就職活動をする上で、仕事内容や福利厚生、社風、経営規模など、企業選びには様々な基準があります。
その中でも、新卒社員として働き始める際、特に気になるのが「給与」ではないでしょうか。
働く上での重要なモチベーションの一つであり、多くの人が高い年収を望むのは自然なことです。
そこで今回は、新卒社員の平均年収について詳しく解説します。一般的な平均年収や年収の高い業界、さらに年収を企業選びの基準とする際の注意点についても考えていきましょう。
就活のお困り事は、ありませんか??
人材紹介サービス『ホワイトマッチ』は、豊富なホワイト企業の求人情報を提供しており、キャリアアドバイスや面接の準備など、様々な面で就活・転職活動サポートします。
あなたの悩みや課題に真摯に向き合い、一緒に解決策を見つけます。
▼完全無料でご利用いただけます▼
目次
初任給とは、新卒者や新入社員が企業に入社した際に初めて受け取るお給料のことを指します。
会社の募集要項に掲載されている金額だけでなく、諸手当(残業代や交通費など)も含めた金額です。
初任給は以下のように計算されます。
基本給: 毎月固定の給与部分
各種手当: 通勤手当、残業手当、住宅手当など
基本給 + 手当 = 初任給 となります。
募集要項に「基本給20万円」と記載されている場合、これに諸手当が加算されるため、実際の初任給は基本給より多くなります。手当は個人の状況により異なるため、同じ会社で同じ職種の新入社員でも初任給に差が生じることがあります。
例えば、以下のような場合を考えます。
基本給: 200,000円
通勤手当: 6,770円
(自宅から職場までの1ヶ月の定期代)
残業手当: 9,000円
(残業時間5時間 × 1,800円)
住宅手当: 10,000円
この場合の初任給は、 200,000円 + 6,770円 + 9,000円 + 10,000円 = 225,770円 となります。
手取り給与とは、給与明細に記載されている総支給額(基本給や各種手当の合計)から、税金や社会保険料などの各種控除を差し引いた、実際に受け取る金額のことを指します。
手取り給与は給与明細に「差引支給額」として記載されており、一般的に「手取り」と呼ばれています。
一方、基本給は手当を含まない、毎月固定の給与額を意味します。基本給は固定されており、昇給がない限り変動しません。
<総支給額>
基本給: 労働の対価として支払われる基本的な給与。
各種手当: 住宅手当、通勤手当、残業手当、役職手当など。
<控除項目>
所得税: 収入に応じて課される国税。
住民税::住んでいる自治体に支払う税金。
社会保険料: 健康保険、厚生年金保険、雇用保険などの保険料。
その他: 企業によっては労働組合費や社員旅行積立金などの控除も含まれることがあります。
手取り給与は、以下のように計算されます。
総支給額を求める
基本給 + 各種手当
控除額を求める
所得税 + 住民税 + 社会保険料 + その他の控除
手取り給与を求める
総支給額 – 控除額
例えば、ある月の総支給額が30万円の場合、以下のように手取り給与が計算されます。
【例】
総支給額: 30万円
所得税:1万5千円
住民税:1万円
社会保険料: 3万円
この場合の手取り給与は、30万円 – 1万5千円 – 1万円 – 3万円
= 24万5千円となります。
産労総合研究所(東京・千代田)が発表した「2024年度 決定初任給調査 中間集計」によると、2024年4月に入った新入社員の初任給は大卒・高卒ともに初任給の増加率は一律4%を超えています。
【高校卒 初任給】
18万9,723円 前年度比8,349円(4.71%)増
【大学卒 初任給】
22万6,341円 前年度比8,706円(4.01%)増
また、職種や勤務地域によって初任給額を区分おり格差がある場合は以下の結果となった。
【高校卒 初任給】
最高:19万6,969円(9,885円、5.29%増)
最低:18万5,223円(1万1,942円、6.79%増)。
【大学卒 初任給】
最高:23万6,509円(8,615円、3.74%増)
最低:21万2,639円(8,906円、4.37%増)
<関連記事>2024年度 決定初任給調査 中間集計
この水準が7月の最終集計まで維持されれば、1991年度以来33年ぶりの4%超えとなります。
2024年4月入社者の初任給を「引き上げた」企業は、中間集計で70.2%に上りました。
これは、前回の2023年度調査の中間集計(60.4%)から9.8ポイント、最終集計(68.1%)から2.1ポイント増加したことを示しています。
企業規模別に見ると、初任給を引き上げた割合は次の通りです。
従業員1,000人以上 :84.2%
従業員300〜999人 :79.5%
従業員299人以下 :62.7%
「据え置いた」企業は17.0%で、「引き下げた」企業はありませんでした。
近年、多くの企業が初任給を引き上げています。この背景には、主に「人手不足」と「人材確保」のニーズが大きく影響しています。
●人手不足
少子高齢化が進む日本では、労働力人口が減少しています。特に若年層の労働力不足は深刻であり、企業は必要な人材を確保するために競争を強いられています。このような状況下で、各企業は人材確保のため初任給を引き上げを実施しています。
●人材確保
企業が成長し続けるためには、優秀な人材の確保が欠かせません。初任給の引き上げは、特に新卒採用において効果的な手段の一つです。
初任給の高い業界は多岐にわたりますが、一般的には以下のような業界が高給とされています。ただし、具体的な金額は地域や企業によって異なるため、一般的な傾向として捉えてください。
①金融業界
金融業界では、銀行や証券会社などでの初任給が高水準です。部門によっては、高度な専門知識とスキルが求められるため、競争力のある初任給が支給されることが多いです。
②コンサルティング業界
大手コンサルティングファームでは、戦略コンサルタントや経営コンサルタントの初任給が高水準です。問題解決能力やビジネス洞察力が求められる職種であり、その能力に応じた高額な報酬が期待できます。
③IT業界
IT業界では、ソフトウェアエンジニアやデータサイエンティストなどの技術者に対する初任給が高水準です。特に新興テクノロジーの開発や導入において、高い専門知識が評価されるため、競争力のある報酬が設定されています。
④エネルギー業界
エネルギー業界では、石油・ガス業界や再生可能エネルギーの分野で、技術系やエンジニアリング関連の職種が高給であることがあります。エネルギー供給の安定性や技術革新の重要性から、高度な専門性を持つ人材に対して高額の初任給が支給されることがあります。
⑤医療業界
医療業界では、医師や歯科医師などの医療従事者の初任給は高額ですが、その反面、専門職であるために教育と研修が長期間にわたることが特徴です。医療技術の向上や患者サポートの質の向上に寄与することで、報酬が見合った形で支給される場合が多いです。
年収を企業選びの基準とする際には、以下の注意点を考慮することが重要です。
①総支給額と手取り額の違い
年収が高く見えても、税金や社会保険料などの控除後の手取り額が少ない場合があります。総支給額だけでなく、手取り額も確認しましょう。
②給与以外の福利厚生
企業によっては、給与以外に魅力的な福利厚生を提供している場合があります。例えば、住宅手当、交通費支給、健康保険、退職金制度、社員割引などの福利厚生が充実している企業もあります。
③ボーナスやインセンティブの安定性
年収には、基本給に加えてボーナスやインセンティブが含まれることがあります。これらの金額が安定して支給されるのか、一時的なものなのかを確認することが重要です。
④昇給・昇進の機会
初任給が高くても、昇給や昇進の機会が少ない企業では、長期的に見て収入が伸び悩む可能性があります。キャリアパスや昇給の仕組みもチェックしましょう。
⑤労働環境とワークライフバランス
高い年収を得るために、過度な残業や厳しい労働環境が求められることもあります。ワークライフバランスが取れているかどうかも重要な要素です。
⑥業界の将来性と企業の安定性
高年収を提供している企業でも、業界全体の将来性や企業自体の安定性に疑問がある場合はリスクが伴います。業界のトレンドや企業の財務状況を調べることが大切です。
⑦勤務地と生活費
同じ年収でも、勤務地によって生活費が大きく異なることがあります。特に都市部では生活費が高くなるため、年収だけでなく実際の生活コストも考慮する必要があります。
⑧自己成長とスキルアップの機会
高い年収を得るためだけでなく、自分自身の成長やスキルアップの機会があるかどうかも重要です。長期的なキャリアを考える上で、自己成長の機会が豊富な企業を選ぶことが有益です。
年収を企業選びの基準とする際には、総支給額と手取り額の違いや、給与以外の福利厚生、ボーナスやインセンティブの安定性を確認することが重要です。
また、昇給・昇進の機会、労働環境とワークライフバランス、業界の将来性と企業の安定性も考慮すべきポイントです。
さらに、勤務地と生活費、自己成長とスキルアップの機会も見逃せません。年収は重要な要素ですが、総合的な視点で企業選びを行うことが、長期的な満足度の高いキャリアにつながります。