社会人になると、時間に融通が利きづらくなります。仕事のみならず、付き合いや研鑽で時間を消費せざるを得ないことも多く、人によっては「学生のうちにやっておけば良かった」と後悔する場面もあります。
社会に出てから後悔しないためには、大学生のうちにしかできないこと、やるべきことをきちんとやることが大切です。
今回は、社会人になってから後悔しないために、大学生のうちにやるべきことを解説します。
目次
社会人になると、学びたいことが見つかっても思うように時間を取れなくなります。時間に融通が利きやすい大学生のうちに、役立つ知識やスキルを身に付けておきましょう。
大学で選んだ専門分野について、より深く研究することは将来の役に立ちます。学生時代の勉強が将来のためになる理由は、下記の通りです。
・仮説の立案・検証・考察のプロセスを経験できる
・論理的思考力が養われる
・問題解決能力が身に付く
専門分野の学びは、多くの文献や資料を読み、仮説を立てて検証や考察を行うプロセスの繰り返しです。ときには外国語で書かれた資料を読み解かなくてはならず、研究を続けるうちに物事をやり遂げようとする力を養えます。
また、検証や考察にともない、論理的思考力や問題解決能力も身に付きます。研究活動を通して養われる能力は、社会に出てからも活かせるものがほとんどです。大きな仕事を任されたときなど、研究活動で培った力で取り組めば、評価や実績につながります。
大学生は履修する授業を自分で選べる分、意図的にまとまった時間が取れるメリットがあります。定期的に時間を設けて、将来役に立ちそうな資格の勉強にあてましょう。
大学生のうちに資格を取得しておくと、就活でも有利に働きます。仮に資格取得が就活の面接日に間に合わなくとも、勉強中で近々試験を受ける予定だと伝えれば、就職への意欲をアピールできます。
大学生のうちに取得するなら、下記の資格がおすすめです。
・日商簿記
・宅地建物取引士資格試験
・日経経済知力テスト
・ITパスポート試験
・基本情報技術者試験(FE)
・ファイナンシャルプランナー
など
専門性の高い職種や業界を目指す場合は、関連する資格取得も効果的です。
上記のほか、運転免許の取得も検討してはいかがでしょうか。運転免許が必須となる業種や企業にも応募できるようになり、就活の幅が広がります。
一般教養を身に付けることも大切です。大学生のうちに一般教養をある程度学んでおくと、広い視野が得られます。
発想力や創造力が鍛えられるうえ、就活にも活用できます。企業によっては面接の場で時事問題や基礎的な知識を問われることも多く、最低限の教養レベルは欠かせません。
一般教養を手軽に学ぶコツとして、下記の方法があげられます。
・時事問題に関心を寄せる
・美術鑑賞をする
・音楽鑑賞をする
・映画鑑賞をする
・歌舞伎や能、演劇などを鑑賞する
・博物館に行き文化と歴史を学ぶ
など
好きなもののみを深掘りするよりも、幅広く興味のあるものに手を出しましょう。
一般教養は、付け焼刃で身に付けられるものではありません。長い時間をかけて、自分の中で知識が蓄積されていくものです。能動的に芸術、歴史、文化などさまざまなジャンルに触れることが大切です。
ITスキルは、仕事のみならず日常生活においても必要不可欠です。たとえばプライベートで映画館や飲食店の予約をする程度でも、各店舗独自のシステムを理解して利用しなくてはなりません。
仕事面では、高いITスキルが作業時間の短縮や生産性の向上につながります。就職においても、ITスキルの有無や専門性の高さは役立ちます。インターネットの仕組みを理解していれば、検索エンジンやSNSを活用した情報収集も効率化でき、便利です。
ITパスポートやMOSなどの資格取得も、自分のレベルを客観的に確認できるのでおすすめです。インターネットリテラシーを学ぶのみでも、現代ならではのネットトラブルを未然に防ぐ効果が期待できます。
語学力を鍛えると、就活の選択肢が増えます。異文化理解を深め、多様な人々とのコミュニケーションをとるためには、欠かせない能力です。
物事をグローバルな視点で考えられるようになったり、価値観をアップデートしたりと、異文化を知ることで副次的なメリットも得られます。
外国語の習得は、就職活動に加えて留学や海外生活など、将来の選択肢を広げるときに強みとなります。特定の国や言語に興味がない方は、世界共通語とされている英語の勉強から始めましょう。グローバル社会において必要不可欠とされる言語で、国内でも活用できる場面が多く見つかります。
マネーリテラシーとは、お金に関する知識や判断力のことです。日本の学校教育には、マネーリテラシーに関する授業は行われていません。会社でも手取り足取り教えてくれるところは少ないと言えます。
しかし、資本主義国家で経済的に自立するためには、マネーリテラシーを身に付けなくてはなりません。学校や会社では教えてもらえないからこそ、時間に余裕のある大学生のうちに学んでおくことが大切です。
マネーリテラシーを身に付ける主な方法は、下記の通りです。
・家計簿をつける
・一人暮らしをする
・金融に関する本を読む
・金融に関する動画を見る
・FP資格を取得する
など
一人暮らしをして家計簿をつける程度でも、収入に対する支出の現状や課題が明確になり、お金について考える機会を得られます。より詳しくなりたいなら、近年人気が高いFP資格の取得を目指すのも、ひとつの手段です。
大学の図書館を利用して読書の時間を設けるのも、将来の役に立ちます。大学の図書館には、あらゆるジャンルの本があり、学生なら持ち帰り不可の本も含めて好きなだけ読めます。
市区町村の図書館よりも蔵書数が多い大学図書館なら、社会人になると絶版で読めない本が見つかりやすいのも、学生ならではの特権です。
読書は知識を得るのみならず、教養を身に付けるうえでも効果的です。専門書で深い知識を得るほか、小説や児童書で表現方法を学んだりイメージ力を養ったりすれば、仕事でも役立てられます。ジャンルを問わず、興味のある本は積極的に手に取ってみましょう。
読書でひとつの作業に没頭することは、集中力や記憶力の向上も期待できます。
最近はSNSやブログ、動画投稿サイト、自費出版など、素人でも気軽に情報を発信できる環境が揃っています。情報を発信するときは、相手が理解できるように内容を噛み砕いたり、伝え方を整理したりすることが重要です。
情報の発信を繰り返しているうちに、文章力、表現力、動画編集スキルなど幅広い能力のレベルアップにもつながります。
情報を伝わりやすくまとめる能力は、自分の考えや価値観を整理して、自己分析を深め、就職活動でも活用できます。
プライベートの時間も、工夫すれば自身のレベルアップに役立てられます。
普段は足を伸ばさない地域や国まで、旅行を計画してみましょう。旅先で触れる異文化や自然は、ときに自分の強み・弱みの発見を手助けしてくれます。新しい分野への興味関心が見つかれば、次のレベルアップにつながる行動も起こしやすくなります。
旅行は、さまざまなスキルを鍛えたいときにも最適です。旅行計画を立てるほか、ホテルや交通手段の下調べに予約、トラブル対応など、旅行を楽しむためには多くのスキルが必要です。海外旅行の場合、さらに自らの語学力を試す機会にも恵まれます。
大学生になると、アルバイト採用の幅も広くなります。アルバイトはお金を稼ぐのみならず、自己成長の機会を得ることにもつながります。実際の現場での体験は、将来のキャリアを考える参考材料としても重要です。
同僚やお客様から仕事を任される経験により、責任感をもって作業に取り組むなど、社会人としての自覚が生まれます。さまざまな年齢層の相手とコミュニケーションをとれば、人間関係を築くスキルを磨けるうえ、新たな価値観にも触れられます。
一人暮らしは、実家暮らしのときに親任せにしていたことをすべて自分自身で担わなくてはなりません。料理、洗濯、掃除といった家事はもちろん、食費や交際費など金銭管理も行うため、自立心を育てられます。
食費や光熱費、家賃など支払う費用を考慮した金銭管理を体験すると、身の丈に合った金銭感覚が身に付きます。
いきなりの一人暮らしは金銭的負担が大きいため、まずは家具家電つきのウィークリーマンションから始める方法がおすすめです。1週間単位で借りられる物件なら、短期間でも気軽に一人暮らしを経験できます。
サークル活動の魅力は、同じ分野に興味をもった人物と、学年や学部を超えて知り合えることです。幅広い年齢層やタイプの友人を作れるので、視野が広がります。
より活発に活動したい方は、ほかの大学の学生と出会えるインカレサークルもおすすめです。仲間との交流を通して、自然にコミュニケーション能力を養えます。
恋愛は、異性と深く交流できるメリットがあります。自分や同性の友人のみでは、価値観や考え方が凝り固まっていることに気付かないかもしれません。異性の視点からの意見や考え方を知ると、価値観のアップデートや自己理解につながります。
恋人と喧嘩したり共感したりすると、相手の考え方や価値観を理解し、尊重し合えるようになります。
人によっては、外面にも気を配れるようになる点も大きなメリットです。第一印象は就職活動にも影響するため、恋人や友人にアドバイスをもらいつつ自分磨きをしましょう。
趣味も、新しいスキルの習得や人脈作りのきっかけとなることがあります。時間を楽しく過ごすために欠かせない趣味は、将来の目標達成に役立つほか、人生を豊かにしてくれます。
就職活動で定番の質問が、「学生時代に力を入れたこと」です。趣味を通して得た経験は、就職活動で自己アピールに活用できるかもしれません。
趣味が役立つ例として、「推し活」があげられます。推し(好きな人物・キャラクター・チームなど)を応援することで生きる活力を得られるのみならず、SNSやファンクラブ内で活動すれば、交流範囲が広がります。
就職活動は、早めの準備が大切です。大学1~3年生のうちから取り組んでおくと、応募先企業や業種を早期に絞り込め、企業や業界の研究に多くの時間を割けられます。
ここでは、大学生のうちに取り組んでおくべき就職活動の準備について解説します。
自己分析は、就職活動における重要な部分に直接関わる作業です。自分の強みや魅力を把握してアピールできるようになるほか、自分の性質や目標に合った職業を選ぶときの参考にもなります。
自己分析は、将来のキャリアや目標の設定にも欠かせません。自分の理想像や強みを箇条書きにしたり、身近な人にヒアリングしたりと、実践しやすい方法から自己分析に挑戦しましょう。
インターンシップは、実際のオフィス環境を体験できる制度です。説明会や資料では分からない、社員の働き方や空気感、企業文化を肌で感じられます。企業研究を深められ、内定獲得につながる可能性もあります。
インターンシップには、短期と長期の2種類あります。
・短期インターンシップ:数日~数週間
・長期インターンシップ:数か月~
短期インターンシップは、説明会やグループワークがメインです。長期インターンシップは、社員と同じように業務を体験できます。
インターンシップの詳細は、下記の記事で解説しています。
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業界研究や企業研究は、就職活動を行ううえで重要なプロセスです。業界研究は、業種に対する理解度を深め、自分の興味や適性にあった業界を見つける参考材料となります。
業界の構造に加えて、動向や将来性、抱えている課題、トレンドも含めて多角的に研究することが大切です。
企業研究は、自分の適性やキャリアプランとのマッチ度を確認するために必要な作業です。企業が取り扱うサービスや製品、商品のほか、企業の経営理念や強み・弱みも調べましょう。企業が求める人物像を把握できれば、面接で伝える内容をブラッシュアップできます。
OB・OG訪問は、就職活動において企業のリアルな現状を知ることができる貴重な機会です。就活の体験談やアドバイスを聞くのみならず、具体的な仕事内容や一日のスケジュールを教えてもらえます。ステップアップを目指している方は、キャリアパスについても詳しく聞きましょう。
OB・OG訪問で企業に対する理解を深めれば、自分がなぜエントリーしたのか、志望動機を明確化できます。面接の場でも、自分の考えにもとづいた説得力のあるアピールができるようになります。
大学生活は、自分の采配でできることが増える分、タガが外れやすくなります。ここでは、大学生のうちにやるべきではないNG行為を解説します。
大学生になると、パチンコや競馬など大人にしかできないことを体験してみたくなります。ギャンブルも、友人に誘われて興味本位で始める大学生が少なくありません。ちょっとしたきっかけでも、ハマって抜け出せなくなるリスクがあります。
賭け事は依存性になる可能性があり、負け続ければ大きな損失が生じます。昔ながらのギャンブルのほか、ソーシャルゲームの有料ガチャにも、つぎ込まないように注意しましょう。
ギャンブルに奨学金やアルバイトで得たお金をつぎこんで、学費が払えなくなるなどのトラブルも考えられます。
友人や知り合いへの金銭の貸し借りは、避けるべきです。アルバイトで自由に使えるお金が増えると、中には趣味やギャンブルにつぎこんでしまう人がいます。生活費を友人に借りなければならず、友人関係の崩壊や信頼の喪失を招きます。
借りるのはもちろん、貸すのもおすすめしません。金銭トラブルの原因となります。
消費者金融の利用も、安易に行わないようにしましょう。返済に追われてアルバイトを増やしすぎ、学業が疎かになれば、本末転倒です。体調を崩すおそれもあります。
どうしてもお金に困って対処できない場合は、親に相談しましょう。
不規則な生活を送るクセがついている方は、大学生のうちに直すことをおすすめします。不規則な生活は体調を崩しやすくなり、学業や日常生活にも悪影響をおよぼしかねません。人によっては朝の授業に出席できず、単位を落とすおそれがあります。
夜更かしや徹夜は、慢性的な睡眠不足となる原因のひとつです。睡眠不足が続くと集中力や注意力の低下につながり、学業以外の場にも支障をきたします。
最近は多様な生き方が受け入れられており、中には一人で過ごすほうが好きという方もいます。人嫌いというわけではないものの、コミュニケーションに自信がなくて一人で過ごすことが多い方もいるのではないでしょうか。
しかし将来のことを考えると、交友関係をある程度は築いておいたほうが、多くのメリットにつながります。勇気を出して、人脈を広げることをおすすめします。
交友関係を築くと、困ったときに助け合えたり、授業や研究に関する有益な情報や意見を交換したりできます。自分とは考え方が異なる相手との交流は、さまざまな価値観に触れるチャンスです。新しい視点・発想を得られます。
大学生のうちに人脈を広げるなら、ほかのサークルや研究室、ゼミを覗いてみましょう。学外でアルバイトやボランティア活動に挑戦して、社会人とのつながりを得るのも将来に役立ちます。
同じ環境に留まり続けることは、安心感を得られます。一方で、自身の成長の機会を失う羽目にもなりかねません。
毎日同じ生活を繰り返していると感じたら、まず行動してみましょう。2つ以上のサークルに参加したり、新しいアルバイトを入れたりする程度でも、刺激を得られます。新しい趣味を見つけて、交友関係や知識の幅を広げるのも良い刺激となります。
ポイントは、自分が成長できる環境に身を置くことです。サークルのメンバーやアルバイト先に迷惑がかかる行動は控えて、学業に影響が出ない範囲で楽しむことも大切です。
大学生活は、院へ進まない方にとって時間を自由に使える最後のチャンスです。社会に出た後では仕事やスキルアップで自由に時間が取れない場合も多いため、今のうちにできること・やるべきことを体験しておきましょう。
専門分野の学びを深めるほか、一般教養やITスキルなど社会人になってからも役立つ能力を鍛えるのもおすすめです。将来「大学生のうちに、アレをやっておけば良かった」と後悔しないために、積極的にさまざまなことへ挑戦しましょう。