インターンシップが“正式”に採用直結OKに変更!インターンシップの全容を理解しよう

2022.08.29
#企業分析#働き方#就活基礎知識#自己分析#面接対策

2022年4月に経団連と全国の大学の関係者でつくる就職活動や採用の在り方を議論する協議会が開かれました。

 

そこでまとまった報告書では「インターンシップについて一定期間、学生が実際に職業を体験することなどを条件に、企業の採用活動に活用できるようにすべき」とされています。現状の就活ルールでは、学業がおろそかになりかねないとして、インターンシップを採用に直結させることを禁止にしています。

 

しかし、「就活解禁は大学3年の3月」の就活ルールが続く中、近年、少しでも早く学生に出会いたい企業が競うように大学3回生の6月1日を皮切りに1DAYインターンシップなどの短期日程を導入して採用直結させて内々定を出しています。ルールを無視してインターンシップ直結の採用選考をする企業は一部だとしても、大半の企業がインターン参加者を早期選考に呼ぶなど優遇するようになり、就活ルールは完全に形骸化し、今では事実上「3年生の夏インターンで就活スタート」となっています。

 

そこで、誰も守らないルールを今の実態に合わせて変更しようというのが今回の変更です。

この記事では、インターンシップの全容を簡潔にまとめ、最後に2025年卒新卒学生から対象となる制度変更についてお伝えします。

 

 

そもそもインターンシップとは?

インターンシップとは、企業が学生に対して就業体験の場として機会を提供し、そこへ学生が体験、参加することができる制度のことを言います。

 

「社会に出る前に仕事の場を体験してみること」。

そういった体験を通じて、企業で実際の仕事をしている人から直接話を聞いたり、仕事を体験して、業種や職種、企業による仕事内容の違いや働いている人たちの雰囲気、企業風土の違いを知ることができます。一般的な会社説明会やOB・OG訪問などで話を聞く場合よりも、さらに現場の空気を肌で感じることができる場と言ってよいでしょう。

 

インターンシップ参加のメリットとは?

学生にとってインターンシップに参加することは、どんなメリットがあるのでしょうか。

就職活動を終えた先輩たちの声によると、以下のようにまとめられます。

①興味のある業界や企業が見えてくる

インターンシップは、業界研究、企業研究に最適の場です。

しかし、インターンシップに参加できる時間には限りがあります。授業や部活、サークル、アルバイトなど限られた時間の中で有効的に参加出来る会社を選ばないといけません。1,2回生の低学年のうちからインターンシップに参加することで、業界研究、企業研究をじっくり行うことができます。

②就職活動に場慣れすることで余裕が出来る

インターンシップに参加した就職活動中の先輩はたくさんいますし、また、情報は世の中に溢れています。就職活動は、情報収集をして行動することの繰り返しですし、そのスタイルに低学年のうちから慣れておくと、本番もスムーズに活動できるでしょう。

本選考のぶっつけ本番で本命企業の選考を受けるというのはかなりリスクのある行為ですので、インターンで選考、面接、ESなどの体験をしたり、社会人とのコミュニケーションの経験が積めることはインターン参加の大きなメリットです。本番の採用選考をイメージしながら望むと良い練習のチャンスになると思います。

③社会人や企業の採用担当者とコミュニケーションをとる機会が得られる

社会人や企業の採用担当者とのコミュニケーションに慣れていれば、選考においての面接・グループディスカッションでいいパフォーマンスを発揮できるはずです。低学年のうちに社会人と会える機会があれば、積極的に利用した方が良いでしょう。学生生活を普通に過ごしていて、出会えない価値観や年代が異なる人々に出会えることもあるようです。

④これからの学生生活ですべきことが見えてくる

インターンシップの内容は各企業によって様々ですが、自分の人生を振り返るライフチャートを実践できる内容も多くあるので、自分自身がどのような社会人になっていきたいのかを考える良い機会になると思います。また、インターンシップに参加した後に自分の行動を振り返ると、できた点、できなかった点が見えてきます。その後の学生生活の中で意識的にできることを増やし、できなかったことを鍛えましょう。振り返りこそ、新たな成長の源泉になるのです。

 

 

インターンシップの選び方

自分自身、どこのインターンシップに応募したらよいのかわからない、という相談をよく聞きます。そういった方には以下の3つを参考にしてください。

①興味のある業界や特定の企業がない人は、「インターンシップ実施期間で選ぶ」

限られた時間ですので、自分のスケジュールに無理のない範囲の参加可能な時期に実施予定で、短期や長期などスケジュールが合うものにまず参加してみるのも1つの手段です。

②興味のある業界や特定の企業が決まっている人は、「業界・企業で選ぶ」

気になっている企業がインターンシップを実施していない、募集時期が終わっているなどの場合には、同じ業界内で探してみるのもよいでしょう。人気・著名企業は応募する期間や定員人数が決まっているので早期の段階でチェックすることをおすすめします。

③興味のある業界や企業は特にないけれど、インターンシップで体験したいことがある人は、「プログラム内容で絞り込む」

営業同行をしてみたい、学生が参加できるプロジェクトを実施したい、職場体験をしたい、グループワークをしたいなど、自分の目的に合うものを探しましょう。

 

 

インターンシップに行く目的を明確にしよう

周りがインターンシップに参加しているから、という理由で何となく参加して時間とお金を無駄にしている学生をちらほら見かけます。心からやりたい!行きたい!頑張れる!と思うインターン先を見つけるには、まず自分の中でインターンシップに行く理由を明確にすることが大切です。その目的によって企業を選ぶ基準が変わってきます。

お金を稼ぎたい・プログラミングを学びたい・営業力をつけたい・ライティング能力を上げたいなど、目的は人それぞれ色々とあるはずです。目的を明確化して企業選びに活かしてほしいです。

採用直結インターンシップ解禁は2023年4月から(主に25年卒対象学生)

2022年4月に産学協議会が政府に提出した報告書から、インターンシップがどうように変化するのでしょうか。

報告書では、インターンシップの取り組み(実施期間なども含む)を4タイプに整理しました。

①オープン・カンパニー

1日限定で実施されるインターンシップは「オープン・カンパニー」というタイプに分類され「インターンシップには該当しない」と定義されました。あくまで企業や仕事を知る機会だとして、採用活動に使うことは認められていません。

②キャリア教育

「オープンカンパニー」より長い期間(1~3日間or 長期も)で実施されるものの、あくまでも参加者の教育が目的で就業体験は「任意」です。こちらもインターンシップとはみなされず、採用には使えません。

③汎用的能力・専門活用型インターンシップ

ここからは、「インターンシップ」と位置づけられ、採用に活用することもできる内容です。

主に大学3~4年生向けで、学生が「その仕事に就く能力が自らに備わっているか見極める」のが目的とし、大学と企業の目的は「マッチング精度向上」と「採用選考を視野に入れた評価材料の取得」とされています。一般的なプログラムなら最低でも5日間以上、専門性を重視するなら2週間以上の期間実施されるものが対象です。そして、「就業体験」が必ず行われることが条件となります。

④高度専門型インターンシップ

大学院生が「自らの専門性を実践で活かし、向上させる(実践研究力の向上等)」目的とした、より専門的かつ実施期間は2か月以上というインターンシップを想定しています。

 

また、③と④において、就業体験の際は人事担当者ではなく「その職場の社員が学生を指導し、インターンシップ終了後にフィードバック」することとされています。

実施期間は長期ですので、「学業との両立に配慮する」ことを理由に対象は学部3・4年生か修士1・2年生。期間は夏休みや冬休みなどの長期休暇に行うこととしています。

 

まとめ

上記内容の仕組は2023年4月からを想定しており主に2025年卒対象学生から適応されます。しかし、ここまで詳しく説明してきましたが、そもそも企業はすでにインターンを採用活動に使っている実状もあるということで、実態は大きく変わらないことが想定されます。

 

想定される企業の動きの変化としては、

採用に使えるインターンが最低でも「5日間以上」かつ「就業体験を伴う」ということで、企業にとってのマンパワー負担感は決して小さくありません。ですので、実際に多くの回数、大人数を対象に実施が出来ず、人気企業のインターンに学生が集中することも懸念されます。

 

産学協議会の事務局の声明として「インターンに参加できないと、採用されない」ということではないと注意喚起をしていますので、学生の皆さんは焦らず就職活動の時間を有効活用して取り組んでください。

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