
就活中、「入社後に挑戦したいこと・やりたいこと」を聞かれるシーンがあります。「思いつかない」「面接やESでどう答えればいいか」と悩む学生も多いですが、質問の意図を理解したうえで準備すれば十分に対策できます。
結論として、「入社後にしたいこと」でよくある失敗は「どこの会社でも言える内容」になってしまうことです。志望企業固有の事業・サービス・強みに絡めた内容でなければ志望度が低いと判断されます。「なぜこの会社でなければできないのか」を必ず組み込みましょう。この記事では質問の意図・見つけ方・伝え方・NGポイント・業種別・職種別の例文をまとめて解説します。
日本次世代企業普及機構 代表理事
岩元 翔
累計3,625社以上を審査し、650社以上を認定してきました。「入社後にしたいこと」でよくある失敗は、「どこの会社でも言える内容」になってしまうことです。面接官は毎年何百人もの学生の回答を聞いています。志望企業固有の事業・サービス・強みに絡めた内容でなければ、志望度が低いと判断されます。企業研究を深め、「なぜこの会社でなければできないのか」を必ず組み込みましょう。
📋 この記事でわかること
📎 面接対策の全体像:就活面接対策の完全ガイド
📎 頻出質問の総合:面接の頻出質問 完全攻略 / 面接の頻出質問と回答例まとめ
目次
「学生の将来像を実現できる環境が自社にあるか」を確認し、採用のミスマッチを防ぐ意味合いが強い質問です。企業は採用した学生に長期的に活躍してほしいと考えています。「この人のやりたいことは、うちでは実現できそうにない」と感じると、ミスマッチな人材と判断される可能性があります。
事業や理念を正しく理解できていない社員は、モチベーションが低下したり、チームの士気を下げたりするリスクがあります。採用担当者は「入社後にしたいこと」を通じて、企業理解の深さを確認しています。
「入社後にしたいこと」を具体的に答えられるのは、その企業で働くイメージが入社前から湧いている証拠です。働くイメージを持てていれば、入社後に「思っていた仕事と違う」という早期離職も防ぎやすくなります。
やりたいことが見つからないときは、反対にやりたくないことを書き出してみましょう。消去法で考えると「何ならできるか」「何ならしても良いか」が見えてきます。
◆ やりたくないことの例
自分の価値観や性格から客観的に分析することで、自分に合った目標を立てられます。好きなことだけで目標を立てると、現実とのギャップが生じたときに折れやすくなるため、性格・価値観も考慮した目標探しが重要です。
過去の苦労した体験を棚卸しすることで、その経験が業務でも活かせる可能性があります。苦労した経験を思い出すとき、どうやって乗り越えたかも一緒に書き出すのがポイントです。
◆ WILL・CAN・MUSTとは
3つの輪が重なり合うところが、高い満足度を得られる仕事です。適職に沿った回答ができると、採用担当者から「客観的に自分を理解できている」と評価してもらえます。
将来の理想像から逆算して考えると、今やるべきことが段階ごとに明確になります。3年後・5年後・10年後にどんな状態になっていたいかをイメージし、そのために必要な経験を逆算します。
★ 回答の3ステップ構成
STEP 1:結論から伝える
入社後にしたいことを一言で簡潔に伝えます。
例:「私は社会のニーズにマッチした商品開発をしたいです。」
STEP 2:具体的な業務・事業内容を伝える
最初の結論に肉付けして、具体的にどんな仕事に携わりたいかを伝えます。
STEP 3:自分の経験・価値観をどう活かすか伝える
自分の経験・価値観と結論を紐付けます。
⚠ 避けるべきNGポイント
■ 例文(金融)
私は、多様化している現代のライフスタイルに対応できる金融商品の企画をしたいです。御社はお客様のライフスタイルに合わせて幅広い返済方法に対応されており、お金の借り方をより多様化させることで、より多くのお客様が気軽にサービスを検討できるようにしたいと考えております。
学生時代はボランティアで地域のさまざまな方から悩みを聞き、最適な行政支援を提案する活動を行いました。この経験で培ったヒアリング能力を活かして、新たな金融サービスづくりに携わりたいです。
■ 例文(メーカー)
入社後は、大人の女性が気軽に持ち歩ける上品なコスメシリーズの開発に挑戦したいと考えております。御社の主力商品は手ごろな価格と可愛らしいデザインで若い女性を中心に人気がありますが、説明会で「40代以上の女性にも品質で注目されている一方、若いデザインがマッチしにくい」とお話されていました。
私が入社したら、大人の女性が気軽に持ち歩ける上品な可愛らしさを盛り込んだシリーズを開発し、御社の新たな販路づくりに貢献したいと考えています。
■ 例文(商社)
私は入社後、営業職として国内水産業と御社の共同事業に貢献したいです。実家が漁師であり、中学生のころから家業を手伝ってきました。漁師ならではのコミュニケーションの流儀や現場の課題を体感し、船上では一瞬の判断が重要であることも学びました。
この経験で身につけた水産業者の考え方・知識を活かして、現場の要望に応えられる商社マンとして新たな商品開発につなげたいと考えています。
■ 例文(不動産)
私は入社後、女性やお子様のいるご家庭が安心して住める物件の提供をしたいと思っています。上京の際、御社の〇〇支店で物件探しをした際、担当者の方が「この地域は街頭が少ないから避けた方がいい」など、快適に生活するためのポイントを丁寧に教えてくださいました。
私も入社後は書類上の情報だけでなく、女性やお子様が安心して通勤通学・生活できるために何を重視すべきかをお客様に伝え、長く住める物件との縁を提供したいです。
■ 例文(営業職)
入社後は、お客様からご指名いただけるほど信頼される営業職を目指したいです。学生時代はテーマパークで案内スタッフとしてアルバイトをし、言語の通じない外国人のお客様や幼いお子様にも笑顔で対応してきました。
御社の営業職はルート営業が中心と伺いました。アルバイトで培ったコミュニケーション能力と潜在ニーズを探る力を活かして、「まず〇〇社さんに相談したい」とご指名いただけるチーム作りをしたいと考えています。
■ 例文(事務職)
私は入社後、事務職として縁の下の力持ちを目指したいと考えています。学生時代は陸上部のマネージャーとして、一人暮らしのチームメイトの生活面も含めたサポートに取り組みました。一人ひとりの特徴に合わせて資料をまとめ、ともに記録更新を実現してきました。
このマネージャー経験で培った「個別に合わせたサポート力」を活かし、メンバーや案件ごとに最適なサポートでチームに貢献したいと思っています。
■ 例文(エンジニア)
入社後は、SEとして幅広いリテラシーレベルに合ったソフトウェア開発を行いたいと考えています。中学校時代から趣味でオリジナルのソフト開発を行い、部活の仲間や家族に使ってもらう中で、年齢層やライフステージによってリテラシーレベルが大きく異なることを学びました。
この経験を活かし、「使いやすい」「操作を覚えやすい」と幅広い立場のお客様に感じていただける親しみやすいソフト開発をしたいです。
Q1. 就活 入社後にしたいこと が思いつかない場合は?
まず「やりたくないこと」から考える消去法が効果的です。また、OB・OG訪問やインターンシップで実際の業務を聞くと具体的なイメージが湧きやすくなります。志望企業の採用ページや中期経営計画を読み、「この会社でしかできないこと」を探すことも有効です。
Q2. 入社後やりたいこと 面接 と ES で内容を変えるべき?
基本的な内容は統一しましょう。ESに書いた内容を面接で深掘りされることが多いため、矛盾が生じると印象が悪くなります。ただしESは文字数の関係で簡潔にまとめ、面接ではより詳しいエピソードを添えて話すと効果的です。
Q3. 入社後にしたいこと 例文 をそのまま使っていい?
例文はあくまで参考です。志望企業の事業内容・自分の経験に合わせてカスタマイズして使いましょう。例文をそのまま使うと「どこの会社でも言える内容」になりやすく、志望度が低いと判断されるリスクがあります。
Q4. 入社後にしたいこと 面接 での回答時間はどのくらい?
1〜2分程度(200〜400字相当)が目安です。長すぎると要点が伝わりにくくなります。「結論→具体的業務→経験・価値観との接続」の3ステップで構成し、結論を最初に簡潔に伝えることで面接官が聞きやすくなります。
Q5. 入社後にしたいこと と 今後チャレンジしたいこと の違いは?
「入社後にしたいこと」は具体的な業務・役割への意欲を確認する質問です。「今後チャレンジしたいこと」はより中長期的なビジョン・挑戦への意欲を問う傾向があります。前者は「入社直後から〇〇に携わりたい」、後者は「3〜5年後に〇〇を実現したい」という時間軸で答えると差別化できます。詳しくは今後チャレンジしたいことの記事もご確認ください。
Q6. 数字目標は入れたほうがいい?
入れたほうが説得力が増します。「3年以内に〇〇を達成したい」「5年後にチームリーダーになりたい」など、期間と達成水準を示すと具体性が出ます。
Q7. 業務未経験でも「したいこと」を語っていい?
問題ありません。未経験だからこそ調べて準備した姿勢が伝わると評価されます。ただし「働いてみないとわかりません」は避け、調べた内容に基づいて具体的に語りましょう。
Q8. 配属希望と矛盾していてもいい?
基本的には配属希望と一致させるのが望ましいです。一致しない場合は「いずれは〇〇に携わりたいが、最初は△△で経験を積みたい」と段階的に語ると整合性が取れます。
Q9. 複数の「したいこと」を語ってもいい?
基本は1つに絞るのが鉄則です。複数挙げると焦点がぼやけます。深掘りされたときに別の話題を出す形が理想です。
Q10. 「貢献したい」だけだと弱い?
弱いです。「貢献したい」は漠然としすぎていて、どの業務でどう貢献するのかを具体化する必要があります。商品開発・顧客対応・業務改善など、具体的な行動と紐づけましょう。
Q11. 「学びたい」「成長したい」だけでもいい?
不十分です。「学び」より「貢献」が評価対象。「〇〇を学んで、その後△△で貢献したい」と接続することで前向きな印象になります。
Q12. 海外勤務などの希望を語ってもいい?
語って問題ありません。志望企業の海外展開と整合性がある場合は強みになります。ただし、その企業に海外勤務の実態がない場合は逆効果なので、企業研究を踏まえて選びましょう。
Q13. 経営者・管理職になりたいと語っていい?
問題ありません。ただし「肩書きが欲しい」ではなく「組織を動かしたい・部下を育てたい」など貢献軸で語ることが重要です。野心だけでは独りよがりに見えます。
📌 この記事のまとめ
正解はありませんが、企業理解を深めたうえで自分のやりたいことを考えるきっかけとして、この記事の方法を活用してみてください。みなさんの就職活動が、納得のいく形で進まれることを願っています。