一般的に人気が高く、大手であれば世界規模の有名企業もある商社ですが、商社とはいったい何か、なぜ人気なのかを解説します。
ひとくくりに商社と言っても、昔は「ラーメンからミサイルまで」、今では「ミネラルウォーターから通信衛星まで」と言われるほど総合商社では多くの商材を取り扱っています。
そのため、総合商社の事業内容についての理解が難しいとされています。
このような背景からも一度配属をされた部門から他部門に移動することはかなり稀なものとなっており、志望部門と別部門に配属され理想とのギャップに悩む新入社員も多いといいます。
逆をいえば、同じ部門で何年も働くことにより、その部門のスペシャリストを目指すことが可能です。
近年では、スペシャリストの育成はもちろんですが、幅広い知識を持つ人材の必要性も考えられるような意見も出ています。
これに対する反対派の意見としては、その道を長年極めた人物には知識・経験において勝てないという意見もあり、どちらが正解とは言えない状態です。
のちほどご紹介する、5大商社のうち三井物産はジョブローテーションを実施する考えがあるようです。
【部門例について】
出典:https://br-campus.jp/articles/report/127
ほとんどの商社では、同じ会社においても部門が変われば別会社の様であり、中小企業の寄せ集めの様な印象を持つ人もいます。
働き方についても部門によってそれぞれなので、配属先によっての合う・合わないは顕著に出てくるでしょう。
【5大商社について】
・三菱商事(https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/)
・三井物産(https://www.mitsui.com/jp/ja/)
・伊藤忠商事(https://www.itochu.co.jp/ja/)
それぞれが有名企業として、名を連ねる5大商社と呼ばれる企業です。
このどれもが人気企業として、業績についての比較はもちろんですが、どの分野に強いのかといった分析も必要です。
入社後の部門で仕事内容が大きく変わりますので、志望動機について部門で考えてしまうのは視野が狭まってしまう可能性があります。
その他、今後の動向として各企業の定める中期経営計画も併せて確認を行うと解決したい社会課題は何かだったり、そのために逆算を行い今している仕事の意味についても見えてくるでしょう。
そういったところまで確認を行っていると他の求職者との差別化もできるでしょう。
【中期経営計画について】
・三菱商事:https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/about/plan/
・三井物産:https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/about/plan/
・伊藤忠商事:https://www.itochu.co.jp/ja/about/plan/index.html
・住友商事:https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/about/policy/mid-term
売上比率の50%以上が特定の商品で占められ、専門分野に特化した事業展開ができることが特徴です。
食品、天然資源といったものから生活用品等あらゆる商材を取り扱っています。
特定の分野に特化することでメーカーや顧客と強いつながりがあったり、専門的知識が圧ことが強みです。これらは専門分野によって分けられるほか、他社との関係性により分け分けられることがあります。
【メーカー系専門商社】
商品を製造するメーカーの販売部門が独立、または軸として設立した専門商社です。
取り扱い商品が限られますが、仕入れ先が安定しているため経営が安定しやすいというメリットがあります。また、独自のノウハウを磨くことができるので商品力が強みとなりますし、メーカー側の担当者との共有も密に行うので市場調査にともに出向くこともあります。
【総合商社系専門商社】
総合商社の特定分野を軸に設立されています。総合商社の子会社として、事業投資を受けて発足することもあるようです。総合商社では大規模な案件が主流のため、ニッチな商材や小規模な案件など総合商社で取り扱えない取引を担当しています。
とはいえ、事業形態は総合商社に似ており、海外での活躍も見込めます。
【独立系専門商社】
総合商社やメーカーに属さず、単独で事業を行っています。
仕入れる商品や営業先など、自由度が高いことが特徴で独自のコネクションや歴史を持っていることが多いようです。また、企業によって事業内容が異なることもあります。
たとえば、医薬品の専門商社が薬局を運営したり、メーカーに対して保有する専門的な情報やノウハウを活用し、新商品の開発を支援したりすることも。専門性を活かして、他分野に進出する商社は増加傾向にあるようです。
メーカーは自社で製品を製造するのに対し、商社は流通を行ったり材料の発注を行うことが仕事です。
商社の仕事はトレーディングと事業投資の2つに分けられます。
どちらもBtoBの仕事で、需要と供給を結びつける仲介業者のようなイメージです。
ここで重要となってくるのが、付加価値(バリューチェーン)です。材料の調達だけでなく、加工、製造、流通、宣伝、販売といった一連の流れにも関わり、生産者にとっては売り手を拡大する役割を、メーカーにとっては需要を満たす調達をする役割を果たします。
事業投資とは、総合商社が新たなビジネスを創造していくための重要なアプローチ方法です。
企業を買収し、投資先企業の企業価値を最大化するために経営に総合的かつ継続的に参画します。コンビニエンスストアやスーパーマーケットの運営がその1つです。
共通ポイントサービスや決済サービス、顧客情報を活用したマーケティングなど、小売業の価値を高めるための投資を行っています。
【商社の事業についてさらに詳しく】
人気の一番の理由は給与でしょう。
総合商社全体の平均年収は1315万円、専門商社全体の平均年収は621万と日本の平均年収よりも圧倒的に高くなっています。
ちなみに、新入社員の初任給は24万円程度とそれほど高くありません。ですが、年に100万から150万ほどあがるといわれているので20代でもかなりの高収入を見込めます。
関係会社が世界中にあるため、グローバルに活躍をしたいから目指す方もいます。
実施全体の2~3割は海外勤務をしているというようなデータも過去にあります。
商社は毎年漠然と人気な職業として倍率が高くなっています。
ビジネスモデルとしてはかなりやりがいのある業種だと思われます。
すべての会社でも言えますが、商社は特にどういった仕事なのか、思った部門に配属されなかった場合どう働くのか等、きちんと考える必要のある仕事だとも思います。
単なるあこがれや、給与などの一面のみを見た選び方では辛くなってしまうかもしれません。自分が何を成し遂げたいのかよくよく考えて企業選びを行いましょう。
【商社は日本にしか存在しないビジネスモデルである】
知っていましたか?海外にはないのでshoshaと呼ばれます。なぜ日本で生まれ、淘汰されずに生き残っているのか考えてみてください。
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