「女性活躍推進」という言葉は就活中によく耳にしますが、「具体的に何をする法律なのか」「自分の就活にどう関係するのか」まで理解している学生は少ないです。
この記事では、女性活躍推進法の目的・背景・課題をわかりやすく解説し、就活・転職で女性が活躍する企業をどう選べばよいかまで紹介します。
キャリアアドバイザーコメント
日本次世代企業普及機構 代表理事 岩元 翔
男性も女性も、ライフイベントにかかわらず長く働き続けられる会社が理想的な職場です。女性活躍推進に積極的な企業は、男女問わず働きやすい環境が整っていることが多いため、企業選びの重要な軸として活用しましょう。えるぼし認定・なでしこ銘柄・女性管理職比率の3点で企業を比較するのがおすすめです。
女性活躍推進法とは?わかりやすく解説
女性活躍推進法とは、「働きたい女性が個性と能力を十分に発揮できる社会」の実現を目的として2016年4月に施行された法律です。2022年には改定され、女性管理職の増加を目指す動きがさらに活性化しています。
一定規模以上の企業に対して、女性活躍推進に向けた数値目標を盛り込んだ行動計画の策定・公表が義務化されました。
◆ これまでの主な関連法律の流れ:男女雇用機会均等法 → 育児・介護休業法 → 次世代育成対策推進法 → 女性活躍推進法(2016年)→ 改正女性活躍推進法(2022年)
女性活躍推進が必要な3つの背景
① 少子高齢化による労働力不足

厚生労働省の試算によると、現状のまま2030年を迎えると就業者数が821万人減少すると予測されています。しかし経済成長と労働参加が進むケースでは、減少が167万人にとどまります。女性の活用が急がれる最大の背景は、少子高齢化に伴う深刻な労働力不足です。
② 男女間賃金格差の是正

日本は国際的にみて男女間の賃金格差が大きい国です。これは男性に比べて女性の勤続年数が短いこと・役員や管理職など指導的地位にある女性の割合が諸外国に比べて低いことが関係しています。
③ 再就職できない女性が多い

出産・育児を理由に仕事を離れた女性が再就職を望んでいるにもかかわらず復帰できない状況が続いています。就職を希望する女性の数は315万人にのぼり、30代の就業率が低くなる「M字カーブ」が明らかになっています。
女性活躍推進に関する国の表彰・認定制度
政府は法律の施行・改正だけでなく、表彰制度や認定制度によって企業の女性活躍推進を後押ししています。
◆ 主な認定・表彰制度
- えるぼし認定・プラチナえるぼし:厚生労働大臣が女性活躍推進に優れた企業を認定。求人票などで確認できる
- なでしこ銘柄:経済産業省・東京証券取引所が共同で選定。女性活躍推進に優れた上場企業を投資家にも紹介する制度。2012年度より開始
- 準なでしこ・なでしこチャレンジ企業:なでしこ銘柄に次ぐ段階として選定される企業
企業における女性活躍推進の現状と課題
女性活躍推進法が施行されているにもかかわらず、思うように推進できていない企業が少なくないのが現実です。主な課題は以下の3つです。
! 女性活躍推進が進まない3つの課題
- 目的が明確でない:「なぜ女性活躍推進が必要か」の目的や意義を明確にしていない企業が多い。推進力を高めている企業は「○年後までに女性管理職比率を○%に」という具体的な数値目標を設定している
- 女性を育成する風土がない:「女性は家庭に入るべき」という慣習が残り、管理職適齢期の女性が少ないのが現状。重要な仕事を任せない慣習が退職を招いている
- ロールモデルがいない:現在の女性管理職に「残業が多い」「緊急対応が多い」というマイナスイメージが根付いており、昇進を望まない女性が多い
女性活躍推進が企業にもたらすメリット

- 優秀な人材の確保:女性にとって働きやすい環境を整えることで、優秀な人材が集まりやすくなる
- 業務の改善:女性を管理職に登用することで、男性では気づかなかった問題点の発見や、女性目線の商品・サービス開発が可能になる
- 企業イメージのアップ:えるぼし認定・なでしこ銘柄などを取得することで、採用力が向上する
- 企業文化の改革:女性が活躍することで男性中心の企業体質が改善され、イノベーションの創出が期待できる
就活・転職で「女性活躍推進に積極的な企業」を見つける方法
女性活躍推進の知識は、就活・転職の企業選びにも直接活かせます。
◆ 女性活躍推進に積極的な企業の見分け方
- えるぼし認定・なでしこ銘柄を取得しているか:客観的な第三者評価の証明。厚生労働省や経産省のサイトで一覧確認可能
- 女性管理職比率・女性採用比率が公開されているか:採用ページ・統合報告書・女性活躍推進データベースで確認
- 産休・育休取得率と復職率が高いか:制度の有無だけでなく実際の取得率を確認する
- 女性社員の口コミを見る:OpenWork・転職会議などで「女性の働きやすさ」レビューをチェック
- 面接の逆質問で確認:「女性管理職のロールモデルはいますか」「育休後の復職実績はいかがですか」と聞くと実態がわかる
まとめ
◆ この記事のまとめ
- 女性活躍推進法=働きたい女性が能力を発揮できる社会の実現を目的とした法律(2016年施行・2022年改定)
- 推進の背景:労働力不足・男女賃金格差・再就職できない女性の多さ
- 課題:目的の不明確化・育成風土の欠如・ロールモデルの不在
- 認定制度:えるぼし・なでしこ銘柄で積極的な企業を客観的に確認できる
- 企業選びでは認定取得・管理職比率・復職率・口コミ・逆質問で確認する