現代の日本は少子高齢化の影響もあり、ビジネスシーンのグローバル化が進んでいます。比較的な小さな企業であっても英語力が求められるケースが増えてきており、就活において英語力のアピールとして、TOEICの点数をエントリーシートに記入したり、面接で伝えることが多いのではないでしょうか?
では、TOEICのスコアは就活を有利に進められるのでしょうか?
「TOEICの種類」や「平均スコア」「業種」など、TOEICついて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
TOEICとは、日常生活やグローバルビジネスの場において、英語によるコミュニケーション能力を測る世界共通の試験です。「Test Of English for International Communication」の略称で、直訳すると「国際的な意思疎通のための英語テスト」です。
日本のTOEIC年間受験者数は200万人を超え、世界では160カ国で年間700万人以上が受験していると言われています。
■日本のTOEICの受験者数推移
引用元:TOEIC Program DATA& ANALYSIS 2022 2021年度受験者数と平均スコア
2020年は新型コロナウイルスの影響により開催の中止などがあったため受験者数は減っていますが、毎年多くの人が受験しています。
TOEICには2つのテストブランドがあり、測定したいスキルとレベルに応じて活用することができます。
TOEIC Program DATA& ANALYSIS 2022 2021年度受験者数と平均スコアより
一般的にTOEICテストと呼ばれているのは、このListening & Reading (L&R) テストです。
L&Rとは「リスニングテスト」と「リーディングテスト」のことで、この2つは必ずセットになっており、どちらかのみを受験することはできません。
TOEIC Speaking & Writing テストとは、スピーキングテストと、ライティングテストのことです。
セットで受験することもできますし、スピーキングテストのみを受験することも可能です。
L&Rテスト・S&Wテストにおいて、英語の初級・中級者に合わせた、より身近な日常生活を題材に基礎的な英語力を測定することができます。
全国の約80都市で開催されており、受験地によって実施月が異なるため、公式サイトの「テスト日程」を確認する必要があります。
結論から言うと、TOEICのハイスコアは就職を有利に進められる可能性が高いです。
国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)の英語活用実態調査2019(企業・団体)によると、TOEICのスコアを新卒採用で見ている企業の割合は約50%で、半数程度の企業がTOEICのスコアを見ていることがわかります。そして、TOEICはスコアによってアピールできるか、できないかが大きく変わってきます。
TOEICの日本の平均スコアは580~590点ほどで、600点以上のスコアあれば平均的な水準の英語力があるという評価に繋がります。
就活でアピールできるスコアは、最低でも600点以上が必須です。
また、TOEIC は一般的に700点以上から高得点とされており、就活をかなり有利に進められる基準となります。逆に600点を大きく下回るようなスコアであれば、ESに記入をしてもアピールには繋がらないので注意が必要です。
■400点未満
英語の基礎ができていない
履歴書(ES)に書くのは控えましょう
■400~495点
中学生英語が備わっている
履歴書(ES)に書くのは控えましょう
■500~595点
中学英語の基礎がしっかり備わっている
履歴書(ES)に書いてもいいが、プラスなるとは言えない
■600~695点
基礎力は十分に備わっており、ある程度の英語力を身につけている
履歴書(ES)に書いて、アピールができる点数
■700~795点
高いレベルの英語力がある、「英語が得意」と言って差し支えない
履歴書(ES)に書くと、英語力をかなりアピールできる
■800~895点
仕事で英語を使いこなせるレベルの高い英語力がある
外資系会社など英語能力を求められる会社への就職や転職でも堂々と履歴書(ES)に記載できる
■900~990点
ネイティブに近い英語力がある
履歴書(ES)に記載して大いにアピールできる、周囲と差別化できる点数
TOEIC Program DATA& ANALYSIS 2022 2021年度受験者数と平均スコアより
2021年4月から2022年3月までの日本の全体平均スコアは、611点でした。
社会人と学生別の詳細は下記の資料です。
TOEIC Program DATA& ANALYSIS 2022 2021年度受験者数と平均スコアより
社会人の平均スコアは640点で、645点以上が全体の半数以上を占めています。TOEICスコアはビジネスにおいて、活躍の場を広げるとともに昇進や昇給にも役立つので、基礎的な日常会話以上を目指す人が多いと言えるでしょう。
TOEIC Program DATA& ANALYSIS 2022 2021年度受験者数と平均スコアより
学生の平均スコアは586点で、545点以上のスコアを半数以上が占めており、そのうち545点~694点が30%を占めています。就活を有利に進めるためには、700点以上を目指しましょう。
学年別や学部別の平均は下記の通りです。自身の学年や学部に該当する平均スコアを知り、目標を設定して試験に臨むといいでしょう。
TOEIC Program DATA& ANALYSIS 2022 2021年度受験者数と平均スコアより
TOEICは一定以上のスコアがあれば、就活が有利になりますが、中には必須条件としている企業もあるので注意しましょう。
募集要項に「TOEIC〇点以上」と記載がある場合は、スコアが悪かったり、TOEICを受けたことがないと悪目立ちしてしまいます。自身の希望する業界や職種は「英語が必要なのか」、「何点以上のTOEICスコアが求められるか」企業研究をして調べておく必要があります。
商社業界
メーカー業界
マスコミ業界
IT業界
金融業界 など
パイロット
客室乗務員
ツアーコンダクター
海外投資部門などの海外企業と取引する職種
海外取引のある法務
ホテルの受付
メーカーの管理・技術職
英語保育士
英会話スクール講師
中学校・高校の英語教師
語学系専門学校の講師
通訳者・翻訳家 など
また、外資系や国際機関の企業はビジネス上、英語が必須となるため、TOEICのハイスコアが条件として求められることが多いので、選考を希望している人はしっかりと準備しておきましょう。
TOEIC Program DATA& ANALYSIS 2022 2021年度受験者数と平均スコアより
世界中がインターネットで繋がっている現代において、ビジネスでもリモートなどで簡単に海外の人とコミュニケーションを取り仕事ができる時代です。そのため共通言語である英語を学ぶことを重要視している人が増えてきています。
では、日本のTOEICスコアをアジアの国別で見たときの水準はどの程度なのでしょう。
TOEIC Programを実施・運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)がまとめた2021年(1月~12月)の世界におけるTOEIC Listening & Reading Testの平均スコアをアジアの国別にランキングにしてみました。
※数字は左からリスニング・リーディング・トータルのスコア
1位 フィリピン 428 365 793
2位 インド 415 344 759
3位 マレーシア 373 308 681
4位 韓国 376 304 679
5位 日本 315 259 574
6位 台湾 305 260 565
7位 香港 309 239 548
8位 中華人民共和国 286 262 547
9位 ベトナム 286 245 531
10位 タイ 293 218 511
スコアを見ても、日本は決して英語力が高い国とは言えません。
学生の間に英語を身に付け、将来は世界でも活躍できる準備をしてみるのは、いかがでしょうか?
その他にも、就活に有利な資格をまとめているので参考にしてください!
TOEICでハイスコアを獲得できれば、向上心や勤勉さだけでなく、グローバルに活躍できる人材であることをアピールすることができるため、就活において大きな影響力を持ちます。
英語を覚えたい・勉強できる環境がある人は、TOEICで自分の英語力を試してみてください。
入社後の活躍の場も広がるため、ぜひチャレンジしてみてください!