ホワイト企業認定アワード受賞企業に迫る!株式会社リアルソフトの制度定着までの成功ストーリー

2025.03.06

【インタビューを受けた人】

株式会社リアルソフト
杉江 様

【インタビュアー】

ホワイト財団  長谷川 颯汰

 

【受賞理由】

株式会社リアルソフト様は、「Make Everyone Happy with IT Solutions」の理念に基づき、社員が主体的に成長できる場を提供する独自の人材育成体制を構築しています。

その中でも特に目を引いたのが「新人研修」です。株式会社リアルソフト様の新人研修は「経験不問・文理不問」の採用を行い、これまでプログラミングに触れたことがない方でもスムーズに業務を行えるようになるため、3か月間の座学研修が用意されています。

そして、「新人研修」を担当する講師は「2年目のメンバー」から抜擢され、研修カリキュラムを考えてもらうことで、その社員のスキルアップも図っているという点から、株式会社リアルソフト様の理念に基づいた社員が主体的に成長できる場の提供を実現していると感じました。

さらに、若手社員が多く「業務の進め方や受け止め方」に関する相談が多かったことから、プログラミングや業務技術以外における「仕事の仕方、心構え」などをカバーする「ステップアップ研修」の実施、20代、30代のメンバーを次期マネージャーに引き上げるため、マネージャーの一部の仕事を担ってもらう「マネージャーチャレンジプロジェクト」など独自の人材育成体制も多く整っており、社員が自身のキャリアを形成しながら企業の成長に貢献する仕組みが定着している点が高く評価されました。

 

 

株式会社リアルソフトのポイント

・新入社員が安心できる独自の研修制度
・お互いをリスペクトしてコミュニケーションを大事にする雰囲気づくり
・1人1人が「スピリット」を大切にして仕事に取り組んでいる

株式会社リアルソフトってどんな会社?(企業概要)

 

株式会社リアルソフト様は「Make Everyone Happy with IT Solutions ITで世界中の人々を幸せに」という理念のもと、ITの力で企業の業務の効率化を支援している会社です。

 

主に製造業務系の業務システム開発を中心に、システムの要件定義から設計、開発システム稼働後の保守メンテナンスサービスまでを一気通貫で対応しています。

 

事業としては大きく2つとなっており、1つ目が「システムインテグレーション事業」で、こちらはお客様からご依頼をいただき、オーダーメイドでシステムを開発するといった事業です。

 

2つ目は「ERPソリューション事業」でシステムコンサルティングから開発、データ移行、導入支援、さらに運用保守まで、主に製造業の業務システム構築をワンストップでお手伝いする事業です。

 

それ以外にも、システムの会社ではありますが、イタリアワインの輸入販売事業も行っており、汐留にショップもオープンしました。

 

 

ここが課題だった!制度導入前に直面していた壁とは?(制度導入以前の課題)

ホワイト財団
ホワイト財団
人材育成部門の受賞おめでとうございます。今回リアルソフト様が受賞された理由として特に評価されていたのが「研修体制」の部分だったのですが、この研修制度に関しては元々充実していたのですか?

 

ありがとうございます。人材育成に関しては弊社としても特に注力しているので今回の受賞は素直にうれしいです。

 

ただ「研修制度が元々充実していたか」というと、例えば「新人研修」なども一応あったのですが「制度化」というところまでは至っていませんでした。

 

ホワイト財団
ホワイト財団
そうなのですね。その当時の研修制度は、今と比較した際にどんな研修を行っていたのですか?

 

例えば、新人研修では、各社員のプロジェクト進行状況を確認して、言い方はちょっと難しいのですが、比較的余裕のある社員をアサインして、新人さんを見てもらう、という状態でした。

 

会社として研修に関する一貫したカリキュラムなどがあったわけではなく、その年その年の担当者に研修の質や中身が委ねられてしまっているという側面がありました。

 

その他の研修についても、単発的な研修が多くて「毎年、決まった時期に、このような目的で研修を行います」といったことはありませんでした。

 

 

これが解決のカギ!導入した新制度の全貌(導入制度概要)

 

ホワイト財団
ホワイト財団
そこから現在の充実した研修制度に至るまでのきっかけを詳しく教えていただけますでしょうか?

先ほど、新人研修などの制度が整っていなかったとお伝えさせていただきましたが、背景として、5~6年ほど前まではそもそも新卒採用をそこまで積極的に行っているわけではなかったんです。

 

ただ、新卒採用に力を入れ始め、ありがたいことに社員も増えてきた際に、「集まってくれた優秀な若手社員をどうやって育成していこうか」ということを早急に考える必要が出てきました。

ホワイト財団
ホワイト財団
それで今の研修制度ができあがっていったということなのですね。リアルソフト様の研修制度で特徴的だと思ったのが、新人研修の『講師は2年目のメンバーから抜擢』ということだったのですが、この新人研修に関してもう少し詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか?

まず教育チームをつくり、新人研修をきちんと一貫性のあるカリキュラムで、かつ会社の理念がもっと伝わり、仕事のやり方が伝わり、技術が伝わるような内容にする、ということに1年の時間をかけました。

 

その時担当していたメンバーは、その当時入社2・3年目の社員でした。そこで、「自分たちが研修を受けた時のリアルな反省点」を活かし、さらに時間をかけて「より良い新人研修」を実現するためにブラッシュアップしていきました。

 

そうすると、だんだん「リアルソフトの新人研修ってこの方向がいいよね」という形が見えてきたのです。

ホワイト財団
ホワイト財団
新人研修を直近で実際に受けた2~3年目の社員の方だからこそ、自分たちが感じた反省点や良いところを活かして研修制度を作り上げることができたのですね。その際に大変だったことや課題はありましたか?

 

新人研修の形は見えてきたのですが、次に「講師の育成」という課題がありました。

 

ずっと同じ人が講師で、新人研修を行っていると、属人化してしまい、制度として成り立たなくなる恐れがある。そこで、2年講師を行った人はサポート側に回って、新しい講師を育成する、といった形にしました。

 

ホワイト財団
ホワイト財団
新人研修を受けて、2年目以降、講師として新人に教えて、講師を終えたら次は講師をサポートする。この一連の流れはものすごく綺麗な流れですね

そうですね。入社2年目の社員にとって、研修カリキュラムを作ったり、人に教えることは、苦労することが多かったと思います。ですが、「人に教える」という経験を経ることで、仕事に対しての視野が広がったり、技術面の理解度が上がるといった効果も実感してもらえました。

 

また、新入社員にとっては、年齢の近い講師がいることで、ちょっとした相談をしやすかったり、身近な目標ができたりというメリットもありました。新人研修を通して、双方が良い影響を与え合える仕組みになったのかなと感じています。

ホワイト財団
ホワイト財団
確かに、少し勝手なイメージにはなってしまいますが、新卒社員の方も、年の離れたベテラン社員の方に教えてもらうよりも、2年目の先輩に教えてもらう方が、リラックスして質問などもできそうな気がします。ちなみに講師に選ばれた方ってのは、講師をするための研修などは受けられるのですか?

 

もちろん、新任講師のフォローも注力しました。研修開始前には、ワークショップ形式で「講師として必要なマインド」や、ティーチングとコーチングの違いについて考えてもらったり、研修開始後はその日の振り返りを行って、良かった点や反省点のフィードバックを毎日行うようにしました。

 

定着の秘密!文化として根付かせるための工夫(制度の定着や文化として根付かせるための工夫について)

ホワイト財団
ホワイト財団
今までお話を聞いていると、従業員の方々一人一人が、責任感を持って仕事に対して向き合っているからこそ、制度として定着しているのかな、と感じたのですが、いかがでしょうか?

そうですね。リアルソフトの社員は課題感を持って仕事に取り組んでいる人が多いと思います。だからこそ、新人のころから常に「ここはこうなった方がもっと組織としてよくなるはず」という視点を持てるのかもしれません。

ホワイト財団
ホワイト財団
少しお話は戻ってしまいますが、最初に企業の紹介でお話頂いていました『Make everyone happy with IT solutions ITで世界中の人々を幸せに』という理念が浸透していると感じる部分はありますでしょうか?

 

何よりもまず、社員同士がしっかり『コミュニケーション』を図っていこう、という意識が根付いていると感じます。

 

当社では、企業理念を実現させるために「最高のチームを作り、ITで世界中の企業の業務効率化を支援する」というミッションを掲げています。さらにそのミッションを受け、「SPiRIT」という行動指針を定めています。

 

SPiRITの中でも特に大切にしているのが「リスペクト」と「チームワーク」という価値観です。どれだけ個人のスキルが高くても、ひとりで出来ることには限界がありますよね。

 

ひとりひとりの力を最大限発揮し、さらに大きな力を生んでいくためには「リスペクト」と「チームワーク」を持ってコミュニケーションを図り、最高のチームをつくることが重要だと考えています。

 

また、評価制度の中にSPiRITをどれだけ体現できているかという評価項目を設けたり、都度代表からのメッセージを発信することで、理念の浸透を目指しています。

 

ですので、人材育成の点においても、1人1人がSPiRITを大切にしていて、誰かが困っていたら助ける、みんなで協力して一つの仕事を成し遂げるという意識を持っているからこそ制度が定着していったのだと思います。

 

ホワイト財団
ホワイト財団
従業員の方々が互いに、支えあい、リスペクトを送りあっているからこそ制度が定着するって、とっても素敵なことですね!

 

私もそう思います。本当に素敵な社員ばかりなので、そう言っていただけると嬉しいです。

 

会社としての取り組みとしては他にも、「reaclap(リアクラップ)」という、従業員同士が日々のちょっとしたことに対して感謝の気持ちを送ることができる制度を運用しています。

 

プロジェクトが違っても「〇〇さん、こういうこと頑張ってるんだな」とか「〇〇さん、こういった場面で活躍したんだな」というのが可視化されるものです。利用率も高くて、そういったところに、当社のリスペクトの社風だったり、チームワークを大切にしている部分が表れているのかな、と思います。

 

 

リアルな声!制度がもたらした変化とは?(社員の声)

 

ホワイト財団
ホワイト財団
とても素敵な風土が魅力的なリアルソフト様ですが、実際に社員の方々からはどういったお声があるのかをお伺いしてもいいですか?

はい。新人研修制度について、社員アンケートをとりました。生の声を共有しますね(笑)

 

まず講師側は、「研修中は研修生の表情や声まで確認して、理解に苦しんでいる時や、不明点が出た時を見逃さないように注意を払っている。そのため、日々のコミュニケーションを積極的に行うようにしています」「自分が初心者だったらどのように教えてもらうとわかりやすいかを常に意識して講義を行っている」という意識で研修にあたっているとのことでした。

 

研修を受ける立場の新卒社員からは「研修初日に研修担当の方々とランチに行ったり、頻繁に交流の機会があったので、すぐに緊張がほどけてリラックスした状態で研修を受けることができた」「疑問があってそれについて尋ねたら、関連する知識についても教えてくれた」「実務に入る際にも研修で関わった方々の存在があったので、何かあっても気軽に相談できるという安心感があった」「ただカリキュラム通りに進めるだけではなく、研修生の進み具合などを十分に考慮した上で、組み立てられた研修内容だったと感じた」などたくさんの喜びの声があがっていました。

ホワイト財団
ホワイト財団
これだけの声が社員の方から返ってくるのはすごいですね。今のお声というのも、アンケートの中の一部を抜粋してくださったものかと思いますが、このアンケートは全員にアンケートを取る時間を設けて書いてもらったものになるのですか?

 

いえ、アンケートに関しては特別時間を設けたわけではなく、皆さんに協力をお願いしますとだけお伝えして、返ってきた回答です。

 

ホワイト財団
ホワイト財団
そうなのですね。アンケートって結構、個人的にかもしれませんが、ちゃんと書かなかったりすることも多い印象もありますが、その中でも具体的に、そしてこれだけの数のアンケートが返ってくるというのは、人材育成の点において満足感が非常に高い社員さんが多いのでしょうね

たしかに、全社的に、アンケート以外の取り組みも、お願いしたら8割、9割近くの人が率先して協力してくれる環境ではあります。

 

それが新人の方や2年目以降の講師の方にも伝わってるのは私としても、とっても嬉しいことです。

労働環境改善をがんばる企業へのメッセージ(がんばる企業へ一言)

頑張る企業様へ一言…私はなかなかそんなことを言える立場ではないのですけど(笑)ただ、当社としては「お客様に良い品質のサービスをお届けして、幸せになってもらう」とう理念があり、その理念を実現するためには「自社のメンバーがまずは幸せであること」が必須だと思っています。

 

だからこそ、メンバーが誇りとやりがいをもって働ける会社にしていくため、いろいろな施策をしています。

 

新しい施策だったり、制度を作り上げていくのはものすごく大変だと思いますし、それを定着させていくのはもっと大変なことですが、企業が変わっていくことで社会もより良い方向に変化していくということを信じて、共に取り組んでいきましょう!

 

 

取材者のレビュー

 

何よりも印象的だったのは、担当者の杉江さんが自社のことを語る姿がとてもイキイキとしていたことです。
お話の中でもあったように、リアルソフト様の「相手に対してリスペクトを送る姿勢」「コミュニケーションを積極的に取る」という点に関して、当たり前のようで、なかなか難しかったりするかとは思いますが、今一度、私自身も含めて、この2点をしっかりと心に刻んで明日からの仕事を取り組んでみたら、最後に杉江さまが仰られていた「より良い社会の実現」に近づくかと思います。
インタビューの機会をいただきありがとうございました。