に見えてしまっても仕方ないのかもしれません。
ただ、患者さんの背景に広がる生活、もっといえば人生をより良くしたいと本気で思っています。 たとえば来院いただくおじいちゃんやおばあちゃんは、少しでも身体が良くなればお孫さんと次のお休みにどこか旅行に行けるんじゃないかな、とか。
そういう『時間』まで巡り巡ってサポートするのが僕たちのお仕事だと思っています。
──長谷川:まつだ内科は『医療を通じて人が育ち、人生を前向きに歩める場所』という想いを院長先生や事務長、そしてスタッフの方みんなが思っているのですね。また院長先生が以前に『医療現場は人生を前向きにする場である』と仰られていたのもすごく印象的でした。
松田院長:そうですね。 『医療現場は人生を前向きにする場である』 これは、まつだ内科のスタッフ含めた僕たちが患者様に前向きになっていただくという意味はもちろんあるのですが、それだけじゃないんです。
例えば、訪問診療をしていると、その人の人生の最後を迎える場面にも向き合うことがあるんです。
患者様と接する際に、もちろん苦しそうにされていたり、しんどそうにされているのですが、接していくうちに昔の思い出話を語ってくれたりとか、その方の人生を振り返っている時間に接する時に、すごく考えさせられるんです。
最後、もう何年も生きられないとか、数か月の命だという時に、そんな状況でも我々が訪れると笑顔になってくれたり、『暑い中来てくれてありがとう』といった言葉をかけてくれたり、『先生が来てくれるからご飯が食べられるよ』と言ってくれたり。 そしたら、こっちが励まされるんです。
『医療現場は人生を前向きにする場である』と思っているのですが、この言葉はもちろん、僕たちが患者様を前向きにしたいという思いもあるのですが、それ以上に、患者様から僕たちが前向きな気持ちにしてもらっているのです。
──長谷川:お話を聞いていると、情景が浮かんできて少しうるっときました。そんな松田院長ですが、今後、まつだ内科としてこうなっていきたい、というビジョンはありますでしょうか?
松田院長:医療業界自体、あまり魅力的な職場ではなくなってきていると正直思うんですよ。
看護師という職業自体も、きついし、厳しい部分もあったりするので、今の令和の価値観だと『看護師になる=しんどいこと』だと思っている人が多くなってきていると思います。
例えば、令和だったら『仕事よりプライベートを充実させる』という考え方はスタンダードになってきていると思っていて。 もちろん、まつだ内科でも、終業時間きっちりに終わって、残業はできる限り発生しないようにする風潮はあるのですが、そうはいっても医療現場は割り切れない部分があります。
苦しんでいる患者さんがいるのに、無視して帰るわけにはいかないですからね。
なので、まずはまつだ内科というクリニックをもっと魅力的な職場に変えていきたいと本気で思っています。
だからこそ、成長できる環境を作るために人材育成に力を入れていたり、レコグを導入して褒め合う文化が浸透することで『より尊重し合い、働きやすい環境』をこれからも作っていきたいと思っています。
──長谷川:ありがとうございます。インタビューを通して、まつだ内科というクリニックや、働く人たちの魅力がものすごく伝わってきました。それでは最後に、この記事を読んでいる未来の共に働くかもしれない方に向けて『こんな人はぜひまつだ内科に来てほしい』というメッセージをお願いします。
松田院長:『成長したい』と思っている人です。
患者さんのために、人のために役に立ちたいと思っている、モチベーションが高い方に来てほしいと思っています。
少し厳しいことを言うと、いわゆる『時間だけ過ごして、お給料だけもらえたらいいや』という方や『現状維持』を求めている方には少し厳しいクリニックだと思います。
ただ、上野さんや辻野さんもお話いただいていた通り『成長したい人』を決して置き去りにするような環境ではないですし、スタッフ同士が対等な関係で、お互いの良いところを褒め合う職場なので、『関わるすべての人の人生がより良くなる』という理念に共感できる方はぜひ、まつだ内科に応募いただければと思います。
──長谷川:本日は、まつだ内科という場所に込められた想いや、そこで働く皆さんのあたたかさ、そして“医療を通じて人が育ち、人生を前向きに歩める場所”という理念の素晴らしさをたっぷりと感じさせていただきました。本当に、ありがとうございました!
取材者のレビュー
まつだ内科様の取材で最初に驚かされたのは、「以前はスタッフ同士の仲が良くなかった」というお話でした。現在の和やかで温かい雰囲気を見ていたからこそ、当時の状況を伺ったときは想像がつかず、とても意外でした。
ただ、そこからお話を伺っていると、院長先生の気持ちの変化や、スタッフ同士が自然と褒め合える文化の醸成、そしてクレドの作成といった一つひとつの積み重ねが、今の「まつだ内科」の温かな雰囲気をつくり上げてきたのだと知ったとき、深い感銘を受けました。
さらに印象的だったのは、「医療現場は人生を前向きにする場である」という院長先生の言葉です。
その背景にあるエピソードを伺ううちに、取材している私自身の心も温かくなりました。病気を治すだけでなく、人がまた一歩踏み出すための場所でありたい――その想いが、スタッフや患者さんとの関わり方に確かに息づいていることが伝わってきました。
日本次世代企業普及機構 長谷川 颯汰
前職では、不動産投資の営業として、お客様の資産形成やライフプランに関わる提案業務を経験。2024年より株式会社ソビアに入社し、ホワイト企業認定の運営に従事。認定企業様の魅力を丁寧に言語化し、ホワイトキャリアを通じて多くの方へ届ける仕事に取り組んでいます。