残業代の計算方法と早見表【時給/月給別シミュレーター】認定機関が解説

「月20時間の残業代っていくら?」「みなし残業の正しい計算方法は?」「深夜・休日の残業代はどう変わる?」——残業代の計算は意外と複雑で、就活生から新社会人まで疑問を持つ人が多いポイントです。

結論、残業代 = 時給 × 1.25倍 × 残業時間が基本です。深夜は1.5倍、休日は1.35倍と割増率が変わり、月60時間超は1.5倍に。本記事では、残業代の正しい計算方法・時給/月給別の早見表・深夜/休日の割増計算・みなし残業の落とし穴・未払い残業代の請求方法・Q&A 13問まで、累計3,625社を審査した認定機関の視点で徹底解説します。

岩元翔

日本次世代企業普及機構 代表理事

岩元 翔

累計3,625社以上を審査し、650社以上を認定してきました。残業代の計算は労働者の権利を守る基礎知識です。「みなし残業◯時間込み」は要注意。みなし時間を超えた分は別途支給される必要があります。サービス残業を強要する企業は確実にブラックなので、計算方法を正しく理解して自分の権利を守りましょう。

📋 この記事でわかること

  • 5秒でわかる残業代の計算式(時給×1.25倍)
  • 時給別 残業代早見表(時給1,000円〜3,000円)
  • 月給別 残業代早見表(月給18万〜40万)
  • 深夜割増・休日割増の計算方法
  • 月60時間超の特別割増(50%増)
  • みなし残業(固定残業)の正しい見方と落とし穴
  • 残業代の手取り計算
  • 未払い残業代の請求方法と時効
  • 残業代から見るホワイト企業の特徴
  • 面接で残業代について質問する方法
  • 残業代に関するQ&A 13問

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1. 5秒でわかる残業代の計算式

残業代の基本的な計算式は、「1時間あたりの賃金(時給) × 割増率 × 残業時間」です。覚えるべきは3つの割増率だけ。

⚡ 残業代の3つの割増率

【法定時間外労働】1.25倍

1日8時間・週40時間を超える残業。時給1,500円なら1時間あたり1,875円

【深夜労働】1.5倍(時間外+深夜)

22:00〜翌5:00の深夜残業。時給1,500円なら1時間あたり2,250円

【法定休日労働】1.35倍

法定休日(週1日)の労働。時給1,500円なら1時間あたり2,025円

🧮 暗算チェック例(時給1,500円の場合)

平日残業 月20時間:1,500 × 1.25 × 20 = 月37,500円
深夜残業 月10時間:1,500 × 1.5 × 10 = 月22,500円
休日労働 月8時間:1,500 × 1.35 × 8 = 月16,200円

2. 月給制の人の「1時間あたりの賃金」計算

月給制の場合、まず「1時間あたりの賃金」を計算する必要があります。

🧮 月給からの時給計算式

時給 = 月給(基本給+諸手当)÷ 月平均所定労働時間

例:月給25万円・所定労働時間8時間×月22日(176時間)の場合
250,000 ÷ 176 = 時給約1,420円

残業代計算では、家族手当・通勤手当・住宅手当・賞与は除外可

3. 時給別 残業代早見表(時給1,000円〜3,000円)

💰 時給別 1時間あたり残業代(平日1.25倍)

時給 1,000円(学生バイト等)

残業1時間 → 1,250円 / 月20時間 → 25,000円

時給 1,200円

残業1時間 → 1,500円 / 月20時間 → 30,000円

⭐ 時給 1,500円(新卒月給25万相当)

残業1時間 → 1,875円 / 月20時間 → 37,500円

時給 1,800円(月給30万相当)

残業1時間 → 2,250円 / 月20時間 → 45,000円

時給 2,000円

残業1時間 → 2,500円 / 月20時間 → 50,000円

時給 2,500円(月給40万相当)

残業1時間 → 3,125円 / 月20時間 → 62,500円

時給 3,000円(月給50万相当)

残業1時間 → 3,750円 / 月20時間 → 75,000円

4. 月給別 残業代早見表(月給18万〜40万)

💰 月給別 月の残業代(平日残業20時間の場合)

月給 18万円(時給約1,022円)

残業20時間 → 約25,550円

月給 22万円(大卒平均・時給約1,250円)

残業20時間 → 約31,250円

⭐ 月給 25万円(時給約1,420円)

残業20時間 → 約35,500円

月給 28万円(時給約1,590円)

残業20時間 → 約39,750円

⭐ 月給 30万円(時給約1,705円)

残業20時間 → 約42,625円

月給 35万円(時給約1,990円)

残業20時間 → 約49,750円

⭐ 月給 40万円(時給約2,275円)

残業20時間 → 約56,875円

※所定労働時間176時間/月で計算

5. 深夜・休日・60時間超の特別割増

📊 状況別の割増率まとめ

平日 22:00以降の残業

時間外1.25 + 深夜0.25 = 1.5倍

休日の深夜労働

休日1.35 + 深夜0.25 = 1.6倍

月60時間超の残業(大企業全社・中小企業も2023年4月から)

超過分は1.5倍(60時間超え1時間あたりの賃金)

⚠ 健康への影響:月60時間超の残業は「過労死ライン」に近づきます。月80時間超なら明確な過労死ライン。割増があっても、健康を犠牲にする働き方は持続不可能です。

6. みなし残業(固定残業)の正しい見方

求人票でよく見る「みなし残業◯時間込み」「固定残業手当」。これには大きな落とし穴があります。

⚠ みなし残業の5つの落とし穴

落とし穴①「月給28万円(みなし残業45時間含む)」
→ 実質基本給は約22万円。みなし時間=ほぼ必ず働く時間と考える

落とし穴②みなし時間を超えても支払われない
違法。みなし時間超過分は別途残業代が必要

落とし穴③みなし時間が異常に多い(60時間超)
→ 過労死ライン前提の設定はブラック企業の典型

落とし穴④「固定残業手当」と他手当の混同
→ 「営業手当」「役職手当」が実は残業代の代わりというケース

落とし穴⑤みなし時間より少ない労働でも全額支給
→ 一見お得だが、長時間労働が常態化している証拠かも

7. 残業代の手取り計算

残業代も他の給与と同様に税金・社会保険料がかかり、手取りは額面の約78〜83%になります。

💰 残業代の額面vs手取り

残業代 月3万円

→ 手取り 約2.4万円

⭐ 残業代 月5万円

→ 手取り 約4万円

残業代 月8万円

→ 手取り 約6.4万円

残業代 月10万円

→ 手取り 約8万円

📎 詳細な手取り計算:月給別 手取り計算早見表|新卒1年目から年収500万まで完全シミュレーション

8. 未払い残業代の請求方法と時効

サービス残業など未払い残業代がある場合、3年以内であれば請求可能です(2020年4月以降の労働分)。

📋 未払い残業代の請求ステップ

STEP1

証拠を集める

タイムカード・PC履歴・メール送信時刻・業務日報・交通系ICカード履歴など

STEP2

残業代を正確に計算

時間外1.25倍・深夜1.5倍・休日1.35倍を考慮して総額を算出

STEP3

会社に直接交渉 or 労基署に相談

まず会社へ書面で請求。応じない場合は労働基準監督署へ申告

STEP4

弁護士・労働組合に相談

解決しない場合は労働問題に詳しい弁護士へ。3年の時効に注意

9. 残業代から見るホワイト企業の特徴

🏆 残業代の扱いに見るホワイト企業

① 1分単位で残業代を計算

「15分未満切り捨て」は違法。1分単位の計算がホワイトの証

② みなし残業が月20時間以内

過度なみなし時間設定は長時間労働前提のブラック傾向

③ サービス残業を是正する制度がある

PC強制シャットダウン・残業申請制度の透明化

④ 平均残業時間が月20時間以下

業界平均より少なく、定時退社が普通

⑤ 残業時間の月次公開

経営陣・上司も残業時間を意識し、組織全体で削減に取り組む

📎 業界別残業時間:業界別 残業時間ランキング【ホワイト/ブラック判定付き】

10. 面接で残業代について質問する方法

💬 OK質問例

月の平均残業時間や繁忙期の状況について教えていただけますか?」

残業代の管理方法・計算単位について教えてください」

みなし残業手当の有無と、超過分の扱いについて教えてください」

11. 残業代に関するよくある質問Q&A(13問)

Q1. 残業代の基本的な計算式は?

時給 × 1.25倍 × 残業時間が基本。深夜(22:00〜5:00)は1.5倍、法定休日は1.35倍に上がります。

Q2. 月給25万円の残業代はいくら?

時給約1,420円(月所定労働時間176時間で計算)。1時間あたり残業代は約1,775円、月20時間残業で約35,500円です。

Q3. 残業代を計算する時の「時給」に含まれる手当は?

基本給と諸手当(役職手当・資格手当・職務手当等)が含まれます。家族手当・通勤手当・住宅手当・賞与は除外できます。

Q4. みなし残業時間を超えた分は支払われる?

必ず支払われる必要があります。みなし時間超過分を払わないのは違法。月45時間みなしで50時間働いたら、超過5時間分の残業代が別途必要です。

Q5. 月60時間超の残業代はどう変わる?

月60時間を超える部分は1.5倍に上がります。大企業は2010年から、中小企業も2023年4月から適用済み。過労死ラインに近いので、健康を最優先に。

Q6. 残業代の手取りはいくら?

額面の約78〜83%が手取り。残業代5万円なら手取り約4万円、10万円なら約8万円です。社会保険料・所得税がかかります。

Q7. サービス残業を強制された場合は?

明確な違法行為です。タイムカードやPCログ等の証拠を集めて労働基準監督署に申告できます。3年以内なら遡って請求可能です。

Q8. 「15分未満切り捨て」は合法?

違法です。残業代は1分単位で計算するのが原則。ただし「1ヶ月の残業時間合計で30分未満切り捨て」は許容されます(平準化のため)。

Q9. 管理職には残業代は出ない?

管理監督者」に該当する場合は出ません。ただし、肩書だけの「名ばかり管理職」には残業代支払いが必要。経営方針への関与・労働時間の裁量・地位に見合う待遇が判断基準です。

Q10. 持ち帰り残業の残業代は?

業務命令で行う持ち帰り残業も残業代の対象です。証拠(メール送信時刻・成果物等)を残しておくことが重要。

Q11. 残業代の時効は何年?

2020年4月以降の労働分は3年(将来的には5年に延長予定)。それ以前は2年。3年経つと遡って請求できなくなるので、未払い分は早めに対応しましょう。

Q12. 残業時間ゼロのホワイト企業はある?

あります。業界別・企業別で大きく差があるため、業界選びと企業選びが重要。詳しくは業界別 残業時間ランキングを参照してください。

Q13. ホワイト企業の残業時間の目安は?

20時間以下がホワイト企業の目安。月45時間超は過労死ラインに近づくため要警戒。ホワイト企業の特徴と合わせて確認しましょう。

まとめ

残業代の計算は「時給×1.25倍×残業時間」がベース。深夜・休日・月60時間超は割増率がさらに上がります。「みなし残業」の落とし穴には特に注意し、超過分が支払われない場合は違法。労働者の権利を守るためにも、正しい計算方法を理解しておきましょう。残業代の支払い実態は、ホワイト企業かどうかの重要な判断材料になります。

📌 この記事のまとめ

  • 残業代の基本式:時給×1.25倍×残業時間
  • 3つの割増率:時間外1.25・深夜1.5・休日1.35
  • 月60時間超の超過分は1.5倍に上がる(過労死ライン)
  • 月給制は「月給÷月所定労働時間」で時給を算出
  • 残業代の手取りは額面の約78〜83%
  • みなし残業の落とし穴5つ:基本給目減り・超過未払い・過剰時間・手当混同・常態長時間
  • 未払い残業代は3年以内なら請求可能(証拠を集めて労基署へ)
  • 「15分未満切り捨て」は違法。1分単位の計算が原則
  • ホワイト企業の残業代特徴:1分単位計算・適正みなし時間・是正制度・月20時間以下

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日本次世代企業普及機構 代表理事岩元 翔

東証1部上場企業の求人広告会社にて新卒・中途採用のコンサルティング業務を学び、その後ITベンチャー企業にて自社採用業務、教育業務に従事。2020年には一般財団法人日本次世代企業普及機構の代表理事に就任。これまでの経験、実績を活かし、経営者や従業員にとって道しるべとなる「ホワイト企業指標」を作り上げた。

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