ワーケーションとは?意味・企業のメリット・デメリット・導入事例を解説

「ワーケーション」という言葉を就活の企業研究で目にする機会が増えてきました。しかし、具体的に何を指すのか・なぜ企業が導入しているのかは、意外と理解されていないテーマです。

この記事では、ワーケーションの意味・種類・企業が導入するメリット・デメリット・実際の企業事例まで、就活生が企業選びの参考にできる情報をまとめて解説します。

岩元翔

キャリアアドバイザーコメント

日本次世代企業普及機構 代表理事 岩元 翔

「ワーケーション制度あり」と記載していても、リモートワーク体制が整っていない企業では実質的に利用しにくいケースがあります。制度の有無だけでなく「リモートワーク体制はどの程度整っていますか?」と実態を確認することが重要です。

◆ この記事でわかること

  • ワーケーションの意味と種類
  • 企業が導入するメリット3つ
  • 企業が感じるデメリット・課題3つ
  • JAL・セールスフォース・三菱UFJ銀行など導入企業事例
  • 就活でワーケーション制度を確認するポイント

ワーケーションとは?意味と種類

ワーケーションとは、「Work(仕事)」と「Vacation(休暇)」を組み合わせた造語です。リゾート地・帰省先・地方のサテライトオフィスなど、職場や自宅とは異なる環境で働きながら休暇も取得するという働き方を指します。

元々は2000年頃のアメリカで広まった概念で、日本では2020年に当時の菅総理が「ワーケーションを新しい旅行・働き方のスタイルとして普及させたい」と発言したことで注目されました。

ワーケーションとは

◆ ワーケーションの2つの種類

  • 長期滞在型:旅先に滞在する日数のうち、休暇の日と仕事の日をあらかじめ決めておく計画的なワーケーション
  • セーフティネット型:緊急性の高い業務を急きょ休暇先で対応するワーケーション

ワーケーションを導入する企業側の3つのメリット

① 休暇取得を推進しやすくなる

日本の有休取得率は調査国中最下位の63%(エクスペディア調査2024)です。ワーケーション制度があれば、長期旅行中に仕事の日を設けることで長期休暇を取りやすくなるというメリットがあります。

② 柔軟性の高い働き方を実現できる

ミレニアル世代・Z世代はワークライフバランスを重視し、働き方の多様性を求める傾向が強いです。ワーケーションも導入することで、より幅広い働き方に対応できる企業として優秀な人材を引き寄せ、定着させやすくなります。

③ 健康経営の維持・従業員エンゲージメントの向上

普段と異なる環境で働くワーケーションは、従業員のリフレッシュ効果があります。健康経営の維持・仕事へのモチベーション向上・従業員エンゲージメントの強化につながります。

ワーケーションを導入する企業側の3つのデメリット・課題

① 導入・運用コストがかかる

コミュニケーションツールの整備・ネットワーク環境の準備など、ワーケーション導入には初期・運用コストが発生します。

② 労務管理の仕組みづくりが必要

ワーケーション導入に合わせて管理の仕組みを見直す必要があります。クラウド型勤怠管理システムの導入や、時間ではなく成果で評価する方式へのシフトなどが考えられます。

③ リモートワーク体制が整っていないと実施困難

ワーケーションを実施するには、まずリモートワークができる体制が前提として必要です。

注意:「ワーケーション制度あり」と記載していても、リモートワーク体制が整っていない企業では実質的に利用しにくいケースがあります。

ワーケーションを導入している企業事例4社

◆ 日本航空株式会社(JAL)

  • 導入時期:2017年〜
  • 目的:時間・場所にとらわれない働き方の推進・長期休暇取得の促進
  • 特徴:社員向け体験ツアーの開催・各地施設を紹介する冊子の配布など制度周知にも注力

◆ 株式会社セールスフォース・ドットコム

  • 導入時期:2015年10月〜
  • 拠点:和歌山県白浜町にサテライトオフィス「Salesforce Village」を開設
  • 成果:東京オフィスと比較して生産性が20%向上という結果も

◆ 株式会社三菱UFJ銀行

  • 導入時期:2019年度〜
  • 拠点:和歌山県白浜町・軽井沢町の自社施設内ワーケーション施設を新設
  • 目的:生産性・創造性の向上・従業員モチベーションの高揚

◆ 株式会社あしたのチーム

  • 導入時期:2020年10月〜
  • 特徴:リフレッシュ休暇制度を変更し、長期休暇とワーケーションの組み合わせにインセンティブを付与
  • 目的:戦力社員の長期離脱防止・有給取得率向上・健康経営

就活でワーケーション制度を確認するポイント

◆ 面接・説明会で確認したい質問例

  • ワーケーション制度の利用率はどのくらいですか?
  • リモートワーク体制はどの程度整っていますか?
  • ワーケーション中の勤怠管理はどのような方法で行っていますか?
  • サテライトオフィスや費用補助の制度はありますか?

まとめ

ワーケーション まとめ

◆ この記事のまとめ

  • ワーケーション=Work+Vacation。休暇先で仕事も行う働き方
  • 種類は「長期滞在型」と「セーフティネット型」の2つ
  • 企業のメリットは有給促進・柔軟な働き方・健康経営の3つ
  • 課題はコスト・労務管理・リモートワーク体制の整備の3つ
  • JAL・セールスフォース・三菱UFJ銀行・あしたのチームが先進的な導入事例
   
運営者情報

日本次世代企業普及機構 代表理事岩元 翔

東証1部上場企業の求人広告会社にて新卒・中途採用のコンサルティング業務を学び、その後ITベンチャー企業にて自社採用業務、教育業務に従事。2020年には一般財団法人日本次世代企業普及機構の代表理事に就任。これまでの経験、実績を活かし、経営者や従業員にとって道しるべとなる「ホワイト企業指標」を作り上げた。