柔軟な働き方とは?多様な働き方の具体例・企業メリット・企業事例を解説

「柔軟な働き方って、具体的にどんな働き方のこと?」「テレワーク以外にどんな制度があるの?」

働き方改革という言葉は就活生にとっても馴染みが出てきましたが、具体的に何を指すのかはあいまいなまま、という方も多いはず。

この記事では、多様で柔軟な働き方の定義・背景から、テレワーク・時短勤務・フレックスタイム・副業など具体的な制度例・企業が導入するメリット・実際の企業事例まで、就活の企業研究に役立つ情報をまとめて解説します。

◆ この記事でわかること

  • 多様で柔軟な働き方の定義と背景
  • 企業が柔軟な働き方を導入する理由
  • 企業にとっての4つのメリット
  • テレワーク・時短・フレックス・副業など具体的な制度例
  • 実際に取り組んでいる企業事例(日本生命・三井不動産・サントリー)

多様で柔軟な働き方とは?定義と背景

多様で柔軟な働き方とは、従業員のニーズに合わせて労働時間や勤務場所を選択できる働き方のことです。テレワーク・フレックスタイム・時短勤務・副業兼業などが代表的な例として挙げられます。

現在の日本社会は、少子高齢化による生産年齢人口の減少・育児や介護との両立など、働き手のニーズが多様化する課題に直面しています。こうした背景から、2019年4月1日に働き方改革関連法が施行され、企業にはライフスタイルに応じた柔軟な取り組みが求められるようになりました。

近年では「柔軟な働き方があるかどうか」が就活における企業選びの重要な指標のひとつになっています。

企業が多様で柔軟な働き方に取り組む理由

企業が柔軟な働き方を推進する背景には、採用競争の激化・人口構造の変化・働き手の価値観の多様化があります。制度として整備することで、働ける人を増やし、生産性の向上にもつながります。

特に「多様で柔軟な働き方とは何か」を具体的に示せる企業ほど、優秀な人材を獲得しやすい傾向にあります。

柔軟な働き方が企業へもたらす4つのメリット

 

① 多様で優秀な人材が集まる

優秀な人材ほど、自身の能力を発揮できる環境を求めています。時間や場所の柔軟性を持たせることで、育児・介護を理由に離職していた人材の確保や、配偶者の転勤による退職防止が可能になります。

求職者から見ると、条件が似た企業から内定が出た場合、働き方が柔軟な企業を選ぶ可能性が高まります。採用競争において大きなアドバンテージになります。

② 生産性が向上する

テレワーク導入により通勤時間を削減することで、ストレス軽減・ワークライフバランスの改善につながります。従業員が限られた時間を最大限に活かして働くことで、業務効率が高まります。

近年ではフルリモートも珍しくなくなり、遠方に住む優秀な人材を採用しやすくなったという効果も生まれています。

③ コストを削減できる

在宅勤務・リモートワークの増加により、オフィス賃料・冷暖房費・交通費などのコストを見直しやすくなります。経営上の固定費削減につながり、企業体力の向上にも貢献します。

④ 多様性が高まり創造性が向上する

柔軟な働き方を取り入れることで、型にはまらない発想で業務に取り組む機会が増えます。多様な視点を持つ人材が集まることで、新しいアイデアが生まれやすく、組織全体にイノベーションが起きやすい環境が整います。

◆ 柔軟な働き方が企業にもたらすメリットまとめ

  • 多様で優秀な人材の確保・離職防止
  • 生産性の向上・採用エリアの拡大
  • オフィス費用・交通費などのコスト削減
  • 多様性による創造性・イノベーションの向上

多様で柔軟な働き方の具体例4選

実際にどんな制度があるのか、代表的な4つの働き方を解説します。

 

① テレワーク(在宅勤務・モバイルワーク)

テレワークとは、ICT(情報通信技術)を利用して働く時間・場所を有効活用する働き方です。出産・育児・介護などライフスタイルの変化にも対応しやすく、業務継続のしやすさが大きな特徴です。

◆ テレワークの種類

  • 雇用型テレワーク:在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務の3種類
  • 自営型(非雇用型)テレワーク:SOHO・内職副業型(在宅ワーク型)の2種類

雇用型テレワークの具体例
自営型テレワークの具体例

② 時短勤務(短時間勤務制度)

時短勤務とは、仕事と家庭を両立するために1日の労働時間を短縮する働き方です。2009年の育児・介護休業法改正により、各企業への導入が義務化されました。

◆ 育児に伴う時短勤務の条件

  • 3歳未満の子を養育する従業員であること
  • 短時間勤務期間中に育児休業をしていないこと
  • 日々雇用される労働者でないこと
  • 所定労働時間が6時間以下でないこと

◆ 介護に伴う時短勤務

要介護状態の家族を介護する労働者に対し、連続3年以上の短時間勤務ができる制度の整備が義務化されています。取得方法は以下の通りです。

  • 1日の所定労働時間の短縮
  • 週・月の所定労働時間の短縮
  • 隔日・特定曜日のみ勤務する方法
  • 労働者が勤務しない日・時間を請求できる方法

! 時短勤務制度の対象外となるケース

  • 日々雇用される従業員
  • 入社から1年未満の従業員
  • 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員
  • 業務の性質上、適用が困難な業務の従業員

③ フレックスタイム制

フレックスタイム制とは、労働者が始業・終業時刻や労働時間を自ら決め、生活と業務の調和を図りながら効率的に働ける制度です。

時短勤務との大きな違いは、あらかじめ決めた総労働時間の範囲内で日々の出退勤時刻を労働者が自由に設定できる点です。2019年4月の法改正で清算期間の上限が1か月から3か月に延長されました。

フレックスタイム制の図解

【出典】フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き(厚生労働省)

! 注意:月ごとの労働時間が週平均50時間を超えた場合は割増賃金が必要になるため、企業・従業員ともに管理が必要です。

④ 副業・兼業の促進

副業兼業とは、主な仕事以外の業務に従事すること、または自ら事業を営むことです。働き方改革の流れを受けて近年急速に普及が進んでいます。

◆ 副業・兼業を認める企業のメリット

  • 社内では得られない知識・スキルを従業員が習得できる
  • 自立性・自主性を促進できる
  • 優秀な人材の獲得・定着につながる
  • 社外の情報・人脈が入り、事業機会の拡大につながる

! 副業・兼業の注意点:就業時間・健康管理・本業への支障防止・職務専念義務・秘密保持義務などの観点で注意が必要です。

【参考】副業・兼業の促進に関するガイドライン(厚生労働省)

柔軟な働き方に取り組む企業事例3社

実際に多様で柔軟な働き方に取り組んでいる企業の事例を紹介します。日本経済団体連合会の働き方改革事例集を参考にしています。

【参考】働き方改革事例集(日本経済団体連合会)

日本生命保険相互会社|企業主導型保育所とテレワーク

従業員の多くが女性であることから、女性が活躍しやすい環境整備が重要課題でした。

◆ 取り組み内容と結果

  • 取り組み:企業主導型保育所の全国展開・サテライトオフィス開設・テレワークデイ参画
  • 結果:地域の待機児童問題にも貢献。時間制約のある従業員が働き方を見直すきっかけに

三井不動産|育児・介護の法定制度を上回る対応

価値観・ライフスタイルの多様化を踏まえ、多様な力を発揮できる環境整備を推進しています。

◆ 取り組み内容と結果

  • 取り組み:育児・介護で法定制度を上回る対応・介護コンサルティング費用補助・シェアオフィス利用・時短制度・介護休業の分割取得拡張
  • 結果:制度を組み合わせることで、休む・辞める以外の選択肢が広がった

サントリーホールディングス|テレワークとフレックスタイムの見直し

グローバル展開に向け、時間・場所の制約を受けないワークスタイルの確立を進めています。

◆ 取り組み内容と結果

  • 取り組み:在宅勤務の場所制約を緩和・上限を拡大・取得単位を1日から10分単位へ変更
  • 結果:送迎前後などの隙間時間を活用しやすくなり、フルタイム就業の継続に貢献

サントリーの働き方改革制度表

柔軟な働き方を強みとするホワイト企業認定の企業

ホワイト企業認定を取得した企業の中から、柔軟な働き方を強みとしている企業を紹介します。

株式会社ゲオホールディングス

従業員代表者会で社員の声を発信し、柔軟な働き方を追求

ゲオホールディングスロゴ

セントワークス株式会社

週4日間までの在宅勤務を認める、多様で柔軟な働き方の先進事例

セントワークスロゴ

NOSIGNER株式会社

多様で柔軟な働き方で、クリエイティブな成果とプライベート時間を両立

NOSIGNERロゴ

MGS税理士法人

テレワーク・オンライン会議を駆使し、場所を選ばない働き方を実現

MGS税理士法人ロゴ

柔軟な働き方を強みとするホワイト企業一覧:多様で柔軟な働き方を強みとする認定企業を見る

就活で柔軟な働き方を見極めるポイント

「制度があります」という言葉だけでは判断できません。以下のポイントで実態を確認しましょう。

◆ 面接・説明会で確認したい質問例

  • テレワーク・在宅勤務の利用率・頻度はどのくらいですか?
  • フレックスタイムの利用率は高いですか?コアタイムの設定は?
  • 育児・介護による時短勤務の取得実績はありますか?
  • 副業・兼業を認めている場合、どのような条件がありますか?
  • 制度を利用した先輩社員のキャリアはどうなっていますか?

制度の存在だけでなく、実際の利用しやすさや職場の雰囲気まで確認することが、後悔しない企業選びのコツです。

まとめ

多様で柔軟な働き方は、少子高齢化・育児・介護との両立など、従業員の多様なニーズに応えるために重要性が高まっています。テレワーク・時短勤務・フレックスタイム・副業兼業などの制度は、企業にとっても人材確保・生産性向上・コスト削減の大きなメリットをもたらします。

◆ この記事のまとめ

  • 柔軟な働き方とは時間・場所を従業員のニーズに合わせて選択できる働き方
  • 2019年施行の働き方改革関連法が企業の取り組みを加速させた
  • 企業のメリットは人材確保・生産性向上・コスト削減・創造性向上の4つ
  • 具体的な制度例はテレワーク・時短勤務・フレックスタイム・副業兼業の4つ
  • 就活では制度の有無だけでなく「実際の利用しやすさ」まで確認することが重要

働き方の柔軟性は、長期的なキャリアを築くうえで重要な企業選びの指標です。制度の実態まで掘り下げて確認し、自分らしく働ける企業を見つけていきましょう。

   
運営者情報

日本次世代企業普及機構 代表理事岩元 翔

東証1部上場企業の求人広告会社にて新卒・中途採用のコンサルティング業務を学び、その後ITベンチャー企業にて自社採用業務、教育業務に従事。2020年には一般財団法人日本次世代企業普及機構の代表理事に就任。これまでの経験、実績を活かし、経営者や従業員にとって道しるべとなる「ホワイト企業指標」を作り上げた。