新卒社員・就活生が気にする「配属ガチャ・上司ガチャ」とは

2022.11.15
#企業分析#働き方#自己分析

配属ガチャとは

コロナ禍の厳しい就職戦線を乗り越え、4月1日の入社まで学生生活も残りわずかとなりました。

 

10月1日の内定式が終わり、学生として最後の自由時間が取れる今、充実した有意義な時間を過ごす学生が多い一方で、ここ最近「配属ガチャ・上司ガチャ」というワードに対して不安に思う人が増えています。

 

 

配属ガチャとは、どんな部署に配属されるかが分からない状況のことを、ソーシャルゲームの「ガチャガチャ」に例えたものです。

 

新入社員は、入社時に配属先される部署や配属先の上司を選ぶことができません。本人の希望どおりの部署に配属されたり、上司や教育担当者に恵まれたりした場合は「アタリ」、そうではない場合は「ハズレ」となります。

 

ハズレを引いてしまうとモチベーションが低下するだけでなく、それに伴い早期離職につながってしまいます。ここ数年「新卒配属ガチャ」は、入社してから新人研修が終わる、春先~夏頃にかけて新卒社員たちの話題となることが増えています。

 

SNSを中心にネット上でも、

「希望していた仕事ができるものと思っていたが、聞かされていた仕事と全く違う部署だったのでモチベーションが下がった」

「家から通勤範囲のエリアと思っていたが、入社したら地方に配属され、すでに転職を視野に入れようかな」

といった内容の書き込みが多く見られるようになりました。

 

新卒の一括採用が主流な日本では珍しくないことではありますが、企業選びに当たりハズレがあることを就活生は不安要素と捉えてしまいます。

 

 

配属の意思決定とは

 

大前提として知っておいていただきたい事は、配属先の意思決定はガチャということはないのです。

 

企業の人員配置・配属決定は、ゲームのガチャのように運任せではなく、企業の経営戦略においての人事戦略に紐づく人員計画などの総合的な判断で合理的に行われています。

 

社会人経験のない学生は、先輩の話やSNS情報で不安や不満の声を拾い、その企業の配属意思決定についてのプロセスを知らず、ブラックボックス化された不透明さから不安を感じているのです。ただ、早期離職は企業にとっても損益となるため、内定学生の希望を事前にヒアリングして希望に沿うような配属決定をする企業も近年増えてきています。

 

学生立場から配属ガチャを回避する

 

『可能であれば配属ガチャにならずに』と思う就活生は多いですが、配属ガチャを回避するためにできることなど対策についてまとめていきましょう。

 

大企業を中心に一括採用を行っている企業は、配属ガチャのリスクは避けられないという現実があります。外資系企業は一括採用ではなく、ジョブ型採用を通例として行っているので、近年は日系企業も新卒採用にジョブ型採用を取り入れしているケースが多くなってきました。選考中や内々定以降でも募集要項を含めて確認することをおすすめします。

 

キャリアに関する価値観の変化

 

新卒一括採用の仕組みで配属を決めてきた時代から、今は会社を選ぶのではなく、仕事内容や働き方、そしてその環境下で働く人で選ぶ時代になってきています。

 

コロナ禍を起点に様々なメディアを通して、「多様性を活かした働き方」を目にする機会が増えてきています。

仕事やキャリアに関わる出来事を「ガチャ」と言われ始めた理由の1つに考えられるのは、仕事を選ぶ基準の変化です。従来の終身雇用がなくなりつつある昨今、「大手企業に勤めていれば安心」という価値観は近年確実に減少傾向です。つまり、就職活動においても「どの会社に入社するか」という“就社”ではなく、「どのような仕事を通して、誰と一緒に、どのようなスキルが身について、どのようなキャリアが描けるのか」といった、より具体的なキャリアを重視する人が増えています。

 

そのため、職種や上司・同僚は仕事選びの重要な基準になるのに対して、自由に選べないことが「ガチャ」のような不満ワードに感じられることに繋がっていると考えられます。

 

配属ガチャに不安に思い過ぎないことが大切

 

これまで述べてきたように、希望の職種やエリアに配属されることが理想的ですが、希望の部署に配属されなかったとしても落ち込む必要はありません。

 

社会人として実際に働いたことがないため、思い描いていたイメージと実際の仕事に大きなギャップがあることは少なくありません。

 

希望とは違う部署に配属され実際に働いてみたら全然イメージと違っていて、やりがいを感じたという人は多いです。面白くないと思っていた部署や仕事が、想像以上に面白かったりすることもあります。

自分の価値観だけのイメージで、「面白そうな仕事」や「つまらなそうな仕事」などと判断せずに、どんな仕事にも意味があるとチャレンジしてみるといいと思います。希望の部署に配属されてやりたかった仕事ができても、つらいことや大変なことは必ずあります。

 

逆に希望ではない分野の仕事であっても、自分で楽しむ工夫することで、やりがいを見出せるのです。希望にそぐわない部署や仕事を経験することで、学べることや身につく能力もたくさんあります。

 

重要なことは「どの部署でどんな仕事をするか」ではなく「自分自身が意欲的に仕事に取り組める気持ちや姿勢があるかどうか」なのです。どんな部署に配属されても前向きな気持ちで仕事に取り組んで、仕事の楽しさや、やりがいが見つけられるようにすると、その後のキャリアや可能性はどんどん広がっていきます。中長期的に自己の適性を判断するという、企業側の考えや方針を理解する姿勢も大切になってきます。

 

最後に

 

希望した部署に配属されるのが一番ですが、そうでなかった場合もそこで何か得られるものがあるはずです。目の前の視点で焦って判断をせず、自分自身にとってどうすることがよいのか、長期的な視点で考えてみてから結論を出していきましょう。

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