チームワーク(共環力)を大切に、明るく笑顔溢れる社内環境

2022.12.16
社員インタビュー

【インタビューを受けた人】
株式会社世古工務店  仁木 雅之 様
株式会社世古工務店  野島 真貴代 様
株式会社世古工務店  伊藤 由佳 様
株式会社世古工務店  岡本 雄介 様

【インタビュアー】
ホワイト財団 金崎綾香

株式会社世古工務店

代表取締役  仁木 雅之 様

船大工を生業としていた祖父が創業した世古工務店を継ぐ形で代表に就任。学生時代は6歳から始めた水泳を大学まで続け、小学4年生からジュニア選手になり、小学6年生からは週8回の練習をこなすほど競泳に打ち込む。現在の趣味はテニス。仕事終わりに汗を流すことを楽しみにしており、今回のインタビューに参加していただいている岡本さんとはテニス仲間。
株式会社世古工務店

総務経理部 部長  野島 真貴代 様

2004年入社。製造業からの転職。世古工務店に入社を決めたのは、偶然にも自分の家を建てたのが世古工務店だったことが理由。現在は経理に加え新卒採用の事業部長を兼任しており、リクルーティング活動にも精を出す。
株式会社世古工務店

総務経理部  伊藤 由佳 様

2020年 新卒入社。世古工務店との出会いは合同説明会。会社説明を人事担当者が行う企業が大半の中、社長が学生と向き合って会話している姿に感銘を受け入社。現在は一般事務としてバックオフィス業務を担いつつ、建設業経理士の資格も取得。さらに業務の幅を広げていくことが今後の目標。
株式会社世古工務店

建築事業部  岡本 雄介 様

2021年入社。ものづくりに携わりたいという想いから世古工務店に入社。異業種からの転職だったこともあり、最初は現場で飛び交う専門用語がまったく理解できず戸惑うも、上司や職人の方々の手厚いサポートで徐々に知識を重ねていき、現在は施工管理者として現場の指揮を執る。

  世古工務店のポイント

・健康経営や働きがいについて、会社独自の『グッド制度』を導入し福利厚生を充実している
・従業員が、自分の働く会社を人に自慢できるような労働環境作りに注力
・1人ひとりの個性を伸ばしながら、従業員みんなが輝ける職場を提供したい

会社紹介をお願いします

仁木社長:世古工務店は総合建設業として2つの事業を展開しています。

 

1つ目は地盤補強事業です。

分かりやすく言うと、戸建住宅や集合住宅の地盤沈下を防ぐ工事です。

『SEKO スクリューパイル工法』という国土交通省大臣認定を受けている独自の工法を強みとしており、累計施工実績は3万棟を突破しています。

 

 

2つ目は建築工事業です。

一般住宅はもちろん、公共施設や商業施設・店舗などの施工を行っているほか、リフォームも事業領域としています。大手ハウスメーカー様の一次請けとしての施工力は東海3県屈指であり、確かな実績を重ねています。

 

 

 

 

健康経営への取り組み

 

—会社として注力されている健康経営について教えてください。

 

仁木社長:当社には就業規則に『グッド制度』という制度があります。グッド制度は毎年増えており、現在6つの制度で運用されています。

 

「今年はどんなグッド制度が増えるんだ?」と従業員の楽しみの1つとなっているようです。

 

そのうちの1つが『グッドライフ制度』です。
これは社員が自分自身の健康管理を意識し、運動を促すことを目的にスタートした制度です。

具体的な取り組みとしては歩数を計測するスマートウォッチを入社後の試用期間が経過した社員に支給し、その歩数によって毎月手当を支給しています。

 

手当が支給されるのは1日平均5,000歩からです。5,000歩というのは厚生労働省が1つの基準として定めている「将来、自分の足で歩き続けるための目安」です。

以降、3大疾病にかかりにくいとされている1日平均8,000歩から手当の支給額が増え、順に10,000歩、13,000歩と支給額が変わります。

 

手当のほか、年間で高い歩数を記録した社員を『トップ・オブ・ウォーカー』として表彰し、副賞として健康にまつわる食品やグッズの購入費を最大5万円分補助するなど、楽しみながら健康管理ができる工夫を施しています。

 

 

 

—おもしろい制度ですが、従業員の皆様は活用されていますか?

 

伊藤様:はい、どれだけ歩いたのかがスマートウォッチを通して分かるので、1日の活動量を意識して毎日を過ごすようになりました。

 

岡本様:私は現場に出ているので歩いているほうだと思いますが、自宅に帰ってスマートウォッチの記録を確認すると、たまに少ない日があるんですよね。

少なかったらその日を振り返り、翌日は歩くことを意識しています。

 

野島様:事務職はデスクワークが多く、勤務時間中もあまり歩くことがありません。

だからこそグッドライフ制度によってウォーキングが習慣になりました。私の場合は1日10,000歩を目標としています。

 

 

—グッドライフ制度は第三者機関からも表彰を受けたと聞きましたが。

 

仁木社長:そうですね。公益社団法人・関西経済連合会では、毎年「関西スポーツ応援企業」と題して従業員のスポーツ活動の促進に向けた取り組みや健康経営の実践による従業員の健康維持・増進に取り組んでいる企業などを表彰しています。

 

福井県・三重県を含む近畿圏内の多くの企業が自薦または他薦で公募に応募しており、当社も健康経営の分野で申し込んだのです。

 

応募企業のうち5社が表彰されるのですが、『健康経営賞』に選出されました。

 

ホワイト企業認定もそうですが、自社の取り組みがこのように第三者機関に認められる点は、非常に嬉しく感じます。

 

 

世古工務店 独自の『グッド制度』


—『グッド制度』には「グッドライフ制度」のほかにどういった制度があるのでしょうか?

 

仁木社長:グッド制度は2016年から1つずつ増やしています。

いくつかを紹介すると、業績向上、業務効率改善などに貢献した従業員や部・課、結果こそ伴わなかったものの、チャレンジする前向きな姿勢によって周りに好影響を与えた従業員や部・課に対して一時金を支給する『グッドジョブ制度』や、現場に直行する従業員に対し、1日200~400円(現場の所在地により異なる)を支給する『グッドモーニング制度』などがあります。

 

 

—従業員の皆様のお気に入りや利用している制度を教えてください。

 

伊藤様:最近、私は『グッドスタディ制度』を利用しました。

グッドスタディ制度とは簡単に言うと資格奨励制度で、取りたい資格を申請し、合格すると一時金や資格によっては資格手当/月が別で支給されます。

この制度を活用して建設業経理士の資格を取得しました。自己研鑽を後押ししてくれるのは当社の魅力ですね。

 

 

岡本様:私は転職してきたのですが、『グッドモーニング制度』には驚きましたね。

以前の勤め先でも直行は珍しくなく、もちろん手当などありませんでした。それが世古工務店だと直行すれば手当を出してくれるんです。社員の頑張りを還元しようとする想いが伝わってきて私は好きです。

 

仁木社長:直行は建設業界で特に多いと思います。

本当は朝早く現場に直行するよりも、一度出社してひと息ついてから現場に行きたいはずです。それを会社の都合、現場の都合でやむを得ず直行をお願いしているんですから、少しでも気持ちよく働いてもらうためにグッドモーニング制度をつくりました。

 

 

野島様:今年、新設された『グッドアクション制度』に私は魅力を感じています。

業務で一定の成果をあげた社員が表彰されるグッドジョブ制度とは異なり、グッドアクション制度は日常の従業員同士の関わりの中で生まれた感謝や気遣いが評価の対象です。

 

評価の流れとしては、たとえばAという従業員がBという従業員の言動を感謝・賞賛したい場合、想いを込めた『グッドアクションカード』に記入し、所定の場所に掲示します。

それを毎月社長がチェックして、もっともグッドアクションだと思った内容を『MVA(モーストバリュアブルアクション)』に選出します。

 

私のケースを紹介すると、他の従業員が私の通勤で使用している自動車のバンパーが浮いていると教えてくれたことがありました。

それまでまったく気付かなかったのですが、よく見ると確かに浮いているんです。

2人でボンネットを開けてみると留め具が外れていました。

 

見つけてくれたことはもちろん、修理まで手伝ってくれた感謝の気持ちをグッドアクションカードに書き記したところ、有り難いことにMVAに選ばれました。

 

MVAに選出されると、カードを送られた従業員も、送った従業員も手当が支給されます。

実務に直結しない取り組みにもスポットを当てるのは、さまざまな努力を評価する当社の社風が表れていると考えています。

 

 

『ホワイト企業』を目指したきっかけ


—ホワイト企業認定を取得したきっかけは何だったのでしょうか?

 

仁木社長:そもそも職場環境を改善しようと思ったきっかけは、今から10年ほど前、私が専務を務めていた頃にさかのぼります。

 

当時、三重県・三重大学・民間企業の産学官連携プロジェクトに当社は参画していました。

産学官で情報を共有しながら事業間の相乗効果を図っていくことがプロジェクトの主たる目的でしたが、地元の中小企業の次期社長を対象とした研修も行われていました。

 

そのときに、このまま先代から引き継いで同じような取り組みをしていても「人は定着しない」と思ったんです。しかし、危機感を覚えた一方で、気づきもありました。それは当社の強みは“人”だということです。

 

『SEKO スクリューパイル工法』という武器も持っていましたが、当社の強みはその技術ではなく、独自工法を作り出した組織力こそ最大の強みだということに気づきました。

 

以降、人材に着目して制度設計や組織づくりを行うようになりました。

 

 

—どのような取り組みで改善したのですか?

 

仁木社長:大きく3つに絞って変革を目指しました。

 

1つ目はグッド制度をはじめとする就業規則の見直しです。企業価値の向上につながる福利厚生を整えていきました。

 

2つ目はIoTやICTに代表される業務のスマート化です。当社はICTの導入に積極的な大手ハウスメーカー様とつながりが深いこともあり、以前から図面や写真のデータ化などの導入は早かったのですが、業務の効率化だけでなく、強みである組織力を高めるために+αのデジタル技術を導入する必要があると考えました。

 

実施している施策をいくつかピックアップすると、上下や部署間の垣根を低くすることを目的とし、オフィスにフリーアドレスを導入しました。毎日、違う席に座り、横に座るのも違う人。自然なコミュニケーションが生まれています。

 

そのほか紙文書をサーバーにデータ移行し、膨大に資料が保管されていた書庫をなくしました。書庫の必要がなくなったことでオフィスを改装した結果、以前から1.5倍に拡張することができました。

 

そして3つ目は新卒を中心とする採用力の強化です。おかげさまで採用に関しては4年ほど前からようやく成果が表れるようになってきています。これは新卒採用の事業部長を担当している野島さんの頑張りにほかなりません。

 

 

 

 

—そこからホワイト企業認定を取得するまでにどのような経緯があったのでしょうか?

 

仁木社長:取得に至った経緯は、さまざまな第三者認定がある中でもホワイト企業認定は特にハードルが高いと思ったことが理由です。

 

ホワイト企業認定は何か1つが突出していても取得することはできません。

 

7つの項目があり、総合的に見てバランスが良い企業が認定されます。そのバランスの部分に、取得する難しさと取得することの価値を感じました。

 

 

—ホワイト企業認定を取得したことで社内に変化はありましたか?

 

岡本様:正直、最初は「ホワイト企業認定って何?」って思いました。ただしホワイト企業=良い企業というイメージはあったので、分からないなりにもポジティブに捉えたことは確かです。

 

伊藤様:当社はホワイト企業認定を取得するために新たな制度を設けたり、社内環境を改善したりしていたわけではありません。

 

今まで世古工務店としてホワイト企業を意識せずに取り組んでいたことが、結果的にホワイト企業として認められたという認識です。従業員からすると当たり前だと思っていたことがそうではなかったという驚きと同時に、ここで働けていることに喜びを感じます。

 

仁木社長:取得したことで、今は「維持すること」に難しさを感じています(笑)。

 

 

—仁木社長が考える『ホワイト企業』とは何でしょうか?

 

仁木社長:ブラック企業は「自社への批判的な声が従業員からたくさん出る」企業という認識を私は持っています。

 

だとすればホワイト企業は愛社精神のような堅苦しさはないですが、「ここで働いていて良かった」と見えない感情でみんなが繋がっている企業だと思います。

 

 

世古工務店の魅力

 

—会社の好きなところを教えてください。

 

岡本様:面接で初めてオフィスを訪れたときのことは今でも覚えています。

正直、そのとき私は建設業界に暗いイメージを持っていました。

そうはいっても、ものづくりに携わりたいと思って転職活動を行っていたのである程度の覚悟を持って当社の門を叩いたのですが、建設業でこれほど明るくて開放的なオフィスはあるのかと驚きました。

あとは従業員の方々が和気あいあいと仕事されていた姿も印象的で、すぐさま「ここで働きたい!」と思いましたね。

 

入社してからは、職人さんの専門用語がわからなかった私に対して、困っていることを察知して周りの人が声をかけてくれる環境にとても救われました。

 

また、こちらから相談をするとアドバイスや解決策を教えてくれるので、私のように他業種から新しい人が入ってきても仕事がしやすい環境なのも魅力だと思います。

 

 

伊藤様:私も、入社したころは先輩たちの業務スピードの速さについていけず焦りを感じていました。そんな時に、先輩たちが「やっていくうちになれていくよ、大丈夫」と優しい言葉をかけてくれ、この言葉のおかげで「自分のできることを自分のできるペースで頑張ろう」と前向きに考え業務をどんどん覚えることができました。

 

また、経験や年齢に関係なく、いろんな業務に挑戦できるのも世古工務店の魅力だと感じています。

 

 

今後のビジョン・求める人物像について

 

—最後に今後のビジョンならびに求める人物像について教えてください。

 

仁木社長:従業員が輝ける場を提供していくことが私の目標です。

 

当社は求める人物像を定めてはいません。なぜなら誰もが活躍できる環境があると考えているからです。今日、インタビューに参加してくれている3名も個性はさまざまですが、それぞれが各分野で活躍してくれています。

 

野島さんは、キャリアが豊富で社内でも一番の創造力の持ち主です。

 

岡本くんは、社内でも現場でもとにかく明るくて、周りに良い影響を与えてくれています。

 

新卒で入社してきた伊藤さんは、素直で吸収力が高く、何事にも率先して取り組んでくれます。現にホワイト企業認定の審査に必要な書類を作成してくれたのは彼女です。

 

それぞれ個性も能力も違いますが、なくてはならない存在であり、社員一人ひとりの得意分野の掛け算によって会社は成長しています。

 

当社が求めるのはたった1つです。

それは周りと協調できることです。仲間とのコミュニケーションを大切にし、ときにサポート側に回ったり、ときに良い意味で周りを巻き込んだり。

当社では根本理念である『共環力』を大切にしています。私たちの理念のもとでは、個ではなく、チームで働くことを重要視しています。

 

この考えに共感してくださる方がいましたら、ぜひ当社の門を叩いてください。皆さんの長所や光るところ、世古工務店が伸ばしますよ!

 

 

 

取材者のレビュー

 

今回は仁木社長と3名の従業員様にお話をお伺いしました。「共環力」をキーワードとする同社。普段から協調性を重んじ、チームで業務に取り組み、コミュニケーションが盛んであることが、取材当日のわずかな時間でも分かるほど、年齢も役職も部署も異なる4名が和気あいあいとお話されていました。

また、印象に残っているのは、仁木社長の会社への想いです。「売上を伸ばしていきたい」「対外的に見て良い会社だと思っていただきたい」というよりも、「従業員が自慢できる会社にしたい」と仰っていました。これはホワイト財団が考えるホワイト企業の定義である「従業員の皆様がご家族や友人に入社を勧められる企業」と共通していると感じました。

 

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  • 取材者

    日本次世代企業普及機構 金崎綾香

    小売業界でバイヤーとして、商品買付けや企画などの店舗管理業務に従事しつつ、販売メーカーの営業として法人営業にも携わってきました。2022年より株式会社ソビアに入社し、これまでの経験を活かし、ホワイト企業認定を取得された企業様の魅力をホワイトキャリアでたくさんの方に発信していきます。