集団面接とは、複数の就活生が同時に受ける面接のことを指します。面接官の人数は1人から複数人で実施されます。
集団面接の特徴としては、全員に対して同じ質問をすることが多く、自己PRやガクチカについてなどの定番の質問が多い傾向にあります。
個別面接と違うところは、他の就活生の答えを聞くのはもちろん、自分の答えも他の就活生の前で言う点です。集団面接の対策は、この点が大きく関わってきます。
今回は、集団面接の流れやよく聞かれる質問、受ける際のポイントについて解説します。
目次
集団面接では他の就活生と面接をすることになるため、周囲に配慮しながら挑むことが大切です。ここでは、集団面接における入退室の流れや待ち時間、マナーについて解説します。
まずは自分が何番目に入退室をするのかを確認しましょう。
【入室の手順】
入室の場合、最初に名前を呼ばれた人、もしくはドアに一番近い人が先頭になります。
1.ドアをノック
・先頭3回ノックを行う
2番手以降はすでに開いているのでノックの必要はない
2.挨拶
・先頭:「どうぞ」と告げられたらドアを開け挨拶を行いその場で一礼
2番手以降は入室し挨拶を行い一礼する
最後尾は入室し挨拶を行い一礼後、ドアを閉める
3.着席
全員:「おかけください」と指示されれば鞄を椅子の隣に置き着席をします。
【退室の手順】
退出時もドアに一番近い人から退出します。
1.起立
全員:起立し、お礼を述べ一礼
2.移動
全員:先頭よりドアへ向かう
3.退室
先頭:ドアの前で向き直り挨拶、一礼を終えドアを開けて退室
2番手以降は同様に一礼し退室する
最後尾は同様に一礼し外に出たらドアを閉める(音に注意してそっと閉める)
集団面接は3~4人程度で受けるのが一般的であり、約30分~40分の所要時間で実施するケースが多く見受けられます。
回答時間は個人面接よりも限られているため、短時間で自身の魅力について伝えることが大切です。回答の持ち時間としては、1人10分弱を目安に考えましょう。
集団面接では面接官もできる限り平等に時間を分け与えたいという思いがあるため、長く話してしまうとマイナスのイメージを持たれてしまう場合があります。
例えば、志望動機であれば1分程度で話すことが妥当です。
時間ごとを文字数に置き換えると以下の通りです。
30秒:125~150字程度
1分:250~300字程度
2分:500~600字程度
3分:750~900字程度
短すぎてしまうと熱意が伝わりにくく、面接官からすると志望度の低い学生に映ります。
逆に長すぎると何を伝えたいのかわかりづらくなり、面接官からの評価も下がりやすくなります。文字数を参考に、聞きとりやすい速さで話せるように調整しましょう。
集団面接では、立ち振る舞いに気を配ることが大事です。緊張や癖でつい貧乏ゆすりをしたり、腕を組んでしまったり、足を組んだりすることがないよう気を付けましょう。
そのほか、待機時間についても見られていることが多く、スマホをいじっているなどもマイナス印象になってしまうようです。
また、鞄やコートは、椅子が空いていたとしても床に置きましょう。基本的にそれまで自分が立っていた側に鞄を置き、鞄の上にコートなどを重ねるのがマナーです。
集団面接でよく聞かれる質問について解説します。
自己紹介は、短く要点をまとめることが大切です。
理想の長さは30秒から1分以内で、名前、大学名、学部、特技や趣味など基本的な情報を含めると良いでしょう。
例えば、「〇〇大学〇〇学部の△△です。特技は〇〇、趣味は□□で、日々〇〇に取り組んでいます。本日はよろしくお願いいたします。」のようにまとめると簡潔で印象に残ります。
声のトーンは明るく、はっきりと話すことで好印象を与えられます。また、面接官の目を見て落ち着いて話すことも重要です。
好印象を残せる自己紹介について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
関連コンテンツ
自己PRでは、自分の強みや成果を具体的に示し、企業への貢献を明確に伝えることが重要です。過去の経験や実績を基に、どのようにそのスキルを活かして企業で活躍できるかをアピールしましょう。
例えば、「大学時代、〇〇のプロジェクトでリーダーを務め、□□%の成果を達成しました。この経験で培った〇〇スキルを活かし、貴社でも□□分野で貢献したいと考えています。」といった形で、エピソードを交えながら具体的に伝えると効果的です。
話す際は、自信を持ちながらも相手に伝わりやすい言葉で簡潔にまとめましょう。
志望動機では、「なぜその企業を選んだのか」を明確に伝えることが大切です。企業の特徴やビジョンを十分に理解した上で、自分の目指す方向性や実現したいことと企業の取り組みがどのように一致しているかを説明しましょう。
例えば、「貴社の〇〇に対する取り組みに共感し、自身が持つ〇〇スキルを活かして□□分野で貢献したいと考えています。特に、貴社の△△というビジョンは、私が将来実現したい〇〇と一致しており、強い魅力を感じています。」のように具体的かつ説得力のある内容にします。
学生時代頑張ったこと(ガクチカ)では、挑戦した経験や達成した成果を具体的に紹介し、自分の積極性や行動力をアピールしましょう。
例えば、「大学での〇〇プロジェクトに参加し、△△という課題に直面しましたが、□□という工夫をすることで解決に導きました。結果として〇〇を達成し、チームメンバーからも高い評価を得ました。」といった形で、課題解決のプロセスや工夫した点を具体的に述べると、説得力が増します。
さらに、達成した結果だけでなく、目標に向けた努力や、その経験を通じて学んだことも付け加えると、成長意欲や人間性を伝えることができます。
最後に、これらの経験を今後どのように活かしたいかを結びとして述べると、より効果的です。
他社の選考状況を尋ねられた際は、正直に答えることが大切です。同時に、自分の就職活動の軸や重視するポイントを伝えることで、自身の考えを明確に示せます。
例えば、「他にも同業界の企業を受けていますが、特に貴社の〇〇な取り組みに魅力を感じ、最も重視しています」といった形で、自分の志望度や選考の基準を具体的に述べると好印象を与えられます。
入社後の目標や取り組みたいことを明確に示すと、熱意が伝わります。会社の事業内容や方向性をよく理解した上で、自分がどのように貢献できるかを具体的に述べましょう。
例えば、「貴社の〇〇事業において、△△のスキルを活かして□□の課題解決に取り組みたいです。また、〇〇の知識を深め、将来的には△△の分野でプロジェクトを牽引する存在になりたいと考えています」といったように、自分の成長と会社への貢献を結びつけて話すと効果的です。
逆質問についても、他の就活生がいることを念頭に置きましょう。
「自分の強みは〇〇なのですが、これを活かせる仕事はありますか?」などの自己アピール意識の強い逆質問は好まれません。
企業の将来性や、入社前にしておくべきことなど、多くの方に当てはまる質問を複数用意しておきましょう。
逆質問については下記を参考にしてください。
関連コンテンツ
【回答例15選!】面接で聞かれる「最後に質問はありますか?」はアピールのチャンス!
ここでは、集団面接を受ける際のポイントを紹介します。
回答は要点を押さえ、簡潔にまとめることで、他の参加者の時間を尊重する姿勢を示せます。長く話しすぎると協調性がないと判断される可能性があるため注意が必要です。
企業が求める人物像に合わせて自己アピールを調整することも効果的です。事前に企業のビジョンや方針を理解し、自分の経験やスキルの具体例を交えて、どのように貢献できるかを伝えることで相手に響く内容になります。
例えば、企業が「チームワークを重視する人物」を求めている場合は下記のようにアピールしましょう。
【例】
集団面接では、他者の回答にも耳を傾けなければなりません。協調性についても見られていることから、「前の人の意見に対して何を思うか」を問われる場合があります。
そのため、自分の回答だけに集中しすぎないよう、他の発言者の回答もしっかり聞きましょう。また、相槌などの軽めのリアクションを見せると好印象です。
面接で他人との差別化を意識することは重要ですが、比較されることに過度にとらわれる必要はありません。他者と回答が似るのはよくあるため、自分の強みや具体的な経験を明確に伝えることが成功への鍵です。
服装や髪型は面接にふさわしい清潔感を意識することが大切です。特にスーツやシャツはアイロンをかけてしわを防ぎ、汚れがないか事前に確認しましょう。
靴が汚れていないか、かばんがきちんとしているかなど、小さな部分にも目を配ることで、細部に気を遣う人だという印象を与えられます。
集団面接といえば他の就活生に負けてはいけない!と思ってしまう方もいるでしょう。
ですが、同グループから必ず何人などではなく、全体でみて何人というように考えられていますので、誰にも負けたくないという気持ちも大事ですが、これからともに働く仲間になる可能性も十分にあることを心がけましょう。