一般財団法人日本次世代企業普及機構依(所在地:大阪市中央区、代表理事:五味田匡功、以下、ホワイト財団)は、株式会社リロクラブ(所在地:東京都新宿区、代表取締役社長:杉山新吾)と共催で、経営者・人事担当者向け「働き方改革サミット」を2019年6月25日(火)に東京、7月2日(火)に大阪で開催しました。今回のイベントには、東京、大阪で計200名ほどの経営者・人事担当者が参加しました。
▽イベント開催趣旨
2019年4月から働き方改革関連法が施行され、働き方について急速に変化を求められています。
本イベントでは、ブラック企業アナリストの新田龍氏に加え、働き方改革成功企業、支援企業をお招きし、働き方改革の最先端事例について紹介、共有する目的で開催致しました。
【基調講演】
「誤解だらけの働き方改革。成功と失敗の分岐点」
講師:ホワイト財団 理事長/ソビア社会保険労務士事務所 所長 五味田匡功
働き方改革が実施された背景として「人口の減少」があります。人口が減少すると働き手が当然減少し、労働力が少ない中でビジネス設計をする必要があります。「人口が少なくなる中、働き方に制限や罰則を付けるのは矛盾している!」という意見もよく耳にしますが、それは誤解で働き方改革の真の目的は「人口が減少し、労働人口が減少しても日本が国際競争の中で勝ち残っていくこと」です。今後、日本の企業が、働き手が減っても生産性を向上させ、国際競争に勝てる企業にためには、「企業の生き残りをかけた企業主体の戦略の見直し」が必要です。そのために必要な実施すべき事について講演しました。
そして、ホワイト企業アワードで受賞した企業の生産性向上の成功事例、社内体制の整備の成功事例を紹介し、取り組み事例から成功に至ったポイントについて解説しました。
【パネルディスカッション】
テーマ:成功事例からひも解く働き方改革
▽モデレーター
・働き方改革総合研究所株式会社 代表取締役/ブラック企業アナリスト 新田龍氏
▽パネラー
・アメリカン・エキスプレス・インターナショナル,Inc. 法人事業部 コーポレートペイメントソリューション営業部 部長 山田全弘氏
・さくらインターネット株式会社 代表取締役社長 田中邦裕氏(東京開催限定)
・株式会社NTTスマイルエナジー スマイル営業本部リーダー 兼 みんなでつくるエネルギー事業本部RE100推進室 課長 藤本健太氏(大阪開催限定)
・ワタミ株式会社 執行役員 人材開発本部長 大根田淳氏
働き方改革の取り組み内容についてご紹介いただき、成功したポイント、苦労したポイントについてディスカッションを行いました。
「Backing Our People私たちが大切にしていること」
パネラー:アメリカン・エキスプレス・インターナショナル,Inc. 山田全弘氏
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル,Inc.では「従業員を大切にすること」「従業員同士認め合うこと」を大切にしています。社員を大切にするために、“社員満足度”に焦点をあて様々な取り組みを実施しており、その中から「キャリア開発」「アジリティ」についての取り組みをご紹介いただきました。
キャリア開発については、ポスティング制度を設けており、自分のやりたい職種に立候補することができます。また、この制度を利用して一度辞めた従業員が戻ってい来るというパターンもよくあります。また、従業員同士認め合い、称賛するための取り組みや社員の真のニーズを理解するための取り組みも実施しています。今回は外資系ならではのユニークな取り組みについてご紹介いただきました。
「“さくら流”働き方」(東京開催限定)
パネラー:さくらインターネット株式会社 田中邦裕氏
さくらインターネット株式会社は2014年頃までは、残業時間の徹底管理や、新卒・中途共に採用しないなど「効率化」をミッションとした労働環境を作っていましたが、ある調査で従業員の半分強しか働きがいがあると感じていないという実態を知り、働き方改革に取り組み始めました。
性善説に基づいて、今まで厳しい制約を設けていたものを撤廃し「社員を信じる制度」に変えていきました。「実際に使える制度」を合言葉に、社員を巻き込んでパラレルキャリアやテレワークなどを可能にする制度設計を実施し、従業員のクリエイティビティを高める為に多様な働き方を促進していきました。厳しい制度を柔軟な制度へどのようにして変えていったのか、取り組む際に苦労した点についてご紹介いただきました。
「社員にとって魅力的な会社であり続けるために」(大阪開催限定)
パネラー:株式会社NTTスマイルエナジー 藤本健太氏
株式会社NTTスマイルエナジーでは環境や制度は暖かく、仕事は厳しく、社員が “自律的にチャレンジ”し成長できる環境づくり“に努めています。安心のための「働きやすさ」、活き活きのための「働き甲斐」という2軸に対して、様々な制度を導入しています。
その中で社員個々の私生活における新しいチャレンジに必要なものを10,000円/年まで会社が購入し、譲渡する「ライフ充実支援施策」、月に1回、1人1,000円までランチ代を支給し、エントリーした全社員を1チーム4名に振り分けランチに行ってもらう「スマイルパーティ」、キャリコンサルタント資格を勉強した人事が、社員全員と対話し、普段言えない悩みや想いに寄り添う「人事担当対話」の取り組みについて、具体的に取り組み内容をご紹介いただいきました。
「ワタミグループにおける働き方の改善」
パネラー:ワタミ株式会社 大根田淳氏
ワタミ株式会社は2014年頃からブラック企業批判を受けてブランドイメージが大きく低下しました。その中で、ブラック企業といわれる理由や要因に徹底的に向き合い、会社の中で労働環境の改善を最優先事項と位置付けて、取り組みを進めていきました。取り組み内容としては①店舗業務の負荷低減と効率化➁コンプライアンスと組織の強化➂コミュニケーションの強化の3点を挙げ、“組織の仕組み”を1から構築していきました。取り組みの効果は徐々に現れ、業績も回復し、2017年3月には黒字に戻すことができました。
それに併せて2016年3月時点では21.6%の離職率が2019年3月時点の離職率は8.5%と大幅に低下し、従業員の定着についても大きな効果が表れ出しています。今回はどのようにして業績をV字回復させたのかまた、ブラック企業批判を受けるなか従業員とどのようにして向き合ったのか、詳しい取り組み内容についてご紹介いただきました。
各企業の紹介が終わった後、新田氏を中心に「取り組み着手時の課題」、「取り組みを進めていくことに対して現場への働きかけ方」、「取り組みを推進していく中で新たに発見した課題」、「取り組みの成功へのコツ」についてディスカッションを実施しました。
最後に新田氏より働き方改革を始めようとしている企業へメッセージを頂きました。
新田氏より
働き方改革のメリットは皆知っているのになぜ成功事例が少ないか。それはやはり時間もエネルギーもかかるからです。でも変革とは本来それくらい大変なこと。最初はなかなか効果が目に見えることも少ないかもしれませんが、今『改革先進企業』と呼ばれている所は取組開始から成果が出るまで平均7年かけている。それくらいの長期スパンで考えて、今できることを今日からでも始めていくことが大切です。
テーマ:支援企業事例からひも解く働き方改革
▽モデレーター
・働き方改革総合研究所株式会社 代表取締役/ブラック企業アナリスト 新田龍氏
▽パネラー
・株式会社アトラエ 川本周氏
・株式会社マネーフォワード 事業推進本部 事業推進1部 副部長 矢尾板千絵氏
・株式会社マネーフォワード 事業推進本部 関西支社 支社長 藤田綾香氏
働き方改革を支援するためのツールをもつ企業から見る働き方改革のポイントについてディスカッションを実施しました。
「なぜ今エンゲージメント(働きがい)が重要なのか?」
パネラー:株式会社アトラエ 川本周氏
株式会社アトラエでは、WEVOXという”従業員の働きがいを可視化し組織改善に繋げる”サービスを提供しており、サービスの導入により働き方改革が成功した事例をご紹介いただきました。
「生産性向上のためのTEC導入で成功する会社、失敗する会社」
パネラー:株式会社マネーフォワード 矢尾板千絵氏、藤田綾香氏
株式会社マネーフォワードでは、企業向けに会計処理、経費精算処理、給与計算、勤怠管理などのシステムを提供しています。システムを導入したことによって、働き方改革が成功した事例についてご紹介いただきました。
各企業の商品紹介、新田氏を中心に「(全力で支援はするけど)改革は難しいんじゃないかとおもうお客様の共通点」「改革が成功するお客様に共通するポイント」についてディスカッションを実施しました。
最後に新田氏よりメッセージをいただきました。
新田氏より
先ほど『働き方改革着手から成果が出るまで平均7年』とお伝えしましたが、当時との違いは、今はこんなに便利なツールが沢山世に出ていること。活用すればもっと短期間で結果が出るかもしれません。今回のセミナーが『参考になった』だけではなく、『実際に取り組んで成果が出た』ことがゴールですので、是非みなさんも今できることから初めて頂きたいと願っています。
【特別講演】
「リロクラブによる企業のホワイト化支援サービス」
ご登壇者:株式会社リロクラブ 執行役員 伊丹宏一氏、執行役員 小野寺孝典氏
今回のイベントを共催している株式会社リロクラブより「働き方改革を推進するための支援サービス」として提供している「福利厚生倶楽部」についてご紹介いただきました。
福利厚生を充実させることで職場環境の評価が上がり、働き方改革の目的の1つでもある「離職防止・人材確保」につながります。福利厚生の重要さについてお話を頂きました。
◆まとめ◆
今回の働き方改革サミットは、東京、大阪で開催し、両日共にたくさんの方にご参加いただき、満席、大盛況で幕を閉じる事が出来ました。豪華な企業様にご登壇いただき、働き方改革の裏側や苦労したことなど、普段では絶対に聞くことのできない貴重なお話をお伺いする事が出来ました。ご参加いただきました皆様、ご登壇を引き受けてくださった皆様には心より感謝いたします。
さて、今回の働き方改革サミットは8月よりホワイト財団と株式会社リロクラブが共催で開催される「ホワイト企業研究会」のキックオフイベントでもありました。8月以降の「ホワイト企業」研究会では事例を紹介するだけではなく、『実績・実用・実行』をテーマに、ホワイト企業アワード主催団体だからこそ持っている働き方改革の成功実績の事例をもとに、実際に実用していくためのツールの提供とワークの実施、そして実際に自社で実行していくまでをサポートします。ただ学ぶだけではなく、実際に働き方改革、ホワイト化に取りむ場として活用して頂けるのが「ホワイト企業研究会」です。本気で働き方改革・企業のホワイト化に取り組んで行きたい企業様にご参加をお待ちいたしております。
【ホワイト企業研究会初回開催内容】
テーマ:専門家による「ワーク・ライフバランス/健康経営」セミナー
▽プログラム
〈研修テーマ〉
・「ワーク・ライフバランス/健康経営」について基本的な考え方
・導入に当たっての社内方針資料の作成
・導入支援ツール(社内アンケートなど)の提供と導入の際の注意点の説明
・アワード受賞企業事例の成功要因と分析
〈特別講演〉
・株式会社ラフールによる「今後の健康経営の対策と効果の高い事例導入の紹介」
▽講師
・ホワイト財団 事務局長/ソビア社会保険労務士事務所 所長 五味田匡功
・ホワイトパートナー企業 株式会社ラフール
▽費用
年間15万円(各セミナ―毎3万円)※初回のみ見学が【無料】です。
▽ホワイト企業研究会お申込み/次回以降のスケジュールはこちらから
https://jws-japan.or.jp/wp/academy/
■リロクラブとは
導入企業No.1の福利厚生代行サービス「福利厚生倶楽部」を26年間経営しています。2019年3月「ホワイト企業認定」を取得し、福利厚生に26年培ったノウハウで「企業のホワイト化」をサポートしています。
■ホワイト財団とは
私たちは、「次世代に残したい企業」「家族に勧めたくなる企業」を増やし、活力と魅力あふれる日本社会の実現に貢献することを目的として、21世紀のモデルケースとなるような素晴らしい企業を称賛し、公表する活動を行っています。その一環として「ホワイト企業認定」を実施しています。また、ホワイト企業認定を取得した企業の中で、今年最も注目するべきホワイト企業を決定し、世間に認知していただくことを目的として、年に1度「ホワイト企業アワード」を開催しています。
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一般財団法人 日本次世代企業普及機構
担当:鶴飼(つるがい)
住所:〒541-0052 大阪市中央区安土町2丁目2-15 ハウザー堺筋本町駅前ビル5階 株式会社ソビア内
TEL:0120-514-461 / FAX:06-6282-7417
URL:https://jws-japan.or.jp/wp/
Mail:jimukyoku@jws-japan.or.jp
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