
求人情報や就活サイトで「えるぼし認定」マークを見かけたことはありますか。えるぼし認定は、女性が働きやすい職場環境を整えている企業の証明で、企業選びの重要な参考指標になります。
えるぼし認定とは、女性活躍推進に取り組む企業を厚生労働省が認定する制度です。取り組みの水準に応じて1〜3つ星があり、最高位の「プラチナえるぼし」もあります。
この記事では、えるぼし認定の概要・1〜3つ星の基準・プラチナとの違い・有効期限・活用方法・他認定との比較を、認定機関の視点で解説します。
日本次世代企業普及機構 代表理事
岩元 翔
求人票にえるぼしマークがある企業は、女性が長く活躍できる環境を整えていると国が認めた企業です。累計3,625社以上を審査してきた経験では、女性活躍の取り組みが充実している企業ほど、男性社員の働きやすさも高い傾向があります。星の数だけでなく、具体的な取り組み内容も確認した上で総合判断してください。
📋 この記事でわかること
目次
えるぼし認定は、厚生労働省が運営する、女性の活躍を推進する取り組みを実施している企業を認定する制度です。2016年4月施行の「女性活躍推進法」に基づいて創設されました。
正社員比率・育児休業取得率・管理職における女性比率など、複数の基準を満たした企業が認定を受けられます。認定企業は「えるぼし」マークを採用広告や求人票に使用でき、働きやすい職場環境の目印として機能します。
▶ 「えるぼし」の名前の由来
「L」(Ladies、Labour、Lead等)に「星(★)」の意匠を組み合わせたもの。女性が輝いて働けることを願って名付けられました。
女性活躍推進法は、働く女性が能力を発揮しやすい環境づくりを企業に促す法律です。えるぼし認定はその取り組みを「見える化」する仕組みとして、求職者が企業を選ぶ際の客観的な指標になります。
女性活躍が進んでいる企業は、結果的に多様な人材が働きやすい職場である傾向があります。性別を問わず、柔軟な働き方やキャリア支援を重視する人にとっても、参考になる指標です。
女性活躍推進法は2016年4月に全面施行され、2022年4月の改正で、行動計画の策定・届出義務の対象が常時雇用101人以上の企業に拡大されました。えるぼし認定は、この法律に基づく取り組みを評価する仕組みです。
えるぼし認定は取り組みの水準によって1〜3つ星の3段階に分かれます。星の数が多いほど、女性活躍推進への取り組みが充実していることを示します。
▶ えるぼし認定の3段階
求人票でえるぼしマークを見つけたら、星の数も確認しましょう。星の少ない企業も「これから取り組みを強化している企業」と前向きに捉えることもできます。
▼ えるぼし認定の3段階
| 段階 | 主な要件 |
|---|---|
| ★ 一つ星 | 計画策定と実施 |
| ★★ 二つ星 | 就業状況改善・機会均等化 |
| ★★★ 三つ星 | 女性管理職比率向上など実績 |
| プラチナ | 三つ星超+継続的な発信 |
星の数は「現時点での到達度」を示すものです。一つ星だから劣っているというより、女性活躍に取り組み始めた企業とも捉えられます。星の数の推移を見られれば、企業の本気度がより分かります。
なお、星の数が同じでも、企業によって力を入れている領域は異なります。採用に強い企業もあれば、管理職登用に強い企業もあります。自分が重視するポイントと照らし合わせて見ることが大切です。
三つ星をさらに上回る取り組みを継続的に行っている企業には、2020年6月新設の最高位「プラチナえるぼし認定」が与えられます。
▶ プラチナえるぼしの特徴
プラチナえるぼし認定企業は、女性活躍推進において業界トップクラスです。長期的なキャリアを築きたい女性にとって特に注目したい認定です。
プラチナえるぼしは取得難度が高く、企業数も限られています。それだけに、この認定を持つ企業は女性活躍推進のトップランナーといえ、ロールモデルとなる女性社員が多く在籍している可能性が高いです。
プラチナえるぼしを取得している企業は、女性活躍の取り組みを社外にも積極的に発信しています。その情報は採用ページやプレスリリースで確認でき、企業研究の良い材料になります。
えるぼし認定には有効期限があり、継続には更新手続きが必要です。
▶ 有効期限・更新の仕組み
求人にえるぼしマークがあっても、認定が最新か確認することが大切です。厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」で最新の認定企業一覧を検索できます。
認定の有効期限を確認することは、意外と見落とされがちです。求人票のマークが数年前のものという場合もあるため、気になる企業は厚労省のデータベースで最新状況を確認すると安心です。
データベースでの確認は、スマホからでも数分でできます。気になる企業名で検索すれば、認定の種別や取得状況が分かるため、求人票の情報を裏付ける手段として活用しましょう。
えるぼし認定は、次の4つの方法で企業選びに活用できます。
▶ 活用4つの方法
面接で使える逆質問例
「貴社がえるぼし三つ星を取得されているとのことで、女性管理職の比率はどの程度でしょうか。増やすための取り組みも教えてください」「育児休業の復職率や、男性育休の取得率も併せてお聞きしたいです」
▼ えるぼし認定の活用3ステップ
▼ えるぼし認定の活用3ステップ
① 確認
星の数・取得時期
② 比較
同業他社と比較
③ 深掘り
面接・口コミで実態
星の数だけでなく、具体的な取り組み内容まで確認する
えるぼし認定を企業選びに使うときは、認定の有無だけでなく「なぜその取り組みをしているか」まで理解すると、面接でも説得力のある志望動機を語れます。
逆質問で女性管理職比率や育休復職率を尋ねると、企業の取り組みの本気度が見えてきます。数字をすらすら答えられる企業ほど、実態が伴っている可能性が高いといえます。
えるぼしは女性活躍の1領域の評価です。他の認定と組み合わせると、企業の働きやすさを多面的に確認できます。
▶ 関連する認定制度
複数の認定を持つ企業は、それだけ多面的に働きやすさを追求している証拠です。えるぼし+くるみん+健康経営優良法人を併せ持つ企業などは、特に注目に値します。
えるぼし認定は、求職者だけでなく企業側にも複数のメリットがあります。これを知ると、なぜ企業が認定取得に取り組むのかが分かります。
企業側のメリット
企業がこうしたメリットのために本気で女性活躍に取り組んでいるかどうかは、求職者にとって「企業の本気度の証」として読み取れます。
こうしたメリットがあるからこそ、企業は形だけでなく実質的な取り組みを進めます。求職者は「認定を取るために何をしているか」に注目することで、企業の姿勢を見極められます。
認定の組み合わせで見える企業像
とはいえ、認定はあくまで一面の評価です。最終的には、説明会やOB・OG訪問で実際に働く女性社員の声を聞き、自分の目で職場の雰囲気を確かめることが、納得のいく企業選びにつながります。
えるぼし認定を企業選びに使う際は、次の限界を理解しておきましょう。
✕ 限界・注意点
えるぼしは「女性活躍の取り組み度」を示す一つの指標です。総合的な働きやすさは、他の認定や口コミと組み合わせて判断しましょう。
Q1. えるぼし認定とは?
女性活躍推進の取り組みを国が認定する制度です。
女性活躍推進法に基づき、採用・継続就業・労働時間・管理職比率などを評価し優良企業に認定が与えられます。
Q2. 1〜3つ星はどう違う?
取り組みの水準による段階です。
三つ星は女性管理職比率向上などの実績、二つ星は就業状況改善、一つ星は計画策定と実施です。
Q3. プラチナえるぼしとは?
2020年新設の最高位認定です。
三つ星をさらに上回る取り組みを継続的に行い、業界全体に発信している企業のみ取得できます。
Q4. 有効期限は?
通常5年間です。
期間中の取り組み実績報告と、女性活躍環境を整える計画提出が更新条件です。
Q5. 男性が選ぶメリットは?
あります。
女性活躍を推進する企業は男性も含めた働き方改革に積極的な傾向があり、育休・残業削減など男性も恩恵を受けます。
Q6. くるみんとの違いは?
えるぼしは女性活躍、くるみんは子育て支援です。
両方取得している企業は、女性が長く活躍しやすい職場の可能性が高いです。
Q7. 中小企業も取得できる?
努力義務のため取得が少ない傾向です。
女性活躍推進法は従業員101人以上が義務対象。100人以下は努力義務です。
Q8. 認定企業はどこで検索?
厚労省のデータベースで検索できます。
「女性の活躍推進企業データベース」で業界・地域・認定種別から検索可能です。
Q9. 認定がない企業は遅れている?
そうとは限りません。
中小企業は努力義務のため取得しないケースもあります。認定の有無だけで判断しないことが大切です。
Q10. ホワイト企業認定との違いは?
えるぼしは女性活躍特化、ホワイト企業認定は7領域総合です。
両方取得している企業は、総合的な働きやすさも高い傾向があります。
📌 この記事のまとめ