【2021年12月9日掲載記事を更新】
企業の継続的な成長のためには、優秀な人材の採用・育成が必要不可欠です。
「人こそが企業の財産である」という言葉通り、企業にとって従業員は「資源」ではなく、「資本・財産」だと言われています。
そのため、多くの企業で人材育成に積極的に取り組んでいます。
そこでこの記事では、企業が人材育成に「取り組む目的」や「取り組むうえで大切にしていること」など、企業選びの参考にできる内容を解説していきます。
目次
人材育成とは、さまざまなリソースを有効的に活用し、活躍できる人材を育てていくことです。
生産性を向上し、利益を最大化するため社内の適材適所に配置し、従業員に最大限の能力を発揮してもらうことが最大の目的です。
しかし、利益や売上を真っ先に追求するだけでは人材の活用が進まず、優秀な人材が会社を去ってしまいます。少子高齢化により労働力の確保が一段と厳しくなっている昨今、採用した人材のスキルを社内でいかに高めることができるかが経営戦略のカギとなっています。
ではホワイト企業は、人材育成について実際にどのような内容を制度として用意しているのでしょうか
従業員のスキルを管理するために企業で幅広く使われているキャリアマップを作成することで、必要なスキルや能力が明確になります。このスキルや能力に対して1つ1つ教育手段を決定し、教育の責任者に割り振ることで、網羅的な教育ができるようになります。
また、人材育成にかかるコストを組織全体で計算し、担当を分担することで、教育コストを抑えることができます。
何かを実現するためには、目標と全体の把握が必要になるので人材育成に取り組んでいる会社はキャリアマップをしっかり作成しています。
参考:キャリアマップについて(厚生労働省)
人材育成にどのような手段を用いるのかは重要なポイントです。
代表的な研修例を下の表でご紹介します。
人材育成は「企業が人を育てる」という意識を持って進めることが大切です。
社内に人材育成に関するポスターを張ったり、社内報で人材育成に関するメリットや受講のチャンスを宣伝するなど、各部署が独自で行っているということではなく、会社の方針として行うことが重要です。
企業全体が制度を導入して人材育成に積極的に取り組んでいるのかというのもポイントになります。
人材育成が思うように取り組むことができていない企業には、以下のような問題点があることが考えられます。すべてではありませんが、人材育成に対しての制度が整っていない会社の懸念点として覚えておきましょう。
人材育成にあたる担当者に時間の余裕がなければ、思うように人材育成は進みません。
時間がないからといって、多忙な従業員に対して駆け足でトレーニングや講習を行っても、体得させることは不可能です。業務が多忙すぎる会社はあまり人材育成の制度がないことが多いため、自ら時間を作ってスキルアップをしていく必要があります。
人材育成では、実際にトレーニングを計画・実行する者が、従業員1人ひとりの特性や能力、経験、欠けているスキルを把握しておく必要があります。
また、人材育成の質を高めるためには、企業・指導者同士で育成方法や育成レベルを共有しておかなければなりません。
このように人材育成は、それ自体に高いスキルが伴います。
社歴が浅い会社や、従業員が少ない会社は当然人材育成スキルが高い人ばかりではないことも考えられます。人材育成を企業選びの軸としている方は企業規模にかかわらずですが、制度の有無をしっかり確認する必要があります。
次は人材育成の理想となるプログラムをご紹介します。
人材育成が充実している企業は階層別に育成プログラムを用意しています。
ここでは、「新入社員」「若手〜中堅社員」「中間管理職」「中途採用社員」に分けてそれぞれご紹介します。
まだまだ社会人としての経験がない新卒社員には、その世代の個々の特性に合わせた人材育成法が必要です。
<教育プログラムの実施スケジュール>
入社前の「内定者研修」
入社後すぐ「新入社員研修」
入社3カ月以降の「OJT研修」「フォローアップ研修」
<新卒社員についての人材育成プログラム内容の例>
●企業の経営理念、歴史、ビジネスモデル、組織構造などを理解させる
●企業における自身の役割を自覚させる
●仕事を進める上での基礎知識、スキルを習得させる
●基本的なビジネスマナー、社会人としての常識を身につけさせる
●職場への定着とモチベーションの向上を目指す
入社間もない新卒社員への研修は基礎的なものが多く、働く上での心構えや社会人マナーなどが実施されます。
新入社員や管理職への人材育成は手厚いものの、中堅社員の人材育成が疎かになっている企業もまだまだ多くあります。
中堅社員の業務量や、それに伴う残業時間の増大により育成に費やす時間が不足していることも原因です。
「人材育成の空白部分」といわれる中堅社員に対しても、しっかり取り組んでいる企業は人材への教育レベルが高い会社といえるでしょう。
次のステップへ向けたスキルの習得につながり、企業にとって大きな戦力となっています。
<若手~中堅社員についての人材育成プログラム内容の例>
●社内の中核を担う存在であることを自覚させる
●自身のキャリアプランを明確にさせる
●後輩を指導する役割を認識し、指導の手法を検討させる
●自身の仕事だけではなく、組織や企業としての仕事を捉えるスキルを身につけさせる
●課題解決能力・論理的思考・プレゼンテーションスキル・生産性の高い仕事の進め方など、具体的な能力を磨かせる
中間管理職は、トップマネジメント層の経営方針や成長ビジョンを正しく理解し目標や課題の達成に向けて従業員をコントロールする役目があり、組織の要となる存在です。
ですが、求められる能力やスキルが高くなり業務量は増加傾向にあります。
中間管理職についての人材育成に取り組んでいある企業は、中間管理職の業務量を把握し無理のない運営ができるよう配慮しながらプログラムを構築しています。
<中間管理職についての人材育成プログラム内容の例>
●経営戦略論や組織論、マネジメント論など、基本的な知識や手法を学ばせる
●マネジメント人材に求められる役割を認識させる
●グループの業務目標を設定し、達成への道筋を考えさせる
●課題を見出し、業務の改善につなげさせる
●従業員の個性を認め、能力を開発し、仕事への意欲を高める努力をさせる
●従業員とのコミュニケーションを増やし、意見を言いやすい環境を整えさせる
●従業員の評価方法、コミュニケーションの取り方を習得させる
即戦力として期待される中途採用社員は、入社後にまず新入社員と同じような研修をする必要があります。
しかし、社会人としてのスキルは身についているので基本的なビジネスマナー研修は必要でないことが多いです。同僚や上司との円滑なコミュニケーションにより良好な関係を築き、離職防止につなげることが大切です。
また、同業界内での転職の場合でも、前職との違いにギャップを感じてしまうことがあるため中途採用社員についてもしっかり育成しなければなりません。
<中途採用社員についての人材育成プログラム内容の例>
●業界全体の流れや仕組みを理解させる
●離職防止につながる人間関係を築かせる
●実践的なスキルを身につけさせる
●前職との違いを理解・納得させる
各フェーズの課題・目標に目を向けた細やかな人材育成は、従業員のキャリアアップを促進し、自社の成長へとつながります。
就職活動の際には人材育成も一つのポイントとして、取り組みや姿勢をチェックしてみてください。
実際に人材育成に注力している企業はどのような取組みをしているのでしょうか?
ホワイト企業認定を取得した企業の中から、「人材育成」を強みとしている企業をご紹介します。
未経験から様々なWEBマーケティングのスキルが身につくhttps://jws-japan.or.jp/whitecareer/white_company/3951
「人が育つ」、いりたに内科クリニック4つの仕組み
他にもホワイト企業認定を取得した企業の中から、「人材育成」を強みとしている企業を下記ページにてご紹介していますので、ぜひご参考にしてみてください!
▼画像をクリック▼