ダイバーシティって何?取り組んでいる企業はホワイト企業?必要性や組み方事例を解説

2022.02.01
#企業分析#働き方#就活基礎知識

最近「ダイバーシティ」という言葉をよく聞くようになりまし、就活中でも必ず聞くことになると思います。
すでに多くの企業で、ダイバーシティを推進するための様々な取り組みが行われています。

この記事では、ダイバーシティとは何か、その必要性や、導入している企業の取り組み方や効果について解説していきます。

ダイバーシティとは?

ダイバーシティとは「多様性」という意味の英語で、様々な人材を活用するという意味があります。
企業の人事や組織において国籍や人種、性別や年齢等を超えて活用する人材採用のビジネス用語です。
アメリカから始まったダイバーシティですが、人種や宗教といった差別のない採用を目指すアメリカと違い、日本では障害者雇用や多様なワークスタイル等を表す用語として使われることが多いです。

多様な人材を活用することで、様々な価値観や考え方をビジネスに活かせるため、企業にとって大きなメリットを生み出すことができます。
しかし、単に多様な人材を集めるだけでは組織の利益や成果に繋げることはできないため、ダイバーシティを推進するためには、インクルージョン(活用方法)の推進も同時に行う必要があります。

ダイバーシティの表層的な属性5つと深層的な属性7つ

ダイバーシティで謳う多様性には実に多くの属性があります。
人が有しているほとんどの属性がダイバーシティの範疇となっていて、国籍や人種、性別や年齢だけではありません。

また、属性には見た目で判別しやすい表層的な部分と、人の内面の特性である深層的な部分でも区別されています。

全てではありませんが、以下がダイバーシティでの属性です。

 

<表層的な属性5つ>

●国籍

●人種・民族

●性別

●年齢

●障がい

 

<深層的な属性7つ>

●考え方

●習慣

●趣味

●職歴

●スキル・知識

●コミュニケーション力

●性的志向

日本におけるダイバーシティ推進の背景と必要性

次に、日本でダイバーシティが推進されている背景と必要性について解説していきます。

 

社会的責任への取り組みが求められている

日本の企業におけるダイバーシティ推進の背景として大きいのは、多様な人材を受け入れることによる社会的責任への取り組みが挙げられます。
女性管理職の活用や障害者雇用の拡大を積極的に行うことで、社会における企業の信用を向上させることが必要とされているのです。

政府の取り組みとしても、「新・ダイバーシティ100選」といった表彰制度を設けダイバーシティを推進しています。
ダイバーシティ経営を推進している企業の応募を募り、取り組みの浸透度や継続性等が優秀な企業を表彰する制度です。

労働人口が減少している

【出典】みずほ総合研究所

 

労働人口の減少も深刻な問題になっており、女性社員の育児休暇後の復帰や外国人労働者の受け入れ、高齢者の再雇用等で働く人材を確保する必要があります。

企業は組織運営の効率を上げるために、多様な人材(雇用形態)を活用していかなければなりません。

女性の活躍が期待されている

【出典】労働政策研究・研修機構データブック国際労働比較

 

日本は、諸外国と比べて女性管理職の割合が少ないです。
これは、男性が企業の中核を担うものという昔からの日本特有の社会風土が原因です。

しかし、企業間競争が激化している中、男性社員を中心とした単一な組織では、価値観や考え方が偏り、業績を伸ばすのが困難になっています。
男性とは違った価値観や考え方を持つ女性が活躍することにより、激化する競争に勝ち、業績が良くなる企業が増えています。

 

ダイバーシティに取り組むことによる企業のメリット

ここでは、ダイバーシティに取り組むことで得られる3つの効果について解説していきます。

ダイバーシティ,取り組み方

ビジネスの幅が広がる(ビジネスチャンス拡大)

多様な価値観や考え方をもった人材が集まることで、新たな顧客ニーズに対し、素早く対応することができるため、ビジネスチャンスのロスを防ぐことができます。
ビジネスの幅が広がることで、事業の多角化に取り組みやすくなり、日々変化する社会においても生き残れる力を持った企業となるでしょう。
また、スキルや知識の幅も広がり、従業員全体のレベルアップも期待できます。

優秀な人材が確保できる

ダイバーシティへの対応ができている企業では、育児や介護など個人の事情により、継続して勤務することを諦める必要がありません。
そのため、優秀な従業員を手放すことなく、会社に復帰させることができます。

家庭と仕事の両立が実現することで、従業員の満足度やモチベーションが向上し、効率よく仕事をすることができるようになります。
これにより、コスト削減や業績アップにも繋がります。

企業の社会的信用が向上する

多様な人材の受け入れは、外部から良い評価を受ける要因になり、企業の社会的信用の向上につながります。

社会的信用のある企業に勤務していることで、従業員の働く意識の向上にもなり、従業員満足度にも反映されます。
不満が減り、ハラスメント行為の発生リスク低減の効果も期待できます。

ダイバーシティへの取り組みの課題・注意点

ただし、企業がダイバーシティ推進に向けて取り組むにあたり、乗り越えなければならない課題も多数存在します。ぜひそのあたりも理解してもらえればと思いますので解説していきます。

ダイバーシティへの取り組みの課題

ダイバーシティを推進するための取り組みには多くの課題があります。
ここでは課題を解決し、ダイバーシティを実現させるために必要なポイントを5つ紹介します。

 

●自分と異なる価値観や考え方を持つ相手を受け入れるのは簡単にはいかないため、固定概念やイメージによる差別、誤解が生じる恐れがある。

●管理職にダイバーシティについての理解がないと、取り組みが進まない。そのため、研修等を行い教育する必要がある。

●雇用形態ごとに仕事内容や役割を明確にしないと、給料格差や待遇に不平不満が出る。

●既存の従業員が多様な人材に適応できないと、職場の人間関係に問題が起こる可能性があるため、こまめにコミュニケーションを取り、常に従業員の状態を把握する。

●育児や介護休暇等の制度を整備しただけではなく、管理職が休暇取得に理解を示さないと、申請しにくい状態が変わらない。

ダイバーシティへの取り組みの注意点

課題を解決し、ダイバーシティを実現させるために必要なポイントは5つです。

 

●ダイバーシティ推進への取り組みの経営方針を明確にし、従業員に目的を共有する。

●公平な評価制度を導入する。

●全従業員と平等に接する。

●職場巡回や個人面談を行う。

●管理職が育児や介護についての理解をし、休暇等を申請しやすい環境にする。

まとめ

企業間の競争激化や社会が日々めまぐるしく変化していく中で勝ち残っていくためには、多様な人材の活用が不可欠です。ですのでダイバーシティに取り組んでいる会社は積極的に人材採用に取り組んでおり、かつ多様な価値観を取り入れ成長していこうとしている会社であると言えます。価値観を尊重し、幅広い人材を活用しているかどうかを企業選びの軸にするのもおススメです。

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