高校を卒業後、進学ではなく「就職」の道を選ぶ人も少なくありません。
高卒で就職することへの不安や、大学生に比べて就活の仕方について悩む学生は多いのではないでしょうか。
そこで、こちらの記事ではデータから読み解く高卒就職の現実や、高卒の就職先として人気の高い業界などをご紹介しようと思います!
ぜひ、参考にしてみてください!!
■大卒が増えている現代では、「高卒での就職は不利」というイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。しかし、実際には高卒が就職しやすい時代になってきています。
早速データで見てみましょう。
文部科学省が発表した「令和元年3月 高等学校卒業者の就職状況(令和元年3月末時点)に関する調査」では以下の通りの結果が出ました。
令和元年 卒業高校生の就職率「98.2%」
つまり高卒が100人いたら、約98人もの人が就職しているという計算になります!
ほとんど100%に近い就職率となりますね。
こちらの調べによると、高卒で就職を希望する人に対しては、1人につき約2社の求人があるということです。高卒者、つまり学歴は重視せず人材を採用したいと考えている企業の数も、意外と多いことがわかります。
次に「高校新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況の推移(令和2年度7月末現在)」を見てみましょう。
求職者より求人数が少ない年もありますが、圧倒的に求人数よりも高校新卒の求職者が下回ってしまっている年の方が多いことがわかります。
参考リンク:
令和元年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」取りまとめ
次に、高卒で就職するにあたってのメリットやデメリットはどういった事が挙げられるのかを見ていきましょう。
高卒で就職すると、3つのメリットが挙げられます。
1-1 早く自立ができる
社会人として周りの進学した学生よりも早く自立できるという点がメリットではないでしょうか。
早くから社会人経験を積むことができ、自分の力で稼いだお金で生活費をまかなったり、趣味や貯金といったお金の使い方に対して
若いうちから経済面的においても自立ができるでしょう。
1-2 進学費用が抑えられる
親(家族)が進学費用を出してくれる学生もいるでしょう。ですが全ての学生がそうではありません。
奨学金を借りながら学校に通い、尚且つアルバイトをしながら生活費をまかなう学生もいます。
そうなると、学業とアルバイトの両立が難しくギリギリの生活を迫られることもあるでしょう。
高卒で就職するとこうした経済面での心配がなく、安定した収入を得ることができます。
1-3 転職しやすい
高卒で就職し、「やっぱり合わなかった」や「こんな仕事がしてみたい」と思った時に、転職しやすいといったメリットもあります。
若手人材はとても貴重なので、企業の中には未経験者や第二新卒の人材を募集しているところもあり、新卒と同じくらい手厚い教育制度を受けることが見込めるでしょう。
メリットだけでなく、デメリットも考えてみましょう。
2-1 大卒の求人にエントリーできない
就職率はよくても、学歴が原因で幅が狭まってしまうことがあります。
応募したい企業があっても、応募条件に「大卒以上」の記載があれば難しく、就ける仕事が限られてしまうことはデメリットの一つです。
万が一、大卒の求人にエントリーしたとしても書類選考を通過できない場合があります。
高卒就職が決して悪いことではないですが、就ける仕事の選択肢が狭くなることは理解しておく必要があります。
2-2 初任給が低い
大卒に比べてどうしても差が出てしまうのが、「初任給」です。
厚生労働省によると、学歴別の初任給は以下の通りです。
2-3 大卒に比べて生涯年収が低い
人が一生涯のあいだに手にするお金のことを「生涯年収」と呼びます。
あくまで平均的な数値のため、必ずしも当てはまるとは言えませんが、学歴によって収入に差が生まれてしまうことは現実です。
独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表した統計は以下の通りです。
では、ここからは就職先ランキングとして、高卒者の方に人気の業界TOP5をご紹介いたします。
興味のある業界がないか、ぜひご自身の理想と照らし合わせてチェックしてみてください。
3-1 公務員
公務員は景気の影響を受けにくいため、長期的に働くことができるのが人気のポイントです。
大卒程度、など難易度が指定されている場合もありますが、これは学歴で区切っているわけではありません。
高卒でも試験に合格となれば就職可能です。学歴に左右されず勉強さえ頑張れば採用されるところも、公務員の人気を後押ししています。
3-2 建設・建築業
実際の現場には様々な年代の人がいるため、どんな人とでもコミュニケーションを取れる人が向いています。
高卒であっても資格さえ取れば昇進しやすいのも人気の理由です。建築業につくために、工業高校に進学する人も多いでしょう。
不動産会社の住宅販売部門なども建設業のひとつです。
3-3 IT業界(情報通信業)
IT業界は専門的な知識や技術を習得できるのが魅力のひとつです。
『専門的』と聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、少しずつ学んでいける環境が整っている会社も多くあります。研修制度などが整っている会社を選べば、未経験者でもチャレンジできます。
プログラミングやインターネットに関するスキルは汎用性が高いです。
ITの専門知識やスキルがあれば業界を問わず転職もしやすくなるため、手に職をつけたい人にとって情報通信業はやりがいのある仕事といえるでしょう。
普段パソコンをよく使う人や、高校のパソコンを使ったカリキュラムが楽しいと思った人は情報通信業が向いているかもしれません。最新のIT技術に触れるのは刺激的です。
3-4 福祉・介護業
福祉・介護の仕事は常に人手が不足しており、ニーズは年々高まってきています。
採用や人材育成に力を入れている会社が多いため、高卒でもキャリアを築きやすいのがポイントです。
もし、最初から正社員でやっていくのが不安なのであればパートやアルバイトから始めてみてもよいでしょう。介護職はその他の雇用形態からの正社員登用が充実しています。
また、定年になっても働き続けることができる継続雇用制度も確認しておきたいポイントです。
3-5 製造業
製造業は工場などで働き、ものづくりに貢献する仕事です。
販売をするより制作が好きな人や身体を動かすのが好きな人には向いているでしょう。
製造業は基本的には労働時間がはっきりと決まっています。繁忙期になると話は変わってきますが、通常は定められた時間働けば帰宅できます。
またシフト制の工場などもあるので、プライベートを充実させやすいのもポイントです。
「高卒で就職すると希望の仕事につけないのでは…」「高卒はそんなに稼げないのかも知れない…」など、不安を感じる方も多いかと思いますが、高卒だからといって過度に心配する必要はありません。
上記で紹介した通り、高卒でも就職できる業界や職種はたくさんあります。
理想のキャリアを歩めるように、事前にメリット・デメリット、高卒就職の現状、対策をしっかり知り行動していきましょう!