企業面接では、困難を乗り越えた経験を聞かれることがあります。「自分に該当するエピソードがない」「何を話せばいいかわからない」と悩んでいませんか?
結論として、困難を乗り越えた経験なんてないと思っている人でも、必ずエピソードはあります。大切なのは経験の大きさではなく「向き合い方と学び」です。回答は「概要→困難→行動→結果→学び→入社後への活用」の6ステップで構成しましょう。この記事では企業が困難を乗り越えた経験を聞く目的・回答の構成・体験別例文5選・経験がない場合の対処法を解説します。
困難を乗り越えた経験なんてない!と思われる方もいるでしょう。しかし、本当にそうなのでしょうか?仕事に就くまで生きてきた中で、全く困難を乗り越えずにきた人なんていないはずです。困難を乗り越えた、と認知できていないだけなのです。小さな経験でいいので、自分の過去を丁寧に振り返ってみてください。それでも思いつかなければ、両親や兄弟、昔からの友人に客観的に話を聞くのもひとつです。
◆ この記事でわかること
- 企業が困難を乗り越えた経験を聞く3つの理由
- 回答の構成6ステップ
- 体験別の例文5選(アルバイト・部活・サークル・ゼミ・インターン)
- 困難を乗り越えた経験がない場合の対処法3つ
- よくある疑問Q&A
企業が困難を乗り越えた経験を聞く3つの理由

理由1|目標に向けて努力できるかを確認するため
企業が困難を乗り越えた経験を質問する理由のひとつは、目標に対する行動を確認するためです。企業側は、目標を立てて物事に取り組めるか、目標のために努力できるか、目標達成のために自発的に取り組めるかをみています。企業が目標達成への姿勢を確認するのは営業部門に限らず、さまざまな部門で仕事の遂行のために目標を設定するためです。
理由2|困難への対処法を知るため
ふたつ目の理由は、困難に直面した際にどのような行動をとるのかを把握するためです。困難が立ちはだかったときにどのような思考を持つのか、すぐに行動に移すのか、あるいは計画を立てた上で行動に移すのかなどをみます。企業が知りたいのは、困難を乗り越えるまでのプロセスでわかる、個々の思考や人間性です。対処法の良し悪しというよりは、解決の仕方が企業とマッチしているかを見ます。
理由3|ストレス耐性を知るため
企業は、困難を乗り越えた経験を通じて、ストレス耐性があるかどうかも見ています。入社後は、人によってさまざまなストレスを感じる可能性があります。ストレス耐性が低いと、心身に限界を感じて離職する社員も出てきます。企業は早期退職を回避するために、困難を乗り越えた経験を通じてストレスのある状況を乗り越えていけるかもみているのです。
困難を乗り越えた経験をアピールする際の6ステップ構成

困難を乗り越えた経験を質問された際に、企業側に必要な情報を伝えるには、概要や結論を先に述べるのがポイントです。以下の6ステップで構成しましょう。
★ 困難を乗り越えた経験の6ステップ構成
- STEP 1:経験の概要 → どんな困難があったかを一言で
- STEP 2:発生した困難 → 具体的な状況・なぜ困難だったか
- STEP 3:困難を克服するためにとった行動(最重要) → 自分が考え・工夫し・行動した過程
- STEP 4:行動した結果 → 数字も交えながら簡潔に
- STEP 5:経験から学んだこと → 気づきと成長
- STEP 6:学んだことを企業でどう活かすか → 入社後への接続
この構成の最大のポイントは、「STEP3の行動に最も多くの分量を割く」ことです。面接官が本当に知りたいのは「困難な状況の説明」ではなく「そのときあなたがどう考えてどう動いたか」だからです。
困難を乗り越えた経験の例文5選

例文①|アルバイトの場合
■ 例文(アルバイト・スタッフ教育)
私が困難を感じたのは、アルバイトでの新規スタッフの教育で思うように仕事を覚えてもらえなかったことです。飲食店でのアルバイト経験が長くなってきたこともあり、新規スタッフへの教育を任されることになりました。しかし、なかなか仕事を覚えてもらえず、何度も同じ作業を教える日が続きました。
教育のやり方が悪いと思い、事務的に指導するのではなく、しっかりコミュニケーションを取る方法に変えました。具体的には、業務前に5分間の個別面談の時間を設け、わからないことや不安なことを気軽に話せる環境を作りました。結果として、新規スタッフの方の悩みがわかり、仕事も問題なくこなせるようになりました。ミスの発生率も前月比で半減しました。
この経験から、事務的な会話だけでなく、相談しやすい雰囲気をつくるコミュニケーションが仕事では重要だと痛感しました。入社後も、チームメンバーが話しかけやすい環境づくりを意識して貢献したいと考えています。
例文②|部活の場合
■ 例文(部活・ケガによる挫折)
私は、テニス部に所属していて、ケガにより学生最後の大会に出場できなくなったことがあります。地区大会での優勝など実績も積んできたため、最後の大会はより大きな結果を残そうとした矢先のことでした。練習中の骨折で大会に出場できなくなり、はじめは悲しさと悔しさの感情で前を向けませんでした。
しかし、仲間が一生懸命練習に取り組む姿を見て、これではいけないと気持ちを切り替えました。学生最後の時期に自分ができることとして考えたのが仲間のサポートです。動画で試合を撮影して各自のフォームを分析する資料を作成し、練習メニューの考案やメンバーの相談に乗るなどに取り組みました。
結果として、出場はできなかったものの、団体での地区優勝を実現できました。この経験から、本来の目標達成がかなわなくなっても、自分ができることを見つけて行動していくことの大切さを学びました。仕事でも、状況に応じた柔軟な対応で組織に貢献できると思っています。
例文③|サークルの場合
■ 例文(サークル・参加者不足の改善)
困難を乗り越えた経験は、サークル活動に参加するメンバーを増やし活性化させたことです。私はボランティアサークルに所属し、地域の環境美化活動や募金活動に参加していました。取り組み自体は素晴らしいものだと思いましたが、問題は所属メンバーは多くいたものの、実際の参加者が少なかったことです。
活動内容がわかりにくいのが原因のひとつと考え、SNSを利用したPR活動や学内で活動内容を報告する新聞の制作に力を入れました。週1回の定期投稿ルールを設けてSNSの更新頻度を上げ、写真・活動レポートを組み合わせた発信を3か月継続しました。活動に興味をもつメンバーが増えたことで参加者も増え、より大きなボランティア活動ができるようになりました。
この経験から、積極的に発信して多くの方に知ってもらうことが組織の成長につながると学びました。入社後も、チームの取り組みを社内外に積極的に発信する姿勢で貢献したいと考えています。
例文④|ゼミの場合
■ 例文(ゼミ・プレゼン克服)
困難を乗り越えた経験は、ゼミの研究発表の場でのプレゼンテーションが好評だったことです。私はもともと、人にわかりやすくものを伝えることが得意ではなく、プレゼンテーションにも苦手意識を感じていました。ゼミに入ってすぐに感銘を受けたのは先輩のプレゼンです。伝えることの大切さを痛感しました。
そこで、どのようにしたらわかりやすく伝わるか、プレゼンの構成や挿入する資料の内容や場所を本や動画で勉強し、プレゼン前に友人に見てもらいフィードバックをもらうことにしました。毎回最低3回の事前練習を自分に課し、改善点を記録して次回に活かすPDCAサイクルを回しました。
プレゼンの内容は他の学生からも好評をいただき、自分が伝えたいことを伝えきれたのではないかと思います。プレゼンに限らず、準備とフィードバックを繰り返すことは仕事にも通じることだと感じました。
例文⑤|インターンの場合
■ 例文(インターン・主体的な行動への転換)
インターンで積極的に行動したことが私の困難を乗り越えた経験です。ベンチャー企業のインターンに参加したのですが、はじめは委縮してしまい、指示を待つだけの姿勢になっていました。このままではインターンの経験が身にならないと考え、積極的に質問し、状況に応じて物事を提案する姿勢で臨むことにしました。
具体的には、毎日業務終了後に「今日気づいた課題」を1点メモして翌日のミーティングで提案する習慣を作りました。若い社員の意見も積極的に聞く社内の雰囲気もあり、ミーティングを重ねることで仕事をブラッシュアップさせることができました。最終週には「改善提案が業務効率化につながった」と担当者から評価をいただきました。
この経験から、積極的に仕事をする姿勢やコミュニケーションの大切さを学びました。社員一人ひとりが自ら考えて仕事をより良くする姿勢は会社の成長にもつながることと考えており、入社後も同じ姿勢で取り組みます。
困難を乗り越えた経験がない場合の対処法

対処法1|一生懸命努力した経験を話す
困難といえる経験が思いつかないときは、一生懸命努力した経験を考えてみましょう。一生懸命努力したということは、そこに困難と思えるエピソードが隠されていることもあります。努力のプロセスと目的、結果を押さえて相手に伝えるようにします。
対処法2|挫折した経験を話す
企業側が困難を乗り越えた経験を知りたいのは、困難に直面したときの個々人の対応を知りたいためです。困難を乗り越えた経験は、挫折した経験と似ています。挫折から立ち上がった経験や挫折から学んだことを伝えるのがポイントです。
対処法3|自己分析をする
困難を乗り越えた経験が思い浮かばないときは、自己分析により自分の経験を振り返るのも方法のひとつです。丁寧に自分の過去を思い出してみることで、忘れていたエピソードが思い出されることがあります。家族や友人に「あのとき大変そうだったね」と言われた出来事を聞いてみることも有効です。
よくある疑問Q&A
Q. 困難を乗り越えた経験 ない 場合はどうする?
「困難を乗り越えた経験がない」という人でも、一生懸命努力した経験・挫折から立ち上がった経験は必ずあります。「小さなミスを繰り返さないよう仕組みを作った」「苦手なことを克服するために練習を続けた」など、日常の中にある頑張りをエピソードにしましょう。自己分析をすると見つかりやすくなります。
Q. 就活 困難を乗り越えた経験 アルバイトでもいい?
アルバイトで全く問題ありません。チームのコミュニケーションを改善した経験・難しいお客様に対応した経験・業務効率を改善する仕組みを作った経験など、アルバイトの中にも十分なエピソードがあります。大切なのは経験の種類ではなく、向き合い方と成長のストーリーです。
Q. 苦労したこと と 困難を乗り越えた経験 の違いは?
ほぼ同じ意図の質問ですが、「困難を乗り越えた経験」の方がより大きな課題・構造的な問題への対処を期待される傾向があります。どちらも「結論→状況→行動→学び」の構成で答えれば対応できます。詳しい答え方は苦労したことの答え方の記事も参考にしてください。
Q. es 困難を乗り越えた経験 の字数は何字?
ESの指定字数の90%以上を目安に書きましょう。200字指定なら180字以上、400字指定なら360字以上が理想です。行動と結果のパートに最も多くの文字数を使い、数字(期間・人数・成果)を一つ以上入れると説得力が増します。
Q. 困難を乗り越えた経験 例文 転職 でも同じ構成でいい?
転職の場合も6ステップ構成は同じです。ただし転職者向けは「前職での業務上の困難」を選ぶと説得力が増します。「部門横断プロジェクトの進行管理」「クレーム対応の改善」「新規事業の立ち上げ」など、実務に直結するエピソードを選びましょう。
まとめ
面接などで企業側が困難を乗り越えた経験を質問してくるのは、困難に直面したときの姿勢や、ストレス耐性度などを知りたいためです。企業が確認したいポイントを押さえて、明確に質問の内容に答えられるように準備しておきましょう。
◆ この記事のまとめ
- 企業が困難を乗り越えた経験を聞く理由は「目標達成力・困難への対処法・ストレス耐性」の確認
- 回答は「概要→困難の内容→行動→結果→学び→入社後への活用」の6ステップで構成する
- 行動と結果のパートに最も多くの分量を割くことが評価を高めるポイント
- 経験がない場合は「努力した経験」「挫折した経験」「自己分析」の3つの方法で対処する
- ESでは指定字数の90%以上・数字を一つ以上入れて書くと説得力が増す