面接の際、好きな言葉はなんですかなどと質問されることがあります。
皆さんは好きな言葉はありますか?
また、その言葉は面接で活用できますか?
このタイミングで理由と共に考えてみましょう。
目次
面接で好きな言葉について聞かれる理由を3つにまとめました。
好きな言葉は、その人の本質や価値観として捉えられることが多いです。
例えば、「一期一会です」と答えると、「人との関わりを大事にしていく丁寧なひと」といった印象となり、「切磋琢磨です」だと、「向上心が高く、仲間と協力しながら遂行することができるひと」といった印象が持たれます。
ここで重要なのは、面接官は単に「好きな言葉を知りたい=気に入った言葉が知りたい」というわけではなく、何に共感し、生きていくうえで大切だと思ったのかを質問されていることを理解することです。
「あきらめたらそこで試合終了ですよ」という有名な言葉がありますが、例えばこちらを回答に使用するのであれば、この漫画の何が良いのか・何が感動するのかを話すのではなくその言葉になぜ共感し、何かを成し遂げることができたのか
(成し遂げられなかったからこそ、次からはそう思ってやり切るようにしたのか)という理由の部分が重要になります。
好きな言葉は社風と同じ方向を向いている必要があります。
例えば、ベンチャー企業において「みんなで足並みをそろえる」精神は合っているとは言い難いです。
ベンチャー企業は社員数が少なかったり・創業が浅いからこそ柔軟に変化をしていくことができる特性を持っています。そのため不変的や慎重派の考えよりも楽観的で現状を変えていくことに興味がある人の方が社風に合っていると捉えられます。
好きな言葉を回答するときは、どのような社風なのか、職種と合っているかなどを含め、その企業ごとに好きな言葉を変える又は理由を一部変更して合わせるとその会社の一員としてのイメージを持たれやすくなります。
好きな言葉は、複雑なものよりも多くの人が知っている言葉を選択すべきです。
その中で、自分だけの理由付けが必要となります。
なおかつ、なぜその言葉を選んだのかを相手に伝わるように話すことが大切です。
【作成の仕方】
質問された場合、回答時間は1~2分です。
自分語りではなく、質問に対する回答を行いましょう。
①まずは結論から話す(一言)
今回の場合「私の好きな言葉は○○です」に当たります。
長々と理由を話した最後に好きな言葉を教えられても内容が入ってきません。
②続いて理由(一言)
なぜこの言葉を選んだのか、何かきっかけがあるのかを伝えます。
③理由に基づく事例の紹介(30秒)
自分だけのエピソードと交えて話します。
④結論で締める(30秒)
ポイント
③のエピソードから仕事への意気込みを絡ませ「ですので私は○○を意識して取り組みたいです」のような形で締めましょう。最後にもう一度締める様に考えると、途中で話が脱線してしまっている場合にあらかじめ気づくことができます。
好きな言葉は特にありませんというのは、もちろんNGです。
現代人において、きちんとした理由と共に好きな言葉がある人の方が少ないです。
ないのではなく、見つけていきましょう。
好きな言葉を見つける一つの例として、有名人や小説の言葉を取り入れる場合があります。
注意点と例についてまとめてみましたので、きっかけのひとつになればいいなと思います。
偉人の言葉はその方の半生や成し遂げたことと絡めて話すとより伝わりやすいでしょう。
また、同じ業界の創始者の言葉に対して自分の考えを述べるような内容だと就職後を意識されやすくなります。
ここで重要なのは、「なぜその言葉を選んだのか」という理由が薄いと、一気に志望動機の低い求職者だと思われるようになってしまいます。
【偉人の名言 例】
・どんなに悔いても過去は変わらない。どれほど心配したところで未来もどうなるものでもない。いま、現在に最善を尽くすことである。(松下幸之助)
・高く登ろうと思うなら、自分の脚を使うことだ!(ニーチェ)
最近ではエモい等と言葉が流行り、歌を聞いて感銘を受ける人も増加しているので「心に刺さる歌詞」などで検索を行うとたくさんのまとめられたページがヒットするでしょう。
そういったフレーズを使用することも可能ですし、小説などから用いても構いません。
しかし、歌詞に関しては仕事の考えに繋げることについては難しいので注意しましょう。
また、小説の言葉については本来の意味とは間違えた解釈をしている場合もあるのでその言葉だけを抜き出すのではなく作品を通した理解をするようにしましょう。
【例】
・No.1にならなくてもいい もともと特別な Only One(SMAP・世界に一つだけの花)
・精神的に向上心のない者は馬鹿だ(夏目漱石・こころ)
一言から選んでも大丈夫です。
しかし、こちらも理由付けなどが特に必要となります。
例えば「ありがとう」「笑顔」「前向き(ポジティブ)」のような言葉は社会人として必要とされているものであったり、言葉を見てそうである理由が簡単に思いつきます。
ですので、せっかく伝えてもどこかで聞いたことのあるものと捉えられやすくなります。なぜなのかの理由を自らのエピソードと絡めたうえで面接官を納得させる必要があるので、私は上記2分類よりも難しく感じます。
好きな言葉と聞かれた場合、特に指定はないので気にする必要はありません。
しかし、指定のあるものもあるので注意しましょう。
こちらも特に指定はありません。
自らの教訓となった事例を含めて答えましょう。
こちらは読んで字のごとくですが、四字の熟語ではあるが辞典に掲載されていないものや、記憶間違いに注意が必要です。
【間違いの例】
・安心安全
・一時休憩
ことわざや慣用句についても意味を間違えて覚えてしまっている人が多いので注意しましょう。
【例】
・情けは人の為ならず
×情けをかけて手伝うのはその人のためにならない
〇人に対して情けを掛けておけば,巡り巡って自分に良い報いが返ってくる
好きな言葉について聞かれた場合、その質問だけでは終わらない場合があります。
回答にかなり納得が言った場合などは質問されないこともありますが、ありふれたものであったり、さらに聞きたいという場合は追加で質問がされます。
【例】
・切磋琢磨
私の好きな言葉は切磋琢磨です。
チームメイトと切磋琢磨し、大会で優勝しました。
共に競える仲間がいることで、より高みを目指せると感じました。入社後も切磋琢磨し、会社に貢献をしていきたいです。
〈追加質問〉
競い合う相手がいることは、具体的にどのようなプラスがあると思いますか?
・千里の道も一歩から
私が好きな言葉は「千里の道も一歩から」です。
どんなことでも最初からうまくはできません。元々、人前で話すことが苦手でしたが、接客業のアルバイトを選び、少しずつ自分から話しかける練習をしました。
その結果、今では初めて会う人とも会話を楽しめるようになりました。この経験から、初めて取り組むことに関しても怖がらず一歩一歩進めていこうと前向きに考えられる様になりました。貴社でも活かせると自負しております。
〈追加質問〉
コツコツと続けていくのは大変だったと思いますが、モチベーションを維持できた理由は何かありますか?
面接は人となりを見るものなので、基本的に追加質問がくると考えてもいいでしょう。
ここで考えるべきは、回答を完璧にすることではありません。
それよりも、質問をしやすい穴をこちらがあえて作ることにより、追加質問を想定することが可能になります。
ある程度、回答について固められれば、面接官の気持ちになってみることも大切です。他には友人に聞いてもらい、質問をしてもらうのも良いでしょう。
好きな言葉なんて突然聞かれると主観的なものになってしまいます。
その会社ごとにどういう人材が求められているのかを念頭に置いて事前に作成しておきましょう。
また、面接の質問には事前に想定できるものがあります。
4の追加質問のようにあらかじめ想定できるものに関しては追加の想定をしていると自信を持って面接に臨めるでしょう。