OB/OG訪問とは?就活に役立つ理由や事前準備・進め方

2025.05.12

「OB/OG訪問」は、企業の公式情報だけでは把握しきれない職場の雰囲気や働き方、実務の実態を、現場で活躍する先輩社員から直接話を聞ける貴重な機会です。

 

今回は、OB/OG訪問とは何かを改めて確認するとともに、就活における意義や得られるメリット、訪問前の準備、当日の進め方、注意点に至るまで、具体的に解説します。

OB/OG訪問とは

 

OB/OG訪問とは、自分が興味を持っている業界や企業で実際に働いている先輩社員に話を聞くことです。就職活動中の学生が、働く現場でどのような業務が行われているのか、職場の雰囲気はどのようなものかといった実情を知ることができます。

OB/OG訪問をするメリット

 

実際に働いている社員の声を聞けるという点に加え、就職活動における視野を広げ、効果的な対策を立てる助けとなることも、OB/OG訪問の大きな魅力です。ここでは、そのメリットについて紹介します。

実際に働いている方の生の声が聞ける

OB/OG訪問のメリットは、現場で働く社員のリアルな声に触れられることです。業界全体の動向や仕事内容、職種の特性などについて、実体験に基づく話を聞くことができ、自分の理解を深められます。

 

さらに、その会社ならではの価値観や文化、人間関係なども見えてくるため、入社後のギャップを未然に防ぎやすくなります。

 

また、先輩社員のキャリアの歩みや考え方に触れることで、自分の今後のキャリアイメージを描くヒントを得られるでしょう。

社員からの評価によっては選考に良い影響が出る

OB/OG訪問は単なる情報収集の場ではなく、企業と学生の信頼関係を築く機会としても機能します。訪問した際に、受け答えや態度が好印象であれば、その情報が人事や採用担当者に伝わるケースも少なくありません。

 

企業側にとっても、優秀な学生を早期に発見できる貴重な接点であり、訪問で得た評価が選考時に有利に働く可能性があります。

面接・エントリーシートの内容を考えるのに役立つ

訪問を通して得た情報は、具体的な志望動機や自己PRを考える際の材料です。社員が語った仕事内容や、感じているやりがいなどを自分の言葉に落とし込むことで、よりリアリティのあるエントリーシートや面接回答を作成できるようになるでしょう。

 

採用担当者にとっても「なぜこの企業なのか」という納得感のある志望理由は魅力的に映ります。

面接の練習になる

社会人と一対一で話す経験は、それ自体が面接の練習になります。自己紹介や質問の投げかけ方、会話の流れなど、実践的なスキルを自然と身につけることができるのです。

 

た、緊張感を伴う場に慣れておくことで、本番の面接でも落ち着いて対応できるでしょう。

OB/OG訪問を探す方法

 

OB/OG訪問を実現するためには、訪問先となる先輩社員をどう探すかが重要なポイントです。身近なつながりから公式な制度まで、探し方にはさまざまな手段があります。ここでは、代表的な方法とそれぞれの特徴について紹介します。

大学の先輩

もっとも実践しやすいのが、ゼミやサークル活動などでつながりのある先輩を頼って探す方法です。自分の先輩や、その知人にあたる社会人であれば、共通のバックグラウンドをもとに信頼関係が築きやすく、給与事情や残業の実態といった本音ベースの情報も聞きやすいでしょう。

 

気軽に話を聞けるため、初めてOB/OG訪問を行う方にも向いています。

大学のキャリアセンター

多くの大学では、キャリアセンターがOB/OG訪問のサポートを行っています。大学によっては訪問実績や企業ごとのリストを管理しており、適切な候補者を紹介してもらえる場合があります。

 

ただし、個人情報保護の観点から連絡先は教えてもらえないこともあるため、必ずしも希望する企業のOB/OGが見つかるとは限りません。

企業説明会・イベント

 

就職活動中に参加する企業説明会や合同説明会などのイベントも、OB/OGと出会う貴重な機会です。会場では企業の現役社員と直接話せる場面が多く、そこで名刺交換をした相手にOB/OG訪問を相談できます。自分から積極的に声をかけることで、より多くの訪問先候補が見つかるでしょう。

 

この方法の魅力は、OB・OG訪問のために新たにWebサービスを利用する手間が省けることです。企業説明会や就職活動イベントの合間に、軽く挨拶を交わすだけで、自然とOB・OGとのつながりが生まれます。

企業の人事

志望企業の人事部に直接問い合わせる方法もあります。企業によっては、就活生の問い合わせに応じてOB/OGを紹介してくれるため、スムーズに訪問先が見つかることもあるでしょう。

 

ただし、すべての企業が対応しているわけではなく、OB/OG訪問自体を行っていない企業も存在します。まずは企業の公式サイトなどで、対応可否を確認した上で連絡するのがマナーです。

マ ッチングサービス

近年は、OB/OG訪問に特化したマッチングサービスやアプリの活用も増えています。事前にOB/OGが「訪問を受け入れる意思」をもって登録しているため、話を聞いてもらえる可能性が高く、マッチングまでがスムーズです。

OB/OG訪問の事前準備

OB/OG訪問を成功させるには、ただ訪問するだけでは不十分です。限られた時間のなかで、どれだけ密度の高い情報を引き出せるかは、事前準備にかかっているのです。

 

訪問前に情報収集や質問内容の整理をしておくことで、会話の質が向上し、自分の将来像を描くためのヒントをより多く得られるようになります。

 

訪問前に取り組むべき準備のポイントについて解説します。

業界・企業の分析を行う

最初に取り組むべきは、訪問先となる企業やその業界に関する情報収集です。業界全体の構造やトレンドを把握しておくことで、企業の立ち位置や競合との差別化のポイントがみえてきます。

 

企業研究では、ホームページやニュースリリース、採用情報などを丁寧に読み込み、自分なりの視点で「この企業ならでは」と思える特徴を探すことが大切です。

 

もし企業のことを十分に理解せずに訪問すれば、相手に対する敬意を欠いた印象を与えてしまう可能性があります。また、事前に調べているからこそ自然に生まれる疑問が、深い質問につながるでしょう。

質問を考える

会話を実りあるものにするには、あらかじめ質問を整理しておくことが欠かせません。単に質問をリスト化するのではなく、自分が何を知りたいのか、どのような答えを得たいのかを明確にした上で構成することが大切です。

 

業務内容やキャリアパス、職場の雰囲気など、自分の志望動機や将来像と結びつけて考えられるような質問を意識すると、会話に深みが出ます。

 

抽象的な質問や、調べればわかるような内容ばかりだと、せっかくの機会を活かしきれないことになるので、注意しましょう。

OB/OG訪問の進め方

 

OB/OG訪問の依頼から当日の振る舞い、終了後の対応まで、スムーズに進行するための流れを紹介します。

1.アポイントを取る

OB/OG訪問はまず、相手にアポイントを取るところから始まります。基本的にはメールが一般的ですが、電話番号しか分からない場合には、電話での依頼も検討しましょう。

 

メールを送る際には、件名・本文ともに内容がわかりやすく、丁寧で誠実な文面を心がけましょう。電話をかける場合は、始業直後や終業直前など、相手が忙しいと予想される時間帯を避ける配慮が必要です。

 

ここでは、メールで連絡する場合の、依頼メールの例を紹介します。

 

【例文】

 

【件名】OB訪問のご相談(■■大学・田中太郎)
【本文】
株式会社△△
マーケティング本部 ブランド戦略部
〇〇 〇〇 様

 

はじめまして。突然のご連絡、失礼いたします。
■■大学 文学部 メディアコミュニケーション学科に在籍しております田中太郎と申します。

 

このたび、大学の卒業生紹介冊子で〇〇様のお名前と現在のお仕事を拝見し、ご連絡を差し上げました。

 

私は現在、広告・マーケティング業界を中心に就職活動を進めており、なかでも生活者の「気持ちの動き」を捉えるブランディングに強い関心を持っております。

 

貴社のプロジェクトを拝見し、商品やサービスの本質をみつめ直す姿勢や、生活者との距離を縮める取り組みに深く感銘を受けました。

 

現場でご活躍されている先輩として、〇〇様がどのようにブランドと向き合っておられるのか、ぜひ直接お話を伺いたく存じます。

 

ご多忙のところ大変恐縮ですが、もし30分ほどお時間を頂戴できるようでしたら、4月22日(月)〜5月1日(水)の平日午後のうち、〇〇様のご都合のよい日時をお知らせいただけますと幸いです。

 

なお、上記期間での調整が難しい場合は、ご都合のよい日時をご提示いただけますと幸いです。

 

突然のお願いでご負担をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

――――――――――――――――
田中太郎
■■大学 文学部 メディアコミュニケーション学科 3年
TEL:080-1234-5678
Mail:xxxxx@xx.ac.jp

2 .質問リスト・リマインドメールを送付する

アポイントが確定したら、訪問の1週間前から数日前の間に、当日伺いたい内容を簡潔にまとめた「質問リスト」を送付しましょう。相手も準備がしやすくなり、会話がより深まります。また、前日にはリマインドとして日時や場所を再確認するメールを送ると丁寧です。

 

下記で、メールの例を紹介します。

 

【例文】

 

【件名】OB訪問当日のご質問事項について(◆◆大学 佐藤太一)
【本文】
◇◇株式会社 クリエイティブ戦略部
〇〇 〇〇 様

 

お世話になっております。
◆◆大学 経営情報学部 ビジネスデザイン学科に在籍しております、△△太一と申します。

 

このたびは、ご多忙の中、OB訪問のお時間をいただき、誠にありがとうございます。
せっかくお時間をいただくので、当日のご面談がより有意義なものとなるよう、事前にお伺いしたい内容を共有させていただきます。

 

・□□様が現在の職種に就かれたきっかけや、やりがいを感じる場面について
・業界全体の変化のなかで、御社が大切にされている考え方や価値観について
・新卒として入社した際に、意識しておくと良いことについて

 

お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

――――――――――――――――
◆◆大学 経営情報学部 ビジネスデザイン学科
佐藤 太一
TEL:080-1234-5678
Mail:xxxxx@xx.ac.jp

【例文】

 

【件名】明日のOB訪問についてのご連絡(◇◇大学 田中優希)

【本文】
■■株式会社 営業戦略部
〇〇 〇〇 様

 

お世話になっております。
◇◇大学 経済学部 経営学科に在学中の田中優希と申します。

 

このたびはご多忙のなか、OB訪問のお時間をいただきありがとうございます。
明日は予定通り、15:00に〇〇カフェ(新宿駅東口店)でお待ちしております。

 

改めて、明日お会いできることを楽しみにしております。
どうぞよろしくお願いいたします。

――――――――――――――――
◇◇大学 経済学部 経営学科 3年
田中 優希
TEL:080-1234-5678
Mail:xxxxx@xx.ac.jp

3 .訪問する

 

訪問当日は、時間に余裕をもって行動することが大切です。

 

対面の場合であれば、待ち合わせ場所には10分程度早めに到着するよう心がけましょう。

 

オンラインでの面談の場合も、少なくとも5分前には入室しておくとスマートな印象を与えられます。

 

訪問時にはまず明るくはっきりと自己紹介することで、好印象を与えることができます。事前に用意した質問リストに沿って会話を進めると、緊張せずスムーズに進められるでしょう。

 

その際、メモを取りながら話を聞くことに加え、適度なタイミングで相槌やリアクションを取ることも大切です。会話が一方通行にならないよう、対話のキャッチボールを意識すると、より深い話が引き出せるでしょう。

4 .お礼の連絡をする

OB/OG訪問が終わったら、1時間以内を目安にお礼メールを送りましょう。感謝の気持ちだけでなく、印象に残った話や、得た学びを書き添えると、丁寧さが伝わります。

 

下記にお礼メールの一例を紹介します。

 

【例文】

 

【件名】OB訪問の御礼(◯◯大学 高橋太郎)
【本文】
◆◆株式会社 企画開発部
〇〇 〇〇 様

 

お世話になっております。
◯◯大学 国際社会学部 グローバル政策学科に在学中の高橋太郎です。

 

本日はご多用のところ、OB訪問の機会をいただき誠にありがとうございました。

直接お話を伺うことができ、□□様の言葉一つひとつが自分の進路選択に深く響き、貴社で挑戦してみたいという気持ちがより明確になりました。

 

なかでも、「新規事業は立ち上げて終わりではなく、走らせ続ける力が問われる」というお話には、仕事に対する覚悟と責任感の重要性を実感し、大変印象に残っております。

 

本日伺ったお話をもとに、今後の企業研究や自己分析にもさらに力を入れて取り組んでまいります。今後またご相談させていただく機会があるかもしれませんが、その際にはどうぞよろしくお願いいたします。

 

改めまして、貴重なお時間とご経験を共有いただきましたことに、心より御礼申し上げます。

 

引き続き、何卒よろしくお願いいたします。

――――――――――――――――
◯◯大学 国際社会学部 グローバル政策学科
高橋太郎
TEL:080-1234-5678
Mail:xxxxx@xx.ac.jp

OB/OG訪問をする際の注意点

 

OB/OG訪問は、社会人との貴重な接点であると同時に、自身の礼儀や姿勢がみられる場でもあります。失礼のないようにするためには、マナーや心構え、万が一の事態への備えが欠かせません。ここでは、訪問を行う際に意識しておきたい注意点について解説します。

マナーに注意する

OB/OG訪問では、次のようなマナーに注意しましょう。

 

◆服装はスーツが好ましい

OB/OG訪問では、第一印象がその後の会話の雰囲気に大きく影響することがあります。服装は基本的にスーツが無難です。清潔感があるすっきりとした装いを心がけましょう。

 

◆時間厳守を徹底する

訪問先へは約束の時間よりも少し早めに到着するのが理想です。電車の遅延や道に迷う可能性も想定して余裕を持って行動しましょう。

 

◆挨拶をしっかりする

挨拶は社会人としての基本的なマナーです。明るくはきはきと自分の名前を伝え、感謝の意を示すことで、誠実な印象を与えることができます。

 

◆名刺を正しく受け取る

名刺をいただく際には、受け取り方にも注意しましょう。両手で丁寧に受け取り、相手の目を見てお礼を伝えることで、ビジネスマナーを理解していることを示せます。受け取った名刺はすぐにはしまわず、机の上に置いておきましょう。

 

◆メモを取る

会話中はしっかりと相手の話に耳を傾けるとともに、必要な内容はメモを取りながら聞くことが大切です。記録を残すことで振り返りにも役立ち、真剣に話を聞いているという姿勢も伝わります。

就活ハラスメントに注意する

OB/OG訪問は学生にとって有意義な機会ですが、残念ながらすべてが安心できる場とは限りません。特に、SNSや友人経由など、個人ルートでアポイントを取った場合には、十分な注意が必要です。

 

訪問はできる限り、カフェや会社の会議室など、人目があるオープンな場所を選びましょう。夜間や個室、アルコールを飲みながらの面談などは避けるべきです。

 

もし訪問中に違和感のある発言や行動、不適切だと感じる対応を受けた場合には、その場で無理に対応しようとせず、速やかに大学のキャリアセンターや信頼できる大人に相談してください。

 

安心して有意義な訪問ができるよう、自分の安全を守る意識も持ちましょう。

まとめ

OB/OG訪問は、単なる企業情報の収集にとどまらず、自分の価値観やキャリアビジョンをみつめ直す貴重な機会です。現場で働く先輩の話を聞くことで、企業理解が深まるだけでなく、志望理由や自己PRに説得力を持たせることにもつながります。

 

ただし、限られた時間のなかで有意義な対話をするためには、事前準備やマナー、そして適切な姿勢が不可欠です。本記事で紹介したポイントを意識しながら、一歩ずつ自信をもって行動してみてください。

 

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