学生企業訪問 社会福祉法人かるべの郷福祉会

介護の仕事には、正解がない。だから楽しい!

2023.06.27
  • インタビューを受けた人長川 知子 様

  • 学生インタビュアー桂 大和

  • 学生インタビュアー大西 耕平

社会福祉法人かるべの郷福祉会

生活相談員 長川 知子様

①平成19年入社
②神戸市出身
③社会福祉士・介護支援専門員・介護福祉士

かるべの郷 長川様 × ホワイト財団

社会福祉法人かるべの郷福祉会で働く長川様にインタビューさせていただきました。


未経験で入社して14年。


今ではたくさんの資格を取得し、生活相談員をはじめ、職員の指導や人事など多岐にわたって活躍されています。

一生困らない仕事「介護」との出会い

-桂 大和(以下、桂):学生時代に注力したことを教えていただけますか?

長川 知子(以下、長川 様):海外旅行や買い物など趣味に使うお金を稼ぐため、アルバイトに明け暮れていました。人と接する仕事が自分には合っていると感じていたため、販売や受付などの接客業の仕事をしてきました。

かるべの郷に入社するまでは、病院で看護助手のお仕事をしていました。

-桂:かるべの郷への入社の決め手を教えていただけますか?

長川 様:結婚・出産を経て子どもが少し大きくなった頃、「病院で勤めた経験を生かしながら、長く勤められる仕事がしたい」と思うようになりました。

「長期的に続けていける仕事」、「なくならない仕事」とは何だろうか?

そう考えたときに、「介護の仕事なら一生困らないのではないか」と思い、この業界で働くことを決めました。

かるべの郷に決めた理由は、勤務時間が自分の条件とマッチしていたからです。

桂:高齢化が年々進んでいますので、確かに介護の需要は今後一層高まっていきそうですね!

 

 

-桂:未経験から入社することに不安に思ったことはありますか?

長川 様:当時は少し潔癖なところがあり、人に触れる仕事に抵抗がありました。

でもやっていくと慣れるもので、慣れることで日々不安が解消されていきました。
自分では考えらない仕事だと思っていても、やってみると意外と抵抗なくできるものなんだと実感しましたね。

-桂:今のお仕事は、それまでの前職と比べて違う点がどんなところでしょうか?

長川 様:私はかるべの郷に入社し、介護職員を経て、今は人事や生活相談員のお仕事をしています。

その過程の中で、関わる人もどんどん増えてきました。
当初は利用者様だけだったのが、今ではご家族や役所の方、その他関係機関の方々とも接するようになりました。

介護は利用者様の人生に携わるお仕事ですので、責任を伴います。
様々な機関と連携し、プロフェッショナルとして利用者様により良いサービスを提供しています。
多くの方と接するようになり、また実務や資格取得などを通して経験や知識が増えたことで、いろんな考えが持てるようになりました。

そしてこれからも奥深く成長できる仕事であり、その成長が楽しみでもあります。
これは介護の仕事だからこそ味わえるものだと思います。

 

桂:相応のスキル、知識が必要とされるということですね。

 

『地域に根ざした明るい雰囲気』が自慢の会社

-大西 耕平(以下、大西):事業内容について教えていただけますか?

長川 様:高齢者福祉と障害者福祉を展開しています。

障害者福祉では、特に精神障害の方のための事業を多く行っております。
その他、障害児童の放課後等デイサービスや障害の方の相談事業なども行っています。

-大西:競合他社との違い・強みを教えていただけますか?

長川 様:いろんな事業を展開しているので、利用者様の年齢や状態に応じた対応ができるところです。

例えば、障害のある方が高齢になられたら、障害者福祉から高齢者福祉へと移行することができます。
さらに、重度になられたら通所から入所に切り替えるなど、かるべの郷の中でサービス内容を変更しながらご利用いただくことができます。

また、職員は異動があるので、いろんな事業を経験することができます。
異動があるぶん、どこの事業所にも知っている職員がいるので、職員同士の連携が取りやすく風通しがいいと思います。

-大西:かるべの郷の特長を教えていただけますか?

長川 様:かるべの郷は、地域貢献に力を入れています。

地域の方々に、「何かあれば、かるべの郷に」と言っていただけるような身近な施設を目指し、夏祭りなど地域の方を巻き込む行事を行ったり、空きスペースを習い事教室の場所としてご活用いただいたりしています。

「福祉」は、関係ない人には近寄りづらいイメージがあると思うので、こうして日頃から足を踏み入れてもらうことで、「明るい元気な施設なんだ」と思ってもらえたら嬉しいです。

大西:地域に根差した活動をされていて、僕の持つ介護施設のイメージと異なり意外でした。介護施設を身近に感じることで、介護へのイメージもポジティブなものに変わりそうですね。

 

-大西:かるべの郷の魅力を教えていただけますか?

長川 様:施設見学などで来られた方によく、「明るいね」「いいところだね」と言っていただけることが自慢です。

全職員が誰にでも気軽に挨拶ができる、良い雰囲気の施設を目指しています。

-大西:かるべの郷には、どんなタイプの人が向いていますか?

長川 様:元気で明るく、人の話が聞ける方。
そしてプラス思考な方です。

日々様々な課題と直面しますので、その差にただ立ち止まるのではなく、どうすれば課題解決できるかプラス思考で考えることができる人が多く働いています。

正解がない。だから楽しい!

-桂:長川さんの担当業務を教えていただけますか?

長川 様:私はショートステイで生活相談員の業務を担当しています。

ショートステイは1泊から30日までの短期間、泊まりでご利用いただける施設です。
ご家族の都合や、一人暮らしが心配な方など、さまざまな方が利用されています。

業務内容は、主に下記のようなものがあります。

・契約者様のご利用までの手続き
・職員の指導
・事務作業(介護保険の更新、請求関係、勤務表作成、関係機関とのやり取りなど)
・人事(企業説明会、就職フェアへのブース出展)

さらに具体的な仕事内容を少し紹介しますと、まずご家族と契約をします。

ケアマネージャーと調整の上、ご自宅に伺い家庭環境などをヒアリングして利用される方の情報を作ります。
その情報を事業所に持ち帰り、職員と共有します。

その後、定期的にご利用いただくために日程を調整し、ケアプラン(計画書)を作ります。
そしてご本人とご家族に説明し、同意を得た上でご利用いただきます。

-桂:仕事のやりがいを教えてください?

長川 様:これまで知識や経験を積んできたことで、相談されてもすぐ答えられるようになったり、ある程度自分で判断して指示ができるようになったことに楽しさを感じています。

また、歩きにくかった方が歩けるようになったり、ご飯が食べにくかった方が食べられるようになったり、利用者様の日々の喜びもやりがいにつながっています。

特別養護老人ホームを担当していた頃は、利用者様が最期を迎える際、ご本人やご家族から「かるべの郷に来てよかった」と言っていただくことがありました。

最期の最期にそう言っていただけると、「この仕事をやってきて本当によかった」と思いますね。

-桂:仕事の難しさはどんなところにありますか?

長川 様:高齢者介護は、ここでできたとしても、家で継続できることじゃないと意味がないんです。

「その場面だけを見て正解」ではなく、利用者様の家庭環境や生活環境などすべてを考慮した上で、その人に合ったサービスを提案しなければなりません。
そこが難しいですね。

-桂:社会人になってからの失敗経験はありますか?また、どのように克服されましたか?

長川 様:私は物事をハキハキと言うタイプなので、言い方によってはきつい印象を持たれ、人間関係がうまくいかなかった時期もありました。

立場が上がるほど、同じように注意しているつもりでも、相手には “怒られている”と捉えられることもあります。今はそういう自分も認めつつ、伝え方を工夫するようにしています。

-大西:利用者様と接する上で、意識していることを教えていただけますか?

長川 様:私たちは単に利用者様と接するのではなく、その方の置かれた環境などいろんな情報を知った上で接する必要があります。

この仕事には正解がありませんので、うまくいったことは職員同士で情報共有しながら次に生かすようにしています。

かるべの郷の職員はインカムをつけているので、一職員が得た情報を一気にみんなで情報共有することができるんです。

自分だけでなく、職員みんなでブラッシュアップしながら楽しく仕事ができていると思います。

-桂:長川さんの今後の目標を教えていただけますか?

長川 様:良い人材を育てて、かるべの郷をより良い職場にすることです。

どれだけ良い会社でも、誰か一人が悪いイメージを持って周りに広めてしまうと、頑張っている職員達の努力が台無しになってしまいます。

地域の方々に「かるべの郷っていいね」と言ってもらうためにも、職員全員が良いサービスを同じように提供できるよう指導していきたいです。

 

 

入社条件は『常に心のコップを上に向ける』こと

-桂:面接の際、学生のどのようなところを見られていますか?

長川 様:誠実さと話し方です。

高齢者や障害者のための施設なので、どうすれば相手に伝わるかを考えながら、分かりやすく話す必要があるからです。

面接では、かっこつけて難しい言葉を使う必要はありません。ありのままで話していただけたらと思います。

-桂:「かるべ郷に合う」と感じる人はどんな人でしょうか?

長川 様:まずは笑顔です。

そして丁寧に対応できる人です。
人と接する職業ですので、明るく丁寧に利用者様と接することが大切です。

-桂:求める人物像、また実際に活躍されている方はどんな方ですか?

長川 様:ここでの仕事は対人で状況も変わりやすいので、「まずはやってみよう」と前向きに取り組める、プラス思考な方です。

かるべの郷には『常に心のコップを上に向ける』という社訓があるのですが、そこに共感できるかどうかが入社の第一条件でもあります。

資格については入社後働きながら取得できるので、無資格で入社される方も多いですよ。

-桂:介護未経験の人でも活躍できるのでしょうか?

長川 様:もちろんできます。

入社1年目は社内や外部の研修を通して介護技術の基礎を身につける機会を設けています。
2年目以降は各社員の希望に応じてセミナーや研修への参加をサポートしています。

これは働く中で見えてくるキャリア像が人それぞれのため、個々のキャリアを実現するために自主性を重んじています。

 

毎日を過ごす場所だから

-大西:長川さんが考える「いい会社」のポイントを教えていただけますか?

長川 様:雰囲気が大切だと思います。

毎日行く場所なので、働きづらい職場だとしんどくなってしまいます。
最近は面接もオンラインが多いですが、自分の目で見て雰囲気を知ることは大事だと思いますよ。

-大西:企業選びのポイントやアドバイスを教えていただけますか?

長川 様:企業説明会に行くと、やはり大手企業は人気です。

ただ、小さい会社だからこそ自分の意見が反映されやすい、という面もあります。
実際にかるべの郷でも、「ここが不便」という職員のちょっとした意見も、すぐに上長の耳に入り改善されやすいです。

-大西:改めて介護業界の魅力とはどういった点でしょうか?

長川 様:将来性は大きいと思います。

かるべの郷はここ10年で事業が拡大し、従業員も倍以上に増えました。
企業努力という点はもちろんありますが、加えて高齢化が進む中で介護業界に追い風が吹いていることも後押ししています。

そうした社会的背景を含めて、どんな企業、業界が成長していくかを考察することも必要だと思います。

「企業選び」「業界選び」においては単に企業や業界の規模で決めるのではなく、まずは自分が何を重視するかを明確にすることがなによりも大切なのではないでしょうか。

 

長川さんにとって「働く」とは

-大西:最後に、長川さんにとって「働く」ってどういうことですか?

長川 様:「自分自身の価値を見出せる場所であり、成長できる場所」です。

かるべの郷に勤めるまでは、正直自分がこんな人間だと知りませんでした。
ここで働いているからこそ、日々気づきややりがいがあり、達成感のある生活が送れていると思います。

 

関西大学

桂 大和

関西学院大学

大西 耕平

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