スワロー工業株式会社 近藤 俊樹
<ご担当者様>
「社員からの信頼が厚い若きカリスマ」(笑)
採用や人材育成、職場環境作りなどを担当しており、県内人気No.1企業を目指し様々なことに日々取り組んでいます!
ホワイト財団 佐野 毅
<インタビューアー>
広告・印刷業界に就職して約8年間、企画提案をするプレイングマネージャーとして従事。2021年5月よりホワイト財団にジョイン。前職の経験を活かして企業のブランディングをアシストし、「家族に入社を勧めたい企業」の普及を目指し邁進中。
2021年11月25日に第7回ホワイト企業アワード*が開催されました。
その中で生産性向上部門にて受賞をされたスワロー工業株式会社様の近藤様に取組み概要や、導入にいたった背景など詳細をご紹介いただきました。
ホワイト企業アワード*:ホワイト財団が主催する世の中に共有すべき制度や取り組みについて表彰・発信を行う、働き方改革の参考事例が日本で最も集まるホワイト企業イベントです。概要はコチラで紹介しています。
【受賞理由】
働きがいNo.1企業を目指すための中期計画、人事制度、教育制度、業務改革、風土改革を、約半年という短期間で断行。社長の旗振りとそれに賛同してスピーディに実行した全社員の行動力は素晴らしく、各部門で業務の棚卸を徹底して分析を行い、改善策を検討され、それを短いサイクルでPDCAを回し、上司と部下の信頼関係を強めながら推進するようルール設計したことが大きな成功要因だと考えられます。また、社員一人の声からアウトドア用品の新規事業を立ち上げ、当人にQDC管理を任せて、部門連携をとりながら受注を伸ばしており、「やりたい」思いを「やらせてあげる」ことで働きがいを創造するなど、今後の進化に期待が高まります。
佐野 毅(以下、佐野):取り組みを開始されたきっかけを教えていただけますか?
近藤 俊樹(以下、近藤):きっかけは中期経営計画の策定がすべての始まりでした。
それまでスワロー工業には中長期的な指標がなく、毎年手探りで営業していました。目的地が定まっていない状態で走り続けることは難しく、社員のモチベーションの維持向上が昨今の企業課題となっていました。
そこで社長が目先ではなく将来を見据えた目標の必要性に気づき、会社全体としての目標、それに基づく計画の作成に着手していきました。
佐野:具体的にどのような取組みをされたのでしょうか?
近藤:中期経営計画の作成を皮切りに、スワロー工業は働きがいNo.1企業を目指して社内改革に着手していきました。
まずは3~4年後の計画を立てることとし、スワロー工業の中期経営計画を作りあげました。
中期経営計画で会社としての方向性を示したので、あとは社員に動いてもらうだけかと思うと、予想に反して社員のモチベーションが上がっていませんでした。
理由を探していくとすぐに判明しました。スワロー工業には評価基準が定まっていませんでした。何をどう頑張れば評価されるかわからないため、社員からすると「頑張り方がわからない」、「頑張っても報われない」という状況です。そこで人事評価制度を作成し、評価基準を明確にして社員と共有しました。これで個々人の目標も定まり、成果に応じた評価を用意していますのでモチベーションも担保された状態が整いました。
人事評価制度により社員それぞれのモチベーションもあがり、業務のパフォーマン向上に期待が持てる状態になりました。
しかし、ここで新たな壁が立ちはだかります。
人事評価制度策定に伴い、どのように頑張ればいいかが明確になった一方で、評価されるに必要なスキルやノウハウを身に着ける文化がありませんでした。全社的なレベルアップを含め、教育制度の発足にいたりました。
外部講師によるコンサルティング研修だけでなく、スワロー工業の社員が講師として自身のスキルを教える社内講習の2パターンを用意しました。自分が教える側に立つことでよりシナジーを生み、インプットとアウトプットをバランスよく織り交ぜた教育体制とすることができています。
中期経営計画に沿って社内改革を進めていくにあたり、属人化されている業務が見受けられました。一部の社員しかわからない仕事をそのままにしておくと、「担当社員が抜けた時に替えがきかない」、「業務全体のレベルアップを図りづらい」、「特定の社員しか関わらないため改善案や、新たなアイデアが生まれづらい」といったデメリットを多く含みます。
属人化された業務をなくすために社内にいったいどういった業務があるのかをすべて洗い出しました。一カ月間かけて個々人の業務分析を実施し、全社員の業務をデータとして集約しました。すると隠れていた属人化された業務や、一部の社員が業務過多になっている実態が浮き彫りになりました。
着手できるところから業務改善をスタートし、属人化している業務の担当者にアリングを進めてマニュアル化を進めたり、業務過多になっている社員と部署の上長と面談をして業務の分散化を進めたりと、業務改革を現在進行形*で推し進めています。
改善案がハマらない時は随時案を持ち寄り、打開策を随時検討しています。そんな改革の最中にいます。
※2021年12月時点での記事になります。
佐野:実際に効果はどのようにして表れてきましたか?
近藤:まず目に見えてきたのは残業時間の削減です。属人化業務のマニュアル化や、業務の分散を進めたことで業務量の調整ができたことや、洗い出した業務に対して適宜見直しを図ったことで作業効率が上がったことで成果として表れています。
意欲的に業務に取り組む社員が増えてきました。人事評価制度と教育制度を整備したことで、社員それぞれが自分のキャリアプランを考え、自己実現のために何が必要かを考えて動くようになりはじめています。
スワロー工業では毎年一回の人事面談を実施して目標や悩み、要望などをヒアリングしており、面談時に出世に対して意欲的な声が多く集まるようになってきました。
意欲的な社員がいると部署や会社全体が活気づきますので良い雰囲気ができてきたと感じています。
佐野:最後に、今後の目標を教えていただけますか?
近藤:会社として、下記の目標を掲げています。
①海外展開を視野に事業拡大を進める
②三つの事業(建材、PV、ライフスタイル)に加え、第四の柱となる新規事業を3年以内に立ち上げる
③働きやすさと、働きがい新潟県内No1を目指す
また、まだまだ発展途上にいますので、課題が出る度に考え、改革を進めながら進化し続けています。改革を進めるにあたり、先ばかり見ないように注意しています。
社員の悩みや不安は置かれる状況により日々変わっていきます。スワロー工業では社員専用の相談窓口を設置し、誰でも投稿可能です。悩みのジャンルや質は様々ですが、相談があった際は即座に対応しております。社員と会社、互いに納得できる答えが出るようにひざを突き合わせて解決策を探し、安心して働ける会社作りを進めています。
そして、中期経営計画をもとに各種取組みを進め、社員が家族や知人に胸を張って自慢できるような会社にしていきたいと考えています。
スワロー工業株式会社