書類選考や面接を経て、企業から内定通知をうけたとき。これまでの努力が報われた嬉しさと安堵感でいっぱいになりますよね。
しかし、複数の企業から内定をもらった場合は、内定を辞退しなければなりません。
お世話になった採用担当者へ内定辞退を伝えるのは、心苦しさや気まずく思ってしまいますが、社会人のマナーとしてきちんと伝える必要があります。
今回は内定辞退をする際の伝え方のマナーや例文をご紹介します。
目次
内定の辞退はなるべく早く連絡するのがマナーです。
辞退することを決めたらすぐに採用担当者へ連絡しましょう。
また、内定承諾書を提出した後に辞退をしたい場合は、入社日の2週間前までに申し出ることが法的に定められています。
民法で「労働契約を解約するには、入社の2週間前には連絡する必要がある」と定められています。
入社日まで2週間を切ってしまうと、労働契約が成立するため辞退ができなくなってしまいます。
内定辞退は必ず入社2週間前までに行いましょう。
就活が大変なのは、求職者だけではありません。
採用担当者は、日々の業務と並行して新入社員の受け入れに向けた対応を日々進めています。
内定の辞退を決めたら企業の都合を考え、早めに連絡をする必要があります。このとき、メールでの連絡では企業側にスピーディーに伝えることが難しいため、電話で直接伝えたほうが無難です。
あなたと「一緒に働きたい」と内定をくれた企業に対して内定辞退の連絡をする際は、誠実に伝えましょう。
内定を辞退する際にもっともタブーなのは『連絡をしない』ことです。
内定辞退を伝えるのはとても心苦しく言いにくいですが、社会人のマナーとしてフェードアウトはもってのほかです。
「入社しないから適当にして良い」と考えるのは社会人として、あってはならないことです。
書類選考や面接に時間を割いてくれた企業に対して失礼のないよう、誠意をもって辞退する意思を伝えましょう。
内定辞退の理由によって、人事担当者や企業に対して失礼にあたることなることもあるため、内定辞退の理由を具体的に伝える必要はありません。
内定辞退の理由を伝える際は、「一身上の都合により」で問題ありません。
「一身上の都合で」とは「個人的もしくは家庭的な理由で」という意味ですので詳しい理由を話す必要はありません。
しかし、企業から辞退の理由を聞かれる場合があります。
その際は失礼のない範囲で正直に答えましょう。
【辞退理由】
・就職活動を進める内に他の企業との縁を感じた
・自身の適性や今後について考慮した結果
・大学院進学のため など
辞退理由を具体的に伝える必要はありませんが、嘘を答えるのはNGです。
また、引き留める材料になる理由は避けましょう。
【NG理由】
・御社の採用基準や期待値に応えられるか不安になった
・御社で働いていけるか自信がなくなった
・御社の社員の方や他の学生の方々に、ついていけるか心配になった
相手に説得の機会を与えるような理由も避けましょう。説得(相談)され、結果的にさらに断りづらくなってしまう状況になる可能性があるためです。
内定辞退はメールではなく、なるべく電話で伝えましょう。
メールで伝えても問題はありませんが、「内定を辞退する」ということは、企業に迷惑をかけることになります。お世話になった採用担当者へ感謝とお詫びの気持ちを、誠意を持って伝えましょう。
また、メールだけでは他のメールに紛れてしまい、担当者が見落としてしまう可能性があります。内定辞退は、早急かつ確実に伝えることができる電話での連絡が基本です。
【電話 例文】
あなた:
大変お世話になります。私、〇〇大学の〇〇と申します。
採用担当の○○様はいらっしゃいますか?
– 担当者に代わる –
担当者:お電話かわりました、〇〇です。お世話になっております。
あなた:
お世話になっております。内定の通知をいただきました〇〇大学の〇〇と申します。今お時間よろしいでしょうか?
担当者: はい、大丈夫です。
あなた:
ありがとうございます。この度は内定のご連絡をいただきありがとうございます。
大変光栄なお話しですが、一身上の都合により辞退させていただきたいと思い、ご連絡いたしました。選考にお時間を割いていただいたにも関わらず、ご期待に沿えず申し訳ございません。
担当者: とても残念です。よければ辞退の理由を聞いてもよろしいでしょうか?
あなた:
はい、御社と並行して選考が進んでいた企業があり、そちらからも内定をいただきました。最後まで悩んだのですが、今後の自身のキャリアについて考えた結果、そちらの企業に入ることが自分にとっては良い選択であるという考えに至りこのような決断となりました。
○○様には貴重なお時間をいただきながら、このような形になってしまい大変申し訳ございません。
担当者: そうですか。残念ですが承知いたしました。
あなた:
本来ならば、直接お詫びに伺うべきところですが、お電話でのご連絡となってしまい申し訳ありません。
担当者: いえいえ、わざわざお電話いただきありがとうございます。他社でも頑張ってください!
あなた
お心遣いのお言葉までいただき、本当にありがとうございます。それでは失礼いたします。
電話で内定辞退を伝えることができたら、補足としてメールを送るようにしましょう。メールで再度連絡することで記録を残すことができます。
電話で伝えるのが基本マネーですが、口頭でのやりとりとなるので電話が終わったら必ずメールを入れるようにしましょう。
【例文】
件名:内定辞退のご連絡(○○大学 ○○ 太郎 )
本文:
○○株式会社 人事部
○○様
大変お世話になっております。
○○大学の○○と申します。
先程はご多忙の中、お電話にてご対応いただき誠にありがとうございました。
この度は貴社より光栄なご連絡をいただきながら、
内定を辞退させていただきますこと誠に申し訳ございません。
書類選考や面接など、貴重なお時間を割いてくださったにもかかわらず、
このようなご連絡になりますことを大変心苦しく感じております。
面接をご担当いただいた○○様をはじめ、
採用に関わってくださった皆さまには、心より感謝しております。
最後になりますが、貴社の益々の発展を心よりお祈り申し上げます。
—————————————–
〇〇 太郎(○○ タロウ)
○○大学○○学部○○学科○年
携帯電話:090-○○○○-○○○○
メール:○○○○○○@○○○○○○.co.jp
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内定辞退は電話で伝えるのが望ましいですが、メールは時間を気にせず文面としても残るため、電話で断るのに抵抗のある人や、電話をしたが採用担当者につながらなかった場合はメールで伝えましょう。
【例文】
件名:内定辞退のご連絡(○○大学 ○○ 太郎 )
本文:
○○株式会社 人事部
○○様
大変お世話になっております。
○○大学の○○と申します。
この度は内定のご連絡をいただきまして誠にありがとうございます。
ご多忙かと思いましたので、メールにて失礼致します。
今回は内定をいただいたにもかかわらず誠に恐縮ですが、
自身の適性や今後について考慮した結果、
貴社への入社を辞退させていただきたくご連絡差し上げました。
本来であれば貴社へお伺いし直接お詫びするところではございますが、
メールでのご連絡となりましたこと何卒ご容赦頂ければと存じます。
私のために貴重なお時間を取って頂いたにも関わらず、
このようなお返事となり大変申し訳ございません。
また、採用に関わってくださった関係者の皆様には心より感謝しております。
最後になりますが、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
—————————————–
〇〇 太郎(○○ タロウ)
○○大学○○学部○○学科○年
携帯電話:090-○○○○-○○○○
メール:○○○○○○@○○○○○○.co.jp
—————————————–
企業側から辞退を了承する内容が返ってきた場合は、返信する必要はありません。
さらに返信すると、担当者に負担となるので、了承の返信を受け取った時点でやり取りを終了しましょう。
【例文】
件名:内定辞退のご連絡(○○大学 ○○ 太郎 )
本文:
○○株式会社 人事部
○○様
大変お世話になっております。
○○大学の○○と申します。
先ほど、お電話させて頂きましたが、ご多忙のようでしたのでメールにて失礼致します。
この度は内定のご連絡を頂き、誠にありがとうございます。
このような光栄なお知らせを頂きながら大変恐縮なのですが、
検討の結果内定を辞退させていただきたくご連絡を差し上げました。
お忙しい中、選考に貴重なお時間を割いて頂いたのにも関わらず、
このようなご連絡になり大変申し訳ございません。
本来であれば貴社へお伺いし直接お詫びするところではございますが、
メールでのご連絡となりましたこと何卒ご容赦頂ければと存じます。
また、採用に関わってくださった皆様には心より感謝しております。
最後になりますが、貴社の益々の発展を心よりお祈り申し上げます。
—————————————–
〇〇 太郎(○○ タロウ)
○○大学○○学部○○学科○年
携帯電話:090-○○○○-○○○○
メール:○○○○○○@○○○○○○.co.jp
—————————————–
採用担当者に電話がつながらなかった場合は、電話対応をしてくれた方へメールを送る旨を伝えておきましょう。
担当者: 申し訳ございませんが、採用担当の〇〇は終日不在としております。
あなた:
かしこまりました。
それでは大変恐縮なのですが、後ほど○○様宛にメールをお送りいたしますので、ご確認いただきますようお伝えいただけますでしょうか。
お世話になった担当者や企業へ内定辞退の連絡は、とても心苦しく思ってしまいますが企業側にとって内定を辞退すること自体は珍しいことではありません。
面接や書類選考など自分のために時間を割いてくれた相手に対して感謝の気持ちを誠実に伝えることが大切です。
また、丁寧な言葉遣いで、きちんと伝えることは社会人としての基本マナーです。
辞退理由を述べる際は企業に対して失礼な言い回しは避け、マナーを守りながらもはっきりと辞退する旨を伝えることが大切です。