【インタビューを受けた人】
ヤマダイ食品株式会社 樋口 智一様
【インタビュアー】
ホワイト財団事務局
代表取締役 樋口 智一様
ヤマダイ食品は「しあわせを成す」を企業理念に、主に農産物に特化した冷凍惣菜を製造・販売しています。1921年に伊勢湾の海産物を使い佃煮製造を開始したのが始まりで、2021年に創業百周年を迎えました。売上1位の「オクラごま和え」や、日本雑穀アワードで金賞を受賞した「トマト雑穀ご飯の素(チリ風味)」、介護食・スマイルケア食適合商品「ごま香る豆腐ペースト(白和えの素)」など、おいしい笑顔の創造を目指しています。2021年に竣工した東員工場(三重県)を含め国内に7拠点、6次産業化事業を担うグループ工場が2拠点、さらに海外にも3拠点を構えています。最近では大学と提携した代替肉の研究、保育園向け給食支援サービスを提供する会社への出資、地域貢献・スポーツ振興のためにJリーグのサッカーチームやMLBの野球チームのスポンサーも行っており、「世界で最も尊敬される企業」を目指しています。
ヤマダイ食品では特段働き方を大切にしようと考えたことはありません。例えば、商談が入っている日に子どもが熱を出したのであれば、その人は休みを取り、代わりの人がフォローで商談に出ましょうとなります。これがヤマダイ食品の常識あり、スタンダードです。そもそもワークファーストという文化ではなく、どうすればそれぞれの人生が豊かになるかに重きを置いています。仕事に情熱を燃やしてそこに生きがいを感じる人もいるでしょうし、家庭が大事な人、趣味が大事な人、それぞれの一番があります。その中で仕事が一番になることを会社として求めていません。様々な価値があっていいと思っています。ワークライフバランスを重視し、ライフスタイルに即した働き方が推奨され始めていますが、リモート勤務やフレックス制度を利用することが、イコールでワークライフバランスに繋がっているわけではありません。オフィス勤務の方が働きやすい人もいるでしょうし、毎日定時で働いて規則正しいリズムを維持したい人もいるでしょう。自己責任のもと、自分のスタイルを見つけ、それを確立することに意義があると思っています。「ワークライフバランスとはこういうもの!」「ダイバーシティとはこういうもの!」とひな形に当て込むのではなく、当社では一人ひとりが大事にしたいことを尊重してきました。その結果、いわゆる社員が働きやすい環境が副次的に整っていきました。
できる限り新しい規定を作らないようにしたいと考えています。規定をどんどん増やすことは社員をルールでどんどん縛り付けていくことになりかねませんし、企業と社員の関係性が悪い方向に進んでいくように思います。
それよりも社員が長く、健康で、安心安全に働き続けることができる環境づくりに注力していきたいと考えています。余裕をもって社員全員が豊かに働ける、生活できる感興を整備するために、常に余剰人員を抱えながら経営をしています。こうした取り組みを今後も継続していきます。
自発性があることです。自ら考え、行動できる人が活躍できる環境になっています。前述した通り、ヤマダイ食品では世の中にまだないものを作り、社会に送り出すことを重視しています。知識や技術は当人の学びたい、身に付けたいという気持ちに起因する部分が大きいため、自発的になにかを成したい、成し遂げたい思いこそ重要だと考えています。
そうした自己研鑽の機会、ツールを必要としている人には研修環境をきちんと整えています。各種研修プログラムを動画として取り揃えていますので、必要とする講義をその中から選ぶことで補完できるようにしています。
こうした環境の中で自発的に考え、行動する中で自分に足りないものに気づき、必要なものを選択して自己研鑽・啓発にできることです。要するに冒頭で申しましたように「自発性」がある人が活躍していますし、そうした人であれば当社で活躍することができると思います。
世の中にないものを生み出すためには労力を惜しまず、思いついたことをまずはやってみようとする社風です。ヤマダイ食品で働く人は皆、チャレンジすることに積極的ですので、業務中だけでなく、ふとした雑談の中からでも刺激をもらうことが多々あります。チャレンジの場は年齢、社歴、性別、役職など切関係なく社員全員にチャンスがあります。経営陣との距離も近いため、社員が直接社長へ企画相談をしてアドバイスをもらう環境が普通になっています。
あとは純粋に自社製品が美味しいところです。世の中にないものを積極的にチャレンジしているところをご紹介しましたが、「世の中にないもの=奇抜なもの」というわけではなく、自信を持って商品化進める中で味も重視しています。商品として市場に売り出す以上、お客様に満足いただけるものを生み出しています。
こうした類の質問を就活生からもよくいただきます。その際に「迷ったときは会社名を紙に書いて丸め、投げて一番遠くへ飛んだ企業を選んでは?」と回答させてもらっています。会社選びの方法は十人十色です。休日が大事な人がいれば、事業内容を重視する人や、給与を重視する人、様々です。なにを大事にするか定まっていない人はネームバリューや、企業規模、経営理念が自分に合うかで選びがちです。インターネットで調べたり、友達に相談しても答えは出ないでしょう。であれば紙に書いて運に委ねても同じではないでしょうか。
納得して入社したいのであれば自発的に動きましょう。実際にそこで働く社員と接してください。足を運んで社屋を見て、社員の声を聞いてた時の直感を大事にすべきです。エントランスに足を踏み入れた際の雰囲気や、社員と話した印象、そうした経験を通じて一緒にそこで働きたいと思えるかだと思います。当社でも採用選考時には、全国にある事業所の中から自分が一番近い営業所に実際に来てもらっています。画面越しでは伝わらないこと、伝えたいけど伝えきれないものは多くあります。企業側も決して隠しているわけではないため、そこは自分から一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
ホワイト財団事務局
私たちは「家族に入社を勧めたい 次世代に残していきたい企業」を発見し、「ホワイト企業」として認定しています。 ホワイト企業認定を取得している企業で、個性を活かし、楽しく、創造的に働く人々にインタビューをして、次世代に残すべき素晴らしい企業の社内制度の発信をしています。 ホワイト企業認定は、明日が楽しみに思える社会の実現を目指しています