学生企業訪問 エンライズホールディングス株式会社

人の成長が私の成果。目に見えないから難しい。だけどそこが面白い。

2021.10.15
  • インタビューを受けた人橋本 明子 様

  • 学生インタビュアー石井 勇輝

  • 学生インタビュアー中川 真由

エンライズホールディングス株式会社

人財本部 人財育成部 橋本 明子様

大学卒業後、IT講師職に4年半従事。UNIX・Linux・ネットワーク・プログラム・ストレージなど幅広い分野を担当。
その後、産業ITシステムの開発業務に携わり、現在はエンライズソリューション株式会社にて、インフラエンジニアの育成責任者として従事しつつ、社内外にてLinux講師として講義もおこなう。

エンライズグループ 橋本様 × ホワイト財団

エンライズグループで働く橋本様にインタビューさせていただきました。社内教育に携わる教育のプロ目線から、社員の教育制度や、教育担当ならではの悩みについてお話いただきました。

学業も就職活動も分析第一

-石井勇輝(以下、石井):どんな学生時代をお過ごしでしたか?

橋本明子(以下、橋本):高校は商業系の情報学科に通い、大学は千葉工業大学の情報科学部情報ネットワーク学科に進学しました。課外活動が好きで、部活動で弓道部に所属する一方、学友会に所属していました。学友会は学生団体の生徒会のようなものをイメージしていただくとわかりやすいかと思います。

-石井:当時の就職活動について教えていただきたいのですが、橋本さんは特定の業界に絞ったり、志望業種を決めたりされていましたか?

橋本:情報学科の高校でしたのでパソコンを早くから触っていたこともあり、なんとなくですが、そうした道に進みたいなと早い段階から考えていました。「パソコンに触れる職種=IT企業」というシンプルな思考で業界は絞っていましたね。

私は調べていないことに対してその場でスラスラ話せるような器用なタイプではなかったため、特定の企業にあらかじめ絞って選考に臨んでいました。企業を調べる段階で企業理念や経営方方針に理解・共感できるかをしっかり検討し、自分が良いと思った会社は1社ずつ納得がいくまで調べていました。

-石井:就職活動で困ったことはありましたか?

橋本:今もそこまで得意ではないのですが、化粧ですね。それまでほぼノーメイクで過ごしてきていましたので、メイクには本当に苦戦しました。なので、毎日これを繰り返している社会人って凄いなと感心した記憶があります。

-石井:就職活動を通して楽しかったことはありましたか?

橋本:先ほどお話ししたように、器用なタイプではないため就職活動のスタート前はとにかく面接に対する苦手意識がありました。が、選考に進むと当初の予想に反して面接でいろいろな方と話すことが楽しく、自分でも意外なほど就職活動を楽しんでいました。たまたまですが、私が選考を受けた企業は格式ばった面接を実施しているところが少なく、話しやすいものばかりでした。お喋りの延長線上のようなリラックスした状態で臨むことができ、面接官や集団面接で同席した就活生など、様々な人と出会い、自分と異なる価値観・考え方にふれたことは貴重な体験でしたし、そうした知らないものに出会うのは刺激になりました。

教育制度の立ち上げメンバー

-石井:入社を決意した決め手はどういったところでしたか?

橋本:実はエンライズグループは中途入社でして、新卒は違うIT企業に入社しました。その会社は入社が決まったあかつきには、選考時に希望した部署へ所属できるという条件がありまして、最終面接がその希望部署のトップと直接面接となっていました。私も最終面接まで進むことができ、希望部署のトップとお話しをさせていただきました。その際に、質問に答えるだけでなく、こちらも気なっていた入社後の教育制度やその他の社内制度といった質問を投げかけました。そこで納得いくまで丁寧にお話ししていただけたことと、その方と馬が合ったといいますか、面接に直接関係ないようなことも含めて開けっ広げに話していただきました。最終的には人が決め手でしたね。

-石井:エンライズグループを知ったきっかけを教えていただけますか?

橋本:今年でエンライズグループに入社して7年目となりました。それまでエンライズグループのことはまったく知らず、キャリアアップを兼ねて転職先を探していた時期にたまたま参加した合同説明会で偶然出会いました。話を聞くと教育担当を探しているということでしたのでそのまま採用担当に繋いでいただき、入社にいたりました。当時のエンライズグループは社員数が50人未満で、会社の教育基盤をこれから作っていくという段階でした。1から作り始めることに面白さを感じたことが入社を決意したきっかけです。

人が絡むと難しい。だけどそこが面白い。

-石井:橋本さんの業務内容を教えていただけますか?

橋本:主に教育に関することを担当しています。研修の講師として登壇することもあれば、裏方にまわることもあります。主な業務は裏方作業になるのですが、新卒や未経験の中途採用も含めると基礎的な研修を年間5~6回実施していたり、その研修計画を立てたり、私はサーバー担当なので他の担当者(技術や営業)と日程調整をしたり、時代や社会の変化に応じてカリキュラムの再編成をしたり、営業会議に実際に同席して現場の実態を視察に行ったり、教材開発をしたりと多岐に渡ります。一口に「教育」と言っても中身は多種多様ですので、人や場面に応じた研修や教材を用意しています。

-石井:どういったところにやりがいを感じますか?

橋本: 教育担当ですので、入社後一番に出会うのが私たちになります。多くの方は業界未経験の状態として入ってこられますので、私が用意した研修を通じて知識・技能を身に着けていただくわけですが、それから数年後に社内で戦力として活躍している姿を目にしたときは感動しますね。当時のできなかった姿や、それまでの努力、成長過程を知っているだけに、毎度子の巣立ちに似た感動を覚えます。この感動がやりがいになっています。と言いますか、私は数字に執着ややりがいを感じることができないタイプですので、この業務が合っていると思います。話は少し逸れますが、就職活動に伴い多くの方が自己分析をした経験があると思いますので、その際に「自分がどういったことにやりがいを感じるのか」をきちんと知っておくことは大事だと思います。

-石井:お仕事の難しさはどんなところに感じますか?

橋本:十人十色という言葉があるように、研修相手は人間ですので当然ながら一人ひとり違います。表現一つを取っても、Aさんに伝わることも、Bさんには伝わっていないというケースは多々あります。研修で伝えたい内容は同じでも、世代や年齢、理解の進度や個々の感性によって伝わり方は異なります。どうすれば伝わるか、理解してもらえるかという難しさを感じています。同時に人間って面白いなとその度に考えさせられています。人に教えることが仕事ですが、私自身が日々教わっています。

-石井:今後の目標を教えていただけますか

橋本:教育系の部署にいますのでより実践力のつくプログラムを作ったり、既存教材のレベルアップをしたりと、指導者としても開発者としてもやりたいことがたくさんあります。会社から裁量を任せていただいていますので、その期待に応えるべく、社員が学びやすい環境・研修・教材を整備していきたいと考えています。

社内研修の様子

素直に受け入れ、素直に学ぶこと

-中川 真由(以下、中川):企業選びのアドバイスをいただけますか?

橋本:企業研究をしていく中で、その会社がどういった取り組みをしているかが見えてくると思います。そこで知った会社の取り組みに対して素直に自分がやりたいと思えるかどうかが一つの判断基準になると思います。

加えて、働くうえで自分が譲れない条件を明確にしておくことが大切だと考えています。会社や仕事内容が好きでも働き方で働きづらいと思うと長く続かないことは少なくありません。働き方や福利厚生といった基本的な情報はHPや採用ページで公開されていることが多くなりましたので、早い段階で自分なりの条件をピックアップしておくことでミスマッチを減らすことに繋がると思います。

最後にフィーリングですね。やはり人が合わなければ、どれだけ好条件でも、どれだけ魅力的な仕事でも続きません。ニュースや就職サイトで目にする離職理由を調べてみてください。多くは「人間関係」となっているはずです。選考を通じて担当者や先輩社員とのコミュニケーションは積極的に取り、自分のフィーリングを大切にしてもらえたらと思います。

-中川:採用(書類や面接)ではどのように判断していますか?

橋本:素直さを一番に見ています。会社の方針に対して素直に吸収できること、一緒に仲間として働けることは魅力的なポイントです。選考の中では過去の経験や習い事、実際にあった出来事に対してどのように考え、どのように動いたかを聞いています。

少し話はそれますが、私が学生時代にアルバイト用に書いた履歴書で志望動機の書き方に困ったことがありました。シンプルに「お金を稼ぎたい」と書いていたのですが、この表現はよろしくないなと自分でも思い、知人に相談しました。そこで知人から「お金を稼ぎたい」を言い換えれば「一社会人として自立したいから」という言い方もできるのではとアドバイスをもらい、目から鱗でした。少し考える角度を変えたり、疑問を持ったりすることで見え方がここまで変わるものなのかと感動しました。アルバイトと同じにすると怒られるかもしれませんが、皆さんの中には自己PRの書き方に悩まれている方もいると思います。第三者に意見を聞いたり、自分へ「なぜ」と投げかけたりすることで、景色が変わって見えるかもしれません。詰まった時ほど見る角度を変えて気分転換してみてください。

-中川:学歴フィルターや選考時の足切り要素はありますか?

橋本:そうしたものは特になく、学科にこだわりもありません。既存社員も情報系の学部より文系社員が多いほどです。まずは会ってみて人を見て判断しています。エンライズグループの採用の多くはエンジニアになっていますが、未経験からスタートしていただく場合が大半です。入社時のスキル・知識よりも入社以降の学習意欲を重視しています。エンジニアは技術が常に進化していますので、日々勉強となります。学ぶことが好きなこと、自己研鑽をし続けていけることがポイントですね。

-中川:最近優秀だと思われた方はどんな方でしたか?

橋本:挨拶がハキハキしていたり、こちらからの投げかけに対してきちんとリアクションをしてくれたりする方です。些細なことですが、先ほどご紹介した素直さはこういった部分に表れていると感じます。

-中川:入社時の印象で伸びがわかる?

橋本:そこはやはり人ですので一概には言い切れない部分があります。当初の印象通りドンドン成長していく方もいれば、入社時は目立った存在でなかった社員がダークホース的に頭角を出してくる場合もありました。これは教育の難しいところであり、面白い部分だと思います。

人を大事にするからこそ未経験でも輝ける

-中川:橋本さんから見た会社の特徴(良さ)を教えていただけますか?

橋本:当社では「人財」と表記しています。人が会社を支えるベースになっていると考えていますので、人を一番に大事にしています。そのため未経験のエンジニア育成に注力していますし、そこでの人の成長が会社の成長に繋がっているということを社員に発信しています。

-中川:実際に活躍している人材は?

橋本:会社の方針に対して関心を持ち、それに対して自分で考え行動できる人が活躍しています。会社の方針は社長がビジョンや目標として社員へ定期的に発信しています。そのメッセージを素直に共感でき、自分がどういった部分で会社の力になれるのか、もしくはどういった能力を身に付ければ会社に貢献できるかを考えて行動できる人です。

-中川:これからのエンライズグループに求められる人財は?

橋本:主体性をもって、周囲を巻き込んで活動できる方です。主体性の有無は選考時に過去のエピソードや、価値観を聞いていく中でその有無がある程度予測できるのですが、周囲を巻き込む力は配属先の人間関係も相まってくる部分がありますので、これから入社される方がそこでどんな影響を与えるかは教育担当としてワクワクしますね。

家事で気持ちの切り替えを

-石井:休日はどのように過ごされていますか?

橋本:基本的に土日祝日が休みとなりますので、コロナ禍前は旅行が好きでよく週末に出かけていました。国外は怖いので国内をまわり、お酒を少し嗜みますので地酒に舌鼓を打ったり、趣味の歴史にちなんでお城や資料館に行ったりしていました。

コロナ禍以降はYouTubeを見るようになり、最近はゲーム実況がマイブームになっています。見るだけでなく、モンハンを購入して会社の同僚と狩りに行ったりしています。

-石井:仕事のオン・オフはどのように切り替えていますか?

橋本:リモートワークが増えたことで当初は切り換えに苦戦した時期もありましたが、ある時に家事をすることでスイッチがスムーズに切り替わることに気づきました。今では家事が私のやる気スイッチになっています。

橋本さんにとって「働く」とは

-石井:最後に、橋本さんにとって「働く」ってどういうことですか?

橋本:人生の一部です。

一日8時間を費やすものですし、人生のトータルで考えて働いている時間の占める割合は多いです。働くことは人生の経験となり、人間的な成長にも大きく影響します。私も新卒の頃の自分を振り返るとあのころから成長したなと感じます。いまに至るまでに多くの方と関り、迷惑をかけたことや助けられたこともあり、また、同様に自分が迷惑をかけられることも、助けたこともあります。総括して、働くことは人生の一部だな、と思います。

立命館大学

石井 勇輝

面接官に対して普段は聞くことができないような抽象度の高い質問や、面接時に見ているポイント、学生時代の就職活動に対して感じていたことまで直接聞くことが出来てよかったです。
中でも社内で活躍している人材のお話で「素直さの有無」や「努力をし続けれるかどうか」と聞き、就職してからが本当のスタートなのだと感じられ印象に残りました。

甲南女子大学

中川 真由

やりがいについて聞く中で「自分がどういったことにやりがいを感じるのかを知っておくべき」とお話しいただき、これから就職活動が始まる私には刺さる言葉でした。
橋本さんの考え方やお仕事についてお話いただくなかで、「働く自分」がぼんやりですが見えてきたような気がします。ありがとうございました!

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