学生企業訪問 株式会社ゲオホールディングス

“採用は人生を背負うつもりで” リクルーターとしての覚悟をお話しいただいたのは人財採用課の國分さん。

2022.01.25
  • インタビューを受けた人國分 佐和子 様

  • 学生インタビュアー福田 晶弘

  • 学生インタビュアー根間 友里亜

  • 学生インタビュアー中村 哉子

株式会社ゲオホールディングス

人財採用課 國分 佐和子様

株式会社ゲオホールディングス 國分様 × ホワイト財団

株式会社ゲオホールディングスで人事を担当している國分様にインタビューさせていただきました。リクルーターとしてのやりがいや、仕事に含む覚悟までたっぷりとお話しいただきました。

学生時代のポリシーは「気になることは全て参加!」

-福田 晶弘(以下、福田):どんな学生時代をお過ごしでしたか?

國分佐和子(以下、國分):国際文理学部の国際教養学科に所属して東アジア地域研究コースのゼミを選考していました。

高校生の時にKPOPなど文化交流が盛んに行われている一方で、歴史や政治的な関係が良くないことに疑問を持ったことがきっかけで、このコースを選びました。学部では主に中国や韓国などの歴史や言語、経済などについて学び、卒論は日本と韓国の領土問題についてまとめました。

-福田:ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)はありましたか?

國分:大学時代は気になることは全て参加しようという気持ちで過ごしました。ボランティアやイベントなど学生時代にしか経験できないことにアンテナを張り、積極的に取り組みました。

一番印象に残っていることは、宮城県の南三陸町に2週間ほどボランティアに行ったことです。東日本大震災の3年後のことでしたが、現地ではまだまだ復興が進んでない現状が見てわかりました。

また、ボランティアと一口にいっても、仕事のお手伝いだけではなく、話し相手になるだけでも「楽しかった」と言っていただき、支援にも様々な形があるのだと気づいた貴重な体験でした。現地の方や、一緒に活動した仲間と出会えたことも同じくらい印象的で、一期一会を経験として体感した思い出でもあります。

-福田:就職活動をするにあたって、業種業態などこだわった点はありましたか?

國分:当時はあまり決めていなくて、少しでも興味があったらまずは説明会に行ってみるスタンスでした。合同説明会で声をかけられたら、よく知らない会社でも話を聞いてみたりしていましたね。

-福田:就職活動で苦い経験や、楽しい経験はありましたか?

國分:就活あるあるですが、やっぱり志望度が高い会社から不合格通知がくると苦しかったです。

数社連続でお祈りメールが届いたりすると、心が折れそうになっていました。落ちても落選理由が知れないため「何が悪かったのかな」と、ついつい思いつめちゃう日もありました。

逆に楽しかったのは、東京や大阪の行ったことのない地域に行けたり、いろんな会社の方と直接お話したり、実際に職場を見れたりしたことです。今となっては就活時代にしかできない貴重な体験でした。

 

同期との違いに凹んだ入社時代

-福田:入社のきっかけを教えていただけますか?

國分:就活をするにあたり、自分で条件をいくつか決めていました。「自分の好きなものと関われる」、「接客スキルが活かせる」、「地元から離れる」とシンプルな内容です。

ゲオホールディングスがこの条件を満たしていたことと、普段から店舗を利用していたので馴染みがあったためです。最終的に入社しようと思った決め手は、当時のリクルーターがとても親切だったので、この人が働く会社であれば安心して仕事に集中できると思えたからですね。

-福田:内定が決まってから入社までに不安だったことはありますか?

國分:当時は学生と社会人の違いをなんとなくしか理解できていませんでしたので、漠然とした不安を感じていました。

自分が思っている以上に大変なこと、難しいことがあったらどうしようと仕事が始まってもいないのに焦っていましたね。

-福田:学生時代にあった社会人像とギャップはありましたか?

國分:ゲオもセカンドストリートも店舗が地元にあり、そこへ足を運べば働いている姿を見ることができましたので接客のイメージは自分の中である程度できていました。

ただ、実際に社員として現場に入ると数字管理やシフト作成など、外から見えていなかった管理業務が存在しました。実際に入ってみないとわからないことってどの職場でもありますので、ギャップも含めて楽しめるとステキですね。

-福田:入社してから失敗経験はありますか?

國分:失敗というよりも凹んだ経験が教訓として今も残っています。

入社当時は新入社員研修の一環で2名ずつ店舗に配属され、店舗業務を覚えながらOJT研修を受けていました。

私と同じ店舗に配属された同期は石橋を叩いて渡る慎重なタイプの私とは正反対で、積極的にまずはチャレンジするタイプでした。ついつい同期と自分を比較し、「同期のような人が頼りにされるよな」と思い悩んでいました。当時の店長に相談すると、「それぞれに良さがあって、國分さんは着実に物事を進められるし、大きなミスをしないという立派な長所を持っているよ」と言っていただき、乗り越えることができました。

-福田:社会人になってよかったと思うことはどんなことでしょうか?

國分:店舗勤務の頃、クリスマス前にプレゼントを買いにこられたお客様からプレゼントの相談を受け、「小学生だったらこれがいいと思います」とご提案をしていました。

後日お客様が来店してくださった際に、お子さんに聞こえないようにコッソリと「あの時はありがとうございました」とお声がけいただいて、とても嬉しかったです。これこそ接客の醍醐味だなと思いました。

サービスの中身で競合との差別化を

-根間 友里亜(以下、根間):ゲオホールディングスの事業内容について教えていただけますか?

國分:主要事業はメディア事業とリユース事業になります。

メディア事業を担うゲオではDVDやCDのレンタルからゲームの販売や最近だと携帯電話の販売を実施している店舗もあります。リユース事業はセカンドストリートとして日用品の中古品売買のお店を運営しております。

循環型社会やSDGsなどの浸透により重要性が社会的に注目され始めていますので、環境保護の観点からもリユース事業は今後も主力事業として注力していきます。その他にも、モバイル事業やアミューズメント事業、OPS(オフプライスストア)事業、ブランド事業、文具事業など実はいろいろやっています。

-根間 :レンタル事業は競合が多くいますが、ゲオの強みはどういった点にありますか?

國分:最近ではレンタルショップというよりもバラエティストアを目指しています。

レンタルやゲームだけでなく、それに付随するテレビやDVDプレーヤー、イヤホンなどを置いています。お菓子の販売もしており、少しでも楽しく快適に視聴できる環境を提供できるようにしています。

-根間:動画配信サービスが広まりつつありますが、対策はされていますか?

國分:動画配信サービスの普及に伴いレンタル市場は縮小傾向にあります。動画配信に対してどう競っていくかが今後の課題の一つであることは間違いないですね。

「ゲオ先行レンタル」などを行っており、ゲオでしか借りられないものを打ち出すような施策を行うことで差別化を図っています。

-根間:國分さんにとって、ゲオホールディングスの良さを教えていただけますか?

國分:上司と話しやすかったり、若手の意見も吸い上げてもらえたり、上層部が若手に目を向けてくれる社風がいいですね。

「何かあったらいつでも話してね(相談してね)」っていうスタンスなので安心して働くことができています。

採用は人生を背負う覚悟とともに

-根間:國分さんの担当業務などお伺いしてもよろしいでしょうか?

國分:人財採用課に所属し、リクルーターとして新卒採用に関わること全般を行っています。

合同企業説明会やインターンシップの企画・司会進行や、選考にも携わり、選考終了後の内定者への連絡やフォローまで含めて業務として行っています。

-根間:リクルーターとしての仕事のやりがいはどんなところにありますか?

國分:私たち採用に携わる人間は一人一人の人生を背負っていると思っています。

新卒で入社できるのはもちろん一社だけですから、学生さんの大きな決断に関われることは大きな責任とやりがいがあります。ゲオホールディングスに入社するにしろしないにしろ、選考過程で出会う学生さんにアドバイスしたことで「就職活動がうまくいきました」と言ってもらえると嬉しいですね。

-根間:難しさはどういったところでしょうか?

國分:先にお話しした通りそれぞれの人生背負っていると思っていますので、責任を重く感じることもあります。

話をするなかで私が伝えたいことと、相手の捉え方に差異を感じる瞬間があります。そこで軌道修正できればいいのですが、できない場合もあって、伝えることの難しさを感じます。また、リクルーターは会社の代弁者となって求職者と相対しますので、会社のこと(方針や事業内容)をきちんと把握しておく必要性を強く感じています。

-根間:今後の目標について教えてください。

國分:まずは、来年入社の方たちに「ゲオホールディングスに入社して良かった」と思ってもらえることが目標です。

入社までに内定者フォローをきちんと行い、ギャップを少しでも埋めておくことで安心してスタートダッシュを切れるようにしていきます。

ポイントはコミュニケーションを楽しめること

-中村 哉子(以下、中村):企業選びのポイントやアドバイスを教えていただけますか?

國分:まずは会社を知るところからすべてが始まるので、調べられるところは調べ尽くすことが大事です。

ネットの情報収集も限界がありますので、インターンシップに参加したり、会社説明会などに参加したり、疑問に感じたところは直接質問してください。リクルーター目線からすると、入社前に不安を取り除いてあげたいと思っていますので、学生さん側からも知りたい事に対してアピールをしてもらえると助かります。

-中村:事業に全く関係ない学部から入社される方はいますか?

國分:とても多いですよ。私自身も大学では東アジアの文化について研究していましたので事業と直結していませんでした。

「KPOPが好き→音楽が好き→音楽に携わる仕事→CDレンタル」といった連想ゲームのようにしてゲオホールディングスが候補に挙がってきましたので。大学で学んだことをそのまま活かせなくても、考え方や経験を活かせばいいと思います。

-中村:國分さんから見ていい会社って、どういう特徴がありますか?

國分:HPだけでもわかる点では福利厚生がしっかりしている。実際に働くうえでは社内の雰囲気も重要ですよね。企業説明会の際に社員同士のやり取りを見ていると、自分に合うかどうかがわかるかもしれません。

-中村:もし國分さんが新卒に戻れたら、どうやって企業選びをしますか?

國分:長く働けるかは重視すると思います。利用できる制度について調べたり、実際のロールモデルを聞いたりして、働き方について確認をしたうえで決めると思います。

-中村:人事担当者さんの目線から、こういう学生を採用するとかありますか?

國分:一つの素養、特定の能力の有無ではなく、性格や人となりを含めて総合的に判断しています。

ゲオホールディングスの特徴の一つとして、接客やアルバイト管理、社員同士の連携など人と接する機会が多くあります。そのためコミュニケーションを楽しめる方を採用したいなと思っています。多種多様な人と接しますので自分とまったく考え方の違う人と出会うこともあります。そこで「こういう考え方もあったのか」と受け止め、咀嚼できる方だとゲオホールディングスにフィットしているなと感じますね。

-中村:面接で対面したときに見ているポイントを教えてください。

國分:声のトーンですかね。マスク越しでも笑顔が伝わったり、挨拶の明るさだったり、第一印象を大事にしています。採用したいなと思うのは、元気な接客姿がイメージできる方や、状況の変化に順応できそうな方と接したときに感じます。

-中村:会社に入るうえで國分さんなりの目上の人に可愛がられるコツはありますか?

國分:新入社員は上司に頼るのがいいかもしれませんね。聞きづらいこともたくさんあると思いますが、私の経験上、頼られて嫌な人はいませんし、何より部下から頼られるって嬉しいと思います。

調べてもわからないことや、考えても答えが出ない場合は色々と聞いて良いと思います。聞くことでコミュニケーションが生まれますし、コミュニケーションを重ねることで信頼関係も築けます。結局は上司とコミュニケーションを積極的に取ることが可愛がられるポイントですね。

自分で考え、自分の意見を持つ

-福田:会社で活躍している人はどんな方でしょうか?

國分:指示がきたときに「なぜ指示をされているか」まで掘り下げて考えることができる方が活躍しています。ただ指示をこなすだけではなく、違和感や疑問があったら発言できる方が重宝されていると思います。

-福田:最近優秀だと思った若手社員の方はいらっしゃいますか?

國分:物事に対して「これはこういうことですか?」「こっちの方がいいと思います」と自分の意見を言える人は、今後活躍してくれそうだなと感じます。何事にも自分の考え、意思を持つことは大事な資質だと思うので、自分の考えを発信するというのはとても大切だと思います。

-福田:キャリアアップするためのスキルや能力はありますか?

國分:自分の意見を言えるということと、しっかりニーズを汲み取るスキルはキャリアアップに必要だと思います。お客様のニーズをはじめ、本社勤務になったら店舗のニーズまでキャッチしなくてはなりません。スキルを身に着けるには、現場の経験が本当に大事です。

 

國分さんにとって「働く」とは

-福田:最後に、國分さんにとって「働く」ってどういうことですか?

國分:「インプットとアウトプットの連続」です。

学生時代は授業でインプットして、テストのときだけアウトプットするという感じでした。しかし、社会人になってからは日々いろんなことを学ばないといけない。そしてその都度出していかないといけない。最新で正確な情報をインプットして、求められている情報をアウトプットする。今はまだまだできていないと感じることのほうが多いですが、できた時は成長を実感できます。

京都先端科学大学

福田 晶弘

採用選考の中で先輩社員の方からザクッとした入社経緯をお聞きすることはありましたが、今回の國分さんのように当時の就職活動事情から入社にいたるまでの経緯を具体的にお話しいただく機会はなかったので、とても参考になりました。
学生時代に専攻していた科目と現在の仕事内容が直接関係していないというお話が、自分の中では驚きであり、気づきになりました。

関西大学

根間 友里亜

選考やインターンシップの中では選考結果や心象が気になって、踏み込んだ内容を聞くことが難しいイメージがありましたので、今回のように「ぶっちゃけた質問」ができて、これから就活をしていく私にとっては大変参考になりました。
企業が学生に求めることの共通事項としてコミュニケーション能力が挙げられると感じました。働く上でインプットとアウトプットの連続が大事だとおっしゃっている点が印象に残っています。
また、学生主体でインタビューを進めることができ、社会人の方との対話の練習にもなり、とても貴重な体験になりました。

関西大学

中村 哉子

「人生を背負うつもりで採用をしている」という言葉が印象的でした。これまで企業側の視点で考えようと思うことがなかったので、國分さんのお話を聞いて「真摯に向き合っていただけている」と感じ、就活生として気が引き締まりました。
また、説明会や就活セミナーで「自分で考えることが大切」という話をよ耳にしてきましたが、インタビューの中で「出された指示の意図を考える」という話を聞き、自分で考えるってそういうことなのかと納得できました。ありがとうございました!

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