ウェルビーイング経営の見極め方|社員の幸福度を測る指標を認定機関が解説

「ウェルビーイング経営って何?」「健康経営とどう違う?」「社員の幸福度を本気で考える企業はどこ?」「ウェルビーイングを採用ページで謳う企業は本物?」——「ウェルビーイング」が注目される今、その実態を正しく理解した上で企業選びをしたい方は多いはず。

結論として、ウェルビーイング経営は「身体・精神・社会・経済・キャリア」の5側面で社員の幸福を追求する経営手法です。健康経営の進化版と言えます。本記事では、累計3,625社を審査した認定機関が、ウェルビーイング経営の基本・5つの側面・指標の見極め方・先進企業の事例を実務的に解説します。「採用アピール」と「本気の取り組み」を見分ける視点を提供します。

岩元翔

日本次世代企業普及機構 代表理事

岩元 翔

累計3,625社以上を審査し、650社以上を認定してきた中で見えてきたのは、「ウェルビーイング経営は本物と看板だけの差が極端」ということです。本気で取り組む企業は、エンゲージメント指標を公開し、PDCAサイクルで継続改善しています。一方、採用アピールのために言葉だけ使う企業も増えています。具体的な指標と実態を見抜く視点が重要です。

📋 この記事でわかること

  • ウェルビーイング経営とは(基本)
  • 健康経営との違い
  • ウェルビーイングの5つの側面
  • 本気の取り組み企業の特徴
  • 採用アピールと本物の見分け方
  • 主要な指標(エンゲージメントスコア等)
  • 面接での確認方法
  • Q&A 13問

📎 全体ガイド:健康経営完全ガイド

📎 関連:健康経営企業ランキング / 企業のメンタルヘルス対策

1. ウェルビーイング経営とは

ウェルビーイング(Well-being)とは、「身体的・精神的・社会的に良好な状態」を意味する言葉。WHO(世界保健機関)の健康の定義から発展した概念です。

ウェルビーイング経営の定義
社員の身体・精神・社会的な幸福を企業経営の中核に置く考え方

注目される背景
SDGs・ESG投資・人的資本経営の流れで企業価値評価指標として注目

国際的な評価
世界幸福度ランキング・OECD Better Life Index等で各国が評価対象

日本での広がり
2020年代から大手企業中心に本格導入。ESG情報開示で重要視

2. 健康経営との違い

★ 健康経営 vs ウェルビーイング経営

健康経営
対象:身体的・精神的な健康
視点:健康リスクの予防・改善
指標:健診結果・ストレスチェック・離職率

ウェルビーイング経営
対象:健康+幸福+社会的充足+経済的安定+キャリア成長
視点:全人格的な幸福追求
指標:エンゲージメント・幸福度スコア・職務満足度

関係性
ウェルビーイング経営=健康経営の進化版・拡大版

3. ウェルビーイングの5つの側面

①身体的ウェルビーイング
健康診断・運動推進・栄養指導・睡眠サポート

②精神的ウェルビーイング
メンタルヘルス・心理的安全性・ストレス管理・自己実現

③社会的ウェルビーイング
人間関係・チーム文化・コミュニティ参加・帰属感

④経済的ウェルビーイング
給与・福利厚生・退職金・資産形成支援・住宅補助

⑤キャリア的ウェルビーイング
成長機会・キャリア支援・自己実現・パーパスとの一致

4. 本気の取り組み企業の特徴

★ 本気でウェルビーイング経営を実践する企業の特徴

  • 従業員エンゲージメント調査の年次実施・結果公開
  • 幸福度・職務満足度の数値化と公開
  • 専任部署(ウェルビーイング推進室等)の設置
  • CWO(チーフ・ウェルビーイング・オフィサー)の設置
  • 5つの側面それぞれへの具体的な施策
  • 統合報告書での詳細な開示
  • 外部評価機関による認定取得

5. 採用アピールと本物の見分け方

⚠ 看板だけのウェルビーイング企業の特徴

  • 「ウェルビーイング」「幸福」のキーワードだけ多用
  • 具体的な指標や数値が公開されていない
  • 採用ページ・PR動画で連呼するが実態が見えない
  • 専任部署や担当役員がいない
  • 第三者認定を取得していない
  • 離職率・残業時間など基本的な数値が非公開

◆ 本物のウェルビーイング企業の見分け方

  • 具体的な数値の公開:エンゲージメントスコア・幸福度・離職率
  • 5側面へのバランス取れた取り組み
  • 継続的な改善活動:PDCAサイクル
  • 経営層のコミットメント:CEOメッセージ・統合報告書での発信
  • 複数の第三者認定取得:健康経営・ホワイト企業認定等

6. 主要な指標

エンゲージメントスコア

概要
従業員が自社に対する愛着・貢献意欲・推奨度を測る指標

主要な調査ツール
Wevox・Geppo・LinkedIn Glint・モチベーションクラウド等

スコアの目安
70以上:高水準、60〜70:平均、60未満:課題あり

幸福度スコア

主要な指標
OECD Better Life Index・PERMA・ハピネス指標等

測定項目
ポジティブ感情・没頭・人間関係・意味・達成感の5側面

その他の客観指標

  • 離職率・平均勤続年数
  • 有給取得率・残業時間
  • 女性管理職比率
  • 男性育休取得率
  • 健康診断結果(BMI・血圧等)
  • ストレスチェック高ストレス者比率

7. 面接での確認方法

★ ウェルビーイングに関する面接質問例

  • 「ウェルビーイング経営にはどう取り組まれていますか?」
  • 「従業員エンゲージメント調査は実施されていますか?スコアは?」
  • 「ウェルビーイング推進専任部署や担当役員はいらっしゃいますか?」
  • 「5つの側面(身体・精神・社会・経済・キャリア)それぞれの取組は?」
  • 「ウェルビーイング指標は統合報告書で公開されていますか?」
  • 「キャリア面でのウェルビーイング(成長機会・自己実現)はどう支援されていますか?」

具体的な数値・取り組み事例で答えられる企業は本物。「これから取り組む予定」「重視している」といった抽象的な答えのみの企業は要警戒です。

ウェルビーイング経営に関するQ&A(13問)

Q1. ウェルビーイング経営は流行?それとも本物の流れ?

本物の流れ。ESG投資・人的資本経営の流れで、企業価値評価の重要指標として定着しつつあります。一過性のブームではない。

Q2. 健康経営とウェルビーイング経営、どちらが大事?

両方。ウェルビーイング経営は健康経営を内包する広い概念。両方を実践する企業が最も総合的な働きやすさを提供します。

Q3. ウェルビーイングを採用ページで謳う企業は信用していい?

具体的な指標と実態を確認。「ウェルビーイング重視」という言葉だけでなく、エンゲージメントスコア・離職率・取組事例で判断を。

Q4. CWO(チーフ・ウェルビーイング・オフィサー)って何?

ウェルビーイング推進の責任者。役員クラスの担当者を置く企業は本気度高。日本でも大手企業で増加中。

Q5. エンゲージメントスコアは公開されている?

本気の企業は統合報告書で公開。エンゲージメントスコア・離職率・平均勤続年数を公開する企業ほど、ウェルビーイング経営に本気で取り組んでいる証拠。

Q6. ウェルビーイング経営の認定制度は?

直接的な「ウェルビーイング認定」はまだ少ない。健康経営優良法人・ホワイト企業認定等が近い評価軸です。今後の認定制度の整備が期待されます。

Q7. ウェルビーイング経営の業界別傾向は?

大手IT・大手金融・製薬・グローバル消費財メーカーで取り組み事例が多い。ESG投資への意識が高い業界・グローバル展開している企業が先行しています。

Q8. 中小企業でもウェルビーイング経営はできる?

小規模ゆえに実現しやすい側面も。社長の意識次第で、社員の幸福度を直接サポートできるのが中小の強み。地域連携・家族的な絆を活かす事例多数。

Q9. ウェルビーイング経営の落とし穴は?

表面的な「ウェルビーイング・ウォッシュ」。実態が伴わない、言葉だけのアピールに注意。具体的な指標・取組事例・継続性で判断することが重要。

Q10. 経済的ウェルビーイングが大切な理由は?

生活基盤がないと他のウェルビーイングも実現困難。給与・福利厚生・資産形成支援は、社員の幸福の土台。詳しくは物価高時代の生活防衛×企業選びへ。

Q11. キャリア的ウェルビーイングはどう確認?

成長機会・キャリア面談・自己実現支援を確認。研修制度・公募制度・社内副業制度がある企業はキャリア面のウェルビーイングが充実。

Q12. ウェルビーイング経営で離職率は下がる?

下がる傾向。各種調査で、ウェルビーイング経営実践企業の離職率は業界平均より低い傾向。社員満足度・定着率の改善に寄与します。

Q13. ウェルビーイング経営企業を見極める最大のコツは?

「数値の公開+5側面のバランス+継続性」。具体的なエンゲージメントスコア・離職率の公開、5側面それぞれへの取り組み、複数年の改善活動を確認。「ウェルビーイング」の言葉だけに惑わされず、実態で判断することが重要です。

まとめ

📌 この記事のまとめ

  • ウェルビーイング経営=社員の身体・精神・社会・経済・キャリアの幸福を追求
  • 健康経営の進化版・拡大版として位置づけられる
  • 5つの側面それぞれへの具体的な取り組みが本気度の証
  • 本気企業の特徴:数値公開・専任部署・CWO設置・継続改善
  • 採用アピールだけの「ウェルビーイング・ウォッシュ」に注意
  • エンゲージメントスコア・離職率・取組事例で実態を確認
  • 大手IT・金融・製薬・グローバル企業で先進事例多い
  • 長期的なライフプランを考えるなら、ウェルビーイング経営企業を最優先候補に

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運営者情報

日本次世代企業普及機構 代表理事岩元 翔

東証1部上場企業の求人広告会社にて新卒・中途採用のコンサルティング業務を学び、その後ITベンチャー企業にて自社採用業務、教育業務に従事。2020年には一般財団法人日本次世代企業普及機構の代表理事に就任。これまでの経験、実績を活かし、経営者や従業員にとって道しるべとなる「ホワイト企業指標」を作り上げた。

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