
「子どもが生まれるけど男性も育休取れる?」「給付金はいくら?」「キャリアに影響しない?」——男性育休は2022年の法改正で大幅に拡充され、取得率も急上昇中です。一方で「上司に言いにくい」「収入が心配」と感じる男性も多いはず。正しい知識を持って計画的に取得すれば、家族との時間とキャリアの両立が可能です。
結論として、男性育休には「産後パパ育休(出生時育児休業)」と「通常の育児休業」の2種類があり、合わせて最大1年以上取得可能です。給付金は手取りベースで給与の約8割が補填され、経済的負担も軽減されます。重要なのは「企業選びの時点で男性育休取得実績を確認すること」と「計画的な申請」です。
日本次世代企業普及機構 代表理事
岩元 翔
累計3,625社以上を審査し、650社以上を認定してきました。男性育休の取得率は2024年で約30%に達し、ホワイト企業では50%超の企業も増えています。「男性育休は権利であり、企業が拒否することはできない」のが法律上の建前ですが、現場では「言い出しにくい」雰囲気が残るのも事実。本記事では制度の基本から、円滑に取得するための具体的な手順まで解説します。企業選びの段階で取得実績を確認しておくことが、トラブル回避の最大のコツです。
📋 この記事でわかること
📎 関連:男性育休が取れる企業ランキング2027
📎 関連:イクメン企業認定とは / 産休育休制度の見方
目次
2022年の法改正により、男性は「産後パパ育休(出生時育児休業)」と「通常の育児休業」の2つを組み合わせて取得できるようになりました。
★ 2つの制度の比較
① 産後パパ育休(出生時育児休業)
対象:子の出生後8週間以内
期間:最大4週間(28日)
分割:2回まで分割取得可能
就業:労使協定で部分的に勤務可能
特徴:2022年10月新設の制度
② 通常の育児休業
対象:子が1歳になるまで(最長2歳)
期間:最大1年(条件付きで延長可)
分割:2回まで分割取得可能
就業:原則就業不可
特徴:従来からある制度
この2制度を組み合わせれば、「出生時に4週間取得→復帰→子が成長したタイミングで再び育休」といった柔軟な取り方が可能です。
★ 分割取得の活用例
育休中は給与は出ませんが、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。さらに社会保険料が免除されるため、手取りベースでは給与の約8割が補填される計算になります。
★ 給付金の支給率
育休開始から180日まで
休業前賃金の67%
181日目以降
休業前賃金の50%
2025年度から「産後パパ育休+配偶者育休」で実質手取り10割相当
両親とも14日以上育休取得で給付率引き上げ(2025年4月施行)
★ 月給40万円・1か月育休の場合
★ 申請の5ステップ
STEP 1:妊娠判明後すぐに上司へ報告
出産予定日が確定したら上司に育休取得意向を伝える(妊娠5〜6か月目が目安)
STEP 2:育休期間を決定
妻と相談しながら産後パパ育休+通常育休のスケジュールを作成
STEP 3:正式申請(育休開始の1か月前まで)
人事部に育児休業申出書を提出。産後パパ育休は2週間前までに申請
STEP 4:引き継ぎ・育休開始
業務の引き継ぎを完了させ、育休開始日から休業
STEP 5:給付金申請(会社が代行が一般的)
ハローワークへの申請は会社が代行することが多い。本人は書類記入のみ
男性育休取得が昇進・昇給に不利になることは違法です。育児・介護休業法で「育児休業の取得を理由とする不利益取扱い」は禁止されています。ただし現実には、業界・企業文化によって扱われ方が異なるのも事実です。
◆ キャリア影響を最小化する3つのコツ
男性育休取得に対する嫌がらせは「パタハラ」として法律で禁止されています。「育休を取るなら査定下げる」「降格になる」などの発言は明確な違法行為です。
⚠ パタハラに遭った時の対応
Q1. 入社1年未満でも男性育休は取れる?
2022年の法改正により、原則として全員取得可能になりました。労使協定がある場合のみ「入社1年未満」を対象外にできますが、これも産後パパ育休には適用されません。
Q2. 上司に拒否されたらどうする?
育休は法律上の権利で、企業が拒否することは違法です。人事部・コンプライアンス窓口・労働局に相談しましょう。上司個人の判断で拒否されることはあり得ません。
Q3. 男性育休取得率の平均は?
厚労省調査によると2024年で約30%です。2030年に85%、2025年に50%の政府目標があり、今後も上昇する見込み。ホワイト企業では既に50%超の企業も多いです。
Q4. 育休はどれくらい取るのが標準?
現状の平均は1〜2週間が最多ですが、認定企業では1〜3か月が増加中。理想は「産後パパ育休4週間+通常育休2〜3か月」の組み合わせです。
Q5. 給付金はいつから振り込まれる?
育休開始から2〜3か月後に最初の支給があります。その後は2か月ごとに振り込まれます。生活費は事前に2〜3か月分確保しておくのが現実的です。
Q6. 育休中に副業はできる?
通常育休中は月10日以内or80時間以内なら就業しても給付金を受給可能。ただし会社の副業規定に準じる必要があります。産後パパ育休は労使協定があれば一部就業可能です。
Q7. 育休前後の昇進・昇給はどうなる?
育休を理由にした不利益取扱いは違法です。ただし育休期間は評価対象から除外されることが一般的で、復帰タイミングによっては昇進タイミングがずれることもあります。
Q8. 派遣社員・契約社員でも取れる?
取れます。雇用保険加入+一定条件を満たせば、雇用形態に関係なく育休取得+給付金受給が可能です。
Q9. 育休と有給を組み合わせられる?
可能です。出産前後に有給を取り、育休に切り替える人も多いです。有給中は給与100%が支給されるため、最初の数日は有給を活用するのが経済的に有利です。
Q10. 育休中の社会保険料は?
免除されます。健康保険・厚生年金保険料が本人負担分・会社負担分ともに免除。年金額には影響しません(免除期間も支払い済み扱い)。
Q11. ボーナスへの影響は?
企業の規定によりますが、出勤日数に応じた減額が一般的です。育休期間は出勤扱いにする企業もあり、認定企業ではボーナス減額なしの会社も増えています。
Q12. 育休を取得しやすい企業の見分け方は?
男性育休取得率30%以上・くるみん認定・イクメン企業認定がチェックポイント。詳しくは男性育休が取れる企業ランキング2027へ。
Q13. 男性育休を取得する最大のコツは?
「企業選びの段階で取得実績を確認する」ことです。入社後に取得しようとしても文化が追いつかない企業では摩擦が発生します。就活・転職時に男性育休取得率を必ずチェックしましょう。
📌 この記事のまとめ
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