【インタビューを受けた人】
株式会社きぼう
広報部 林様
総務部 赤松様
人事部 山下様
【インタビュアー】
ホワイト財団 阪上
【受賞理由】
株式会社きぼう様は、従業員のモチベーションや満足度を向上させる役割を果たす為、時代の流れや従業員のニーズに合わせたさまざまな福利厚生制度を導入していらっしゃいます。
取り組み内容の1例をご紹介させていただくと、株式会社きぼう様では「患者様へ健康を提案する薬局として、まずは従業員が健康で勤務することが必須である」という考えから従業員の健康維持・増進を積極的に支援する目的で、本社近隣の専用スペースでパーソナルジムを無料で利用できる制度を2024年から導入されています。
また、会社ではなく自宅の近隣のスポーツジムを利用したいという従業員には「健康増進手当制度」といった、従業員が個人的に契約しているスポーツジムの費用を負担する制度も整えていらっしゃいます。
上記以外にも、永年勤続社員が明日への活力を養い、心身リフレッシュを図ることを目的とし、ホテル等に宿泊した際に一部費用を助成する「永年勤続リフレッシュ制度」や、有給を連続して2日以上使用した場合、2日目より手当を支給する「有給取得促進手当制度」など従業員が使いやすく、健康を気遣った福利厚生制度を導入されている点を評価させていただきました。
株式会社きぼうのポイント
・地域に健康を届ける私たちが、まず健康であることを大切にしている
・充実した社内コミュニケーションが圧倒的な働きやすさと働きがいを作っている
・「こんなことにチャレンジしたい!」従業員が選べる環境を整える
目次
私たち株式会社きぼうは、2008年12月に設立し、昨年12月に16周年を迎えた地域密着型企業です。大阪府下で調剤薬局を8店舗展開し、4月1日時点で126名の社員が活躍しています。
生まれた地域、育った地域、住んでいる地域に対し、医療や薬のプロとして還元し、地域と共に成長・共存共栄を実現する企業を目指しています。患者一人ひとりに寄り添うサービスと、社員全員が主役となり意見を尊重し合う環境づくりに注力し、地域医療に貢献しています。
林様
この度は、栄誉ある賞をいただきありがとうございます。
従業員の間でもホワイト企業認定に対してすごくハードルが高いイメージをもっている従業員も多いのか「ほんとですか!?」という驚きと喜びの声が挙がっていました。
日ごろから社内の福利厚生を活用しながら、満足して業務に取り組めています。ただ、私たちは地域に根ざした仕事をしている分、なかなか外から評価を受ける機会が少ないんです。
今回、外部機関から表彰していただけたことで、「株式会社きぼうの働く環境は本当に恵まれているんだ」と、あらためて社内全体で実感することができました。とても良い機会になりました。
「大企業じゃないと福利厚生は整っていない」といったイメージも、まだまだ根強くありますよね。
そんな中で、株式会社きぼう様では従業員の皆さんが制度をしっかり活用し、仕事へのエンゲージメントも高いとうかがっています。
そもそも、福利厚生を充実させようと思われたきっかけや、何か当時感じていた課題などはあったのでしょうか。
林様
何か具体的な問題があったというよりは、「どうすれば安心して長く働き続けられるか」という“定着率”への課題意識が出発点でした。
もともと、当社の代表は薬剤師として現場で働いており、その経験から「長く働くためには、まず健康であることが何よりも大切だ」という考えを持っていたんです。
実は、それが今の制度づくりの原点でもあります。
私たち株式会社きぼうは、地域に根ざした薬局として患者様の健康を支える存在ですが、その前に、まず従業員自身が健康で安心して働けることが大前提です。
そうした代表の理念のもと、健康経営の視点を取り入れながら、従業員の健康増進を支援する制度づくりを少しずつ進めてきました。
林様
そうですね。私たちは常に、「従業員が安心して、長く働き続けられるには何が必要か」を軸に考えてきました。
その中で、福利厚生は単なる制度ではなく、働く人の健康やモチベーションを支える“土台”のようなものだと捉えています。
だからこそ、一つひとつの制度が形だけにならないように、現場の声を大切にしながら、実際に使われ、効果を感じてもらえる仕組みづくりに力を入れてきました。
そうした取り組みが、結果として定着率の向上やエンゲージメントの強化にもつながっていると感じています
。
では、実際にどのような福利厚生制度を導入されているのでしょうか?
従業員の皆さんから反響が大きかった制度や、ユニークな取り組みなどがあれば教えてください。
赤松様
はい。やはり一番特徴的なのは、会社が自社で運営しているトレーニングジムです。
これは、「患者様へ健康を届ける私たち自身が、まず率先して健康であるべき」という代表の考えが形になったもので、2024年の4月からスタートしました。現在も利用者が徐々に増えている制度です。
赤松様
もともとは、従業員が任意で契約したスポーツジムの利用に対して一部手当を出すという制度からスタートしました。
そこから一歩踏み込んで、専用のスペースを借りて、自社で運営する形に進化しました。
トレーニングジムとして自由に利用できるのはもちろんですが、契約しているプロのトレーナーによるパーソナルトレーニングを無料で受けられることが、大きな魅力になっています。
ジムの場所も会社からすぐ近くなので、仕事終わりにも気軽に立ち寄れる点も好評です。
赤松様
はい、おかげさまでとても好評です。
「初めてパーソナルトレーニングを経験しました!」という従業員の声も多く届いています。
一人で運動を続けるのはなかなか難しいですが、プロのトレーナーが寄り添ってくれることで、健康や運動への意識が高まり、継続もしやすくなっているようです。
最近では従業員の声を反映して、パーソナルトレーニングに加えて整体の施術も受けられるようになりました。「初めて整体を体験しました」「筋肉痛になるくらい動けて、久しぶりに気持ちよかったです!」といった感想もあり、社内の口コミが利用のきっかけになっているケースも多いです。
でも、普段一緒に働いている仲間の声や変化を見聞きできると、チャレンジするきっかけになりますね。
赤松様
まさにその通りです。
誰かの前向きな変化が、他の従業員の「自分もやってみようかな」という気持ちにつながっているように感じます。
結果として、健康意識の高まりや社内のコミュニケーションの活性化にもつながっています。
林様
はい、「有給取得促進手当制度」というもので、有給を2日以上連続して取得した場合に手当が支給される仕組みです。
単に休みを取ってもらうためというよりも、家族や大切な人と「ちょっといいホテルに泊まる」「少し特別な食事を楽しむ」といった、いつもより充実したプライベートを過ごしてほしいという代表の想いから生まれました。
林様
ありがとうございます。それだけではなくて、3年以上勤務している方を対象にした「永年勤続リフレッシュ制度」もあります。
たとえば在籍10年の方であれば、特別休暇3日と、上限5万円の手当が支給されます。
さらに、会員制リゾート施設「エクシブ」の利用時に、一部費用を助成する保養所利用促進制度も併せて活用できるんです。
林様
はい。実は、従業員から最も喜ばれているのが、これらの制度を自由に組み合わせて使えることなんです。
「今度の連休は、この制度とこの制度をこう使おう」と、ご自身の働き方やスケジュールに合わせて上手く取り入れ、そして楽しみながら制度を活用してくださっています。
「いいホテルに泊まれて、リフレッシュできた!また仕事がんばります!」という、前向きな声を多くいただいています。
林様
そうなんです。会社から決められたルールに従って働くのではなく、「自分の人生を自分でデザインする」という感覚を大切にしてほしいと考えています。
こうした“主体的に選べる制度や環境”が、仕事への前向きな姿勢や活力にもつながっていて、おかげさまで当社の有給取得率は現在100%なんです。
こうした制度を実際に取り入れていく中で、工夫されたポイントなどがあれば、ぜひ教えてください。
林様
実は、従業員間のコミュニケーションにも非常に力を入れています。私たちの事業は調剤薬局で、店舗勤務がメインになります。そのため、どうしても他店舗とのコミュニケーションが取りづらく、従業員同士の連携が課題となっていました。
そこで、店舗同士の交流を促進するために、会社が費用を負担して交流会を開いています。
一緒に食事をすることで、業務上の相談や情報交換が生まれますし、日常的な連携がしやすくなっています。異動があった際にも、「交流会で知っている人がいたので、安心して異動できた」といった声が寄せられています。
このように、普段から店舗間のつながりを深めることで、異動後もスムーズに馴染めるという特徴もあります。
林様
その通りです。
さらに、店舗ごとのブログやSNS、ホームページを通じて情報発信や共有も行っています。
たとえば、制度を利用して休日を過ごした従業員から、旅行先のお写真をいただき、それを発信することで、他の従業員も「私も次はここに行ってみよう!」という形で情報交換が進んでいます。
これによって、コミュニケーションの場が生まれ、お休みの取り方にも自然と連携が生まれています。従業員が「次は私もこんな素敵なところに行ってみたい」と感じることで、制度をもっと活用したいという気持ちが高まっています。
では、こうした取り組みが、お休みの取りやすさや休日の充実だけでなく、他にも良い影響をもたらしている部分はありますか?
林様
はい、会社全体のコミュニケーションが円滑になったことで、最近では「残業を減らしていこう」という動きも生まれています。
私たちは、「休息の効果を最大限に活かすことが大切だ」と考えており、従業員もその意識を共有して、効率的に仕事を進め、早く帰宅して家族との時間を大切にするという文化が根付いてきました。
こうした考えが従業員一人一人に浸透し、みんなで一丸となって取り組む風土ができてきています。
山下様
私たちの事業が調剤薬局であるため、薬剤師がキャリアを積み、活躍できる体制を整えています。
まず、認定薬剤師の資格を会社負担で取得できることが挙げられます。取得にかかる費用はもちろん、認定薬剤師の資格を取得後には会社から手当が支給されます。
次に、薬の最新知識を学ぶための学術大会への参加支援です。参加に必要な交通費や宿泊費用を会社が負担しており、積極的に新しい薬の知識を学びたい薬剤師をサポートしています。
そして、直接ドクターと話す機会が豊富にあることも特徴です。
株式会社きぼうは在宅医療にも力を入れており、ドクターの往診に同行するチャンスがあります。臨床経験を持つドクターとのコミュニケーションは、薬剤師としての知見を深める貴重な機会となります。
また、グループ会社では介護施設を運営しているため、施設在宅を担当する機会もあります。社内やグループ内での連携を通じてスキルアップが可能で、地域密着型でありながらも、広く深い経験を積むことができます。
地域密着型というと、キャリアアップが難しいのでは?と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、私たち株式会社きぼうには、薬剤師として専門性をさらに高め、積極的にキャリアを形成していきたい方を支援する環境が整っています。
プライベートの充実とプロフェッショナルとしての働きがい、どちらも得られる環境が株式会社きぼうにはあるんですね!
最後に、求職者の皆さんへ一言いただけますか?
山下様
私たち株式会社きぼうが大切にしているのは、働く人たちが選べる環境を用意できるかどうかです。
例えば、学術大会への参加支援に「是非行きたい!」という方や、認定薬剤師の資格取得についても、「是非取りたい!」と思う方もいれば、「自分にはそこまで必要ない」と思う方もいらっしゃると思います。
私たちは、そんな多様なニーズに対応するために、選択肢を準備することを大切にしています。
自分のペースでキャリアを積みたい方にも、「もっと専門性を高めたい!」「キャリアを積んで成長したい!」という思いを持った方にも、どちらの選択肢にも対応できる環境を提供できることが、従業員の定着にも繋がっていると感じています。
福利厚生についても同じように、今後減ることはなく、むしろ増えていくと考えています。時代の変化や従業員からのフィードバックを取り入れ、従業員のニーズに応じてどんどん新しい制度を作り出していくことが、これからさらに重要になると思っています。
私たちの考え方や働き方に共感いただける方、少しでも気になってくださった方がいれば、ぜひ一緒に働いていきましょう。
取材者のレビュー
株式会社きぼう様の充実した福利厚生を伺い、その背景にある代表の地域貢献への強い想いや、従業員の健康と豊かな人生を大切にする考え方に深く感銘を受けました。
それらが具体的な制度として形になり、従業員の方々に実際に恩恵をもたらしている点が非常に印象的でした。特に、地域との繋がりや一緒に働く人々とのコミュニケーションを大切にしながら働きたい方にとっては、理想的な職場環境が整っていると感じます。
もし、これからの働き方に共感いただける方がいれば、ぜひ一度株式会社きぼう様を訪れてみてはいかがでしょうか。
関連コンテンツ