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就活をすっぴんで行うのはダメなのでしょうか。
私も大学生で就活をしていた時に直面した問題です。最も、私は化粧をするのがもともと好きでした。ですが、これから向かうのは面接で、遊びでもなければ、友達と写真を撮るわけでもないし、知り合いに合う可能性だって低いです。
化粧をする時間があるなら一秒でも長く寝ていたいし、まとめた資料を見ていたい。それに化粧をしたらそのうち崩れるし、お直しだって面接前にしなければいけない。正直面倒なことの方が多いです。化粧は本当に必要なのでしょうか。
「メイクをすることは社会人のマナー」そんな言葉を耳にしたことはありますか?
就活大手やスーツ大手は様々な就活の身だしなみマナー記事を打ち出しています。その中で特に、2020年頃からは「顔」という項目が設けられ、「男性」「女性」向けに指南がなされています。女性には「厚化粧でもノーメイクでもなく健康的で自然なメイク」、男性には「ヒゲはきちんと剃る。剃り残しはNG」という記述があります。
ここからさらに踏み込んだのが某就活情報サイトに掲載されている準備ガイドの「社会人と接する最低限のマナー 服装編」です。面接はもちろん対社会人ですのでこのマナーは就活生にとって必要ということになります。記事内ではマナー講座等を担当する先生が、無精ひげは清潔感に欠けるので、きちんと整えておきましょう。
メイクは、ビジネスシーンに合わないほどの派手なメイクは避けたいです。アイシャドーや口紅は薄めの色で、顔色が冴えないときはチークをプラスすると、ナチュラルで健康的な印象になります。と、女性はメイクをする前提で話が進められています。
男性は化粧をしていない方が当たり前なのに、どうして女性のすっぴんは失礼なのでしょうか。
「メイクをすることは社会人のマナー」と言われだしたのはなんと、江戸時代あたりからだと記述されている本があります。この本の中では「白粉を塗ることを『女のさだまれる法』といい、女に生まれたからには一日も素顔でいてはならない」と説かれています。こういったところから、女性が化粧をするのは当然のことと認識されている理由の1つになっていったのではないでしょうか。
すっぴんは失礼かどうか、現状明言することはできません。ですが、就職活動用の証明写真においては化粧をすることを私はオススメします。
「『履歴書の証明写真は選考に影響』約7割!証明写真から感じとるのは『清潔感』」
という記事を化粧品なども手掛ける株式会社マンダムさんがプレスリリースされています。この記事内では、30~60代の上場企業新卒採用担当者を対象に、就活生の身だしなみと態度に関する調査を実施し、就活で第一ハードルとなる「履歴書」や「エントリーシート」で就活生向けの証明写真サービスやフォトスタジオが増えてきている中、履歴書やエントリーシートの写真が選考に与える影響について明記されています。
まだ何も伝えていないのに落とされるなんて受け入れがたいですよね。
ですが実際、採用の過程において、採用担当者は履歴書の証明写真も選考における評価の判断基準としており、また、面接での評価にも影響する可能性があることが示唆される結果が出ています。
証明写真の大切さに関してはご理解いただけたかと思います。では続けて、どうしたら良い印象になるのかお伝えいたします。
現在では半数以上の新卒就活生がフォトスタジオに証明写真を撮りに行っています。
それはなぜでしょう。
角度やレタッチ技術で印象が良くなるからです。その中でも特に口コミ高評価なのが、資生堂が手掛ける「就活応援メニュー」。こちらのHPをご覧いただくと、一目瞭然の好印象顔が男女ともに仕上がっています。もちろん、証明写真にこんなに手間をかけられない方はいらっしゃるでしょう。しかし、HPに掲載されているように写真が並んでいたらほとんどの採用担当者はヘアメイク後の方を選ぶでしょう。
その差を埋めることができるのがメイクだと考えています。写真を見比べてみるとすっぴんの状態は明らかに肌ムラがあり、血色感や活気がない印象です。
これでは清潔感以前の問題で、特にブルー背景だと健康状態も良くないのではないかという印象を持たれてしまうかもしれません。ですので普段はすっぴんの方も、男性も証明写真ではメイクをすることをオススメします。
まずは就活メイクと普段メイクの違いについてなのですが、普段メイクではトレンドを取り入れたり、自分の思うままに色で遊んだり、エッジをきかせたりとおしゃれを楽しめるものを指します。しかし就活メイクでは「相手からどう思われるか」を考慮することが重要です。
特に、「清潔感」「知性」「意欲」を面接官に感じてもらえるかどうかが鍵になります。また、職種や業界によって好まれる人物像に違いがあるように、好まれる身だしなみも少しずつ異なります。
そこで、受ける職種や業界の傾向とアピールしたい自分の印象とを照らし合わせてメイクを考えるのがおすすめになります。ですので、ただ薄いというわけではなく職種・会社への分析によって調整をする必要があります。
新型コロナウイルス感染症の影響によって、現在はマスク着用が当たり前な世の中になりました。
そして現在は、さまざまな色や柄のものが販売されています。しかし、マスクは顔の半分以上を占めているので、主張の強いマスクでは顔の印象を薄くしてしまうため、面接時にはなるべくシンプルなものがおすすめです。
このマスクで大丈夫なのかと気になると思うのであれば色は白や薄ブルー、薄ピンクなどに留めておき、柄は無地かシンプルなデザインにしましょう。
同様に、コロナが流行り始めてから増えたのがオンライン上での説明会や面接です。
オンラインであれば画質などの関係もあり、余計にすっぴんでも構わないのではないかと思う方も多数いらっしゃるでしょう。しかし、現在はビジネスにおいても「最新の研究では第一印象は0.2秒で決まる」と言われており好印象であることは重要視されています。
もともと、メラビアンの法則からも第一印象における視角情報の影響度は55%とされているので就職者もこの0.2秒を勝ち取る必要があるのではないでしょうか。オンラインでは光の加減や前髪などによる影のでき方で、思いがけずその人自身の印象も暗くなってしまいがちです。
そこに加えてすっぴんで血色感もない状態であれば面接官の印象は自然と悪い方向へ向かってしまいます。ですので、オンライン面接は対面よりも好印象であることを心がけましょう。その他にもオンライン映えという言葉も出てきている通り、
オンライン面接の事前準備
・背景はなるべく「白」や「無地」を選び、部屋は整頓しておく
・部屋の明るさは、カメラに自分がハッキリ映るライティングに調整しておく
・カメラの位置は顔が真正面またはやや目線が上に行くように設定する
・メイクした顔のカメラ映りを確認しておく
といった対策をしておく方がベターとなっています。
就活だけでなく、社会人になってからも女性の化粧は必要なマナーとされてきました。
しかし、化粧に対する考え方は少しずつ変化してきています。2019年イギリスの航空会社ヴァージン・アトランティック社が、客室乗務員のメイク義務を廃止したことを発表し大きな話題となりました。同社は「従業員が前よりも快適に勤務できるようにするだけでなく、勤務中にどのように自分を表現するのか、その選択肢を増やした」とコメントしています。日本では、航空会社の客室乗務員の方は他業種と比べてもしっかり化粧をしているという印象があるため驚きました。
日本でも、2021年に発表されたスーツ会社×就職情報サイトの「オンライン就活での好印象の与え方」記事内で女性がすっぴんである状態にぞっとした絵文字が添えられており、イラストの下に書かれた説明文にはすっぴんは「NGな行動」ともされていました。この記事に対しSNSや署名運動での抗議が行われたところ、2022年に記事内容が一部変更され「すっぴんNG」の記述が削除されました。また、この記事を出した企業からは「今後も社会的な動向を踏まえ、LGBTQ+やジェンダー平等に関し、有識者とともに適切な対応を進めて参ります」という回答が出されました。
この様に男女が対等・平等にこの社会で生きようと努力し、多様なジェンダーへの認知や理解も徐々に広まってきている現在、女性のすっぴんはNGというのは時代遅れと言えるでしょう。
私は自身が新卒で就職活動をしていた時、何名かの採用担当者に「採用に化粧は関係ありますか」と伺ったことがあります。
その答えは、全ての人がNOでした。
化粧はその人が自分をどう見せたいかというときに使うツールであって、誰かに強制をするべきことでもありません。すっぴんだからということで求職者の中身が変わるというわけでももちろんありませんので、私は就職活動を戦うための1つのツールとして扱っていただきたいです。