現代の日本はグローバル化が進んでおり、比較的小さな企業でも英語力が求められるケースが増えています。就活においてTOEICスコアはエントリーシートや面接でのアピール材料になりますが、何点あれば有利なのか・どの業界で必要なのか・どう勉強すればいいのか、詳しく解説します。
結論から言うと、就活でTOEICをアピールできる最低ラインは600点、700点以上あれば英語力として強力にアピールできます。この記事ではスコアの目安から業界別の必要点数・効果的な勉強法まで徹底解説します。
TOEICのスコアは、一定以上の点数があればそれだけで一つのアピールとなりえます。ただ最近ではより実践的な英語が求められてきているのも事実で、TOEICスコアを単純にアピールするというよりは、留学時の出来事で英語力をアピールしたり、英語によって何かの課題解決をしたエピソードと一緒に話すことで、よりTOEICのスコアが際立つものになるでしょう。
◆ この記事でわかること
- 就活でTOEICが有利になるスコアの目安
- スコアごとの英語能力レベルと履歴書への記載基準
- TOEICが必要な業界・職種
- 社会人・学生別の平均スコアとアジア各国比較
- TOEICスコアアップのための勉強方法
- よくある疑問Q&A
TOEICとは?
TOEICとは、日常生活やグローバルビジネスの場において英語によるコミュニケーション能力を測る世界共通の試験です。「Test Of English for International Communication」の略称で、直訳すると「国際的な意思疎通のための英語テスト」です。
日本のTOEIC年間受験者数は200万人を超え、世界では160カ国で年間700万人以上が受験していると言われています。就職活動だけでなく、昇進・昇給の基準として活用している企業も多く、社会人になっても継続的に受験し続ける意義があります。

TOEICの種類

① Listening & Reading(L&R)テスト
一般的にTOEICテストと呼ばれているのは、このListening & Reading(L&R)テストです。リスニングテストとリーディングテストの2つは必ずセットで、どちらかのみを受験することはできません。就活でTOEICスコアとして提示するのは基本的にこのL&Rスコアです。
② Speaking & Writing(S&W)テスト
スピーキングテストとライティングテストです。セットで受験することも、スピーキングテストのみを受験することも可能です。英語を「話す・書く」能力を証明したい場合に活用します。外資系や海外勤務を希望する方はL&Rと合わせてアピールするとより効果的です。
③ TOEIC Bridge
英語の初級・中級者に合わせた、より身近な日常生活を題材に基礎的な英語力を測定するテストです。

全国の約80都市で開催されており、受験地によって実施月が異なります。テスト日程はこちらから確認してください。
TOEICは就活において有利になる?
結論から言うと、TOEICのハイスコアは就職を有利に進められる可能性が高いです。国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)の英語活用実態調査によると、TOEICのスコアを新卒採用で見ている企業の割合は約50%で、半数程度の企業がTOEICのスコアを確認しています。
! 就活でアピールできるスコアは最低でも600点以上が必須です。600点を大きく下回るスコアではESに記入してもアピールにならないので注意しましょう。
TOEICスコアについて
① スコアごとの英語能力と就活アピール基準
TOEICのスコアは10〜990点の範囲で評価されます。就活でどのように評価されるかはスコアによって大きく異なります。
◆ スコアごとの英語能力レベルと就活での評価
- 400点未満:英語の基礎ができていない。履歴書(ES)への記載は控える
- 400〜495点:中学生英語レベル。履歴書(ES)への記載は控える
- 500〜595点:中学英語の基礎はある。記載してもプラスになるとは言えない
- 600〜695点:基礎力十分・ある程度の英語力あり。ESに記載してアピールできる最低ライン
- 700〜795点:「英語が得意」と言って差し支えない高いレベル。ESに記載すると英語力をかなりアピールできる
- 800〜895点:仕事で英語を使いこなせるレベル。外資系企業への就職・転職でも堂々と記載できる
- 900〜990点:ネイティブに近い英語力。周囲と大きく差別化できる点数
② 社会人・学生別の平均スコア

2021年4月〜2022年3月の日本の全体平均スコアは611点でした。

社会人の平均スコアは640点で、645点以上が全体の半数以上を占めています。TOEICスコアはビジネスにおいて、昇進や昇給にも役立つため高いスコアを目指す人が多いです。

学生の平均スコアは586点で、545点以上のスコアを半数以上が占めています。就活を有利に進めるためには700点以上を目指しましょう。学生平均が586点であることを考えると、700点以上は明確に「平均より高い」と示せる指標になります。
③ 学年別・学部別の平均スコア

自身の学年や学部に該当する平均スコアを知り、目標を設定して試験に臨みましょう。理系学部・外国語系学部は平均スコアが高い傾向があります。自分の立ち位置を把握することが効率的なスコアアップへの第一歩です。
TOEICが必要な業界や職種
TOEICは一定以上のスコアがあれば就活が有利になりますが、中には必須条件としている企業もあります。自身の希望する業界や職種で「何点以上のTOEICスコアが求められるか」を企業研究で確認しておきましょう。
◆ TOEICが必要な業界・職種
必要な業界
- 商社業界・メーカー業界・マスコミ業界・IT業界・金融業界 など
必要な職種
- パイロット・客室乗務員・ツアーコンダクター・海外投資部門・海外取引のある法務・ホテル受付・メーカーの管理・技術職・英語保育士・英会話スクール講師・中学校・高校の英語教師・通訳者・翻訳家 など
★ 業界別のTOEIC必要スコア目安
- 外資系企業:800〜900点以上が目安。日常的に英語を使う環境のため高スコアが求められる
- 総合商社:700〜730点以上が一般的な目安。海外取引・交渉が多い業界
- IT業界・メーカー:700点以上。グローバルプロジェクトへの参加機会が増加中
- 金融業界:600〜700点以上。海外部門を希望する場合は800点以上が有利
- 航空(CA・パイロット):スコアよりも実際の英会話力が重視される傾向。600点以上はあると安心

アジアにおける国別スコア平均(2021年)
TOEIC Programを実施・運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)がまとめた2021年のTOEIC Listening & Reading Testのアジア各国平均スコアランキングです。
◆ アジア国別スコアランキング(リスニング・リーディング・合計)
- 1位 フィリピン:428 / 365 / 793
- 2位 インド:415 / 344 / 759
- 3位 マレーシア:373 / 308 / 681
- 4位 韓国:376 / 304 / 679
- 5位 日本:315 / 259 / 574
- 6位 台湾:305 / 260 / 565
- 7位 香港:309 / 239 / 548
- 8位 中華人民共和国:286 / 262 / 547
- 9位 ベトナム:286 / 245 / 531
- 10位 タイ:293 / 218 / 511
日本は決してアジアの中で英語力が高い国とは言えません。フィリピン(793点)・インド(759点)と比較すると、日本(574点)はアジア5位にとどまっています。学生のうちに英語を身につけ、将来世界でも活躍できる準備をしてみてはいかがでしょうか。
TOEICでスコアアップするための勉強方法
TOEICのスコアを効率よく上げるためには、現在のスコアに応じた学習戦略の選択が重要です。闇雲に勉強するのではなく、弱点分野を特定してから計画的に対策を進めましょう。
★ TOEICスコアアップの6つの学習法
- 目標スコアを設定し学習計画を立てる:IT業界は700点以上・商社や製造業は730点以上が目安。模擬試験で現在の実力を把握し弱点を特定する
- リスニング・リーディングをバランスよく学習:各495点・合計990点満点。公式問題集で実際の試験形式に慣れる
- 単語力を強化する:ビジネス・日常会話に対応できる語彙力が必須。単語帳・アプリを活用し隙間時間で効率よく暗記
- リスニング力を向上させる:アメリカ・イギリス・オーストラリアなど各国の発音に慣れる。YouTubeや英語ニュースを日常的に聞く
- リーディング力を高める:英語の新聞・雑誌で速読力・文法知識・長文理解力を鍛える。時間を計りながら速読練習も効果的
- 模擬試験を活用する:TOEIC公式サイトのサンプル問題を定期的に受けて時間配分に慣れる
スコア別の効果的な学習戦略
- 〜500点(基礎強化期):中学英語の文法・単語を徹底復習する。TOEICの問題形式に慣れることが最優先
- 500〜650点(実力向上期):公式問題集で演習を重ねる。リスニングに特に力を入れ、毎日英語を聞く習慣をつける
- 650〜750点(得点安定期):時間配分を最適化する。Part5・Part6の文法問題を素早く解く練習が得点アップの鍵
- 750点〜(ハイスコア期):ビジネス英語・英字ニュースの多読で語彙・表現を強化。模擬試験でのタイムトライアルを繰り返す
よくある疑問Q&A
Q. TOEICスコアはいつまでに取ればいい?
A. 就活のESや面接で使う場合、大学3年生の夏(7〜9月)のサマーインターン前に600点以上を取っておくのが理想です。本選考(3月解禁)に向けては遅くとも2年生の冬頃から対策を始め、3年生の前半に目標スコアを達成しておきましょう。
Q. TOEICスコアに有効期限はある?
A. TOEICのスコアレポートの有効期限は受験日から2年間です。ただし企業によっては「2年以内のスコア」を求めているところもあるため、就活直前に受験し直すケースも多いです。
Q. 英語力が低くてもTOEICは受験すべき?
A. 500点未満であれば履歴書への記載はおすすめしませんが、スコアを把握しておく目的では受験する価値があります。現在地を把握してから対策を立てると効率が上がります。まずは模擬試験で実力を確認しましょう。
Q. TOEICと英検、就活でどちらが有利?
A. 就活ではTOEICの方が一般的に評価されやすい傾向があります。英検は「合否型」で評価がわかりにくい一方、TOEICは点数で英語力が数値化されるため採用担当者が比較しやすいためです。英検2級以上を持っている場合は、TOEICと合わせてアピールすると効果的です。
まとめ
TOEICでハイスコアを獲得できれば、向上心・勤勉さだけでなく、グローバルに活躍できる人材であることをアピールできるため、就活において大きな影響力を持ちます。英語を身につけたい方はぜひTOEICで自分の英語力を試してみてください。入社後の活躍の場も広がります。
◆ この記事のまとめ
- TOEICのスコアを新卒採用で見ている企業は約50%
- 就活でアピールできる最低ライン:600点以上。700点以上でかなり有利
- 学生の平均は586点。就活に向けては700点以上を目標に
- 商社・IT・金融・外資系ではTOEIC高得点が必須条件になる場合もある
- スコアだけでなく、英語力を活かしたエピソードと一緒にアピールするとさらに効果的
- スコア別の学習戦略を選び、大学3年生の夏前を目標に対策を進める