\就職活動を行う際、企業側からの特別な指示がなければ基本的にはリクルートスーツで参加します。
しかし企業側から面接当日の服装について、下記のような指示が来る場合があります。
・「面接時の服装は自由です。」
・「カジュアルな服装でお越しください。」
・「私服でお越しください。」
面接における『服装自由』とは何を指し、どの程度自由なのか、また評価に影響するのか、と不安に思う方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、「服装自由」の面接の場合、どんな服を着ていくべきか、なぜ「服装自由」と指示を出すのかについてご紹介します。
目次
「服装自由」と言われても、どこまで崩していいのか、何を着ればセーフなのか?と思いますよね。
面接時の「服装自由」や「私服」とは、一般的にオフィスカジュアルを指します。
オフィスカジュアルとは、ビジネスマナーが守られていて、清潔感があり、取引先や目上の人に会っても失礼に当たらない格好です。
「服装自由」と指定があった場合は、まず応募先企業の社風や社内の雰囲気などをHPやSNSなどから事前にリサーチしておきましょう。業種や職種によっても、求められる服装が異なりますので注意が必要です。
「どちらかというと硬めな業種に、流行を意識した派手なファッションで行ってしまった」
「個性やセンスを求められる業界なのに、真っ黒のリクルートスーツで行ってしまった」
といった、大きなズレを起こさないためにも、必要なリサーチです。
①自由な職場、社風をアピールするため
普段からカジュアルな服装で勤務している企業の面接では、服装自由としているところが多いようです。
服装などの規律に縛られない自由な社風だと応募者へアピールする意図があります。
また、「かしこまらずにリラックスした状態で面接に臨んでほしい」という企業側の気遣いも含まれています。
②センスや個性をみるため
応募者のファッションセンスや感性を重視している企業は、私服での面接を指定する場合が多いです。
美容院・アパレルショップ・出版社などの企業は、ファッションセンスや個性を重視しているため、自分らしさをアピールしつつ社会人として面接にふさわしい、清潔感のある服装に仕上げることが大切です。
これは、服装や私服のセンスをみて、応募者が実際に働く場合に自社の社風に合うのかを確認するためです。コーディネートの組み合わせ方で実際に店頭に立った姿を想像出来るかどうかも、大切な採用基準となります。
③社会人としての常識をみるため
社会人としてのマナーを守れるかどうかを確認するための場合もあります。
企業は応募者が、TPOに合わせた社会人らしいふるまいができる人材かどうかを面接時に判断したいのです。そのため、「服装自由」という指示に、TPOに合った服装ができているのかをチェックしています。
「服装自由」だからといって、スウェットやダメージジーンズなどのカジュアル過ぎるものは、NGになるケースも少なくありません。求められているのは、「社会人として恥ずかしくない範囲の私服」なのです。
羽織るだけで「きちんと感」がアップするジャケットは、オフィスコーデに欠かせないアイテムです。ただ、選ぶ色やデザインによって雰囲気が変わるのでシーンに合ったアイテム選びが重要です。
ビジネスの場では、ベージュ・ネイビー・グレーなど相手に安心感を与えるベーシックな色がおススメです。
ノーカラータイプのデザインを選ぶと固くなりすぎず、女性らしい柔らかな印象になります。
ニット+パンツのシンプルなコーデでも、おしゃれでカッコいい印象も与えられます。
色合いはグレーやベージュなど落ちついたカラーがおススメです。
また、色味が落ち着いていて寂しい印象の場合は、ジャケットを着たり、首元に派手すぎないスカーフを一枚巻くだけで華やかさがプラスされます。
さらに、足元にローファーを合わせると、よりクールで洗練された着こなしに仕上がります。
チノパンかスラックスパンツを取り入れるとカジュアルな雰囲気になります。
また、トップスには明るめのシャツに、グレー・ベージュ・ネイビーなど落ちついた色のジャケットをプラスすることでビジネス感もしっかりアピールすることができます。
ネクタイが無い分、やや着崩した印象になりますが、ジャストサイズで揃えることでだらしない印象になることを回避できます。スマートな印象になるよう気を配りましょう。
「服装自由」の場合は、真っ黒のリクルートスーツよりも、グレー・ベージュ・ネイビーなど落ちついた色のデザイン性のあるスーツがおススメです。ビジネススタイルの服装なので、面接官に悪い印象を与えることはありません。
しかし、ネクタイの柄やシャツの色など、派手すぎないものを選択しましょう。
面接では、話す内容やスキルと同じくらい、見た目の印象も重要なポイントです。服装や身だしなみは、その人の社会性や職業意識を映し出す要素とされ、第一印象を大きく左右します。たとえ「服装自由」と案内されていたとしても、面接はビジネスの場である以上、最低限のマナーと節度を持った装いが求められます。
ここでは、面接時に注意すべき服装・身だしなみのポイントを、TPO・清潔感・統一感という3つの観点から解説します。
TPOとは「Time(時間)」「Place(場所)」「Occasion(場合)」の頭文字を取った言葉で、「状況に応じた振る舞いができているか」を意味します。面接時の服装では、業界や企業の雰囲気に応じた服装を選ぶことが大切で、例えばクリエイティブ職のようにカジュアルな印象の業種であっても、第一印象を損なわないきちんとした装いが求められます。
また、服装自由と案内されていても、あくまでビジネスシーンであることを踏まえたスマートな選択が好印象につながります。
どれだけ高価なスーツや靴を身につけていても、シワだらけだったり、埃や汚れが目立っていたりすると印象が悪くなります。面接でみられているのは「服そのもの」ではなく、それをどれだけ丁寧に扱っているかという「日常の姿勢」です。
シャツはきちんとアイロンをかけ、靴は磨いておきましょう。また、髪型も整え、爪やひげなど細かな部分も忘れずに手入れすることが大切です。面接官はこうした細部からも、あなたの誠実さや意識を読み取っています。
面接の服装では「全体のバランス」が重要です。ビジネスライクなジャケットを着ていても、足元がスニーカーではちぐはぐな印象になります。また、明るすぎる色や柄のネクタイだけが浮いてしまうこともあります。
全体の色味やスタイルに一貫性を持たせ、違和感のないトータルコーディネートを心がけましょう。ビジネスカジュアルが許容される企業であっても、「カジュアルすぎない」ことが前提です。
アパレル業界やファッションセンスも選考基準となるような企業を除いて、スーツで面接に向かっても問題ありません。
「服装自由」だからといって、必ず私服で行かなければならないというわけではありません。
ビジネスカジュアルがピンとこない方はスーツを着用すると良いでしょう。
また、派手な色や柄でなければ、ファッション性の高いビジネススーツを着ても良いでしょう。「みた目に気を使える人」という意味で、高評価を得られる可能性もあります。
服装自由とされる面接でも、リクルートスーツで臨むことが大切です。特に業種や企業の雰囲気が掴みにくい場合や、第一印象に気を使いたいときは、スーツが無難です。ここでは、スーツを選んだ際の身だしなみの整え方について、男女別にポイントを紹介します。
男性のスーツの身だしなみは、下記のポイントを押さえておきましょう。
◆スーツ
男性のリクルートスーツは、ネイビーやダークグレーの無地が基本です。目立ちにくいストライプが入っている程度であれば許容範囲内です。ベージュやライトグレーなど明るい色味のスーツ、ダブルスーツや装飾性の高いものは、面接の場では避けた方が良いでしょう。
◆ネクタイ
ネクタイは、無地や小紋柄、ストライプ柄など、主張しすぎないデザインが基本です。スーツやシャツとのバランスを考え、派手すぎない落ち着いた色を選ぶことで、全体に調和が生まれます。
◆シャツ
シャツは白の無地が無難です。織り柄があっても控えめなものを選び、光沢感のある素材やカジュアルな印象を与えるボタンダウンのシャツは避けましょう。清潔感があるかどうかも重要なため、シワや汚れがないよう事前にアイロンをかけてください。
◆ベルト
ベルトは、靴と色を揃えた表革製が基本です。装飾の少ないシンプルなバックルを選び、全体のバランスを崩さないようにしましょう。面接では細部までみられていることを意識して、擦れや汚れのないベルトを着用してください。
◆靴・靴下
革靴は黒またはこげ茶のプレーントゥやストレートチップなど、ビジネス向けのデザインが適しています。汚れや傷がないよう磨いておきましょう。靴下は黒か濃紺の無地が基本で、座った際に素肌がみえない長さのものを選ぶことが大切です。柄物や鮮やかな色は避けるのがマナーです。
◆鞄
鞄は、黒やダークカラーを基調としたシンプルなビジネスバッグが適しています。リュック型やトートバッグ、カジュアルなデザインのものは避け、書類や筆記用具をスマートに持ち運べるタイプを選びましょう。
◆腕時計・アクセサリー
腕時計は、文字盤がみやすく、装飾の少ない落ち着いたデザインのものがベストです。アクセサリーは基本的に身につけず、ピアスや指輪などは外しておくのが無難です。面接においては清潔感と誠実さを伝えるために、シンプルな装いを心がけましょう。
女性がスーツを着る際は、下記のポイントを押さえることが大事です。
◆スーツ
女性のリクルートスーツは、スカートタイプとパンツタイプのいずれでも問題ありません。業界や企業の雰囲気に合わせて選ぶと良いでしょう。
色味は黒が定番ですが、服装自由の企業であればネイビーやチャコールグレー、ベージュといった柔らかな色も好印象です。スカートの場合は、立ったときに膝が隠れる程度の丈が基本で、動きやすさと上品さの両立が求められます。ジャケットを羽織ることで、きちんと感を演出できます。
◆シャツ
白や淡色のシャツかカットソーが基本です。服装の自由度が高い場合には、さりげないフリルやリボンタイ付きのブラウスなども選択肢になりますが、あくまで過度な装飾は避け、清楚な印象を保つことが大切です。首元や袖口のアイロンがけも忘れずに行いましょう。
◆靴・ストッキング
靴は黒や濃茶のシンプルなパンプスが基本です。ヒールの高さは3〜5cm程度が適しており、歩いたときに安定感のあるものを選びましょう。先の尖りすぎたデザインや装飾が目立つ靴は避け、落ち着いた印象を心がけてください。
ストッキングはベージュ系の肌色を選ぶのが一般的で、破れや伝線がないかのチェックも必要です。
◆鞄
面接時に持参する鞄は、A4サイズの書類がきれいに入る大きさで、自立するタイプが理想です。色は黒やダークグレー、ネイビーなどの落ち着いたカラーが好ましく、ロゴや装飾が控えめなデザインを選びましょう。開閉しやすく、中身が整理されていることも重要です。
◆腕時計・アクセサリー
腕時計は文字盤がみやすく、華美でないものを選びましょう。ビジネスシーンにふさわしいシンプルなデザインであれば十分です。アクセサリーについては、基本的には着用しないのが無難ですが、つける場合はパールのピアスや小ぶりなネックレスなど、主張の少ない上品なものにとどめましょう。
面接時の服装は、一年を通じて清潔感ときちんと感を重視することが基本ですが、季節によって選ぶアイテムや工夫の仕方には違いがあります。ここでは、夏と冬のそれぞれに適した面接時の服装マナーについて紹介します。
夏の場合は、下記のポイントを押さえましょう。
◆半袖
猛暑日であっても、面接では長袖のワイシャツを着用するのが基本です。長袖にはきちんと感があります。どうしても暑さが気になる場合は、通気性や吸汗性の高い素材の長袖シャツを選ぶと良いでしょう。
◆ネクタイ
企業によってはクールビズを導入しており、ネクタイの着用が必須でない場合もありますが、面接というフォーマルな場面ではネクタイ着用が無難です。クールビズの案内があった場合はその指示に従うと良いでしょう。
◆足元
夏でも、足元には気を抜かないようにしましょう。男性は黒やダークブラウンの革靴を選び、女性もシンプルなパンプスに肌色のストッキングを合わせるのが基本です。サンダルや素足は面接の装いにふさわしくないため、暑くても避けてください。
冬は、下記のポイントを押さえておきましょう。
◆アウター
面接に向かう際は、黒やネイビー、グレーなど落ち着いた色合いで、シンプルなデザインのビジネス用コートを選ぶと好印象です。ダウンジャケットやファー付きのコートはカジュアルな印象を与えてしまうため避けるべきです。
面接会場に入る際は、コートを脱いでから受付へ向かいましょう。
◆ニット・セーター
インナーにニットやセーターを重ねたいところですが、ジャケットの下に厚手のセーターを着ると着膨れしてしまい、だらしない印象になることもあります。保温性の高いインナーを活用しつつ、スーツのシルエットを崩さないように注意が必要です。どうしても寒さが気になる場合は、シャツの下に薄手の防寒インナーを着用しましょう。
◆足元
冬でも足元の印象は大切です。ビジネスシーンにふさわしい革靴を基本とし、ブーツやもこもこした素材の靴は避けましょう。寒さが厳しい地域であっても、面接時には靴を履き替えるなどしてください。女性もパンプスにストッキング、厚手のタイツを合わせて防寒とマナーを両立させるのが良いでしょう。
「服装自由」といわれると、服装ばかりを考えてしまいがちですが、意外と大事なのが「カバン」です。
いくらスーツに気を使ったり、オフィスカジュアルな服を用意しても、派手なカバンやリュックだと、いい印象を与えません。
高価なブランド物や派手なデザインは避けて、A4サイズの書類が入るカバンを選択しましょう。
明らかにA4サイズの資料が入らない小さなカバンはNGです。
面接で書類を受け取る場合があります。書類の入らない大きさのカバンは、仕事においても想定が甘い人だと思われてしまう可能性があります。企業への訪問や打ち合わせの場でも、準備が足りない人なのではないかと評価されてしまいます。
また、できればリュックタイプのものは、避けるようにするのが無難です。
服装、カバンときたら、次は髪型やメイク、アクセサリーですよね。
面接では、外見の第一印象も大切です。清潔感や、きちんと感をしっかりアピールしましょう。
まとまりがない髪型や整髪料をつけすぎて逆に清潔感を損ねるような髪型は、控えるようにしましょう。また、マスクで顔が顔に髪がかかって表情がみえづらい、面接中に何度も髪の毛が顔にかかり、払う作業が落ち着きなくみえてしまう、といったことにも要注意です。
髪が長い場合、顔周りの髪の毛は邪魔にならないように、まとめると良いでしょう。
就活のメイクは、顔を整えるだけでなく、面接官に好印象を与えるために非常に重要なポイントです。スーツに合ったナチュラルなメイクが理想で、派手すぎるメイクやカジュアルなスタイルは避けるべきです。逆に、あまりにも薄いメイクやノーメイクでは、きちんとした印象を与えにくくなります。
就活メイクでは、自分らしさを大切にしつつも、大人としての清潔感ときちんと感を伝えることが大切です。過度な装飾を避けることで、面接時に自信を持って臨むことができます。
また、アクセサリーはシンプルで控えめなものを選び、派手すぎるものや大きすぎるもの、つけすぎには注意しましょう。
「華やかなアートネイル」は避けた方がいいでしょう。
長過ぎるネイルは「清潔感がない」と思われてしまう可能性があります。
また、派手なアートネイルは「商品に傷がついてしまう」「社風に合わない」と思われる可能性があります。どんな面接官にでも受け入れられやすい、「きちんと感」のあるシンプルな指先が無難です。
また、接客業や飲食業などのネイルが一般的に禁止されている業界の面接ではネイルを取ってから面接に参加しましょう。
身だしなみや服装は第一印象を左右する重要な要素です。
TPOやビジネスマナーが身についているか、清潔感があるか、など服装からも人柄を読み取ることができます。
私服=普段着ではありません。面接も大事なビジネスの場ですから、社会人としてTPOをわきまえた服装を選びましょう。