みなさんは「さとり世代」という言葉をご存じでしょうか?
今の就職活動中の学生や新卒入社した若手社員は、この「さとり世代」と呼ばれることがあります。世代ごとの傾向を理解することは大切ですが、それだけで一人ひとりを判断するのではなく、個人としての価値観や背景にも目を向けることが重要です。
今回は、さとり世代の特徴を踏まえ、採用活動や人材育成に活かせるヒントをご紹介します。
◆ この記事でわかること
- 「さとり世代」が生まれた背景と年齢層
- ゆとり世代との違い
- さとり世代の特徴・働き方
- 採用・育成で活かせる付き合い方のポイント
「さとり世代」とは?
「さとり世代」が生まれた背景
「さとり世代」という言葉は、インターネット上の匿名掲示板サイトなどで生まれた言葉とされており、2013年の「新語・流行語大賞」にノミネートされ認知が広まりました。
不景気の中で生まれ育ち、インターネットやスマートフォンの普及によって情報に溢れた環境で過ごしてきた彼らは、現実社会の厳しさを身近に感じながら育ってきた世代です。その結果、「大きな夢を追うよりも、今の生活が安定していることが大切」という価値観を持つ人が多いと言われています。その姿が悟っているように見えることから「さとり世代」と呼ばれるようになりました。
「さとり世代」の年齢層は?
◆ さとり世代の目安
一般的には1990年代(1996〜2005年生まれ頃)が該当します。明確な定義はなく、「ゆとり世代」と重なる部分もありますが、「脱・ゆとり教育」を経験してきた世代を指す傾向があります。
「ゆとり世代」とは、2002〜2010年に実施されたゆとり教育を受けた1987〜2005年生まれの世代を指します。

「ゆとり世代」と「さとり世代」の違い
ゆとり世代とさとり世代は共通した特徴が多くあります。違いとしては、幼い頃から不景気が叫ばれ、上の世代のリストラ・転職・独立などの社会問題を目の当たりにしてきた点が挙げられます。将来への期待感が少なく、安定した生活を目指して物事を選択していくのが「さとり世代」の特徴です。
さとり世代の特徴・働き方・対応のポイント
このような背景で育ってきた「さとり世代」がどのような特徴を持ち、どのような働き方をしているのでしょうか。採用や育成における対応のヒントとして確認しておきましょう。
さとり世代の4つの特徴
① 非・ブランド志向
ブランド品への関心が薄く、実用性やコスパを重視します。インターネットと共に育っているため情報収集に長けており、口コミなどを参考にして自分に合う商品を選ぶ傾向があります。
② 好きなことへの出費は惜しまない
コスパ重視ではあっても、ゲーム・音楽・ファッションなど自分の好きなことにはお金を使い、他の部分を切り詰めるという消費スタイルを持っています。
③ デジタルネイティブである
小さいころから電子機器に親しんでおり、ITリテラシーが高いです。一方で、インターネットで「正解らしきもの」をすぐ見つけて満足してしまい、物事を深掘りする前に立ち止まってしまう傾向もあるといわれています。
④ 人当たりが良い
人との衝突を避け、人間関係をなるべく良好に保ちたいと考える傾向があります。周りの人に気を遣いながら、程よい距離感を保って生活しています。
さとり世代の3つの働き方の特徴
① 自己成長に意欲的
不況・リストラなどの問題を見聞きして育ったため、自身の市場価値を高めるためにスキルアップに意欲的な傾向があります。転職やキャリアチェンジへの抵抗も比較的少ないといわれています。
② プライベートを大切にする
会社への帰属意識が低く、プライベートを大切にしながら働きたいという考えの人が多いです。新入社員が会社の飲み会に消極的という傾向もここに起因しています。
③ 指示を忠実にこなす
指示を素直に受け止め、与えられた仕事をきちんとこなします。一方で、指示以上のことを自分の判断で追加することは少ない傾向があります。「自分の判断で動いて叱られるリスクを避けたい」という意識が働いているようです。
さとり世代と付き合っていく際の2つのポイント
ポイント① チーム間のつながりを深める
さとり世代は人間関係での面倒事を避け、社内の人々とも程々の距離感でいようとする傾向があります。チーム内でもコミュニケーションが疎かになってしまう可能性があるため、上長の方から働きかけて、話しやすい空気の醸成を図ることが大切です。
★ ポイント:面談の際は会社主導の形式にせず、社員を一個人として理解しようとする姿勢を持ちましょう。些細なことでも褒めて個人を認める言葉をかけることで、信頼関係が築けます。
ポイント② 明確な目標を提示する
「最終的にこうしてほしい」というざっくりした指示を投げかけると、どう進めれば良いか迷ってしまいがちです。精神論も効果的ではありません。
★ ポイント:具体的な手順と明確な目標を数値で提示しましょう。あらかじめ「改善案を考えて」と指示しておくことで、自主的な行動も促せます。着実な目標達成が達成感・自己肯定感を高め、モチベーション向上につながります。
まとめ:さとり世代に期待できること

他世代の人からするとギャップを感じてしまうさとり世代の若者たちですが、デジタルネイティブであり日々多くの情報を取捨選択している彼らは、非常に頭の回転が速く優秀な世代です。
「働き方改革」が叫ばれている昨今、効率やスキルアップを考えているさとり世代の新しい価値観を理解することは、会社全体の意識改革にもつながります。また、少子化が進み人材確保に悩む企業も多い中、さとり世代である若手社員の定着・戦力化は今後の企業の繁栄を考えるうえで避けられない問題です。
世代間のギャップがあるのは当たり前。新しい考え方を柔軟に取り入れて、お互いにとってベストな付き合い方を心がけていきましょう。
◆ この記事のまとめ
- さとり世代は一般的に1996〜2005年生まれ頃。不景気とデジタル環境の中で育った
- 非ブランド志向・デジタルネイティブ・人当たりが良いという特徴がある
- 自己成長に意欲的・プライベート重視・指示に忠実という働き方をする
- 付き合い方のポイントは「話しやすい環境づくり」と「明確な目標提示」
- ITリテラシーが高く働き方改革への貢献が大きく期待できる世代