【新卒】面接官を引き付ける自己紹介|話すべき内容やポイントを解説

新卒採用の場では、自分と似た学歴や志望動機をもつライバルと、限られた席を取り合う必要があります。内定を勝ち取るためには、面接官に「この学生なら、採用してみたい」「うちで育ててみたい」と思ってもらえるような受け答えが大切です。

 

今回は、新卒の就職活動において、面接官を引き付ける自己紹介のポイントを解説します。

自己紹介と自己PRの違い

混同されやすい自己紹介と自己PRですが、それぞれはっきりとした違いがあります。

自己PRとは

自己PRは、自己紹介と同じように思われがちですが、厳密にいうと“自己紹介”と“自己PR”は別のものです。

 

自己PRとは、あなたの強みや長所、スキルについて伝えPRすることで、企業に「採用したい」と思ってもらうためのものです。

 

これまでの経験をふまえて、入社後の活躍をイメージできるように性格やスキルなどをアピールします。新卒採用の場合は職歴がないため、必然的に学生時代に培った強みをPRすることとなります。

 

サークルなどの学生生活やアルバイト先での活躍など、これまで培った経験も交えて、あなたの魅力をアピールしましょう。

自己紹介とは

自己紹介とは、あなた自身の所属(大学・学部など)や人柄(趣味。特技)などを簡潔にまとめ、伝えることです。これらの要素を1分程度で簡潔に伝えましょう。

 

たとえば授業で学んだ分野や研究活動を自己紹介に盛り込む場合、どのような経験を積んだのか、自分の性格や得られた効果も含めて伝えると、内容に厚みが出ます。ただし、能力や長所を伝えて自分を売り込む「自己PR」とは違うことに注意しましょう。

自己紹介で話すべき内容

新卒面接における自己紹介では、5つの軸を意識して話すことが大切です。5つの軸は、下記のとおりです。

 

・挨拶
・プロフィール
・ガクチカや趣味、特技
・志望動機

 

上記の5つを中心に、内容を簡潔にまとめて話しましょう。それぞれのポイントを解説します。

1.挨拶

挨拶は、ビジネスシーンに限らず人間関係の基本的なマナーです。面接の場できちんと挨拶ができれば、面接官に対しての礼儀を示せるうえ、最初の一言で好印象をもってもらえます。

 

挨拶でワンクッション置くほうが、話しているうちに体の緊張がほどけて、舌の動きが滑らかになります。

 

挨拶で好印象をもってもらうためには、「おはようございます」など一言で済ますのではなく、時間を割いて面接してくれることへのお礼を付け足すことが大切です。「本日は貴重なお時間をいただき、有難うございます」と告げましょう。

2.プロフィール

挨拶の後に、出身大学や学部、名前を伝えましょう。自己紹介で出身校や名前を伝えることには、本人に相違がないか確認する目的もあります。

 

プロフィールを伝えるときのポイントは、大学名や学部・学科名を省略しないことです。「A大学、B学部C学科から参りました。〇〇(氏名)と申します」と、履歴書に記載した内容と相違がないように正しく伝えることが大切です。

3.ガクチカや趣味、特技

ガクチカ(学生時代に力を入れて取り組んだこと)では、学校で学んだことや経験を簡潔に伝えます。

 

学生時代といっても、必ずしも学内での経験に限定する必要はありません。アルバイトやインターン、特技や趣味など、学校生活以外の場で経験した内容もアピールになります。大切なのは、自分について理解してもらいたい部分が伝わる内容かどうかです。

 

具体的なアピール例は、後ほど説明します。

4.志望動機

志望動機は、応募先企業に興味をもった理由や、応募動機を伝えます。

 

「私は幼少時より園芸を趣味としております。同じ花でも毎年の気候の変化に合わせて世話の仕方を変える必要があり、気象データや与えた肥料の種類・量を毎日記録して、分析し続けてきました。御社は徹底した顧客ニーズの分析によって、お客様満足度の高い製品を次々と開発・提供していらっしゃいます。私も御社へ入社したあかつきには、培ってきたデータ分析能力を生かして、お客様のニーズに寄り添いつつ感動を与える製品の開発を行いたいです」

 

上記のように、応募先企業でなければならない理由や惹かれたポイント、入社後の目標を盛り込むことが大切です。

5.面接への意気込み

自己紹介の締めくくりとして、最後に面接への意気込みや感謝の言葉を伝えましょう。意気込みや締めの言葉を添えることで、面接官に自己紹介が終わったことを伝える意味もあります。

 

難しい内容を考える必要はありません。「本日は、どうぞよろしくお願いいたします」など自己紹介の締めくくりが分かる内容であれば十分です。

自己紹介の例文

サークル経験

「〇〇大学〇〇学部〇〇学科から参りました、〇〇 〇〇です。大学では〇〇サークルに所属していおり、50人以上の部員をまとめる副リーダーをしておりました。

 

大人数の部員を束ねるため、リーダーと役割を分担しながら日々の練習・試合の運営から、新入生の勧誘など、幅広い活動に協力し合いながら取り組んでいました。

 

そんなサークル活動の中で私が身につけたスキルは、協調性や調整力などがあげられます。円滑な運営や仲間との意思疎通、目標を達成するために調整など多くの能力を身につけることができました。

 

仲間同士の協力は「物事を円滑に進めるうえで非常に重要なもの」だと実感したからこそできる立ち振る舞いを活かして御社で活躍したいと考えております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。」

アルバイト経験

「〇〇大学〇〇学部〇〇学科の〇〇 〇〇と申します。在学中は〇〇でのアルバイトに力を入れておりました。

 

アルバイト先では常にお客さまの視点や立場に立つことを意識しておりました。その結果、お客様アンケートで従業員の接客に対する項目で2年連続で最高評価をいただきました。アルバイト先では責任ある業務を多く任せていただいき、達成感とやりがいを感じながら働くことができました。これらの経験の中で小さな努力の積み重ねが、お客様を笑顔にすること、職場で評価されることを学びました。

 

お客様の立場に立って考えることで細部にまで気を配り、御社においても売り上げに貢献したいと考えております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。」

課外活動の経験

「〇〇大学〇〇学部〇〇学科から参りました、〇〇 〇〇です。大学では社会学を専攻しており、◯✕がについて学んでおりました。

 

在学中には、より高い専門性を学ぶため、社会的課題を解決する〇〇プロジェクトに参加したり、NPO団体と協力して改善活動を行いました。また、ソーシャルメディアを活用した改善活動や、コミュニティ内で働く際の注意点など、多くを学び関心を持っております。

 

また、プログラミング、英語、マーケティングなどの実務経験もありますので、世界が抱えるさまざま々な課題に取り組めるよう努めます。

 

社会学の専門性を活かしながら、多様な技術や経験を活用して仕事をしていきたいと思っています。本日はどうぞよろしくお願いいたします。」

留学経験

「〇〇大学〇〇学部〇〇学科から参りました、〇〇 〇〇です。大学在学中にアメリカのカリフォルニア州へ短期留学をしておりました。短期間ではありましたが、言語や文化の異なる地で得た経験は、私の世界観や視野を広げ、コミュニケーション能力や積極性の向上など、自身を大きく成長させたと感じております。

 

得意のコミュニケーション能力と、柔軟に考え、積極的に行動する力を活かし、壁にぶつかっても諦めずに、マイナスをプラスに変えて活躍したいと考えています。

 

グローバルに飛躍されている御社で、知識や技術を吸収しながら戦力になる人材へと成長して参りたいと思います。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。」

面接で自己紹介をする際のポイント

自己紹介で面接官に好印象をもってもらうためには、話す内容に加えて態度や伝え方も大切です。意識すべきポイントを4つ解説します。

明るくハキハキとした声で話す

面接は、受け答えがきちんと相手に伝わることが大切です。明るくハキハキとした声で、面接官がよく聞き取れるように話しましょう。

 

発声のコツは、口を大きく開けてゆっくりと話すことです。大きな声が出ていても、早口では相手が正しく聞き取れません。

 

また、明るくハキハキとした話し方は、自信やコミュニケーション能力をアピールする効果もあります。

言葉遣いや表情に気を付ける

面接官は、回答の内容のみならず話し方、目線、表情、姿勢など細部をチェックしています。言葉遣いを丁寧にしつつ、表情作りや姿勢にも注意しましょう。言葉遣いは、正しい敬語を意識することが大切です。

 

緊張しているときに出やすいのが、「あのう」「えー」といったつなぎ言葉です。自信がなさそう、準備不足なのでは、とネガティブな印象を与えかねません。つなぎ言葉は多用せず、多少失敗しても堂々と受け答えしたほうが好印象です。

原稿を丸暗記しない

面接の練習時は、原稿を用意してさまざまな質問に答えられるように準備することが大切です。ただし本番では、原稿を丸暗記しないほうが自然な話し方になります。下手に暗記して面接に臨むと、想定していない質問が出たときに答えられず、パニックに陥りかねません。

 

練習で用意した原稿は、あくまで話の流れや重要なキーワードを覚えるために活用しましょう。伝えるべき話やキーワードさえ覚えていれば、練習時とは異なる順番で質問されたとしても、臨機応変に対応できます。

自己PRと混同しないようにする

最初に解説した通り、自己PRと自己紹介は目的が異なります。緊張のあまり混同しないよう、面接本番では注意しましょう。

 

自己紹介は、大学名や専攻、氏名など基本情報(本人であることを証明する内容)をメインに伝えます。面接官に「今の話について、後で詳しく聞いてみよう」と思ってもらえるように、興味をもってもらいたい部分は要点のみを伝えることがコツです。

まとめ

新卒採用における面接は、学生の基本的なマナーや志望動機、採用試験に臨むときの態度なども総合的に評価されます。想定される質問への回答内容のみならず、挨拶や発声のコツ、表情作りや姿勢も意識して練習しましょう。

 

自己紹介の内容を考えるときは、自己PRと混同しないことも大切です。面接官が自分に興味をもってくれそうな、個性が伝わる自己紹介を考える必要があります。

 

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