就職活動を始めたみなさんが、最初に向き合うことになるES(エントリーシート)
「文章を書くのが苦手なんだけどESとかむり…」「受かるESってどうやって書くの?」
というみなさんに、書き方のコツをご紹介します。
ESの基本の書き方をマスターして、選考突破を目指しましょう!
目次
エントリーシート(以下、ES)とは、志望企業に提出する応募書類の1つです。
フォーマットは企業によって異なり、採用担当者はESに記載された内容をもとに書類選考や面接を行います。
つまりESは、選考の第一段階となる大事な書類です。
ESで企業が見るポイントは、「自社で活躍できる人材かどうか」と「どれくらい熱意があるか」です。
たとえ優秀な知識やスキルを持っていても、企業が求める人材にマッチしなければ採用してもらえません。
また、なんとなく志望している人よりも、ES上でも「絶対にこの会社に入社したい!」という熱い想いを持っている人の方が好まれます。
働くモチベーションや会社への定着率が高いと思われるからです。
そのためにも、まずは企業研究や自己分析をしっかり行い、その企業には自分のどの強みが適しているかを意識しながら1社1社最適なESを作る必要があります。
与えられた質問には、まず結論から答えましょう。
採用担当者は大量のESを読まなければならないので、「結局何が言いたいのか」がすぐ分かる文章構成にすることがポイントです。
分かりやすい文章を作成する方法として「PREP(プレップ)法」というものがあります。
① Point → 最初に「結論」を言う
② Reason → その「理由」を述べる
③ Example → 「具体例」を出す
④ Point → もう一度「結論」を言う
この4つを順番に気を付けてESの構成にすることで要点を分かりやすく伝えることができるので、ぜひ活用してみてください。
PREP法を使ったES例文
【結論】
私は日記を書くことが好きです。
【理由】
なぜなら、日記を書くと自分の気持ちが整理できるからです。
【具体例1】
その日の出来事や感じたことを言語化すると、自分の行動や思考が客観視できます。
【具体例2】
また、ポジティブな出来事を書いておくと、読み返した時に前向きな気持ちになれるのです。
【結論】
だから、私は日記を書くことが好きです。
大量のESの中から「この学生に会ってみたい!」と思わせるためには、オリジナリティのある内容のESにすることが大切です。
ESを見ている面接官は相当数ESをチェックしていますから、テンプレかどうかはすぐに見抜かれます。自分にしか書けないエピソードをESに盛り込むことで、文章にオリジナリティを持たせましょう。
さらに具体的な結果や成果、評価を添えるとES全体の説得力も高まります。
ただし、エピソードの盛り込みすぎは一つ一つの内容が薄くなるので逆効果になりますので要注意です。
ESは「一つのエピソードを深くこと」がポイントです。
採用担当者は、「自社で活躍できる人材かどうか」を見ています。
ESでは、自分の強みを伝えると同時に、入社後自分がどんな活躍ができるかをイメージさせることが大切です。
どの質問にも「自分が役立つ人材だと思わせるためにはどう答えるべきか」を意識するようにしましょう。例えば、長所を聞かれた時の回答例をご覧ください。
長所のES文章例
私の長所は、相手の気持ちを汲み取り、誠実な対応ができるところです。
アパレル店でアルバイトをしていた時、お客様から「サイズが違っていた」とクレームがありました。私は詳しく経緯を伺ったうえで不快な思いをさせてしまったことを謝罪し、今後はサイズや色などの確認を徹底することを約束して商品の交換対応を行いました。
最初は興奮されていたお客様も、誠意を持ってお話しするうちに徐々に落ち着き、お帰りの際には「ありがとう」というお言葉までくださりました。その後も、定期的にお送りするダイレクトメールには必ず手書きのメッセージを添えることを心掛け、今では常連になっていただいております。
貴社でも相手の要望に応える誠実な対応を心掛け、お客様の信頼を獲得していきたいと考えています。
このように、ただ強みを伝えるだけでなく、入社後のイメージが持てるような文で締めくくると効果的です。
上記のポイントを押さえたうえで、ESにおいて最頻出と言われる「自己PR」「志望動機」「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」の書き方の手順をご紹介します。
Step1 自分の強みを書く
∟まずは結論を端的に伝えましょう。
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Step2 強みを発揮したエピソードを書く
∟数字を用いるなどして説得力を高めましょう。
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Step3 その強みを仕事でどう生かせるかを書く
∟会社にどう貢献できるかを伝えましょう。
自己PRのES例文
私の強みは、成果を出すために努力を惜しまないことです。
4年間続けた塾講師のアルバイトでは、教える中で生徒一人ひとり習得の仕方が異なることに気付きました。文章ではなく図や絵を用いて理解する子、ひたすら書いて覚える子、人に話すことでて定着する子など、さまざまな生徒がいます。私は一人ひとりの性格や得意不得意を分析し、生徒ごとに指導法を考え実践しました。
また、授業の冒頭で「今日学ぶこと」を簡潔に伝え、その日の学習ポイントをすぐに把握できるよう工夫しました。
その結果、昨年は担当していた生徒5名が全員志望校に合格することができました。
このように、私は成果を出すために努力を惜しまず行動することができます。
貴社でもこの強みを生かし、現状に満足せず常に物事の改善に努めたいと思います。
Step1 その企業のどこに魅力を感じているのかを書く
∟「なぜこの業界なのか」ではなく『なぜこの企業なのか』を伝えましょう。
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Step2 なぜそう思うのか理由を書く
∟自分の価値観や強みを交えてオリジナリティを持たせましょう。
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Step3 入社後どんな仕事がしたいか、どんな活躍ができるかを書く
∟仕事に対する熱意や心構えを伝えましょう。
志望動機のES例文
私が貴社を志望する理由は、数ある旅行会社の中でも貴社は人気の観光地だけでなく地元に特化したツアーも企画されているからです。
私も貴社同様、この地域で生まれ育ちました。そして高校生の時に経験した海外留学で初めて日本の素晴らしさを実感し、同時にその素晴らしさを多くの方に知ってもらいたいと思うようになりました。大学では、日本の歴史や文化などの教養を深めるべく日本文化を専攻しました。
この地域には、伝統的な文化や芸術などたくさんの魅力があります。貴社はその魅力を多くの方に伝えるために独自のツアーを企画されており、それが私の生涯かけてやりたい仕事と合致していると感じ志望いたしました。
これまで培った経験と知識を、ぜひ貴社で生かしたいと考えております。
Step1 何に取り組んだのかを書く
∟まずは結論を端的に伝えましょう。
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Step2 なぜそれに取り組んだのかを書く
∟どういう思いで取り組んだのか、背景を伝えましょう。
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Step3 どんな目標を掲げ、どんな苦労があったのかを書く
∟数値などを用いてイメージしやすくしましょう。
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Step4 目標達成のために何をしたのか、どのように苦労を乗り越えたのかを書く
∟ガクチカにおいて最も重視される箇所です。結果を出すために、どう考えどんな行動をとったか具体的に伝えましょう。
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Step5 その結果どうなったのかを書く
∟具体的な数値や実績をアピールし、説得力を高めましょう。
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Step6 その経験から何を学び、社会でどのように生かすのかを書く
∟この経験や学びを、入社後どう生かしていくかを伝えましょう。
学生時代に力を入れたことのES例文
私が学生時代に最も力を入れたことは、バドミントン部での活動です。
姉がバドミントン部に所属していた影響もあり中学校では迷わずバドミントン部に入部し、以来10年間バドミントン活動を続けています。大学では、部長としても活躍しています。
私が所属しているバドミントン部には、部員が30名います。しかしその半数近くが未経験のため、団体戦では一回戦で負けることが当たり前の状況でした。
しかし、負けず嫌いの私は「県大会の団体戦で、ベスト4までに入る」ことを目標に、チームの練習法を見直し日々トレーニングに励みました。
具体的には、筋肉トレーニングによる基礎体力の向上、ノック練習による基礎の定着、チーム内での練習試合です。決して楽な練習法ではないので、部員が挫折しないようなるべく練習試合を多く行い、皆の「負けたくない」という意識を高める工夫をしました。
結果、途中で挫折する部員は0名、さらに秋に行われた県大会では3位入賞を果たすことができました。
貴社でも、持ち前のリーダーシップや問題解決能力を生かし、小さな課題も見逃さず改善に努め、質の高い仕事をしたいと考えています。
ES(エントリーシート)は、書類選考から最終面接まで使われる、言わば「就活の基盤」となるものです。
自分の人生を振り返ったり棚卸する作業にはとてもパワーがいりますが、基盤さえしっかり作っておけば選考突破の可能性が格段に上がります。
今回ご紹介したES作成のコツやポイントを参考に、印象に残るESを作成してみてください!
※ES(エントリーシート)を作成するには自己分析も大切!ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。
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