有給休暇の義務化とは|年5日取得義務・罰則・対象をわかりやすく解説

有給休暇の義務化とは、2019年4月から始まった「年10日以上の有給が付与される労働者に、企業が年5日は確実に取得させなければならない」というルールです。違反には罰則もあり、企業の働きやすさを映す重要な指標になります。

この記事では年5日取得義務の内容・罰則・対象者・付与日数・時季指定・有給を取りやすい企業の取り組み・企業選びでの確認ポイントを、累計3,625社を審査した認定機関の視点で解説します。

岩元翔

日本次世代企業普及機構 代表理事

岩元 翔

累計3,625社以上を審査し、650社以上を認定してきました。有給取得率は、その企業が制度を「実際に機能させているか」を映す鏡です。義務である年5日を満たすだけの会社と、取得を後押しする工夫まで行う会社では、働きやすさに大きな差が出ます。

📋 この記事でわかること

  • 有給休暇の年5日取得義務化とは何か
  • 違反した場合の罰則と対象者
  • 有給の付与日数と「年5日」のカウント方法
  • 有給を取りやすい企業の取り組みと、企業選びでの確認ポイント

有給休暇の義務化とは?

働き方改革関連法により、2019年4月から有給休暇の取得が一部義務化されました。具体的には、年10日以上の有給休暇が付与される労働者について、企業は年5日を確実に取得させる義務を負います。

従来は「有給を使うかどうかは労働者次第」でしたが、取得率の低さが問題視され、企業側に取得させる責任が課されました。

違反した場合の罰則

義務に違反した企業には罰則があります。働きやすさを軽視できない、実効性のあるルールになっています。

⚠ 主な罰則

  • 年5日を取得させなかった場合:労働者1人につき30万円以下の罰金
  • 違反は労働者ごとに成立するため、対象者が多いほど罰金総額も大きくなる
  • 就業規則に定めず時季指定した場合や、労働者が希望する時季に取得させなかった場合も罰則の対象になりうる

有給の付与日数と「年5日」のカウント方法

有給休暇は、入社から6か月continuously勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に付与されます。勤続年数に応じて日数が増えていきます。

📊 正社員(週5日勤務)の付与日数の目安

  • 勤続6か月:10日(この時点で年5日取得義務が発生)
  • 1年6か月:11日 / 2年6か月:12日
  • 以降1年ごとに増え、6年6か月以降は年20日(上限)

有給の時効は2年。繰り越せますが付与日から2年で消滅するため、最大保有日数は40日(20日×2年)です。

「年5日」はいつからいつまでにカウントするのか

起点は有給が10日以上付与された「基準日」です。たとえば4月1日入社で10月1日に10日付与された場合、翌年9月30日までに5日を取得させる必要があります。以降も毎年、基準日から1年以内に5日が求められます。

義務化の対象になる労働者は?

対象は「年10日以上の有給休暇が付与される労働者」全員です。正社員に限らず、勤務日数の条件を満たせばパート・アルバイトも対象になります。

  • 正社員・フルタイム:勤続6か月で10日付与され、対象となる
  • 管理監督者:残業代の対象外でも、有給の年5日義務は適用される
  • パート・アルバイト:週の所定労働日数や勤続年数によって10日以上付与される場合に対象

有給取得を推進している企業の取り組み

働きやすい企業は、義務をクリアするだけでなく取得しやすい仕組みを整えています。代表的な取り組みを知っておくと、企業を見る目が養われます。

  • ① 年次有給休暇管理簿の作成:取得状況を可視化し、漏れを防ぐ
  • ② 未取得者への呼びかけ:取得が進まない社員に声かけし、上司に報告する運用
  • ③ 時季指定:取得が進まない場合、会社が取得日を指定して確実に取らせる
  • ④ 計画的付与制度:労使協定で計画年休を設定し、取得を促す

有給取得をさらに促進するための企業の工夫

さらに進んだ企業は、取得のハードルを下げる工夫を重ねています。こうした工夫の有無が、実際の取得率に表れます。

  • ① 有給休暇取得計画表の作成:あらかじめ取得予定を共有し、休みやすくする
  • ② 半日・時間単位での取得と申請の簡略化:柔軟に取れる仕組みで取得を後押し
  • ③ チーム体制で取得しやすい環境づくり:業務を属人化させず、誰かが休んでも回る体制を整える

企業選びで有給制度を確認するポイント

就活・転職では、制度の有無より「実際に取得されているか」を確認することが重要です。次の指標を見れば、リアルな働きやすさが見えてきます。

  • ① 有給取得率を見る:義務の年5日(取得率おおむね4割前後)を大きく上回るかが目安
  • ② 認定マークで絞る:ホワイト企業認定・くるみんなど第三者認定をチェック
  • ③ 口コミ・説明会で実態を聞く:取得しやすい雰囲気か、現場の声を確認
  • ④ 半休・時間単位の有無:柔軟な取得制度があると使いやすい

📎 認定企業の探し方は ホワイト企業認定とは をご覧ください。

有給休暇の義務化に関するよくある質問(8問)

Q1. 有給の年5日義務化とは?

年10日以上有給が付与される労働者に、企業が年5日取得させる義務です。
2019年4月から始まりました。

Q2. 違反するとどうなる?

労働者1人につき30万円以下の罰金が科される可能性があります。
違反は労働者ごとに成立するため、対象者が多いと罰金総額も大きくなります。

Q3. 誰が対象になる?

年10日以上有給が付与される労働者全員です。
正社員だけでなく、条件を満たすパート・アルバイトや管理監督者も対象です。

Q4. 有給は入社後いつもらえる?

原則、入社6か月後に10日付与されます。
8割以上の出勤が条件で、その後は勤続年数に応じて増え、最大20日になります。

Q5. 有給はいつまで使える?

付与日から2年で時効消滅します。
繰り越しは可能ですが、最大保有日数は40日(20日×2年)です。

Q6. 時季指定とは?

取得が進まない場合に会社が取得日を指定する仕組みです。
就業規則に定めが必要で、労働者の意見を聞いたうえで指定します。

Q7. 就活で有給はどう確認すべき?

制度より「取得率」を確認しましょう。
義務の年5日を大きく上回る取得率か、認定マークや口コミで実態を確かめるのが有効です。

Q8. アルバイトでも有給はもらえる?

もらえます。
週の所定労働日数や勤続期間に応じて付与され、10日以上付与される場合は年5日義務の対象にもなります。

まとめ

📌 この記事のまとめ

  • 有給の義務化は、年10日以上付与される労働者に年5日取得させる企業の義務
  • 違反は労働者1人につき30万円以下の罰金。対象者が多いほど総額も増える
  • 対象は正社員・管理監督者・条件を満たすパートまで幅広い
  • 有給は入社6か月で10日、最大20日。時効2年で最大保有40日
  • 企業選びは制度より「取得率」と認定マークで実態を確認するのが有効

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運営者情報

日本次世代企業普及機構 代表理事岩元 翔

東証1部上場企業の求人広告会社にて新卒・中途採用のコンサルティング業務を学び、その後ITベンチャー企業にて自社採用業務、教育業務に従事。2020年には一般財団法人日本次世代企業普及機構の代表理事に就任。これまでの経験、実績を活かし、経営者や従業員にとって道しるべとなる「ホワイト企業指標」を作り上げた。

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