
「あの企業の離職率って高いの?低いの?」「離職率ってどこで調べられるの?」——企業選びで離職率を確認したいけれど、調べ方がわからない方は多いはずです。
結論として、企業の離職率は「就職四季報・有価証券報告書・厚生労働省データ・OpenWork・口コミサイト・面接での質問」の6つの方法で調べられます。本記事では、累計3,625社を審査した認定機関が、それぞれの具体的な手順・業界別離職率の目安・データの読み解き方を実務的に解説します。離職率を正しく把握できれば、企業選びで失敗する確率を大幅に下げられます。
日本次世代企業普及機構 代表理事
岩元 翔
累計3,625社以上を審査し、650社以上を認定してきた中で見えてきたのは、離職率は企業の労働環境を最も客観的に示す指標だということです。認定企業の3年離職率は平均10%前後と業界平均より大幅に低く、企業の労働環境改善への本気度を表しています。離職率を企業選びの「最重要指標」として活用してください。
📋 この記事でわかること
📎 全体ガイド:ブラック企業の見抜き方完全ガイド
📎 他観点:求人票で見抜く方法 / 面接・口コミで見抜く方法
目次
離職率とは、一定期間内に退職した従業員の割合です。企業選びで重視されるのは主に以下の2つ。
3年離職率(新規学卒就職者の離職率)
新卒入社者が3年以内に離職した割合。新卒就活で最重要指標
1年離職率
1年間で退職した従業員の割合(全社員対象)。転職時の参考
★ 3年離職率の目安
日本全体の3年離職率は大卒で約30%、高卒で約36%(厚生労働省)。この平均と比較してどうかが重要な判断基準です。
3年離職率が高い業界(全国平均30%超)
3年離職率が低い業界(全国平均15%以下)
業界の平均だけで判断するのは早計です。同じ業界内でも企業によって離職率は大きく異なります。「業界平均より明らかに低いかどうか」を判断基準にしましょう。
最も手軽で信頼性が高い方法です。「就職四季報」「就職四季報 女子版」では、大手企業約5,000社の3年後離職率・有給取得率・残業時間・平均年齢等が掲載されています。
★ 就職四季報の使い方
上場企業を調べるなら有価証券報告書が最も詳細です。金融庁のEDINETで誰でも無料閲覧できます。
◆ EDINETでの調べ方
2023年からは「人的資本情報開示」が義務化され、男女別賃金格差・男性育休取得率も記載されるようになりました。これらも合わせて確認しましょう。
業界別・企業規模別の離職率データを毎年公開しています。「厚生労働省 新規学卒者 離職状況」で検索すると、最新データが見つかります。志望業界の平均離職率を確認し、個別企業データと比較する基礎資料になります。
口コミサイトでは「実態としての離職率」がわかります。特に
数字としての離職率は出ないことが多いですが、「退職理由」「辞めたくなる瞬間」などの定性情報から実態を読み取れます。
最近は採用ページや統合報告書で離職率を公開する企業が増加しています。優良企業ほど積極的に公開する傾向。
面接の最後の逆質問タイミングで直接質問するのも有効です。具体的な数字を答えられる企業は誠実、答えを濁す企業は要注意。
★ 面接での質問例
従業員10名の企業で1人退職すれば離職率10%、2人退職すれば20%と急変動します。母数の小さい企業の単年離職率は参考程度に。複数年の推移を見ることが重要です。
飲食業界で離職率30%は業界平均より優秀な可能性。同じ30%でも金融業界では平均より高い数字。業界平均と比較して判断するのが正しい読み方です。
離職率が高い理由が「労働環境の悪さ」なのか「業界全体の流動性」なのかで意味が変わります。転職市場で価値が上がる業界(IT・コンサル等)は、ポジティブな転職での離職率上昇もあり得ます。
ホワイト企業認定取得企業の3年離職率は平均10%前後と、日本全体の平均(30%前後)を大幅に下回ります。
◆ なぜ認定企業は離職率が低いのか
Q1. 離職率はどこで一番手軽に調べられる?
就職四季報が最も手軽です。大学のキャリアセンター・図書館で無料閲覧可能。約5,000社のデータが揃っています。
Q2. 非上場企業の離職率はどう調べる?
OpenWork・転職会議・直接質問が中心になります。EDINETは上場企業のみのため、口コミサイトと面接での質問を併用しましょう。
Q3. 離職率が高くてもいい企業はある?
あります。コンサル・外資系・スタートアップなど「3年で次のキャリアに行く」前提の業界。離職理由が「ステップアップ転職」なら良企業の可能性。
Q4. 離職率が低すぎる企業も注意?
基本的には優良サイン。ただし「離職率0%が何年も続く」企業は「辞めたくても辞められない」可能性もあるので口コミも確認を。
Q5. 「NA(回答なし)」の企業はブラック?
要警戒です。就職四季報で離職率を非公開にしている企業は、公開できない理由がある可能性。優良企業ほど積極的に公開する傾向があります。
Q6. 面接で離職率を聞いて失礼じゃない?
失礼ではありません。聞き方を「長く働き続けたいので」と前置きすれば自然。むしろ嫌がる企業は要注意のサイン。
Q7. EDINETの使い方が難しい
「企業名 有価証券報告書」でGoogle検索すると、企業のIRページ直リンクが見つかることが多いです。慣れれば3分で確認できるようになります。
Q8. 業界別の離職率データはどこで?
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」が最も信頼性の高いデータ。毎年10月頃に最新版が公開されます。
Q9. 平均勤続年数も離職率の参考になる?
なります。離職率と平均勤続年数はセットで確認。離職率が低くても平均勤続年数が短い場合は、若手の早期退職が多い可能性。
Q10. 中途採用者の離職率も別?
通常は別データ。新卒の3年離職率と、中途採用者の定着率は分けて公開されていることが多い。転職活動では両方を確認しましょう。
Q11. 離職率が高い業界しか選択肢がない場合は?
業界内のホワイト企業を探す。同じ業界でも企業によって離職率は大きく異なります。ホワイト企業認定取得企業を中心に検討するのがおすすめ。
Q12. 離職率の数字が信頼できるか不安
複数ソースで確認するのがベスト。就職四季報・有価証券報告書・口コミの3つを照合し、整合性があれば信頼度が高いと判断できます。
Q13. 離職率で企業を見極める最大のコツは?
「業界平均との比較」と「複数年の推移」。単年の数字より、3〜5年の推移を見て安定的に低いか・改善傾向にあるかを確認することが大切です。
📌 この記事のまとめ