目次
新卒採用の就職活動は、学生と企業、両方から見ても長期戦になります。
全体概要を把握していない状況で、進めていくのは非常に危険なため「いつ」「何を」「どのように」実施すべきか等の要点を押さえて、少しずつ準備していきましょう。
2023年卒と2024年卒の、基本的な就活スケジュールは維持の見込みですが、採用直結型インターンや早期選考など、選考プロセスの多様化/複雑化が進む可能性があります。
政府推奨の就職活動スケジュール、就活ルールはあくまで目安であって、実際はこちらの就活スケジュールに沿った新卒採用活動を行う企業ばかりではありません。
現在でも学部3年/修士1年の夏以降に内定直結型インターンシップを行う企業や、就活ルールで決められた翌年6月以前に本選考を実施して早々に内々定を出している企業なども中にはあります。
特にここ数年は、新卒採用企業の早期選考がさらに進んでおり、2022卒の就職活動では通常スケジュールでの選考解禁が6月からですが、5月末までに就活生が内定を承諾している状況もあります。
また、一部企業では「通年採用(一年を通して常にエントリー受付・選考を実施する方法)」の動きもあります。そのため、学部3年/修士1年の4月からエントリー可能となっている企業も増えています。基本スケジュールにとらわれ過ぎず、早期から周りの人とも相談しながら情報収集に臨むことが必要不可欠といえるでしょう。
≪2024卒 就活スケジュールの見通し/大まかな流れ≫
「2022年4月~6月」
・サマーインターンシップ情報公開がスタート。
・2024卒向け就職・インターンシップ情報サイトが一部オープン。
・24卒対象の就活イベント・セミナーなども開催。
※エントリー締切が早い企業は4~5月で締め切ってしまう内容もあるので要注意。
・理系ナビ2024(24卒対象)など一部の就活サイト・企業は
2022年4月から24卒向けサマーインターンシップ情報を公開予定。
・マイナビ2024やリクナビ2024といった大手就活サイトは例年6月1日にグランドオープンし、
本格的にインターンシップの情報を公開開始。
(4月から一部情報閲覧や就活サービスが使える場合もあります)
「2022年7月~9月」
サマーインターンシップ参加。
年間通じて夏季は最も多くインターンシップが実施される。
選考直結型のインターンシップもあるので要注意。
「2022年10月以降」
秋季~冬季インターンシップ実施。
一部企業で24卒新卒採用情報の公開や早期選考が始まる。
「2022年12月以降」
12月初旬頃から学校推薦の説明会や情報公開が始まる大学が出始める。
業界・企業によって違いはあるものの2月~3月頃はエントリーシートの提出締切や会社説明会開催のピークとなり多忙な時期が続く。
「2023年3月~5月」
就活ルールに則った大手企業群の採用情報が本格公開。
エントリーシート受付や会社説明会、合同説明会の開催も増加。一部企業では内々定出しが始まる。
「2023年6月」
採用選考(面接や筆記試験など)が本格化し、随時内々定出し。
学科/学校推薦の応募受付もこの時期(5~7月頃)に実施する大学が多い。
(引用元:https://rikeinavi.com/guide/careerguide_24schedule/https://job.mynavi.jp/conts/2020/schedule/)
就職活動は大学3回生の夏前からスタートさせましょう。
まずは「自己分析」から行います。
なぜ、この時期に自己分析から始める必要があるのか、その理由は、“自分に合った企業を探していくために、ある程度「軸」を定めておかないと、就活を進めることができない”からです。
この方向性が定まっていないと手当たり次第で就活をしていくこととなり、とても効率が悪いですし、それでは自分に合った企業にも出会えません。
この方向性は「自分」について理解することで定めることができますので、まずは自己分析から「自分」についての理解を深め、自分に合った企業を探すための方向性を定めていきましょう。
上記より、自分の中での方向性を定めるためもまずは「自己分析」から行っていきましょう。自己分析から自分という人間を理解し、自分の強みや長所、人柄などが活きる仕事は何かを探し出すことで、「自分に合った企業」を見つけやすくなります。
自己分析は、これまでの経験を「自分史」として書き出したり、自己分析ツール、本など様々な方法から行う事が可能ですので、自分を掘り下げやすい方法から分析を行ってください。
また自己分析をする際は、“客観的”に自分を見ることが大切です。主観的に自分を見ようとすると、つい自分のいいようにしか結果を出そうとしなかったり、自分と相手とのとらえ方が異なったりする場合がありますので、客観的な見方はとても大切です。
そのため、他人から客観的な意見をもらえる「他己分析」もとても効果的です。周りから見た自分はどのような人間なのかを知るためにも、他者に分析をお願いしましょう。
自己分析の次は「業界研究」です。自己分析からある程度自分の進みたい方向性が定まってきたと思うので、それらに当てはまる業界についての研究を行っていきましょう。
また、自分の興味のある業界などもあれば、それらも合わせて研究していきます。
業界研究は、自分に合った業界なのかを見極め、ミスマッチを防ぐのを目的に行います。何度もいうように、就活では自分に合った企業を探すことが大切ですので、これらを見極めらえる業界研究は就活において欠かせない作業の1つです。
業界研究ではまず、「業界全体を広く浅く把握」していきます。自分の気になる業界の特徴は何か、他の業界と比べてどう違うのかなど、ざっくりと業界全体を把握していきます。ポイントは、広い視野から業界の全体像を把握することです。
次に、それぞれの業界内の事情を狭く深く調べていきます。どのような働き方をするのか、取り扱っているサービス(商品)と顧客対象はどこか、業界の成長性や安全性、社会性や国際性などを中心に、詳しくチェックしていきましょう。
これらの業界は就活を進めていくための方向性として大きな道筋となりますので、はじめから間違った道に進んでしまわぬよう、その業界と自分との相性を図りながら研究を行っていきましょう。
大学3回生の夏に開催される「サマーインターン」には参加必須です。
インターンシップは業界や企業に初めて触れる機会となりますので、就活を本格的にスタートしていくきっかけとなります。
インターンシップは、自分が目指したいと思える業界・企業探しにも役立ちますし、ある程度方向性が定まっている場合には「本当に自分に合っているのか」を確認するのに最適な手段となります。
また、インターンシップは実務が経験できるということで、「働く」ということがどんなものなのかを知ることができますし、「思っていたのと違った」という事態も防ぐこともできるため、就活において重宝される大事なイベントです。
イメージだけで仕事を選ぶにはあまりにもリスクが高いですし、インターンシップ参加には様々なメリットもありますので、必ず参加するようにしましょう。
インターンシップや業界研究、テレビやニュースなどから気になった企業を見つけたら、その企業について研究をしていきましょう。企業研究は、その企業が自分に合っているかを見極めるために行う重要な作業です。
また、就活を進めていくうえで、どのような企業を受けていくのかの指針を定める必要があり、企業研究はそんな指数を定めることができる作業であることから、就活において重要だとされています。
そんな企業研究では、「自分が大事にしたいと思う働き方や条件などが満たされているかどうか」、「自分の考えとマッチするかどうか」、そして「将来のキャリアプランを実現できる企業かどうか」を意識して研究を行ってください。
企業研究はもちろん、業界研究や自己分析は就活をしていく中で何度も繰り返し行う必要のある作業です。はじめは夏のインターンをベースに行い、就活を進めていく中で気になる企業や業界があれば、その都度研究を行っていきましょう。
OB/OG訪問も大学3年の夏頃を目安に、早くから行いましょう。早くから行う事で企業・業界研究に役立ちますし、人脈も広げることができます。
OB/OG訪問は、企業側の本音部分を知ることができたり、人脈を広げるのに最適なことから、たくさん訪問したいという気持ちがあると思います。しかし数が多すぎても1つ1つの情報整理に手間がかかってしまいますので、「5社」程度に収めておきましょう。
OB/OG訪問は直接会社の人へとアポイントを取ることとなりますので、失礼のないように連絡してください。また、当日聞きたいことは事前にまとめておき、タイミングをみて質問をしていきましょう。
もちろん遅刻などはNGです。また、カフェなどでOB/OG訪問を行うことが多いことから、メニュー選びや支払いをどうすればいいのかと迷う人がいますが、メニューは「相手よりも安いもの」、支払いは「支払い姿勢」を見せれば問題ありません。
また、最後に「お礼メール」も忘れずに送ってください。
23卒の学生は、年が明けるまでにOB/OG訪問をしておきたいので、まだという人は急いでアポイントを取りましょう。
筆記試験対策は年が明けたら本格的に行いましょう。
筆記試験は学生の基礎学力を計り、職務への適性を知ることが目的とされており、これは一次選考前に学生をふるいにかけるための「足切り」ということになります。
企業によって合格ラインは異なりますが、点数が低ければ落ちるということには間違いありませんので、万全の対策が必要です。
筆記試験の主流は「SPI」ですので、SPIを中心に対策をしていきましょう。SPIは問題の傾向を掴むことがポイントとなりますので、何冊も手を出すのではなく、1冊の対策本を繰り返し行えば十分です。
また、筆記試験にはSPIの他にも「玉手箱」「TG-WEB」「ENG」など、様々なテストがありますので、自分が志望する企業に合わせて対策をしておきましょう。
年が明けると一気に「企業説明会」が開催されるので、積極的に参加してください。「合同企業説明会」に参加すれば、一度に多くの企業・業界について知ることができるため効率が良いですし、自分では知りえなかった企業にも出会えます。その場でエントリーができる場合もありますので、就活を進めていくためにも必ず参加しましょう。
また、ある程度目星となる企業が決まっている場合は、志望企業が単独で開催している説明会に参加しましょう。自分の聞きたいことを積極的に質問したり、実際の企業の雰囲気を確認しましょう。
説明会の情報は、企業説明会や就活総合内サイトや大学のキャリアセンター、各企業のHPなどから確認できるので、随時チェックし気になるものには積極的に参加していきましょう。
就活情報が解禁される前に、「就活軸」を定めておきましょう。就活軸とは、企業選びをする上で譲れない条件のことで、これらの軸がしっかりと定まっていないと自分に合った企業を選ぶことはできないとされています。
数ある企業の中から何の目安もないまま選択していくのはあまり無謀ですし、間違った選択をしてしまうリスクも高いです。
これまで自己分析や企業研究などから自分の目指したい方向性が定まっているとおもいますので、それらから「自分の中で絶対に譲れない条件」を定め、ESを提出する企業選びのための準備をしていきましょう。
就活軸は、当たり障りのないものがよいとされており、自分のモチベーションの原点から探れば定めやすいです。就活軸は面接でも聞かれる場合がありますので、しっかりと定めておいてください。
就職活動解禁日は3/1となりますので、採用情報公開に合わせて完璧なES・履歴書を提出できるよう、2月の時点で対策を万全に行いましょう。
一見、ESと履歴書は同じだと思われがちですが、それぞれ違いがありますのでしっかりと把握しておきましょう。
【ESと履歴書との違い】
「ES」
選考において参考にするもの
└学生の人柄や個性から、熱意や将来の可能性をチェック
└採用時にだけ使う書類で、企業HPから印刷もしくは企業から渡される
「履歴書」
学生の基本情報を把握するための公的な書類
└氏名や大学名などの学生の基本的な情報をチェック
└「捺印欄」のある公的文書。スーパーや文房具店で購入する
上記のように目的や入手先が異なることから、書くべき内容もそれぞれ異なってきます。
※書き方ポイント
「ES」
企業が求める人物像を把握し、何を一番伝えたいのかを考えたうえで、「将来の目標」と絡めて記載すると良いです
「履歴書」
基本的な情報のみを伝えるもののため、必要以上の情報を盛り込まない。端的に要点をまとめて記載する
どちらも限られた文字数の中でのアピールとなりますので、要点をまとめて記載することが条件となります。また、ESや履歴書を用いて面接が行われることが多いですので、内容にブレが生じないよう、一貫性を持たせるようにしてください。
さらに、それぞれを記載するためには十分な「自己分析」と「企業研究」が欠かせません。それぞれの企業に合わせた内容や、その企業が求める強みを記載し、“どの企業でも通用するような書類“にならないようにしましょう。
最後はいよいよ「面接対策」です。就活の醍醐味といっても過言ではない面接ですので、とくに力を入れて対策したいと思っている人も多いでしょう。
そんな面接練習には一人で行う「動画で撮影」「鏡の前で練習」「YouTubeの利用」など、一人で練習を行う個人練習と、「友人や家族などを面接官に見立てる」対人練習とがありますが、どちらの方法にしろ、共通して意識してほしいことがあります。
・本番を意識して練習する
・大きな声でハキハキ話す
・表情が硬くなりすぎないようにする
・身だしなみを整える
・自分の癖を見つけて直す
一番大切なことは、本番を意識して練習することです。面接練習は本番を想定して行い、緊張感のある雰囲気で行って初めて成果を得られます。
それに砕けた雰囲気では本番と全く違った空間となってしまうので、本番で思うように自分の力を発揮できないことは目に見えています。
ですから、練習の段階から常に緊張感を持ち、本番を意識して練習をするようにしてください。そうすれば本番でも屈せずに堂々と挑むことができます。
また、練習をする相手が友達や家族だと緊張感が足りず、砕けた雰囲気になりやすいので、就活エージェントや大学のキャリアセンターなど、「他人」を利用するのがオススメです。
さらに練習をする際は、本番を意識し「大きな声で話す」「表情に気を付ける」「身だしなみを整える」といったことは完璧にできているようにしてください。これはたとえ一人での練習でも同じです。
他にも、自分の癖を見つけ、治していくことが大切です。面接の雰囲気に慣れることも大切ではありますが、ミスがある状態のままいくら面接に挑んでも通過はできませんので、誰が見ても完璧な面接姿になれるよう意識して練習を行いましょう。
就職活動のやり方や進行度合いなど、人によって本当にバラバラです。
過度に人と比較してしまうと、しんどくなってしまうのでポイントを押さえ、自分のペーズで進めていきましょう!
今回の記事の中でもお伝え出来たかと思うのですが就職活動は長期戦のため、少しでも悩んだりうまくいかないことがあれば自分の知り合いや周りの人に相談することをおすすめします。
第三者の意見は、特に就職活動において非常に重要かと思いますので自分が困った時や、知り合いが悩んでいる時は、積極的にコミュニケーションを取っていきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
皆さんの就職活動が少しでもうまく進むことを、心から願っております。