【インタビューを受けた人】
株式会社トモエシステム 船曵 優花様
【インタビュアー】
ホワイト財団事務局
人事総務部 船曵 優花様
昔から生物や植物に興味があったことから大学は理工学部に進学しました。生態学を専攻し、学生生活の大半は昆虫とにらめっこをして過ごしました。同時に中学時代から始めた趣味のバンド演奏を続けるため軽音楽サークルに入部し、研究に負けないぐらい音楽活動にも打ち込みました。軽音楽部の活動は学外の団体と連携したり、ライブをするために協賛金を集めたり、結構コミュニケーション能力が問われました。そういう意味では研究以上に社会に出る前の基礎をここである程度培えたと思います。
研究が立て込みだすと土日も研究室にこもっていました。深夜まで論文を読んだり書いたりすることも少なく無かったですが、学科や研究室の同期達と励まし合いながらなんとか乗り越えていました。
キャンパスが山の中にあり、自然豊かな環境に囲まれていました。研究の関係で様々なところへフィールドワークで行くこともあり、中には沖縄まで遠征しているメンバーもいましたね。実験室にこもりきりの環境から自然豊かな場所へ足を運ぶと、気持ちも切り替わりましたし、そこでわいわい言いながら採集活動に興じることが学科での楽しみでした。サークルでもメンバーに恵まれ、音楽に研究にと、充実した学生生活を送ることができました。
当初は医薬品関係を中心に就職活動をしていましたが、価値観や働き方に共感できる企業を見つけられず、何社か選考に進んだものの納得いく活動ができていませんでした。そこで、自身の求める条件を改めて整理し、業界を絞らず、本当に入社したいと思える会社に出会えるよう就職活動を進めていきました。
当初の志望業界に進めなかったという点では悔しい経験もしましたし、選考が通らず落ちこんだこともあり、ネガティブな思い出はもちろんあります。ただ、それ以上に志望動機を変えたからこそ視野が広まりましたし、なによりも就職活動先で出会う学生や、企業の担当者など、様々なタイプの方と意見交換できたことは楽しかったです。いまだにグループワークで一緒だった人は覚えていますし、会社ごとに考え方もそれぞれ違っていて、その会社ごとに異なる文化が根付いていることが印象的でした。社会に出るまでは自分と近しい考えの人が集まるコミュニティに属することが多かったので、異なる価値観と出会う経験は貴重でした。
一言に凝縮すると、「実家と会社が近かったから」です。きちんと説明しますと、当時条件として「自宅から通える、転勤のない会社・職種」を希望していたのですが、なかなか良いと思える会社に出会えませんでした。そんな時に、実家にトモエシステムから就職説明会の案内DMが届いたことがきっかけとなり、選考に参加しました。
面接を通じて働いている人の姿や、会社の想いが伝わってきたからです。また、選考の中で人事担当や役員と面談をしていただきましたが、お話しする方全員が会社のビジョンや、入社時の働き方、どういう考えで仕事に取り組んで欲しいかというメッセージが一貫していました。会社としてのメッセージがブレない点にとても安心感を覚えた記憶があります。
入社時は一般職として部品の受発注や手配を担当していました。実際に業務に携わる中で上手く対応できないことが続き、思い悩んだ時期がありました。その際に人事部長へ相談したことがきっかけで人事総務部に異動の提案をいただきました。以降は人事総務部にて主に新卒採用、広報、企業ブランディングを担当しています。
建設機械(ショベルカー、クレーン)の部品を取り扱う専門商社として、国内外問わず多くの取引先があります。中でもショベルカーに使用されている部品のシェア率は非常に高く、全世界で生産される約半分、国内メーカーではほぼ100%に関わらせていただいています。
商社の基本的なビジネスモデルは「サプライヤーから仕入れた商品に利益をのせてお客様に販売する」というものです。トモエシステムは上記に加え、モノづくりに関わるビジネススタイルを確立しています。営業が建設機械メーカーの開発部署へ直接入り込み、具体的なニーズを直にヒアリングしています。吸い上げた情報をもとに既存部品や、必要に応じて新たな部品の製造を提案することで他社よりも早く、きめ細かくアプローチしています。こうしたモノづくりに深く関わっているという独自性が他社との棲み分けになっていると考えています。
市場環境は刻一刻と変化しており、その流れは年々早く、大きくなっています。特に海外メーカーによるお客様のシェア競争が激しくなっており、トモエシステムも海外展開を加速的に進める必要性を感じています。海外市場で競合他社と戦っていくためにはグローバル人材の採用や、既存社員のレベルアップに注力していく予定です。
下記の3つの業種になります。職種の中には部門があり、各部門によって担当業務が細分化されているため、同じ職種でも担当部門により業務が大きく異なります。また、採用は主に総合職と一般職で実施しています。
<職種一覧>
総合職 | 海外・国内への営業や、海外・国内からの資材調達を含む。 |
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エリア総合職 | 転勤を伴わない総合職。専門的な業務内容を担当している者も。 |
一般職 | 事務作業や、受注後のシステム入力、在庫・納期の調整作業。 |
下から担当(一般社員)、リーダー、マネージャー、部長となっています。役職ごとに求められる能力はそれぞれ下記のようになりますが、役職を問わず共通していることはトモエシステムでは全員がプレーヤーとして活躍しています。
<役職一覧>
担当(一般社員) | 個人目標の達成。 |
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リーダー | 個人目標に加え、部署目標の達成。メンバーをモチベートする。 |
マネージャー | 3階層の階級があり、スキルに応じて昇級。複数の部下のマネジメントを含む。 |
部長 | 部門全体の包括的なマネジメント。 |
職種と別に評価軸として10段階の等級があります。役職は担当業務の内容と、現在の等級を総合的に加味して決められています。これは役割等級規程として全社員に発信しています。
新卒入社向けにビジネスマナーを含むものを外部研修として用意しています。同時に社内研修として各部署がそれぞれどんな仕事をしているか、業務内容や役割、モノの流れなど受注フローを含めて教育しています。研修が一通り終わると、マンツーマンでOJT研修を行い、必要に応じて知識やスキルの補充をします。他にもビジネススキルの研修は役職関係問わず実施したり、自社で取り扱う部品の素材に関する研修を実施したり、社内がより円滑に回るようにベテランから新人まで必要な研修を年間通して用意しています。
今回は採用のメインとなっている総合職で営業部に配属されたケースとしてご紹介させていただきます。
<ステップアップの流れ>
STEP.1 | 一般職の事務作業を含む社内の仕事を学び、受注から納品までのモノの流れを約1~2年間かけて学ぶ期間。 |
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STEP.2 | 営業部員として先輩社員に同行して営業ノウハウを学ぶ。商品開発は企画提案から納品するまでに1ターム平均4~5年かかるため、完全に理解して独り立ちするまではキッチリと育成期間に充てている。 |
STEP.3 | 営業先への企画提案から納品まで一貫して一人で担当。(独り立ち) |
※STEP1とSTEP2は並行して実施するケースが多い。
数年前までは若手の離職率が一定数あり、次世代社員の育成に課題を抱えていました。人が定着する環境づくりのために、人を第一にした社内改革を2016年から実施して働きやすさと働きがいを追及した施策を進めました。様々な施策を実施して働く土壌を整え、モチベーションを保てる環境づくりに注力したことで、離職率が2%程度にグッと下がりました。講じた施策の中でも教育研修の場が大きく作用したと見ています。以前は研修そのものがなかったため、知識・技術を補う機会をきちんと作ったことで能力的な不安の解消につながったのと、副次的な効果として新卒から部門長クラスまで一同に学び合う場ができたことで各世代が刺激し合える希少な場として機能しています。
様々な施策導入の結果、作業効率が改善され生産性が上がりました。研修制度により各社員の知見も広がり、提案の幅が増えたことや、生産性が向上したことで開発チームもより深く細かくニーズに応えるだけの時間を捻出できるようになりました。結果としてお客様からの評価も高まり、商社でありながら開発優秀賞などモノづくりを評価していただくまで至りました。直接的な評価を得たことは社員のモチベーションアップにもつながり、以前に増して自己研鑽に励む要因となっています。この好循環が社員のレベルアップを誘発しており、会社としてはこの流れを途絶えさせず持続していきたいと考えています。
大きく二つあり、一つは採用面です。ありがたいことに近年では知名度も少しずつ上がり始め、応募数や出会う人材のレベルも上がってきました。現状に甘んじず、トモエシステムの魅力を発信しながら、理念に共感して一緒に盛り立てていってくれる人の採用に注力していきます。
もう一つは研修です。日々社員のニーズも変わっていきますので、定期的に意見収集する機会は欠かせません。ヒアリングした声から今必要とされているカリキュラムを考え、研修や制度として具体化して人事総務部から会社を支えていきたいと考えています。
第二の居場所です。
当然ながら職場とプライベートでは人との距離感や態度、テンションを含めて諸々が異なります。どちらも同じ船曵優花という一人の人間ですが、会社や上司、同僚のおかげで「人事総務部の船曵」という役割をいただいています。トモエシステムの一員として、人事総務部として会社を良くするために働き方や、採用活動で良い人材を採用していくことがミッションであり、私の存在意義です。
ホワイト財団事務局
私たちは「家族に入社を勧めたい 次世代に残していきたい企業」を発見し、「ホワイト企業」として認定しています。 ホワイト企業認定を取得している企業で、個性を活かし、楽しく、創造的に働く人々にインタビューをして、次世代に残すべき素晴らしい企業の社内制度の発信をしています。 ホワイト企業認定は、明日が楽しみに思える社会の実現を目指しています。