近年よく目にするようになった「ミレニアル世代」、「Z世代」という言葉。いま就活に取り組んでいるのはまさにその世代。
この記事では、「ミレニアル世代」、「Z世代」と呼ばれる人々の定義や特徴、働く上での価値観、みなさんZ世代の人材が磨くべき個性についてついて解説していきます。
目次
明確な定義は決まっていませんが、おおよそ1980年~1994年ごろに生まれた人々を「ミレニアル世代」と呼びます。
「ミレニアル世代」は、主にアメリカにて「Y世代(Generation Y)」と呼ばれている世代と同義であり、その後の1995年以降に生まれた人々を「Z世代(Generation Z)」と呼びます。
「Y世代」「Z世代」という呼び名は、アメリカにて1960年~1974年生まれの人々を「X世代(Generation X)」と呼び始めたことがきっかけとなってつけられました。
日本では、「Y世代」と「Z世代」をまとめて「ミレニアル世代」と呼ぶこともありましたが、徐々にそれぞれが区別されて呼ばれることが定着していきました。
日本ではおおよそZ世代に該当する人々のことを「さとり世代」と呼ぶこともあります。
少子高齢化が進む日本においても、2025年には労働力の半数が「ミレニアル世代」、「Z世代」の人々で構成されるようになると予想され、彼らの特徴を知って、より良い関係を築くことは重要な事項です。
※さとり世代」について、詳しくは「さとり世代」とは?ゆとり世代とはどう違う?さとり世代の長所の活かし方」をご参考ください。
ミレニアル世代もZ世代も、インターネットなどのテクノロジーに慣れており、ソーシャルメディアに精通しているという特徴があります。
どちらの世代も、SNSを利用して多くの人とつながることに慣れていて、多様性を尊重する価値観を持つ人が多いです。これは特にZ世代に強くみられ、ファッションやライフスタイルに関して「自分らしさ」を大切にし、人それぞれに違いがあるということに寛容です。
ミレニアル世代は、テクノロジーの進化と共に過ごしてきたこともあり、物事に対する好奇心が強いともいわれています。
SNSに関して、ミレニアル世代では「mixi」「Facebook」など、ある程度みんなが同じサービスを利用していたのに対し、Z世代はSNSの利用がより活発で、「Twitter」「Instagram」「TikTok」など複数のサービスを使いこなし、アカウント自体もコミュニティによって複数持ちをして使い分けしています。
Z世代はより多くの人々とSNSでつながることで多方面から情報収集をしており、それと同時に、個人個人が発信力を持つ「インフルエンサー」になり得ます。オンタイムで意見交換をすることに意欲的であるというのも、Z世代の特徴です。
ミレニアル世代は、学生時代や新社会人である時期にテロや地震を経験していたり、労働問題が多く提起されたりしたことから、それ以前の世代よりも社会問題への関心が高い傾向にあります。
情報収集力により優れたZ世代も同じ傾向があり、また、社会貢献といった分野にも強い関心を持っています。
オンタイムで問題に対しての意見交換を行うことに対しても意欲的であるといわれています。
金銭面に関しては、将来の不安からどちらの世代も保守的です。
高級ブランドの商品であるかどうかよりも本質を重視し、より実用的でコストパフォーマンスが優れている物を選択する傾向にあります。
特にZ世代は、インターネットから様々な知識を得ることができる分、オンライン化できない体験・サービスなどの「コト」に消費する傾向があります。
では、ミレニアル世代やZ世代は、働く上でどのような価値観を持っているのでしょうか。5つの価値観を紹介していきます。
ミレニアル世代やZ世代は、働くことと私生活の充実のバランスを大切にします。
近年は、リモートワークやワーケーションなど、プライベートの領域に仕事を融合させるような働き方をする人も増えています。
今後労働する年数が長くなっていくことを見据えて、長期的な視点で仕事や自身のキャリアを見据えており、それまでの世代と比べると、休暇を取得してプライベートも充実させるという考えを持つ人が多いです。
将来に不安を持ちながら過ごしているミレニアル世代・Z世代は、働く上での選択においても、安定性があるかを重視する傾向にあります。
業務に対しての責任感が強く、確実で堅実な働きをしたいという考えから慎重に動きます。
働き方改革により、副業やリモートワークといった多様な働き方が身近になっていることで、それぞれの事情や希望に合わせた働き方に対する抵抗があまりありません。
ひとつの会社で年功序列に乗っかっていくという、従来日本企業で一般的であった価値観は、彼らの中では必ずしも理想ではなく、転職することに対するハードルも低い傾向にあります。
将来への不安を抱えながら生きている世代であるため、自分自身の市場価値を高めることや、自分のなりたい姿に近づくことに意欲的です。
スキルを身につけるための勉強に時間を惜しまず、自分の理想を追い求めます。
現在働いている会社では自分のキャリア形成ができないと感じれば、転職や退職をして自分の中での理想のキャリアを追求します。
これは特にSNSの利用が活発なZ世代の人々に見られる傾向で、会社や上司といった相手に対してもオープンなコミュニケーションを求めている傾向があります。
わからないことはすぐに検索して解決してきた環境で育ったため、気軽に疑問点を確認し、解決できるオープンな関係を整えることが大切です。
また、公平性や合理性という価値観を大切にしているため、根拠のない言葉や納得のいかない評価を受けることに対する不満感が高いです。
では、これから新卒採用や第二新卒採用に取り組むみなさんの就活においての個性の活かし方について説明します。
Z世代の人々は「自分らしさ」を大切にしていますので、自分が持っている仕事観と共感できる企業であるかが就職においても大切になります。
就職活動にて、企業理念をはっきりと打ち出してアピールしている企業でないと、「自分らしさ」と合致しているかどうかの判断が難しくなってしまいます。
当然自分のキャリアアップや自己実現に意欲的な方が多いのも特徴ですので、理念がきちんと発信されているか、それにならって事業が展開されているか、共感できるか、という点で企業選びを行ってください。
デジタルネイティブと言われるZ世代の皆さんは、日ごろからSNSを用いての情報収集を行っていると思います。
TwitterやInstagramなど複数のSNSで、企業の魅力や実績をしっかりPRできている会社であれば、Z世代の皆さんにとって身近な企業であると感じるのではないでしょうか。
SNSきちんと運用することができている企業は、当然多くの人の目に留まっています。そのように最近のトレンドにしっかり向き合う会社はZ世代にも理解が深い企業といえるでしょう。
Z世代の皆さんは大手新卒就活ナビサイトや企業HPから得る文字の情報だけでなく、YouTubeなどの動画サイトからも積極的に情報収集をしていると思います。
「就活系YouTuber」と呼ばれる人々の就活ノウハウを動画を参考にしたり、企業がチャンネルにて自社の様子や従業員インタビューなどのコンテンツを確認したりなどそんな就活も当たり前になってきています。
Z世代にとって馴染みのある動画コンテンツでの発信している企業は、Z世代の情報収集に目線を合わせているため、よりZ世代を理解しようする意思のある企業であるといえます。
求職者が企業を比較する上でも、動画コンテンツはわかりやすく、何度も見返すことができるために受け入れられやすいです。
「ミレニアル世代」「Z世代」と一括りにしていますが、当然その中でも様々な個性が存在ます。しかしながら、世代によって考え方や生活習慣は確かに違いがあるのが事実となっています。皆さん自身もそれぞれの世代の特徴を理解し、各々の価値観を認めていきながら、そのうえで、「自分らしさ」がしっかり発揮できる企業を選ぶのもいいのではないでしょうか