就職活動を進める中で、内定と内々定という言葉を聞いたことがある方も多いかと思います。
これらの用語は、新たなキャリアの始まりに向けた一歩を踏み出す際に重要な役割を果たすものです。しかし、その意味や違いについてはっきりと理解している方は少ないかもしれません。
今回の記事では、「内定」と「内々定」が持つ意味の微妙なニュアンスや、それぞれの違いや注意点について解説していきます。
新たなステージに向けて知識を深め、自信を持って就活を進めていきましょう。
目次
内定とは、企業から学生や求職者に対して、採用の意向を伝える正式な通知のことを指します。
内定を受けると、その企業での就職が確定的なものとなり、一般的には内定者として企業に所属する予定です。
内定を受けた後は、就業条件や入社手続きなどの詳細が説明され、内定を受け入れるかどうかを検討する期間が与えられることがあります。
内々定とは、内定の前段階で企業から学生や求職者に対して、ある程度の採用意向を示す通知のことを指します。
新卒採用では、政府主導により企業に対して内定ルールが定められています。
そのため企業が求職者へ内定を出すことができるタイミングは大学4年生の10月1日以降となります。
この内定ルールによって、10月より前に選考が終了し合格となった学生に対しては「内々定」が出されるのです。
このルールは、学生が学業にしっかりと専念したうえで、安心して就職活動に取り組める環境をつくるため設けられています。
●2024年度卒業・修了予定者等
広報活動開始 :卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
採用選考活動開始 :卒業・修了年度の6月1日以降
正式な内定日 :卒業・修了年度の10月1日以降
参照:https://www.keidanren.or.jp/announce/2023/0411.html
内定が出たら、企業に対して「承諾または辞退」の返答をしなければなりません。
返答期限は企業によって異なりますが、1~2週間程度が多いでしょう。
通常、内定辞退をできるギリギリのラインは入社日の2週間前までとなっています。
内定を受けた際に署名した雇用契約や内定承諾書に、内定辞退に関する損害賠償についての規定が含まれている場合があります。契約の内容に従って、一定額の損害賠償が課せられる可能性があります。
内定辞退する場合は、下記の記事を参考に早めに企業へ連絡をいれましょう。
ただし、「本人に責任が無い、仕方のない理由」であれば2週間前を過ぎていても辞退できることがあります。
以下の場合は、採用担当者へ相談してみましょう。
・体調を崩し働ける状態にない
・親族が病を患い介護が必要になった
・単位を取れず留年が確定した
内々定が出された場合にも、当然ながら企業に対して「承諾または辞退」の返答をしなければなりません。
返答期限は内定と同じく、1~2週間程度が多いでしょう。
内々定は企業側が求職者を囲い込みたいために前約束として出しているものなので、よほどのミスマッチなどを感じていない限りは「とりあえず承諾」をしても構いません。
内々定については、法的拘束力はありません。
また万が一、書面の提出があった場合でも同じく拘束力はありませんので、内々定を承諾した場合でも就活を続けても構いません。
内定や内々定が出た場合、企業から取り消すことができませんが求職者の立場からは取り消すことが可能です。
しかし、企業側からは正当な理由がある場合は取り消しにな可能性があるので注意しましょう。
内定や内々定が取り消しになる可能性がある主な状況をいくつか挙げてみましょう。ただし、具体的なケースによって異なるため、個別の事情に合わせて確認することが重要です。
就職活動中に提出した履歴書や書類に虚偽の情報を記載したり、不正行為が発覚した場合には、内定や内々定が取り消しになることがあります。企業は誠実な態度を重視する傾向があります。
内定や内々定を得る際に提出した学業成績やスキルが大幅に低下した場合、企業は採用を見直す可能性があります。特に新卒採用の場合、卒業条件を満たせなくなるケースが考えられます。
突然の経営状況の変化や業績悪化により、企業が採用計画を見直す場合があります。これにより、内定や内々定が取り消しになる可能性があることも考えられます。
面接や選考プロセス中に不適切な行動を取ったり、ルール違反を行った場合、企業はその候補者の評価を下げるか、内定や内々定を取り消すことがあります。また、内定者が入社までの間で犯罪行為におよび、刑事罰などを受けた場合も内定を取り消すことができます。
これらの状況は、具体的なケースによって異なることがあります。就活生は企業とのコミュニケーションを大切にし、適切な情報提供や手続きを行うことで、内定や内々定の取り消しを回避する努力をすることが重要です。
内定は正式な採用の通知であり、内々定はその前段階である程度の採用意向が示される通知です。
内々定を受けてから内定を受けるかどうかを決定することが一般的です。日本の就職活動において、このような段階があるのは、学生や求職者が選択肢を比較し、最適な選択をする機会を提供するためです。