【インタビューを受けた人】
株式会社トモエシステム 柳瀬 祐記 様
株式会社トモエシステム 船曵 優花 様
【インタビュアー】
ホワイト財団 金崎綾香
専務取締役 柳瀬 祐記 様
人事総務部 船曵 優花 様
2023年1月25日に『第9回ホワイト企業アワード*』が開催されました。
健康経営部門にて受賞をされた「株式会社トモエシステム様」の取組み概要や、導入にいたった背景など詳細をご紹介します。
ホワイト企業アワード*:ホワイト財団が主催する世の中に共有すべき制度や取り組みについて表彰・発信を行う、働き方改革の参考事例が日本で最も集まるホワイト企業イベントです。概要はコチラで紹介しています。
【受賞理由】
自社において健康経営に取り組む理由・目的を明確にしている点が素晴らしいと思います。それにより、 例えば「外部サービスを契約して終わり」のように形骸化するのではなく、本質的に取り組む姿勢が見受 けられました。 また、各施策において PDCA をまわしている点が評価ポイントです。中でも 「2UP3DOWN 運動(階段利用を促進し、健康増進と消費電力の削減を目指す)」においては、KPI と目 標値を設定し、毎年計測と改善を繰り返している点が素晴らしいです。 また、男性育休や育児短時間勤 務を社内に浸透させるだけでなく、その取り組みについて講演会やセミナーで社外・他社へも発信し、啓 蒙活動を行っている点も高く評価させて頂きました。 これからも本質的な健康経営の取り組みを継続 し、事業成長へつなげていかれることを期待しています。
トモエシステムのポイント
・『働きやすさと働きがい』を追求しながら改革を進めている
・従業員の健康と幸せ、成長のためのさまざまな取り組みは外部からも高く評価されている
・『認め合い 活かし育み 創り出す』ダイバーシティ&インクルージョンな経営を実践
柳瀬様:株式会社トモエシステムは兵庫県神戸市に本社を構え、建設機械や農業機械などに使われる産業機械部品を扱う専門商社です。国内外の約800社から8,000種類以上のアイテムを仕入れ、顧客である建設機械メーカーや農業機械メーカーに納入しています。
創業75年以上の歴史を礎に、国内外数多くの取引先と強固な信頼関係を築いており、主軸である油圧ショベルカー市場では、全世界で生産される50%、国内ではほぼ100%に関わっています。
また、当社は単に製品の売買を行うだけの専門商社ではありません。
過去の実績から構築されたノウハウや専門性を活かして、顧客と世界中のサプライヤー、そして当社が三位一体となった『ともに創る』精神のもと、「お客様のニーズに合う商品の共同開発」など付加価値の高いソリューションを提供しています。
—どんな組織ですか?
柳瀬様:現在、国内90名の社員が在籍しており神戸本社以外にも国内外に複数の拠点を設けています。
営業や購買、品質管理、物流管理、財務管理などさまざまな部署で構成されており、部署間の垣根が低く、とてもフラットな組織です。
経営層と社員の距離感が近いため情報共有と意思決定がスピーディーで、トラブルが起きた場合もチーム一丸となって対応する姿勢が組織の中に根付いています。
柳瀬様:今後世界の人口が増加し経済が発展すると共に、建設機械市場は景気連動型産業でありながらも間違いなく右肩上がりに成長します。
一方日本では、中長期的には「少子高齢化による労働力人口の減少」に伴い「ボーダレスな競争社会の激化」は確実です。
建設機械市場は、都市インフラの構築や災害防止、ときに地雷除去や天災復興事業など、社会貢献に直結するポテンシャルの高い市場です。当社は特に商社という業種でもあり、人が成長の原点となります。
正しい戦略を推進し人材採用と育成を進めれば、大きく飛躍でき、世界の発展と安全に大いに寄与する一方で、上手くできなければ持続的な成長が見込めない構図がありました。
そこで、「社員一人ひとりが生産性を向上し、イキイキと安心して働ける環境づくり」と「グローバル化に対応できる多様な人材の確保」を急務の課題と設定し、『働きやすさと働きがいの追求』をテーマに2016年より社内改革を始動しました。
—貴社にとって初めてのアワード受賞となった、第4回ホワイト企業アワードでは「年間支給賃金を上げる」という施策の実現が外部審査員に大きく評価されました。
この施策を実施しようと思ったきっかけを教えてください。
柳瀬様:当社の強みは、ステークホルダーとの強固な信頼関係です。
この礎を築いたのは紛れもなく社員たちです。一人ひとりのきめ細やかなサービスや情報収集力、長年にわたる豊富な実績の積み重ねで当社の今があります。
しかし、数年前まで福利厚生や教育制度など、社員の「やりがいと成長」を向上するような制度があまり整備されていませんでした。プロフェッショナルとして自覚と働きがいをもって長く働いてもらい、会社が次のステージに進むための優秀な人材を確保するためには、市場価値に見合った賃金体系への移行がまず必要だと感じました。
経営の意思を明確にし、平均年収を3ヵ年で20%以上計画的に「上げる」ことを決めてから、この施策に取り掛かりました。
この時、賃金制度のコンセプトを『やれば 認めて 遇する』として、「そもそも社員の100%が満足できる賃金制度は存在しない。悪平等を廃して今後の処遇にメリハリをつけ、真の公平性を求める」「業績を上げて賞与原資を増やすことを、会社と社員がお互いに目指そう」ということを経営トップから明言し、取り組みをスタートました。
結果として、改革を始めた2016年から2018年の3ヵ年で平均年収は22%アップし、その後もコンセプトに沿った運用を続けています。
—職場環境の改善や社内改革の中で苦労したことや嬉しかったことはありますか。
柳瀬様:改革に取り組み始めた頃は社内での反発が大きく、浸透するまでに時間がかかることもありました。
改革や改善もあえて「見直し」と表現をやわらげた発信をしていました。
どんなに社員に良かれと思い進めたことでも、今までの環境や習慣を変える事や、新たな挑戦に対する不安や不満の声など抵抗もありました。
しかし、大きな変化にはこうした摩擦や葛藤はつきものであり、これを企業の成長痛と捉え、右顧左眄せず邁進しました。経営層から何度も説明を重ね、あるべき姿とゴールを共有し、過程と結果を評価反省するという事を繰り返しました。
そうすることで徐々に社員の理解が得られ、信頼関係がより強固になっていったと感じています。
—ここから、これまでの取組みを詳しくお聞きします。『男性育休取得率100%』を実現されていますが、実現のために実施された取り組みについて教えてください。
柳瀬様:男性の育休取得に関しては、当該社員や周囲の社員達に経営層、人事総務部門から積極的に声をかけるような働きかけを実施しました。パパ休暇規程を制定し、対象者には育児休業に関するハンドブック等を配布することで社内のサポートを明確にしています。
また、休業期間中は雇用保険からの給付はあるものの、収入が減ってしまいます。そこで出産手当とは別に育児休業手当を設け、社員の生活の安定化を図りました。
初めて男性育休を取得したのは社内SEとして勤務していた社員でした。彼は当時、自分が抜けることで社内に迷惑が掛かることを懸念していたようです。
そこで会社から、企業文化・風土体質の大きな転換点であること、今後同じように家族の出産を迎える男性社員の前例となり、全社員の価値観を変える絶好の機会であることなどを伝え後押しをすることで、安心して取得していただくことができました。
日本では、まだまだ男性育休を取得できない人たちが圧倒的に多いのが現実ですが、当社においては制度の浸透に時間がかからず、難しさはありませんでした。男性育休100%取得は全国でもほとんど無いとのことで、メディアによる取材も非常に多いですが、社員ももう慣れていますね。(笑)
不思議なのですが、皆さん「忌引き」では休暇を取りますよね。
育休も同じで、社員の大切な家族が新たに生まれる、それ以上に喜ばしく、家族の中で重要な瞬間は無いと思います。それを皆が理解し、会社が全面的に支援・協力することは当然であるというのが当社のスタンスです。近い将来、こうした考え方が普通になるとも思っています。
これまでに、6名の男性社員が育休を取得しています。
社員とその家族を守る制度として、さらなる定着を図り心おきなく取得できる環境づくりに取り組んでいきたいです。
—男女ともに育休復帰率100%ですが、復帰しやすい環境作りはどのように工夫されていますか?
船曳様:「育休取得・復帰100%」を会社方針として掲げたことで、「おたがいさまで支えあう」風土が浸透しています。復帰後の働き方は時短勤務をはじめ個人に合わせて柔軟に対応し、長く働き続けられるよう働きかけています。
神戸本社に遠方から通勤している女性社員は育休復帰において、お子様の送り迎えや急な呼び出しなどの問題から仕事との折り合いに不安を感じていたようです。そこで、自宅に近い事業所に異動することで、業務内容は変更せずに勤務してもらうように配置変換を実施しました。子育てがしやすい環境で、仕事のやりがいも損なわないと喜んでいただきました。
育休・産休だけでなくその後の働き方も柔軟にサポートし、何より、社員一人ひとりの理解と「おたがいさま」の精神が浸透しています。それが結果として取得率や復帰率の数値に表れたのではないかと考えます。
柳瀬様:産休育休制度以外にも様々な福利厚生制度を導入しています。
導入している制度は、法定以上に手厚いと社外から評価される内容もいくつかありますが、当社にとってはどれも特別なものや新規性のある施策というわけではありません。
社員の働きやすさ向上のために「当たり前のことを当たり前に導入している」だけです。
—「2UP3DOWN運動」という取り組みを導入されているとのことですが、どのような取り組みですか?
船曳様:「2UP3DOWN運動」とは、社員が建物内の移動時に「昇り2階、降り3階以内」の場合にはエレベーターではなく階段を積極的に使う取り組みです。
階段の昇降運動は、足腰の強化や心肺機能の向上に役立ち、フィットネスなどでも推奨されています。同時にエレベーターを使わないことで、「省エネ化を促進し環境負荷を抑え、遵守すべきISO規格やSDGsを包括する活動」と捉えています。
具体的な取り組みとして、社員一人当たりのエレベーター使用回数目標を毎年度設定し、毎月継続的に管理しています。活動を始めて7年目になる現在では、使用頻度は激減しています。
こうした活動は、当社が提供する商品の全てが環境に配慮したものであり、持続可能な社会の実現を目指していることにもリンクしています。社員それぞれの仕事が社会貢献につながっているという側面も大きいのではないでしょうか。
健康経営は、個人の健康だけでなく、「環境にも社会にも貢献する取り組み」として意識できるようPOPの掲示や朝礼などで伝えることで、社会参画の意識が高まり、習慣として浸透しました。
—健康経営について、他にどんな制度を導入しているのですか?
船曳様:健康診断や定期的なストレスチェックの実施はもちろん、法定項目以上の超音波検査や胃カメラ検査といった付加健診の費用も会社が負担しており、病気の早期発見に努めています。
また、健診結果から「要精密検査」等の対象者を確認し、再検査や保健指導を勧奨することで、健康意識を高めてもらい重症化予防に働きかける等、一歩踏み込んだ管理を行っています。
柳瀬様:福利厚生サービスの「リロクラブ」にも加入しており、提携するスポーツジムの使用料を補助することで、運動習慣を促進したいという背景があります。
私も実際に利用したことがありますが、積極的に制度を利用してジムに通っている社員もいます。
他にも全社員対象の健康経営に関する報告会や、健康に関するセミナーを年に数回開催しており、誰でも自由に参加することができます。
社内に様々な制度を導入することで健康意識も徐々に高まっており、いきいきと働くための意識改革ができているのではないかと思いますね。
—貴社の人材育成について教えてください。
柳瀬様:体系的な教育訓練プログラムがあり、内定者からマネージャーまでを対象とする階層別研修、ビジネスマンとして必要な財務基礎やマーケティング、戦略的思考や問題解決力、プレゼンテーションなどを盛り込んだ様々なテーマ別研修があります。
その他、安全衛生やISO基礎、会社の諸制度といった全社共通研修も開催していますし、e-ラーニングや通信教育、外部セミナーへの参加など自主的に選択する自己啓発支援も計画的に実施しています。
海外で行われる国際展示会の視察などにも、若手を中心に多くの社員が行っていますよ。
—入社後の研修カリキュラムなどについて教えてください。
柳瀬様:当社は、建設機械というニッチな業界でもあり、ほとんどが未経験者です。社員の8~9割が文系で、建設機械の知識を持ち合わせていない状態からのスタートになります。
各業務を先輩社員や上司からOJTで学ぶだけでなく、一人ひとりのスキル向上のため外部講師を招いた研修を積極的に実施しています。
樹脂や金属といった分野では、専門家を招いて研修を行うほか、世界中のサプライヤーの皆さんから実践的なレクチャーを受ける事も少なくありません。また、契約書文書や法令解釈など社会人として身につけたいスキルまで幅広い項目を設け、業務に活かせる研修を開催し、多くの社員が受講しています。
特に、技術の進化に伴い、誰しもが常に新しい情報を取り入れていく必要があります。学びの機会をどんどん増やし、主体性の向上と成長につながればと願い、会社をあげて取り組んでいます。
—人材育成の仕組み・運用について教えてください。
船曳様:当社の人材育成は、PDCAサイクルに則った継続的改善を基盤として運用しています。
ISO9001・14001を取得していることもあり、実際の業務の中で個人がそれぞれ目標を立て、実践、検証、改善というサイクルを円滑に回し、スパイラルアップしていくことで、自らの手で成長を描き、会社の成長につながるような仕組みを目指しています。
業務運営においても、毎週の定期ミーティングに加え、半期に一度の人事考課面談などで計画・目標をすり合わせ、評価反省し、次の一歩を定めて再出発するというPDCAサイクルを回しています。
人事考課面談は賞与査定の1ステップと思われがちですが、むしろ組織運営を円滑にし、設定した目標や目的の妥当性を確認し、達成するための意識付けと相談・支援の場を狙いとしています。
柳瀬様:大切なのは、これを担う社員一人ひとりの心情や人生設計まで開示してもらえるよう踏み込んだ位置づけを狙っていることです。
こうした面談で話せない特別な事項は、毎年度実施する自己申告制度等で個人の意思を確認します。
人が源泉となる当社において、教育体制のブラッシュアップを発信し、また主役となるのが社員達ですからね。
—ダイバーシティ経営にも注力されていると聞きました。具体的な内容を教えてもらえますか。
柳瀬様:当社では、『認め合い 活かし育み 創り出す』というダイバーシティ&インクルージョン方針を定めています。
もはや性別や年齢、国籍、障害の有無や働き方まで、多様な人材を受け入れるダイバーシティ経営は当たり前になっていると感じます。
ただ単にダイバーシティ=多様化を促すことは、新たな価値観を持った優秀な人材の発掘が期待できるものの、人の性質として安きに流れてしまい、概ね組織自体が劣化すると言われています。
多様な人材が対等に関わり合い、積極的なコミュニケーションを図りながら、切磋琢磨して組織に参加している状態、すなわちダイバーシティ&インクルージョンを実現して初めて、生産性や企業価値が向上するものだと思います。
—国による価値観の違いなどはありますか?
柳瀬様:例えば、商品やサービスの品質に関して日本の常識が世界でも通用するとは限りません。海外のサプライヤーに、「日本の品質基準」をご理解いただくのに難儀する事もあります。価値観のギャップを埋める働きかけが、商社としての責任でもあり、苦労しながらも課題解決を図っています。
当社が関わる製品が実際に使用されるのは、90%が海外です。ダイバーシティ&インクルージョンの意識を持ち、こうした当社独自の経営スタイルや介在価値をご理解いただければ、もっと当社のサービスを世界中にお届けできると考えています。
—外国籍社員の雇用について注力されているとのことですが、取り組みの背景などを教えてください。
船曳様:外国籍社員雇用の背景には、建設機械市場の将来性とグローバル進出が挙げられます。
冒頭でも申し上げた通り、事業のグローバル展開を強化していくにあたり、ツールとしての言語を自由に操れる語学力の高い人材の参画が課題となり、様々な価値観を取り入れることが重要だと考えました。
現在は、外国籍社員の構成比は1割を超え、英語を使って仕事をする人材は3割を超えています。社内でも外国語の習得を推進しており、資格手当の支給をはじめ、福利厚生制度を活用して学習をする社員も増えています。
新たな価値観や文化の風が吹き、社員の刺激となり、お互い高め合うような組織風土へ近づく事を期待しています。
—トモエシステムの魅力について教えてください。
船曳様:トモエシステムには、社員の成長を全力でサポートしてくれる制度がたくさんあります。資格取得支援金や奨学金返済補助制度、直接業務に関係の無いコンテンツでも研修を受ける事が可能です。
私は以前、リーダーシップを高めるとともに女性としてのキャリアデザインを学ぶために、会社の支援を受けて大学院に通っていました。仕事と勉学の両立は大変でしたが、社内のサポートが手厚く、何よりスキルアップを応援してくれるスタンスがとてもありがたかったですね。
10カ月間幅広い分野の講義を受けた事、また様々な人との出会いを通じて、自分の価値観やキャリアへの考え方も深まり、とても充実した経験をさせていただいたと感じています。
私以外にも、税理士の資格取得を目指して勉強しながら働く社員も在籍しており、この度見事合格して社員全員から祝福されるといった事もありました。
こうした経験から得たことを会社や社会に還元して、より良い組織づくりに活かすだけでなく、周囲の人達にも学びの輪を広げていきたいと思っています。
柳瀬様:働き方の魅力は、社員の声を受け止め精査し、スピーディーに社内環境に反映させる部分ではないでしょうか。例えば外部研修のテーマには、社員みんなの声やアイデアが採用されたものが多くあります。
当社は、共に集う仲間の距離がとても近く、仕事内外での交流も活発です。そのため、普段の雑談から社員の目指すキャリプランが見え、アイデアの着想を得ることもあります。
会社全員でより良い環境づくりをしている意識を大事にしていきたいですね。
—9回目の開催となるホワイト企業アワードに、この度4度目の受賞をされましたが社内外での変化はありましたか?
柳瀬様:社内の雰囲気としては、いい意味で社内改革や進化に慣れてきた風潮があります。(笑)
ホワイト企業認定を受けることに対して、当初は驚きや戸惑いがあるような社員もいました。しかし今では、第三者に認めていただくことで、客観的な視点を持ち、またご家族を含めた安心感につながっていますね。
実際、アワードを受賞する前と比較すると社員の離職率が大幅に変化しました。離職率15-16%と業界平均並みの時期もありましたが、現在では3-4%まで低減しています。
賃金改革や社員の健康を促進する健康経営、男女ともに育休取得の促進など、様々な取り組みを導入してきた結果、社内だけでなく外部からも高い評価をいただき、複数のメディアに取り上げていただきました。
社外では、お取引先様や販売先様からの認知が増えたように感じます。商品や企業として強みだけでなく、ガバナンスが重要な時でもあり組織としてもご評価いただけているようで嬉しい限りです。
また、ホワイト企業認定は採用時の差別化にも一役買っています。数ある中小企業の中でも、光栄にも4度もアワードを受賞しているという点で求職者様に魅力のある企業として認識いただいていますね。
—今後の目標を教えてください。
船曳様:この7年間、居住環境を整え、賃金を大幅に増やし、休日の増加、労働時間の削減、福利厚生の拡充とともに、個人の底力を上げるための研修も多く実施してきました。
法定以上の手厚い制度を導入するなど、「働きやすさ」のあらゆる取組みを実践してきました。
会社の挑戦する姿勢を受け、社員も変化に対する恐れを払拭しているように感じます。
「働きやすさ」は一定レベル達成できましたが、次の段階として社員個々によるところが大きい「働きがい」の追求を課題として、色々な施策を検討中です。
柳瀬様:今後の目標として「VUCAの時代」に柔軟に対応する企業でありたいと思います。
コロナウイルスの蔓延、ウクライナ侵攻、半導体をはじめとする供給の問題やテクノロジーの発達など、今まで以上に複雑で不明瞭、正解も安定も無い時代になりました。
そんな時代で企業が成長し続けるためには、これまで培ってきた信頼関係を礎に、果敢に挑戦して未曾有の事態にも柔軟に対応できる力が必要です。
これまで長きに渡り築いてきた信頼は、圧倒的に強い商流と「価値あるビジネスモデル」を生みました。人を源泉として、さらに新しい製品やサービスなど価値の創造をし、日本、中国、タイ、アメリカ、台湾の5拠点から全世界へ当社の『ともに創る』という価値を信頼という舟に乗せ、大いに伝播したいと思います。
現在、神戸本社の横に年内開業予定の新しいオフィスビルを建設しています。
グループ会社が移転し、社内のコミュニケーションの更なる活性化とシナジー効果を期待しています。
単に社員が働くスペースを増設するだけでなく、社員個々が当事者意識を強く持ち、そこから生まれる喜びや感動、すなわち働きがいを自ら得られるような環境づくりを、今後も目指していきたいです。
取材者のレビュー
2019年の第4回ホワイト企業アワードから4度のアワード受賞を実現しているトモエシステム。多角的なアプローチで働きやすい環境づくりを実現してきた当社の挑戦は、従業員の考え方にも変化をもたらすものとなっています。働く環境を変え、働き方を変えることで、『働くことへの考え方』が変わる。企業とそこで働く授業員が、1つのチームとして会社の成長につなげる姿勢がありました。パフォーマンスが十分に発揮される環境で、一人ひとりが意欲的に働くことが何よりものホワイト企業なのではないでしょうか。
【株式会社 トモエシステムをさらに知る!】
日本次世代企業普及機構 金崎綾香
小売業界でバイヤーとして、商品買付けや企画などの店舗管理業務に従事しつつ、販売メーカーの営業として法人営業にも携わってきました。2022年より株式会社ソビアに入社し、これまでの経験を活かし、ホワイト企業認定を取得された企業様の魅力をホワイトキャリアでたくさんの方に発信していきます。