ホワイト企業認定アワード受賞企業に迫る!株式会社建新様の制度定着までの成功ストーリー

2025.03.06

【インタビューを受けた人】

株式会社建新

望月 様

 

【インタビュアー】

ホワイト財団  長谷川 颯汰

 

【受賞理由】

株式会社建新様は、社員一人ひとりの成長を支援する人事評価制度と人材育成プログラムを展開し、企業全体の成長に貢献する人財を育成する取り組みを高く評価いたしました。
まず、従来の「数値重視型」の人事評価制度から大幅に転換し、従業員の個性や貢献の多様な側面を公平に評価する「新人事評価制度」を確立しました。業績だけでなく日々の行動やチームへの貢献も評価対象となり、自己目標設定による成長の促進と、従業員のモチベーション向上に繋がっています。
また、2020年に設立された人財開発部による「建新マネジメントプログラム」が、全従業員に必要なスキルを段階的に習得させる画期的な制度として注目しました。このプログラムは、コミュニケーションスキルやリーダーシップ能力、業務マネジメントスキルなど、必要不可欠なスキルを体系的に学べる内容で、従業員の成長を促進しています。さらに、プロのコーチによる実践的な研修が提供され、高品質な指導が行われています。

従業員のキャリアアップを支援するため、研修内容は役職ごとにカスタマイズされており、階層に応じたスキルを学ぶ環境が整っています。
それぞれの成長に合わせ教育制度の中で、企業の求める人材像を実現できる体制を築かれており、従業員の長期的な成長と企業の持続的な発展に寄与しています。

 

 

株式会社建新のポイント

・業界でも異例の「週休3日制」を導入!
・職業満足度アンケートにおける満足度が70%越え
・「休みも仕事も充実」できる会社

株式会社建新ってどんな会社?(企業概要)

株式会社建新様は、横須賀をはじめとした神奈川県全域、東京都にて「土地仕入れ、測量、造成工事、設計業務、建築施工、分譲販売、リフォーム」をワンストップで行い、戸建て分譲事業をメインに住環境に関する総合的なサービスを提供している企業です。

 

「当社に関わる人、全ての人を幸せにする」という企業理念「All-Win」の実現を目指しており、地域に根付いた企業として「横須賀の街をはじめとした多くの地域、より多くの人々に建新の住まいを通じて幸せを届けたい」という想いから企業理念「All-Win」を掲げて活動しています。

 

 

 

ここが課題だった!制度導入前に直面していた壁とは?(制度導入以前の課題)

ホワイト財団
ホワイト財団
本日は貴重なお時間を頂きましてありがとうございます。そして改めてホワイト企業アワードの受賞、おめでとうございます。今回受賞した部門としては人材育成部門でしたが、建新様は様々な取り組みや制度を導入されているのが印象的でした。

ありがとうございます。弊社では従業員のモチベーション向上や、業務効率化に向けたシステムの導入など、確かに様々なことに取り組んでいます。

 

その中でも特に、メディアなどにも取り上げられたことがあるのは「週休3日制度」です。

ホワイト財団
ホワイト財団
週休3日制度を取り入れているのはすごいですよね。週休2日制度を取り入れている企業様がほとんどかと思いますが、週休3日制度を取り入れたきっかけや、取り入れるまでの課題を詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか?

 

確かに、まだまだ日本の企業で週休3日制度を取り入れている企業様は少ないかと思います。

 

もともと抱えていた課題、という部分でいうと、これは弊社だけの話ではなく、業界全体にいえることではあるのですが、私たち建設業、並びに不動産業は、どちらも昔から続く産業であるが故に、やはり長時間労働で、なおかつ重労働であるということは、懸念事項の一つだと捉えています。

 

例えば、年間休日がまだ105日とか110日というような会社もまだまだ存在しています。

「完全週休2日制」というわけではなく単に「週休2日制」だったり、「隔週休2日制」という企業もあるわけです。

 

そういった中で、私たちの会社も過去はやはり残業が多く、休日出勤などもかなり多く、お休みが少ないという時代がありました。

終電まで働くなんてこともあるような労働環境だったのですが、どうしても数字を伸ばしていくためには、より多くの時間を働くという解釈は、ある程度仕方ない部分でもあったのです。

 

しかし、今では「長時間働くのが美徳」という時代から、むしろ長時間働くことによって心身が不調になることのほうが問題視されている時代です。

 

なので当社としても従来の建設業や不動産業にありがちな長時間労働をすることで売り上げを伸ばしていくという「このままの働き方で本当に社員は幸せな生活を得られているのだろうか」という疑問を抱いたことが出発点だったと感じています。

 

 

これが解決のカギ!導入した新制度の全貌(導入制度概要)

 

ホワイト財団
ホワイト財団
確かに、業界によってはまだまだ長時間労働が当たり前というう風潮があることはございますもんね。私も過去に不動産業界で営業職をしていたので、今のお話はすごく共感ができました。そこから週休3日制度を導入した経緯や制度の概要をお伺いしてもよろしいでしょうか?

 

私たちは「All-Win」という企業理念を掲げているので、従業員がまずは幸せであるべきだと考えていて、さらには協力業者様、そのご家族、お取引様、お客様、皆様が幸せであるべきだと考えています。

 

そのために従業員が働きやすい環境づくりに務めることで、個々のモチベーションや生産性の向上を期待できると考えました。

 

元々、2020年に「完全週休2日制」を取り入れたところから始まるのですが、この完全週休2日制を取り入れた後、休みを増やすことで、仕事自体は果たしてうまく回るのか、従業員満足度はどうなるのか、どのぐらいの効果測定が得られるかをまずは検証しました。

 

そしてそこから発展させていき、2021年から「週休3日制度」をトライアルでやってみようということで、全部門に声をかけていき、試験的に試していったのです。

 

この時の週休3日制度には「3パターンありました」

 

1つ目は週40時間の労働時間は変わらずに、休みが増えるパターン。これは1日分の8時間が残り4日間に配分されるイメージです。

 

2つ目は休みが1日増える分、給料も休みの分下げる、というパターン。

3つ目は、お休みだけ増えて、給料は現状維持。労働時間だけが単純に減るというパターン。

 

この3つのパターンをもとに、導入していこうという話になりました。

ホワイト財団
ホワイト財団
最初は試行錯誤で、いろいろなパターンを試されたのですね。実際のところ3つのパターンを試してみていかがでしたか?

まず1つ目の「労働時間は変更なしで、休みが増えるパターン」ですが、私達の通常定時が「9時から18時」なので、単純に1日あたり2時間増える、つまり20時まで延びるわけなので、10時間労働は思っている以上にきつかったです。

 

やってみてわかったことですが「拘束されている」という思いがどうしても増えてしまうんですよね。体もきついですけど、10時間確定で会社にいないといけないというのは、精神的にきついものです。

 

2つ目のパターンは、パターンとして挙げさせていただきましたが「賃金を下げる」という方法になるので、これは我々の趣旨と異なるため検討不要でした。

 

そうなってくると残されるのは3つ目のパターンである「単純に1日休みを減らして、なおかつ給料は減らさない」という方法です。

 

お休みが増えたけど売上が下がってしまったら意味がありませんし、売り上げが上がって、お休みも増えたという実績を出す必要があるので、1年間、いろいろな議論を交わしつつ、トライアルの期間で「これはいける」と判断し、2022年の4月から月1回ずつ、週休3日制度を導入することになりました。

 

 

定着の秘密!文化として根付かせるための工夫(制度の定着や文化として根付かせるための工夫について)

ホワイト財団
ホワイト財団
様々な試行錯誤がありながらもついに週休3日制度が導入されたのですね。そこからは問題なく順調に定着していったのでしょうか?

いえ、また新たな課題にぶつかることなりました。

 

というのも、週休3日制度にするということは、そもそもの労働時間が減るので、今まで40時間で行っていたことをその週は32時間でしなければいけないとなると、どうしても従業員は残業をしたり、人によっては休日に仕事をすることになってしまいます。

 

「休みは増えたけど、結局残業時間が増えてしまう」これだと意味がない。

 

そのため、文化として定着させるためにまずは従業員の意識から変えていきました。決まった労働時間の中で、いかに仕事できるかという点を重視するように促し、プライベートを充実させることで仕事に注力できるという良い循環をイメージしてもらいました。

 

さらに会社としても、会議体の見直し、勤怠システムを本人と上長が一目でチェックすることができる仕組み作り、PCの強制シャットダウンや、20時に閉館など、従来の働き方の姿勢を変えていきました。

 

ただ、従業員の方々も「効率を重視するが故に、重要事項が低いことをうやむやにする」といったことが起きないように、定期的に研修などを行い、自己啓発を含めた意識改革も行っています。

 

リアルな声!制度がもたらした変化とは?(社員の声)

 

ホワイト財団
ホワイト財団
様々な紆余曲折があり、週休3日制度が定着したかと思いますが、実際の社員さんのお声はいかがでしょうか?

 

まず、従業員を対象とした職場環境満足度アンケートにおいては「仕事」「家庭」ともに満足の回答が70%以上でした。

 

これは週休3日制度を導入した際に、仕事だけではなくプライベートの充実があってこその生産性向上に繋がるということをお伝えしてきましたので、この結果に満足せず「仕事」「家庭」ともに8割以上の方が満足と回答いただけるように目指していきます。

 

また従業員さんからは「休みの日は家族でバーベキュー」だったり、平日の休みは比較的混んでいないので、街にでてネイルサロンに行っていますといった声もあがっていました。

 

そのため「休みが増える」という点に関しては不満な人はほとんどいなくてですね、皆さんに満足いただけてると思います。

 

ただそうは言っても仕事人間と呼ばれる人が弊社だけではなく、もっと広い範囲で見ても世の中にいるのは事実です。

 

そういった方々は休みが増えようが、関係なくその日も仕事をしたがるんですよ。

 

正直、私自身も、元々仕事人間だったという自覚もありますから、非常に気持ちはわかるのですが、これは教育観点から見ても、例えばその方々に向けては「今日は仕事をする時の自分の体と心を休めるのが仕事だよ」とか、時間に追われている社員に対しては「時間に追われていると良いアイディアがでてこないから、休むのも必要だよ」など声掛けをしています。

 

 

労働環境改善をがんばる企業へのメッセージ(がんばる企業へ一言)

「ホワイト企業」と言っても様々な解釈がありますが、私自身が思うホワイト企業は「従業員が働きやすい会社」だと感じています。

 

もちろん、産業によって事情はかなり違うと思いますが、それでもできる範囲内で1歩ずつでもいいかと思うので「これをすれば従業員の方は喜ぶのではないかな」ということを進めていくのがいいかと思います。

 

「従業員の方が喜ぶ施策」を進めることで、働いてる人たちが「この会社で働いていて楽しい」そしてもっと言えばこの先入社する求職者の方からも「この会社だからこそ働きたい」と思ってもらえる人が増えれば増えるだけ、最終的に会社の成長に繋がるはずです。

 

 

取材者のレビュー

 

「週休3日制度」を導入と聞くと、聞こえはいいかもしれませんが、それに伴った生産性の向上や、残業時間削減など、様々な課題を乗り越えながら、現在は「仕事」「家庭」両面で満足していると回答している人が7割を超えているというのは、本当に素晴らしいことだと思いました。
また「従業員が喜ぶこと」を考えることが、巡り巡って会社の利益に繋がり、さらには社会全体も良くなっていくのではないかと感じました。
しっかりと仕事も頑張って、プライベートも充実させたい人は、ぜひ建新様への入社を検討してみてはいかがでしょうか。

インタビューの機会をいただきありがとうございました。